※この作品はR-18です。

熱い夜を君と   作:半ライス大盛り

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お待たせしました。
色々あって思いの外執筆が難航しました。

もしかしたら後々テキサスが咥えてるのは煙草じゃなくてチョコですよ〜、みたいな指摘が入るかもしれないので先に言っておきます、賛否両論あると思いますがテキサスちゃんは喫煙者設定で行かせてもらいます。

理由は本編と後書きにて。






テキサス II

 

 

この龍門の街での活動を主とするトランスポーターは幾人も存在する。

数ある組織の中、その中でも一際目立つ郵便屋。もはや龍門の問題児集団と言ってもいいトランスポーターの組織、ペンギン急便。

 

彼らの活動にトラブルは付き物だ、これはお約束と言ってもいい。

 

隠密かつ迅速な行動が求められるのがトランスポーターの仕事、しかし彼らはそんな事は知った事じゃないと言わんばかりに行く先々で問題を起こす。

 

龍門の街中で喧騒を目撃したらまたペンギン急便の仕業かと思ってもいいくらいだ、というかだいたいはペンギン急便。

 

そんなにお騒がせ集団の活動拠点の一つが龍門の一角に存在する。

三枚羽のシーリングファンが回転するコンクリートの部屋。無造作に並べられた家具、あたり一面には書類や物が散乱している、とてもではないが綺麗とは言えないような状態の室内。

 

そんな“汚部屋”でペンギン急便のメンバーが一人。

 

赤い髪に頭部に存在する光の輪っかと背に浮かぶ結晶の翼が特徴的なサンクタ人の女性、エクシアは信じられないものでも見たかのような表情である一点を見つめていた。

 

「………なにあれ? どうなってるの?」

 

「……さあ? ここ最近あんな感じやんなテキサスはん。どうしたんやろう」

 

エクシアが横にいる人物にギギギと重い動きで顔を向けて語りかける。

そこには同じくペンギン急便のメンバーである橙色の髪に頭部に小さな角を生やしたフォルテの女性、クロワッサンが珍しい物見たという感じでエクシアと同じ方向を見つめていた。

 

二人が見つめる先には室内の端に設置された一人用ソファに腰を下ろすループスの女性、テキサスがいた。

 

それだけなら二人はなにも驚かない、彼女たちが驚いたのはもっと別の理由だ。

 

テキサスという女性はあまり物事に対して感慨を抱かない。

 

メンバーの中でも付き合いの長いエクシアからも無愛想な狼と言われるほど口数は少なく表情の変化も乏しい人間だ、そんな彼女がしきりに愛用の通信端末の画面を気にして受信されたメッセージを確認すると嬉しそうに微笑み、ループスの特徴的な狼耳と尻尾を喜びを表すかのようにパタパタと動かすのだ。

 

「………誰あれ!? あたしの知ってるテキサスじゃないんだけどぉ!?」

 

「確かに、あんなテキサスはん初めて見るなぁ」

 

普段見たことがないテキサスの様子に思わずと言った感じでテーブルを叩いて叫んでしまうエクシア。クロワッサンも口元に手を当て唸るように彼女の様子を観察している。

 

「……まるで恋する乙女って感じやんな、あれは」

 

「こっ!? ここっこここ、恋ですかぁ!?」

 

クロワッサンがポツリと零した呟きにその場にいたもう一人のメンバーが堪らず反応する。

頭部には獣耳が存在し長い金髪の髪を二つに結いたループスと思われる女性、ペンギン急便のトランスポーター兼アイドルのソラはクロワッサンの呟きに過剰なまでの反応を見せる。

 

「い、いやいや! て、テキサスさんに限ってそんな……こ、恋だなんてありえないよ! あのテキサスさんだよ!?」

 

「……え?」

 

「……ソラはん、自分それ結構酷い言い方してんで」

 

かぶりを振ってわなわなと震えながら必死に否定するソラの様子にエクシアとクロワッサンは若干呆れたような視線を向ける。ソラが「いったい何処の馬の骨が…」みたいな事をぶつぶつ言い出した事は無視した、横で怖い顔をしているアイドルは無視した。

 

「……テキサスのあの様子。ありゃ、男を知った女の顔だな……と言ってもお前らには分からないか」

 

「うわぁ! ボスってば、いつからそこに居たの?」

 

エクシアが驚いて振り向くとそこにはサングラスとゴールドチェーンを掛けイカした服装のペンギンが立っていた。

彼こそがペンギン急便のボスであるエンペラーだ、お前キングペンギンだろとかは言っちゃいけない。

 

