※この作品はR-18です。

結城友奈は姉である~勇者部のエロスな日常~   作:青ヤギ

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③美森の策謀

 どうしてこうなった?

 もはや悠人は混乱するほかなかった。

 

 なぜ?

 なぜこんなことに?

 

 今日は最高の一日になるはずだった。

 実際、途中まで最高だったのだ。

 

 美森との初めてのデート。

 見目麗しくお洒落をした彼女は当然街中でも注目を集め、道行く男性どころか女性まで一度立ち止まって見惚れるほどだった。

 そんな美しい少女と一緒に歩けるという優越感。

 そして、長年抑え込んできた感情が至福に満たされる瞬間。

 

 最高に幸せな時間だった。

 完全に夢見心地だった。

 

『悠人くん、この服、似合うかしら?』

 

『あら、これおいしい。悠人くんも食べてみる? はい、あーん』

 

『悠人くん、この本おもしろいのよ? ……もう、ダメよ。食わず嫌いしちゃ。なるべく読書するって、そのっちと約束したんでしょ? うふふ、なら枕元で読み聞かせてあげましょうか? ……なーんて♪』

 

『きゃっ。ごめんなさい、足踏み外しちゃって……悠人くんの腕、やっぱり逞しいね。会ったばかり頃のこと思い出しちゃった。よく抱き上げてもらったわよね? いまは車椅子じゃないから、すっかりそういう機会は無くなっちゃったけど……もう少し、このままでもいい?』

 

『見て悠人くん、夕焼けが綺麗よ。……今日は楽しかったわね? 一日が終わってしまうのが、なんだか名残惜しいわ……』

 

 やべえ、幸せすぎて死ぬ。

 悠人は率直にそう思った。

 

 なんだなんだ~?

 自分は異世界ではなく天国に来てしまったのか~?

 ここは長年の理想が叶う夢の世界だったのか~?

 だとすれば神樹様マジグッジョブ、一生信仰し続けます~。

 

 という具合に悠人は完全に浮かれていた。

 

 この世のすべてに感謝したい心地だった。

 なんなら道行く見知らぬ人々にすら感謝したくなった。

 実際に頭を下げだしたので滅茶苦茶不審がられた。

 それでも悠人は幸せだった。

 今日書く日記帳は数ページに及ぶに違いなかった。

 

 しかし、予期せぬ幸福はまだ続いた。

 

 日も暮れた帰り道。

 美森を家の玄関まで送り届け、『今日はお開き』としようとしたところ……。

 

『……ねえ、悠人くん。今日は、もうちょっと一緒にいたいな……』

 

 頬を紅潮させた美森が、艶っぽい流し目を向けてそう言った。

 

『……よかったら家に上がって行かない? ……今日、親いないの』

『喜んで』

 

 秒速の返答だった。

 すでに冷静な判断力は消え失せていた。

 

『お待たせ。冷たいお茶しかなかったのだけど良かったかしら?』

 

『もちろん。何杯でも。ぐびー』

 

『あら、いい飲みっぷり。うふふ♪』

 

 素晴らしいデートで浮かれに浮かれた悠人。

 だからこそ、予想できるはずもなかった。

 そもそも、どうして考えられようか。

 

『……あれ? 何かすごい眠気が……』

 

『……ふっ』

 

 まさか一服盛られるなど。

 

 

 

 いつもの穏やかな笑顔に影を浮かべて、美森は口元をつり上げた。

 

『お楽しみはここからよ、悠人くん……』

 

 ねっとりと絡みつくような声色でそう言う美森の言葉を最後に、悠人の意識は闇に落ちた。

 

 

 

 

 

 目が覚めると、悠人は美森の自室のベッドに横たわっていた。

 両腕と両足は縄で縛り付けられていた。

 服は脱がされ、下着一丁の状態だった。

 

「どうしてこうなった?」

 

 改めて悠人はそう思った。

 

 なにゆえに理想的なデートをした後に、睡眠薬を盛られなければならないのか。

 なにゆえベッドの上で拘束されなければならないのか。

 わけがわからなかった。

 

「ハァ、ハァ……ゆ、悠人くぅん……」

 

 そして美森が息を荒くして、自分を見下ろしていることにも理解が追いつかない。

 

 はて、先ほどまでの清楚な美少女はどこへ行ったのか?

