美森にとって、結城姉弟は掛け替えのない存在だ。
記憶喪失。
新しい環境。
慣れない車椅子の生活。
あの頃の美森は不安で苛まれていた。
そんな時期に出会った、隣に住む仲良しの双子。
最初のうちは、二人の間に自分が割り込んでしまうことに後ろめたい思いがあった。
それほどに双子の絆は強固であり、付け入る隙など微塵もないように感じた。
そんな美森の懸念も、双子はとびっきりの笑顔で吹き飛ばしてくれた。
『そんなこと気にしない! 私たちは東郷さんと一緒にいたいだけだもん!』
『そうだぜ。だいたいそんな風に気を遣われたら、俺たち
『東郷さんが引っ越してきてから、私たち毎日楽しいよ! ねー? ユウちゃん!』
『おう! 力仕事なら俺に任せてくれよな。車椅子でも東郷さんでも、いつでも持ち上げてやるから』
足の不自由な自分といたら、迷惑ばかりかけるというのに。
それでも二人はイヤな顔ひとつせず、美森のためにできることをしてくれた。
『じゃあ東郷さん、車椅子二階に運んでおくね?』
『ありがとう友奈ちゃん。あの、悠人くん……私、重くないかしら?』
『ふははは、バカにしちゃいけないぜ東郷さん。見よ、この鍛え抜かれた筋肉を。これさえあれば自販機だろうと軽々と持ち上げてやれるぜ!』
『むぅ……それって私が自販機並に重いってこと?』
『え? いやいや! そ、そんなつもりで言ったんじゃ……』
『ふんだ。どうせ私は脂肪だらけの重い女ですよーだ』
『い、いやー。東郷さんの場合は付くべき場所にこれでもかと脂肪が付いてるだけで、めっちゃ痩せてるし、男にとってはそこがいいというか……』
『……悠人くんのエッチ』
『ぬおおお!? どうすりゃいいってんだぁ!』
『ぷっ……くすくす♪ ごめんなさい悠人くん、からかっちゃった♪』
『ほ?』
『あはは♪ 東郷さんが冗談言うなんて珍しい~。すっかり打ち解けたね~』
『ふふ♪ 二人のおかげかな?』
『心臓に悪いぜ東郷さん……。あ、あと、東郷さんはめっちゃ軽いからな? だから、いつでもおぶってやるから、遠慮すんなよ?』
『うん、ありがとう悠人くん』
二人といると、時間も忘れるほどに楽しかった。
明るくて、一緒にいると自然と笑顔になれる友奈。
頼もしくて、からかうと可愛い反応を見せる悠人。
そんな双子が美森は大好きだった。
いつしか、二人の幸せを心から願うようになっていた。
……だからこそ、美森は決めたのだ。
もしも、あの双子の幸せが脅かされるというのなら、手段は選ばない。
どんな手を使ってでも障害を排除してみせる。
たとえ、それで二人に嫌われることになったとしても。
そう。
これは二人のためだ。
親友である自分が正さなければならないのだ。
禁忌の道に進もうとしている二人を。
だから……
「あっ、はぁ……友奈、ちゃん……悠人、くん……ダメよ、姉弟でそんなこと……あぁん……」
決して、断じて、自分の欲を優先しているわけではない。
「私が……二人を守らない、と……んんぅ!」
双子を正しき道に導くため。
美森は静かに決行を開始する。
* * *
悠人の日常は、順調に淫らな方向に爛れていた。
「ちゅう、じゅう……んふふ♪ ユウちゃんのおちんちん、今日もおっきぃ♪」
「ゆ、ゆう姉……朝っぱらからはマズいって。そろそろ東郷さんが迎えに来ちゃうって……おふっ!?」
「んぅ……じゅっじゅっじゅっ! じゃあ、すぐに出させてあげるね? あむぅ……じゅうううううううううう! れろれろれろ! じゅるるるるる!」
「あっ! それヤバッ! 出るぅ!」
「んんんんんう♡ んぐ……じゅる……ゴクン……ゴクン……ゴクン……」
寝起きの朝。
友奈のフェラチオで朝を迎えるのも、恒例になってきた。
射精された粘液を、友奈は嬉しそうに飲み干す。
「んぐ……んぐ……ぷはぁっ! はぁ、はぁ、はぁ……えへへ♪ 飲んじゃったぁ、ユウちゃんの朝一番のおちんちんミルク」
