いったい何度ひなたの膣内に出したのか。
数えることも忘れるほどの飽くなき性交。
出しても出しても勃起を催促させるひなたの淫らなボディや、媚薬効果を持つ母乳が、終わりの見えないセックスへと導く。
まさに永久機関。
……だが、さすがに体力の限界が来る。
これ以上やったら、さすがに死ぬ。と生存本能が性欲を勝り、ようやく腰の動きが止まった。
「はぁ……はぁ……」
終わる頃には、もうお互いのカラダはドロドロだった。
全裸のまま、ベッドの上で息を整える。
「んぅ……悠人さん」
ひなたはどこかウットリとした顔で、悠人の鍛えられた胸板に寄りかかる。
「想像、以上でした……。男の人に求められることが、こんなに凄いだなんて……」
いまだに夢見心地の様子で、ひなたは熱い吐息をこぼしながら、男らしさを主張する胸板に頬をすり寄せる。
「あぁ……悠人さん。男らしくて、とっても素敵です……」
開花したてのメスの感性が、本能的にオスとしての力強さを誇る肉体に屈服し、惹かれているようだった。
実際、幼少時から鍛え抜かれた悠人のカラダは、まさに筋肉の鎧と言えるもので、ひなたとはまた異なる方向性で、異性を魅了するカラダつきだった。
細身ながら厚く盛り上がった胸板。引き締まりいくつにも割れた腹筋。まるで一種の武器のように研ぎ澄まされた両腕と両足。
その肉体美は、体育の時間で着替えるたび、周りの男子たちが思わず羨望の眼差しを向けるほどだ。
そんな男ならではの肉体的な魅力は、性を知った少女をも虜にする。
「知りませんでした。女として男の人に抱かれると、こんなにも幸せな気持ちになるんですね……」
そう言ってひなたは、熱い眼差しを悠人に向ける。
「ありがとうございます。とっても素敵な初体験でした……」
「そんな。お礼を言われるようなことは……」
けっきょく抑えも効かず、欲望のままに犯してしまったのだ。
少女にとっては、あまりロマンチックな初体験とはいかなかったのではないか。
しかし、ひなたは笑顔で首を横に振る。
「気になさらないでください。おかげで《症状》は治まりました。あれくらい激しくしていただかなければ、治まったかどうか……」
激しい情事を思い出してか、白い頬に朱色が差す。
「……それにしても。悠人さん、随分と手慣れていましたね?」
「え?」
「女性の扱いを心得ていらっしゃるというか……喜ばせ方をわかっているというか」
ひなたの鋭い指摘に悠人はギクリと身を強張らせる。
「もしかして勇者部の誰かとすでに、そういうご関係に?」
「それは、その……」
「……お姉さんですか?」
「っ!?」
まさかの名前が出てきたことで、悠人は愕然とした。
「図星ですね?」
「……わかっちゃうものなのか、そういうの?」
「そうですね……なんとなく、ですが。こういうのを『女の勘』というのでしょうか?」
女の勘。
ならば他の少女たちも、双子の禁断の関係に実は気づいていたりしているのだろうか。
「結城さん、出会った頃よりもさらに綺麗になったように感じますし、たまに女の私でもドキッとするような女性らしい所作を見せますし。……なにより、悠人さんに向ける目が明らかに弟さんに向けるものとは違うというか……」
「……軽蔑したか?」
「驚きは、しますね。少女漫画ではそういうのは珍しくないですが、実際に立ち会うと……。
……でも、お二人なら、そうなっても不思議ではないかな、とも思っちゃいます」
「え?」
「最初にお会いしたときも、お二人のこと恋人同士だと思ったほどですしね。双子というには、あまりにもお顔が似ていないから余計にそう見えたのかもしれませんが……。
あっ、ごめんなさい。お気を悪くされましたか?」
「いや。昔からよく言われてるから……」
友奈と悠人は顔が似ていない。
というよりも、友奈が家族の誰にも似ていない。
昔はそのことでいろいろ言われ、悠人自身も一度、顔絡みで友奈に言ってはいけないことを言ってしまった過去がある。
だが、友奈は間違いなく血の繋がった姉であり、いまとなっては悠人にとって掛け替えのない存在だ。
……そんな存在と、毎晩治療と称して禁断の肉体関係を結んでいることに、後ろめたさを感じないわけではない。
友奈との関係が知られれば、破綻は免れないと覚悟していただけに、悠人はひなたの落ち着きぶりに困惑する。
「安心してください悠人さん。私、誰にも話しません。事情が事情ですし、『そういうこともある』ということで、胸の内に秘めておきます」
そう言ってもらえるのは正直ありがたかったが……この理解ある度量の広さは本当に中学生なのか。
改めて、ひなたの人徳の深さに驚くばかりだった。
「むしろ、申し訳ない気持ちです。……たぶん今後も、悠人さんのことを求めてしまうと思いますから」
「え?」
艶っぽい顔で、ひなたは悠人の胸板をそっと撫でる。
「悠人さんのせいですよ? こんなに凄いのを経験してしまったら、もう自分の手じゃ満足できません」
蠱惑的な肢体を押しつけて、「くすっ」と妖しい微笑みを浮かべるひなた。
ゾクリと、悠人の男心が揺さぶられる。
「もしもまた、カラダがおかしくなってしまったときは……今日みたいにしてくださいますか?」
「そ、それは……」
「大丈夫ですよ。『責任を取れ』だなんて重いことは言いませんから。
これは、あくまで治療行為です。そう割り切ったほうが、お互い気楽じゃないですか」
それは友奈とする際にも、自分に言い聞かせていることだ。
しかし、この期に及んでさらに性交する相手を増やすというのは、倫理的にどうなのだろうか?
