崩壊した世界でえっちゃんに糖分補給する話 作:nightマンサー
執筆開始した次の週から仕事が忙しくなりました…
これが人間のやることかよぉぉ!!(某死の芸術殺人鬼風)
やや話の流れに強引さがあるかもしれませんが、
そこはどうか温かい目で見守ってくださるとありがたいです。
それでは、本編どうぞ!
世界が崩壊して早くも1ヶ月が経過した。
この1ヶ月、俺とえっちゃんは
「さて、これだけ倒せば暫くは大丈夫だろ。えっちゃん、そろそろ切り上げて
「了解です、マスターさん」
俺とえっちゃんは辺りのエネミーをほぼ掃討し終え、拠点としている場所へ戻る。
廃墟の商店街を抜けた先。自然公園が道路を挟んで位置する場所。
三階建ての建物の2階。
木を基調としたシックな内装にカウンター奥には、コーヒー豆や紅茶の茶葉が並ぶ。
2階への入り口となる階段の脇にある看板にはこう記されている。
喫茶店「ダーク・ラウンズ」
本日、開店。
◆
世界が崩壊して5日経ったある日。
この日も食糧を確保しつつ、情報を集めている所だったのだが、
きっかけはえっちゃんの一言だった。
「マスターさんは、何かやりたい事は無いのですか?」
「やりたいこと?」
「はい、例えば、宇宙をヴィランの闇色に染めるとか…」
「それはそれでやってみたい気はするけど、流石にね」
えっちゃんの例えを否定しつつ、俺は考える。
確かに今まで周りに流されてここまで来たが、いきなり自分のやりたいことと言われてもピンとこない。
「好感触で嬉しいです」
「昔から正義の味方より、悪役の方が好きだったからね。それで言ったら、えっちゃんとは元から相性が良かったのかもね」
某パンのヒーローよりバイ菌の方が好きだったし、ヒーロー物だといつも悪役側を応援してたくらいで、
欲しがるおもちゃもヒーローより、怪獣等の悪役の割合が圧倒的だったおかげで母親には変わってると言われてしまう始末だ。
「っと、話がそれちゃったね。やりたいこと…」
世界崩壊前はしがないプログラマーの社会人であったが、
今ではえっちゃんに搾り取られ、探索し、食べて搾り取られ、寝て…あれ?えっちゃんに搾り取られることが今の大半占めてない?
しばらく考えて、破壊された辺りを見回した時にふと目についたものの名前を不意に口にした。
「喫茶店…」
「喫茶店、ですか?」
目に止まったのは破壊された喫茶店だった。
「喫茶店とか、BARのマスターってかっこいいなぁって、ちょっと憧れてた頃あったから」
そう言って俺は昔テレビで見た喫茶店特集を思い出す。
落ち着いた雰囲気の店内で珈琲を入れる音が響く、そんな素敵な空間を。
自分もこんな店の店長になりたいなと思った。
「でもまぁ、流石にこんな状況じゃね…」
今の世界で喫茶店を営業しようなんておこがましいにも程があるだろう。
誰もが生きる為に必死になっているのだ。そんな中で喫茶店なんて馬鹿にするのも大概にしろと言われるのがオチである。だが…
「なるほど、では行きましょう」
「…ん?」
そう言ってえっちゃんはぐいぐいと俺の腕を取って進んでいく。
「え、えっちゃん?行くって、いったい何処へ?」
「決まってます。マスターさんと喫茶店を開く為の家探しに、です」
「…マジで?」
「マジです。こんな世界だからこそ、マスターさんのやりたい事をすべきです。御家族の安否も分かっている事ですし、
マスターさんのやりたい事を優先して問題ないです」
「それは、確かにそうだけど…」
サーヴァント・ネット・サービス、通称SNS。
世界崩壊後、通信関係の機能は全て停止したのだが、何故かこのSNSがいつの間にか存在していたのだ。
この通信機能はサーヴァントを所持しているマスター限定で某有名通信アプリと類似したことが可能である。
何故かセカンドチャンネル的なこと可能であるが今は割愛しよう。
ここで僥倖だったのは俺の影響で母親と妹がFGOプレイヤーであったことだ。
早速通信してみると、どうやら母親はナポレオン、妹はセイバーアストルフォが召喚されたらしく、
FGOをしていなかった父親も早朝で一緒にいた為、無事とのことだ。
1番の不安の種であった家族の安否が割とすぐ取り除けたことは大きかった。
定期連絡の約束はしているが、あのサーヴァント達なら大抵のことは心配いらないだろう。
(少しは、我が儘になってみてもいいだろうか…)
昔のとある事が原因で、これ以上傷つきたくなくて今まで周りの人の顔色を伺って自分を押し殺してきた日々。
そんな日々は、世界の崩壊と共に終わりを告げた。
それなら、新しく踏み出してもいいかもしれない。
「……そう、だな。やってみるか」
「はい、やりましょう、マスターさん」
こうして、当ての無いえっちゃんとの旅は、突然出来た目標を達成するための旅へと変わったのだ。
「マスターさん、喫茶店のメニューには和菓子の導入を強く希望します」
「……それ絶対えっちゃん1人で在庫なくなるやつだから駄目」
◆
そうして目標を立ててからは早かった。
まず旅をして喫茶店に良さそうな場所をえっちゃんと探した。
そうして見つけたのが、廃墟となった商店街を抜けた先にあった自然公園。