「はぁ、はぁ……ゆう姉、エロすぎ……」
ペロリと唇を舐めて、うっとりとした顔で精液の味を堪能する友奈。
そんな淫蕩な様子の実姉を前に、射精したばかりの男根は、ヒクヒクと脈打つ。
「あはっ。まだ中に残ってる……あむぅ……じゅぅ、ちろちろ……じゅぼぼぼ!」
「うあ、す、吸い出される……あっ」
尿道に残った精液すら、友奈は口を巧みに使って吸い出していく。
「じゅぼ、じゅぼ……じゅるるるう! んぅぅ……ユウちゃんの精液ぃ……おいしいよぉ? んぅ、この味と匂い……大好き♡ んぅ、ちゅううううううう♡」
夢中でお掃除フェラをする友奈。
その吸い付きは激しく、さらなる精液を望むように口腔で男根を扱く。
「ああ、そんなにされたら、また……」
「じゅぼ、じゅぼ……いいよぉ? もう一回出してぇ? ちゅっ、ちゅうぅう……お姉ちゃんに、もう一回、エッチなミルク飲ませてぇ? あむぅ……じゅるるるる!」
「うっ! 舌の動き、すっご……出るっ!」
「んんぅううぅう♡ じゅるるるる♡ ごきゅんごきゅん♡」
激しい吸い付き。
亀頭を這い回る舌の動き。
的確に快感を引き出す口淫に、またもや大量の精液が実姉の口内にぶちまけられる。
「んぐ……ゴクン♡ ゴクン♡」
特濃で喉に絡みつく粘液を、しかし友奈は嬉しそうに飲んでいく。
「ぷはぁっ! んぅ……ちろちろ……えへへ、まだ固ぁい。ユウちゃんのおちんちん♡」
立て続けに射精してもなお、隆起する男根の先っぽを友奈は愛おしげに舐める。
「ゆ、ゆう姉。そろそろ本当に……」
これ以上したら、さすがに遅刻をしてしまう。
近頃の友奈は、症状が治まっても過剰に悠人を求めるようになっている。
どこかでストップをかけないと、一日中性交をしかねない勢いだった。
悠人の申し出に残念そうな顔を浮かべる友奈だったが、二度の精飲でひとまず満足はしたのか、渋々と頷く。
「ちろちろ……うん、しょうがないよね。でも……帰ったら、続きいっぱいしようね♡」
そう言って最後に友奈は「ちゅっ♡」と亀頭にキスをした。
……この姉、スケベすぎる。
そう思わざるをえない悠人だった。
ひなたとの関係も日々、過激さを増していた。
連絡先を交換して以降、ひなたはよくメッセージを送ってくる。
「お? ひなたさんからだ。なんだろ」
スマートフォンを開くと、写真付きのメッセージだった。
「こ、これはっ!?」
悠人は目を見開く。
『今日はパンケーキを作ってみました。よろしければ今度、寄宿舎にいらしてください。たっぷりご馳走しますね♪』
写真映えする見事なパンケーキと一緒に映るひなた。
おいしそうなパンケーキだった。
だが悠人が注目したのは、そこではなかった。
「……かわええええ!! ひなたさんかわえええ!! 写真映り良すぎぃ!! というか私服姿エッッッロ!! 清楚な服装なのにひなたさんが着るとエッッッッロ!!」
見事なパンケーキはひとつではなかった。
上品なカーディガンに包まれた大きな大きなパンケーキがふたつも、写真の中で存在を主張していた。
こんなもの……こんなものを見せられたら……。
「我慢できるわけがねえ! ありがたくいただきますっ、ひなたさん!」
「ああぁン♡ パンケーキってそっちのことですか~? やぁあぁン♡ 私、悠人さんにエッチに食べられちゃいますぅ♡」
ひなたの部屋で、母乳たっぷりのパンケーキを思う存分に頬張る。
大赦が手配した寄宿舎は基本男性の立ち入りが禁止だが、ひなたの特権で悠人だけは出入りが許可されていた。
なので、ここ最近はひなたの部屋に上がり込んでは、性的な交友関係を深めている。
「出すぞ! ひなたさんの
「はい! ください! 悠人さんのエッチなミルク! 私の
ひなたの甘い母乳を吸いながら、子宮に向けて精液をぶちまける。