そう思っていた悠人だったが……。
「ああ、でも、その……治療以外のときでも、構いませんよ?」
「え?」
恥じらいを顔に浮かべつつも、淫靡な色を宿してひなたは言う。
「私、自分が思っていた以上に、はしたない女だったみたいです。もう症状が治まってるのに、いまこの瞬間も悠人さんを求めてしまいそうになっているというか……悠人さんの感じている顔を見ていると、もっと喜ばせてあげたいって気持ちが強くなって……ああ、もう、ぜんぶ悠人さんのせいなんですから。んっ……」
顔を真っ赤にしたひなたが、口づけをしてきた。
発情もしていない状態で交わされる口づけ。
それはもはや、純粋な求愛行動だった。
「んぐ……ひ、ひなたさん?」
「お付き合いしたいとか、そういうわけではないんです。カラダを求め合う関係といいましょうか。そのほうが後腐れもないと思いますし……」
「なっ、なな……」
それはつまり、互いに快楽を貪る前提の親交を結ぶということか。
こんなスタイル抜群で器量良しで、その上、淫らで感じやすい美少女と?
ゴクリ、と喉が鳴る。
「だから悠人さん。我慢できなくなったら、いつでもおっしゃってくださいね? 男の人を喜ばせる方法、私たくさん勉強しておきますから」
瞬く間に、脳内がひなたとの淫らな行為でいっぱいになる。
あれもしてみたい。これもしてみたい。
この大きなおっぱいで、挟んだり、舐めてもらったり、もっと他にも、試したこともないあんなことやこんなことも……。
「あら? ……もう、悠人さんったら。エッチなことを考えているのが丸わかりですよ? うふふ♪」
欲望ダダ漏れで頬を緩ませる悠人の情けない顔を、ひなたは愛しそうに撫でる。
このような魅惑的な提案をされて断れる男などいる筈もなく、悠人の中から倫理観など、疾うに消え失せていた。
「改めて、これからもよろしくお願いしますね、悠人さん♪」
「は、はい~……」
実に腑抜けた声で頷く悠人だった。
* * *
お互い服を身につけ、後始末をする。
ベッドのシーツはさすがに、そのままにはしておけなかったので、洗濯をしてからこっそり返すことにした。
身支度を調えると、ちょうどよく樹海化が解けた。
静まっていた校舎の歓声が戻ってくる。
「戻りましょうか。戦いを終えた皆さんをお迎えしませんと」
「うん、そうだな」
時間的に今回はかなりの長期戦だった。
何か甘いものでも用意して、勇者たちを労うべきだろう。
「ん?」
「どうされました悠人さん? 扉の前で立ち止まって……」
「いや、なんか水たまりみたいなのがあったからさ。足滑らせないように気をつけてくれ」
「まあ、本当ですね。お気遣いありがとうございます」
しかしなぜ廊下の床に水たまりが?