 ベッドの上で四つん這いになって発情した顔を浮かべる目の前の美森は、まさに飢えた獣のごとく。

 大和撫子とは程遠い、性欲に支配されたメスの姿がそこにはあった。

 

「フー、フー……はっ!? こほん……悠人くん、ようやく起きたのね?」

 

 悠人が目覚めたことに気づくと、美森は慌てて獣染みた表情を引っ込め、まるで「最初からこうでしたよ?」と言わんばかりに顔を引き締める。

 

「と、東郷さん? これはいったい何の真似だ? いくらなんでも悪ふざけが過ぎるぞ」

 

「悪ふざけでこんなことをすると思うの?」

 

 ズイっと鬼気迫った顔が迫り、悠人は思わず「ひえっ」と声を上げた。

 普段はお淑やかで菩薩のような優しさを見せる美森だが、ときおりこうして奇妙なスイッチが入ると、人格が入れ替わったのかと思うほどに豹変するのだ。

 いまの美森は紛れもなくその状態であった。

 

「あなたがいけないのよ、悠人くん……」

 

「お、俺がいったい何をしたって言うんだ?」

 

「この期に及んでしらばっくれるの?

 ……友奈ちゃんとひなたさんとの関係を知らないとでも思っているの?」

 

「っ!?」

 

 心臓を鷲掴まれるような感覚、とはこういうときに使うのだろう。

 

 まさか、美森もひなたと同様に()()()で気づいていたというのか。

 

 ……いや、友奈の大親友である美森ならば、微細な変化も見逃さず気づけてもおかしくはない。

 むしろ隣の家に住んでいる彼女に、いままでバレなかったことこそが不自然だったのだ。

 

 だが、まさか、ひなたとの関係まで把握されているとは。

 瞬く間に、悠人は磔にされた罪人のような気持ちになった。

 

「わかっているの悠人くん? 友奈ちゃんは血の繋がったお姉さんなのよ? しかも会って間もないひなたさんとまで関係を持つなんて……。

 悠人くんは、いつからそんなふしだらな男児になってしまったの?」

 

 責め立てるような、悲しむような、美森の目線。

 悠人は「当然の反応だな……」と甘んじて、非難を受け入れる。

 

「……後ろめたいことをしているのは百も承知だ。治療のためとはいえ、二人を抱いたのは俺の意思だしな。言い訳はしないぜ」

 

 発情を鎮めるためには、他に方法がなかった。

 というのは、あまりにも情けない自己正当化だ。

 

 悠人は自ら進んで、友奈とひなたを抱いたのだ。

 本気で友奈やひなたのことを思うのなら、そもそも本番行為までするべきではなかったのだから。

 それができなかったのは、込み上がる己の本能を受け入れたからに他ならない。

 

 仮にこの先、友奈たちの異常な発情が起こらなくなり症状が治まったとしても……悠人は恐らく二人の少女との関係を続けてしまうだろう。

 

 あの快感を知ってしまった以上、お互いもう元の関係には戻れそうにない。

 

 爛れている。

 美森が罵倒するのも無理はない。

 それでも……と悠人は意思を込めて美森を見据える。

 

「だから責任はきっちり取る。手を出してしまった以上、元の世界に戻るまで二人の面倒は最後まで俺が見る」

 

 一度はこの関係性に悩みはしたが、いざ美森に正論を突きつけられたことで皮肉にも覚悟が決まった。

 

 少女たちが望む限りは求めに応じる。

 後ろ指を差されることだとしても、もう止めるつもりはない。

 自分自身が、何よりも少女たちとの関係を強く望んでいるのだから。

 

「ただ……あの二人はあくまで症状に悩まされているだけだ。責めるなら実行に移した俺だけにしてくれ」

 

「なるほど、悠人くんの覚悟はよく伝わったわ。……まあ実際、私も同じ症状に悩まされているから友奈ちゃんとひなたさんの件も、仕方ないことだったと思うわ……」

 

 理屈の上では、美森もそう納得しているようだった。

 だが……やはり感情の問題は別だ。

 

 キッ、と美森は再び厳しい目線を寄こす。

 

「それでも悠人くん。やっぱり私は親友として、間違った道に進むあなたを放っておけないわ。

 友奈ちゃんとのことだって、本当にこのままでいいと思っているの?」

 

「……っ」

 

 美森の心配は最もだった。

 実の姉弟が肉体関係を結んでいるのだ。

 もしも逆の立場だったら、自分も同じことを言っただろう。

 それだけに胸が痛む。

 今回の件で、親友である彼女にどれほどのショックを与えてしまったことか。

 

 いくらここが現実とは異なる世界だとしても。

 元の世界に戻ったときに一切カラダに影響がなかったとしても。

 自分たちが禁忌を犯してしまったのは覆せない事実だ。

 

「ねえ? 私、あなたたち双子のことが大好きよ? 足が不自由で不安しか感じなかった私を、あなたたちはいつも励ましてくれた。いつも一緒に遊んでくれた。あなたたちと過ごす毎日が楽しくてしょうがなかったわ。