「いや……最初からいただろ俺、気がついてなかったのか。とりあえず俺はこれから別件だ、お前らも今日はもう帰っていいぞ終業だ」

 

「あ、そうなの? っていやいや、それよりもさっきのいったいどういう意味……行っちゃった」

 

意味深な事を言い出したエンペラーを引き留めようとするも時すでに遅し、彼は荷物を抱えて拠点を出て行ってしまった。

 

エンペラーが出て行った扉をしばらく見つめた後、エクシアは唸るように考えた。

 

それは様子のおかしいテキサスの事だ。明らかに面白いネタにゲフンゲフン、大切な仲間である彼女の為にも悩み事があるのならば協力したい。別に彼女を揶揄う為に秘密を暴いてやろうなんてこの天使は微塵も思っていない。

 

そして思いついた、回りくどい事はせず直接聞いてしまおうと。どうせ今日はもう終業だ、ご飯にでも誘って酒の席でそれとなく聞き出す事にした。

 

善は急げと言う、さっそく行動に移すことにした。

 

「おーいテキサス!」

 

「………ん、なんだ?」

 

エクシアに声をかけられたテキサスはそちらに視線を移すと、そこにはやたらニコニコとした表情で自分に近づいてくる同僚の姿を視界に捉えた。

 

それを見た瞬間、一気に訝しむような表情でエクシアを見つめた。エクシアがテキサスと付き合いが長いように逆に彼女もエクシアと付き合いが長い、それ故に彼女は目の前のサンクタ人が良からぬ事を考えていると予測した。

 

「あと少しで夕食にはいい頃合いだし、これからみんなで飲みに行こうと思ってるんだけどテキサスもどう? 因みにクロワッサンの奢りだよ」

 

さらりと人数分奢らされそうになっているクロワッサンの「うえぇ!? ちょっ、エクシアはん!? ウチそんな事聞いてへんでっ!?」と悲鳴にも近い叫び声を無視してエクシアは「どうかな?」と覗き込むようにテキサスに笑いかけた。

 

テキサスは悩むそぶりを見せた後、チラッと通信端末の画面を確認した。

 

「……すまない、実はこれから人と会う約束をしてるんだ。また今度誘ってくれると嬉しい」

 

ソファから腰を上げたテキサスは申し訳なさそうにしながらそう言うと荷物をまとめて拠点から出て行ってしまった。

まさか断られると思っていなかったエクシアは固まるが、予定があるなら仕方ない……流石に急だったなと思いながらつまらなそうにため息を吐くが。

 

「何してるのエクシア、テキサスさんを追いかけるよ」

 

「………へ?」

 

呼ばれて振り替えるとそこには既に荷物をまとめて準備完了なソラがいる。ソラの目つきは怖いくらいに鋭い、彼女の決意は硬いようだった。クロワッサンの方に目線を向けると彼女もなぜか面白そうにしてついて行く気満々だった。

 

エクシアは止めるべきかとほんの数秒悩んだ末に、面白そうだしいいやとノリノリでついて行くことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「結構歩くなぁ、どこに向かってるんやろテキサスはん」

 

「た、確かに……どこまでいくのかな?」

 

「さあ? けどこっちは宿舎の方向じゃ無いし、どこかで待ち合わせでもしてるんじゃない?」

 

前を歩くテキサスに気がつかれないように物陰に隠れながらコソコソと後を追う3人。時折テキサスが物音に反応して訝しみながら振り向くが3人は完全に気配を殺して身を隠していた。

 

日頃から荒事に慣れているだけあってか戦闘慣れしているテキサスでも見破れないものだった。なぜか戦闘経験のないソラもこの時ばかりは二人以上の気配遮断を発揮していた。

 

路地裏や入り組んだ狭い道を通った後、何度かテキサスの姿を見失いそうになりながらもなんとか追いついた。そしてしばらく歩くと開けた場所に出た。

 

「ここ……いつもの繁華街だね」

 

「へー、こんな裏道あったんだ。知らなかったなぁ」

 

ソラとエクシアはキョロキョロと周りを見渡す。

そんな二人をクロワッサンは手招きして呼び寄せると小さな塀に身を隠させた。3人の視線の先にはチョコレート菓子を口に加えながら壁に寄りかかり通信端末を操作しているテキサスの姿がある。

 

3人はしばらくの間そこで身を潜めてテキサスの様子を窺っていると。

 