いくら保健室で激しい性交をしたとはいえ、愛液や精液が廊下まで流れ出すとは思えないが……。
* * *
部室に戻ると、勇者一同はグテーっとテーブルの上でだらけていた。
「にょわ~……もう無理、動けない……うどんでも食べなきゃやってらんないわ~」
「今回は風に同意するわ。何よあの敵の数! 限度ってものがあるでしょうが~!」
「ふえ~ん。これ絶対に明日筋肉痛ですよ~……」
「まるで部室に戻ることを許さないような侵攻の勢いだったわね……」
超人的なチカラを得た勇者でも、限度を越えた長期戦にはやはり疲労するようだった。
ただひとり、例外を除いて……
「あっ! ユウちゃ~ん! ただいま~! ひしっ!」
風たちと同様にテーブルの上でだらけていた友奈だったが、悠人を見るなりに、顔を歓喜でいっぱいにして飛びついた。
「うおっと。お帰りゆう姉。お疲れさん」
悠人は何食わぬ顔で抱きついてきた姉を受け止める。
「今日は長引いたな。大変だったろ?」
「ぎゅ~っ! 弟分を補給すればお姉ちゃんは元気にな~る! だから問題な~し!」
実際、友奈の顔色は見る見るうちに健康的になり、お肌も艶々になっていった。
双子特有の体力回復法である。
「皆さん、今回もお疲れ様でした。甘いものを用意していますから、よかったら召し上がって……あら? 園子さん、どうしました? お顔が真っ赤ですけど?」
「ひょえっ!? な、何でもないよ~ひなタン!」
「でも、汗いっぱいですよ? もしかして熱でもあるのでは?」
「きょ、今日は暑いからね~! いや~あっついですな~! すっかり真夏ですな~!」
挙動不審に慌てる園子に、ひなたは首を傾げた。
「はぁ~甘いものもいいけど、やっぱりうどんが食べたいわ……。悠人~、ちょっとひとっ走りでうどんお持ち帰りで買ってきて~」
「ナチュラルに後輩をパシらせないでくださいよ風先輩」
「なによ~。ちょっとは労ってくれたっていいじゃないの~」
「はいはい、お勤めご苦労さんでした。肩でも揉んであげますから」
「え? いやいやいらんわ! アンタの肩揉み、ただ痛いだけなんだもん……って、にょわあああああああああああああああああ!!?」
「ちょっと~。人が疲れてる横で大声上げないでよ風。悠人もやるなら外でやんなさいよ!」
「おっかしいなぁ。コツを掴んだつもりなのに。ゆう姉直伝の肩揉みだぞ~?」
「『リンゴジュース飲みてえ』って言って素手でリンゴ砕いて果汁飲むような筋肉バカなアンタにはマッサージなんて一生無理よ……」
「言ったな、にぼっしー。ならば貴様のその貧相なカラダに、この鍛え上げたゴッドハンドを味わわせてやろうじゃないか!」
「ちょっ! き、気安く触るんじゃないわよこのスケベ~!」
「なんだよ、ぜんぜん元気じゃねえか。頬がすっげえヒリヒリするぜ……」
「ユウちゃん大丈夫? 痛いの痛いの飛んでけ~」
頬に見事な紅葉を作った悠人を、背に乗った友奈がよしよしと撫でる。
「友奈ちゃん、それならα波がいいわ。悠人くん、私の癒しの波動を是非感じて!」
「東郷さん。悪いけど何も感じない」
「そんな! 私の友愛の情が足らないと言うの!? 私と悠人くんの絆はそこまで溝ができてしまったというの!? やっぱり怒ってるのね!? 仲間外れにして隠し事してたこと、まだ怒ってるのね!?」
「と、東郷先輩。悠人先輩は『もう気にしてない』って散々言ってるんですから、泣くのやめましょうよ~……」
なんやかんやで、いつも通り賑やかになる部室。
そんな勇者部の光景を見て、悠人は思う。
「平和だな~」
少女たちと穏やかなやり取りをしていると、ここが異世界で、バーテックスのような怪物と戦う非日常であることを忘れてしまいそうになる。
先ほどひなたと肉体関係を結んだことも、まるで遠い夢のことのようだ。
しかし、それは現に起きたことであり、いざひなたと視線が絡むと……
「……うふふ」
彼女は艶やかに微笑んで、「し~っ」と人差し指を唇に当てた。
美しい少女と交わした淫らな秘密。
この先、ひなたとの関係性を想像すると、何とも背徳的なものを感じた。
「えへへ~♪ ユウちゃんのカラダあったか~い♪」
背に乗った友奈がスリスリと頬を押しつけてくる。
性的な事柄とはいちばん縁遠そうな無邪気な笑顔を浮かべていながら、夜には淫靡な艶顔を浮かべる最愛の姉。
友奈には、ひなたとの関係を打ち明けるべきだろうか?
友奈に隠し事をするのは、やはり胸が痛む。
しかし打ち明けたとき、友奈はいったいどんな反応をするだろうか。
話すべきか。隠すべきか。
内心、そう葛藤していると……
「……あれ?」
ふと、友奈が鼻を悠人の首元に押しつけて、くんくんと匂いを嗅ぎ出す。
「ゆう姉? どうし……」
「ねえ、ユウちゃん……」
悠人だけに聞こえるように、友奈がそっと耳元に囁く。
「……ヒナちゃんと、何かあった?」
「っ!?」
女の勘。
ひなたといい、友奈といい、女の子というのは本当に敏感に勘づくものらしい。
ひなた回はひとまずこれにて。
ご立派なものを使った(意味深)行為はまた別の機会に。
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