 ……だから、守りたいの。あなたたち姉弟の幸せを。このまま禁断の道に進むあなたたちを、親友として放っておけない」」

 

「……だったら、どうするっていうんだ? こんな風に、俺を縛ったりして……」

 

「調教するわ」

 

「調教!?」

 

 とつぜん強烈な言語が飛び出してきて悠人は驚愕した。

 

「ひなたさんとの関係に限っては……癪ではあるけど黙認するわ。

 でも、友奈ちゃんだけはダメ。き、近親相姦なんて許されないことだもの。

 ……だから、私が引き受けるわ。友奈ちゃんの代わりを」

 

「か、代わりって……ちょっ!?」

 

「ん……」

 

 顔を赤らめたかと思うと、美森は服を脱ぎ始めた。

 

「……ごくりっ」

 

 思わず、美森のカラダに目が釘付けになった。

 

 濡れ羽色の黒髪が映える、生白い素肌。

 女性として暴力的に発育した肢体。

 薄い青色のブラジャーに包まれた、巨大な乳房。

 蜂のようにくびれたウエスト。

 丸く豊満なヒップ。

 艶めかしい曲線をえがいた生足。

 

 夢にまで見た美森の半裸姿。

 ヘタをしたら数回、頭の中で何度も想像した艶姿。

 勇者部の少女たちの中で、最も使()()()()()が多かった少女の下着姿。

 

 なにもかもが想像以上だった。

 

 深い谷間を作る乳房も。

 薄闇の中で淡く生光る美肌も。

 鼻孔を突く甘く芳しい体臭も。

 

「ん……」

 

 恍惚とした表情で、美森は悠人の上に跨がる。

 わずかに動いただけで、大きすぎる乳房が窮屈そうにブラジャーの中でたゆんと波打つ。

 

「悠人くんも、お年頃だものね。そういう衝動に抗えないのは理解しているつもりよ。だから……」

 

 妖しい手つきで、美森はそっと胸板に手を添える。

 

「教え込んであげるわ。もう私じゃないと満足できないカラダになるように」

 

「なっ、ななっ……」

 

 突拍子もない宣言に、悠人は開いた口が塞がらなかった。

 

「友奈ちゃんのことも私に任せて。友奈ちゃんが症状に悩まされたときは私が悠人くんの代わりを引き受けるわ」

 

「そ、それって……」

 

 つまり美森は、友奈と悠人の双子をまとめて手籠めにすると告げているのだった。

 

「まずはあなたからよ悠人くん。私無しじゃ生きていけなくなるように、私の虜にしてみせるわ……」

 

 美森は本気だ。

 1、2年の付き合いでしかないが、良くわかる。

 一度決めたら、彼女は迷わず有言実行する。

 

(ということは、俺がここで東郷さんに屈してしまったら……ゆう姉があーんなことやこーんなことに!?)

 

 

 

 ──あっ……ダメ、だよ東郷さん……私たち、女の子同士なのに……。

 

 ──とっても綺麗よ、友奈ちゃん……もっと私に溺れて……。

 

 ──あぁぁっ!

 

 

 

 想像の世界で、百合の花が舞い散る。

 自分たち双子の禁忌とはまた異なる禁断の光景。

 なんと背徳的な。

 そんなの……そんなの……

 

「それはそれで気になるかも……げふんげふん!」

 

「な、何を想像しているのかしら悠人くん。いまは私に集中するのよ」

 

「くっ! 俺は決して東郷さんに屈したりはしないぞ!」

 

「敵国に囚われた兵士はみんな最初はそう言うのよ。その強気がどこまで続くか楽しみだわ」

 

 不敵な笑みを浮かべて美森は悠人の下着に手をかける。

 

「ふ、ふふ。もうこんなに大きくなっているわよ悠人くん? 最初からこんな調子でこの戦いに勝てるのかしら?」

 

 そう、これは戦いだ。

 尊厳と自由を賭けた大勝負なのである。

 

 負けるわけにはいかない。

 友奈を守るためにも。

 そして自分の未来を守るためにも。

 

 決して屈したりはしない。

 たとえ相手が……

 

 初めての感情をいだいた特別な少女だとしても!

 

「覚悟なさい悠人くん。すぐに私の手であなたを……って、えええええ!? こ、こんなに大きいのぉぉぉぉ!? ほ、本当にコレが入るの? 友奈ちゃんとひなたさん、コレを受け入れたというの?

 あ、あわわわわわっ! そ、想像以上よこんなのおおおお!?」

 

「……」

 

 あれ? 意外と余裕で何とかなるのでは?

 美森の初心な反応を見て、早くも勝利を確信できそうな悠人だった。

 

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