「ん? 誰か来たみたいやな」

 

クロワッサンの言葉に欠伸をしていたエクシアとソラは弾かれたように反応して食い入るように見つめた。

 

「お、男の人っ!?」

 

「おお、めっちゃくちゃイケメンはんやな! なんやテキサスはんも隅におけへんなぁ」

 

「…………」

 

3人の視界にはテキサスと談話する男性の姿が写った。

身なりは整っており短く切り揃えられた黒髪にサルカズの赤いねじくれた角、顔立ちも整っていてイケメンと評価できる部類の男性だった。

 

テキサスはその男性と楽しそうに談話していた。

自分たちには普段見せないような表情を見せるテキサス、少しだけ複雑な感情を抱きながらも彼女がそれだけその男性に心を許している事に驚いた。

 

「テキサスさんに、おと……おと……おとこ」

 

「うわぁ、ソラはんが完全に壊れたラジカセみたいになってる。やっぱり恋人やろか、どう思うエクシアはん……エクシアはん?」

 

受け入れがたいものを見たソラは壊れた機械のように同じ言葉を繰り返し呟いている、その様子を見たクロワッサンは呆れたながらエクシアの方へと視線を向けるとエクシアはまるで亡霊でも見たかのような表情で固まっていた。

 

「ちょっ、エクシアはん……エクシアはん!」

 

「うぇ!? な、なに!? お、大声出してどうしたのさクロワッサン……」

 

「変な様子やったけど大丈夫なん?」

 

「え、う、うん。大丈夫だよ気にしすぎだってば。うん、大丈夫」

 

エクシアの様子がおかしい事に訝しむも本人が言い聞かせるように大丈夫だと言ったことからクロワッサンは納得してテキサスたちのほうへと視線を戻すがそこにはもうテキサスたちの姿がなかった。

 

「ああっ! テキサスはんがおらへん! ほら二人とも急いで追いかけるで!」

 

「ん、誰を追いかけるんだ?」

 

「そりゃもちろんテキサスはんを……へ?」

 

聞き覚えるある声が背後から聞こえた。

クロワッサンは油の切れた人形のようにゆっくりと振り返るとそこにはチョコレート菓子を咥えて不機嫌そうな様子でクロワッサンたちを見下ろすテキサスの姿があった。そしてその隣にはサルカズの男性、ベリアルの姿もあった。

 

 

 

 

 

場所は変わり繁華街の一角にあるファミレス内。

奥のテーブル席には冷や汗を流しながら並んで座るエクシア、クロワッサン、ソラ、正面には面白そうに笑っているベリアルとムスっとした表情のテキサスがいる。

 

「ハハハ、なるほどねえ、それで君たちはテキサスをつけてたって訳か」

 

3人から話を聞いたベリアルは運ばれきたパフェに舌鼓を打っていた。

 

3人の説明を聞いて楽しそうに膝を叩いているベリアルの呑気な様子にテキサスはムスっとした表情のまま彼の足に蹴りを入れるが「悪い悪い」と笑って謝るだけの姿に呆れて頭を抱えた。

 

エクシアはそんなやり取りをする二人を、否ベリアルの事をジッと見つめていた。それ気がついたベリアルは手を止めてエクシアに視線を向けた。

 

「俺の顔に何かついてるか?」

 

「い、いや、そういう事じゃなくて……えっとベリアル、でいいんだよね。あたしとキミってどこか出会った事ある? その、ラテラーノ近辺で……」

 

「……それ逆ナンってやつ?」

 

「逆ナン!? ち、ちがっ、そういう事じゃなくて!」

 

「冗談だ……俺と君は初対面だよ、ただでさえ目立つサンクタと顔を合わせたら忘れはしないさ」

 

そういって興味なさそうに会話を切りパクパクとパフェを食べる手を再び動かして始めるベリアル。そんな彼の様子にエクシアは釈然としないような顔をしながらもこれ以上は踏み込むはできそうにないと判断して黙り込んだ。

 

「あ、あの!」

 

「ん?」

 

突然身を乗り出す勢いで声を上げたソラに視線が集まる。その場にいた全員からの視線に臆する事なく彼女はベリアルを睨むように見つめながらどうしても気になっていた事を聞き出す事にした。

 

「て、テキサスさんとはどういった御関係なんですか!?」

 

「ん、俺とテキサスの?」

 

エクシアとクロワッサンはいきなり確信に触れるような質問をしたソラに驚き、その質問は自分たちも気になって仕方なかった事なので内心でソラによくぞ聞いたと彼女のその勇気ある行動を感嘆していた。