何度味わっても飽きない、病み付きになる瞬間だった。
「うふふ♡ 悠人さん、おかわりいかがですか?」
「いただきます!」
「あぁん♡ がっつきすぎですよぉ♡ うふふ、もう、本当にエッチなんですから……たっぷり味わってくださいね?」
「あむあむ! じゅるるる!」
「あうぅぅん♡ 今日もたくさん、おっぱいミルク搾り取られちゃいますぅ♡」
ひなたを前にすると、理性など簡単に吹っ飛ぶ。
欲望のままに、本能のままに、ひなたの母乳ミルクにまみれたパンケーキを心ゆくまで食した。
実姉の友奈とは毎日セックスを。
ロリ巨乳のひなたとは淫らな交友関係を。
まさに酒池肉林の日々。
こんな爛れた毎日を過ごすことになるとは、夢にも思わなかった。
以前の生活と様相を異にする現状に戸惑う他ない。
「いいのかな~、このままで……」
ふとした拍子に我に返ると、そんなことを考える。
ここが現実とは異なる世界なのはわかっている。
それでも、自分がこの世界で実姉と禁忌を犯し、出会ったばかりの少女とふしだらな関係を築いているのは揺るぎない事実である。
最初は発情したカラダを鎮めるという理由からだったが、最近はそんなのは関係無しに淫行にのめり込んでしまっている。
女性として魅力的すぎる二人を相手にして、理性を保っているほうがおかしい。
と言えばそれまでだが、やはり僅かに残った良心の呵責が後ろめたい感情を呼び起こす。
このままで、いいのか?
少年の心の隅に今なお残るひとつの思いが、余計にそんな感情を生じさせる。
「……」
部室にはちょうど、悠人ひとりきりだった。
何気なく、スマートフォンの写真データを開く。
勇者部の集合写真。
その写真から一部分を切り取った画像を表示する。
いつしか封じ込めてしまった思い。
心地よい関係を壊すことを恐れ、気づかないフリをしていた。
だが、いまだにこの写真を残している時点で、断ち切れていないことがハッキリしている。
「未練がましいよな……」
今度こそ断ち切るべきかもしれない。
いまの自分は、とてもではないが、誠意を示せる立場ではない。
示したところで、薄っぺらいことこの上ない。
やはり、この感情は墓に持っていこう。
悠人は自分に言い聞かせた。
そうしないと、この先、まっすぐ彼女の顔を見れる気がしない。
つい空想してしまうのだ。
空想してしまう自分が許せないのだ。
友奈と関係を結んだ。
ひなたとも関係を結んだ。
ならば、ひょっとしたら
「……悠人くん?」
「こはっ!?」
不意打ち気味に声をかけられ、悠人は思わず跳ね上がった。
「どうしたの? 怖い顔して」
「と、東郷さん。戻ってたんだ。お帰り……」
依頼をこなして部室に戻ってきた美森が、思考に耽っていた悠人を心配げに見ていた。
「すごい深刻そうにしてたけど、何か悩み事? 私でよければ相談にのるわよ?」
「い、いや、大したことじゃないさ」
「そう? でも、本当に困ってたら遠慮無く言ってね? 私たち、親友同士なんだから」
「親友……そう、だな。うん、親友だもんな……」
屈託のない笑顔を浮かべて『親友』と言う美森に、心に一瞬痛みが生じる。
その痛みを努めて意識しないようにしながら、悠人は陽気に振る舞う。
「えっと、東郷さん、依頼で疲れたろ? お茶淹れるから休んでてよ」
「ありがとう悠人くん。お言葉に甘えるわ」
何かしていないと落ち着かなかったので、悠人は不慣れながらお茶を淹れた。
「そうだ、悠人くん」
「ん? なに?」
「今度のお休み、一緒にお出かけしない?」
「え? あ、ああ、いつもみたくゆう姉と一緒にか。うん、もちろんいいけど」
「違うわ。悠人くんと二人きりで、よ」
「……へ?」
思わず、美森のほうを見やる。
美森はニコリと端麗な顔に似合う穏やかな笑顔を向けていた。
「悠人くんと、二人きりで出かけたいの」
注いだお茶は湯飲みから溢れた。