そこに元は公民館か何かの公共施設だった建物があった。
多少傷ついているものの、直せば充分住居として使えるだろう。
えっちゃんと顔をあわせ、頷き合った。
公民館を喫茶店に改装するのは
キャスターのサーヴァントであるバベッジに依頼することができた。
「依頼を受けて頂いて、ありがとうございます、バベッジさん」
「報酬は充分に頂いている、礼は不要だ」
「それでも、言葉で伝えることは大切ですから」
「ふむ、ではこちらもそれに見合う成果を約束しよう」
彼のおかげで公民館は喫茶店へと無事改装が完了した。
次に喫茶店開業に必要な珈琲豆や食糧、器具に食器等だが、これは意外な方法で解決した。
「こんにちは、アマゾネス・ドットコムです。こちらにサインか判子をお願いします」
「あ、どうもありがとうございます」
そう、えっちゃんがよく利用していたアマゾネス・ドットコムで配達してもらったのだ。
世界が崩壊してからいつの間にか誕生していたアマゾネス・ドットコムには驚きだ。
そうして準備を進めて1ヶ月ーーーーーー
遂に喫茶店「ダーク・ラウンズ」は本日、開店を果たした。
◆
「まぁ、そう簡単にお客さんは来ないよなぁ」
開店から3時間、太陽が頂点から少し傾き出した13時。お客さんはまだ1人も来ていない。
一応SNSで喫茶店開店の告知等は行っていたのだが、初日だし大きな期待はしない方がいいだろう。
「元気出してください、マスターさん」
「えっちゃん…」
そう言ってテーブルで優雅に和菓子を食べている我がサーヴァントのえっちゃん。
ちゃっかりアマゾネス・ドットコムで和菓子を頼んでいたようだ。
「ちゃっかり商品をつまみ食いしているのは店長として怒った方がいいよね?」
「和菓子の補給は私に課せられた義務、むしろこれは立派に仕事をしているので褒めていいんですよ?」
そう言ってドヤ顔してくるえっちゃん。
その服装はいつものセーラー服ではなく、喫茶店の為にアマゾネス・ドットコムで購入したものだ。
黒と白を基調とし胸元に黒いリボンのシンプルなミニスカメイド服だ。
「それにしても、マスターさんはメイド好きでしたか。どうですか、この格好は?」
そう言ってえっちゃんはその場でくるっと回って見せた。
ミニスカなのに大胆に回ったおかげでメイド服ではない黒い布が見える。
「最高に可愛い」
自分の好きなキャラが自分の好みの服装をしてくれる。
これをされて嬉しくない男などいる訳がないだろう。
カラン、カランーーー
えっちゃんと雑談していると不意に喫茶店の扉が開く。
「ほほう、これはまたシックでいい店だネ」
「
「勿論だとも。私もこの店の開店に一役買っているんだ。どうなったか気になるものサ!」
来店してくれたのは、BAR「蜘蛛の糸」でマスターをしているサーヴァント。
犯罪界のナポレオンと名高いジェームズ・モリアーティ教授である。
実はバベッジを紹介してくれた例のツテというのは教授のことである。
挨拶もそこそこに彼はカウンターに腰掛けた。
「はい、教授が紹介してくれたバベッジさんがいい仕事をしてくれましたので。
その節はありがとうございました」
「なに、困った時はお互い様という奴サ!」
「言っているのが教授でなければすんなり受け入れるんですけどね…」
「おや、随分信用されていないはワタシは!」
やれやれと肩を竦めて見せる教授を見て俺は珈琲を入れる。
「いやいや、逆ですよ。教授を信用しているからこそ疑ってるんですよ」
「ふむ。まぁ、そういう信頼の形もある。君は悪役をよく分かってるようだネ」
「かの有名なモリアーティ教授にそう言ってもらえると、お世辞でも嬉しいです」
「なに、これは本心サ!だからこそ彼女と上手くいっている。違うかい?」
そう言う教授の視線の先には知人ではあるが、お客が来たというのに未だにテーブルで駄弁っているえっちゃんがいた。
「それは、確かにそうかもしれませんね」
「なら素直に称賛を受け取っておくべきだよ」
「では、そうします。ありがとうございます、教授」
そう談笑をしている間に珈琲を入れたカップを教授の前に出す。
「どうぞ。あぁ、今日はお代は結構ですよ。開店最初のお客さんと言うことで、サービスです」
「そういうことなら、遠慮なく頂くことにするヨ!」
そう言って暫く談笑してまた来ると言って帰っていった。
ちなみに、開店初日のお客は教授だけだった。
◆
「本当に、
喫茶店からの帰路でモリアーティはそう口にする。
彼らと出会ったのは魔獣を倒している最中に加勢してくれたという本当に偶然な出会いだった。
そこから喫茶店を開きたいと言った吉柳君の頼みを聞くことは正直に言えば、こちらのメリットは殆どなかったのだがーーー
「
既にだいぶ歩いて遠くに見える喫茶店を見て、モリアーティはニヒルな笑みを浮かべた。
「彼が今後、彼女と一緒に居ることで、どんな
読んで頂きありがとうございます!
喫茶店は某東京のグー○で出てくる“あ○てぃく”をモデルとしました。
次は読者様お待ちかねと思われます、がっつりエッチッチを書こうと思います。
感想・評価頂けるとやる気が出ますので、よろしければお願い致します。
それでは!