 

ベリアルは口元に手を当てた後、しばらく唸るように考え込むと何かを思いついたように口に弧を描いて隣にいたテキサスの肩を抱いて引き寄せた。

 

「ん〜、そうだな。一言で表せば彼女とは“大人な関係”って感じだな」

 

「〜〜ッ!」

 

「………へ」

 

その言葉にソラは目を見開いて驚き、テキサスの方へと視線を向けて顔を赤くして恥ずかしそうに目を逸らしている彼女の姿を見て、ピシッと固まってしまった。

 

その言葉の意味を理解したのかエクシアとクロワッサンも顔を赤くし、頬に手を当てたり、うわぁーと指の隙間から覗き込むようにテキサスを見つめていた。

 

「な、馴れ初めはいったい?」

 

ゴクリと唾を飲み込んだクロワッサンが興味津々と言った様子で尋ねた。

 

「うーん、そうだなぁ。アレは確か……」

 

「よ、余計な事は言わないでいい! もう行くぞ!」

 

「うぉ、引っ張るなよ。とりあえず君たちはこれで何か食べてから帰るといい、俺の奢りだ」

 

「あ、テキサスはん逃げるのはズルやって!」

 

湯気が昇るほど顔を隠したテキサスがとんでもない事を口にした隣の男の手首を掴んで店を逃げるように出ていく。

ベリアルは素早く懐から取り出した龍門幣をテーブルの上に重ねて置くとそのまま引きずられるように店から姿を消して行った。

 

因みにクロワッサンとエクシアが置いてかれた龍門幣の額を見て目を輝かせ、固まったままのソラを連れてちょっと高いお店に向かったのは割愛。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……私、ペンギン急便のトランスポーター、テキサスとベリアルの邂逅は至って普通のものだった。

 

いつものようにトランスポーターとして龍門内で活動している時、私は仕事用の車両を道路の傍に寄せてから配達物を抱え目的の場所まで足を運んでいる時に突然背後から声をかけられた。

 

この龍門でトランスポーターとして活動し始めてまだ数年程だが仕事の関係上、龍門の至る所に足を運び人の顔を合わせる事が多い。そんな私から見て声を掛けてきた男は龍門ではあまり見ない顔だった。

 

整った顔立ちに短く切り揃えられた黒い髪にねじくれた赤い角、腰から生えた鋭い尻尾。キョロキョロと周りを見渡してながら声を掛けてきたサルカズの男。

 

長年の癖とでも言えばいいのか、少しだけ男を警戒して返事を返すと男は手に持っていた地図を私の方へと突き出してこの付近の家電量販店までの道を訪ねてきた。

 

男の指し示した目的地を知って、道を訪ねてきた理由に静かに納得した。

 

その店は奥まった場所にひっそりと立っており、周辺の建物の所為で中々見つけにくい位置に存在しているからだ。そしてその店の場所を教えてやろうとして、どうせならと男を案内してやる事にした。

 

男はわざわさそこまでして貰う必要はないと申し出を丁重に断ったが、自分が配達仕事の途中であり目的地がちょうど同じだと教えると驚いたように固まった後大人しく後ろに着いてきた。

 

男を店まで案内して礼を言われて、レジの店員に配達物を手渡しに向かうとレジにいた店員の姿を見て私は思わず顔をしかめてしまった。

 

腐卵臭のような嫌な匂いが鼻につく、清潔感があるとは言えない服装に脂ぎった体、そして全身を舐め回してくるような不快で下劣なねっとりとした視線。

レジにいた店員の男は私の姿を確認すると嫌悪感を抱かせるような不気味な笑みを浮かべていた。

 

気持ち悪い。

 

前にも何度かこの家電量販店にに配達物を届けた事があったが最近では頻繁にこの店へと荷物を届けている、そして必ずと言っていい程にこの店員と顔を合わせている。

 

最初はただの偶然だと思った、なにせ配達仕事だ。

 

しかしこの店員の様子を見る限りそれは違うと確信していた。正直に言って関わるのも視界に映すのも嫌だった、けれどこれも仕事だと割り切って店員に近づいて配達物を引き渡した。

 

引き渡しの手続きを済ませて確認の為に情報が記入された紙を受け取ろうとした時、差し出した腕を乱暴に掴まれた。

手を離せ、と伝えても聞こえていないのか、酷く興奮した様子の店員を力ずくで振り解こうとしたその時だ。

 

──急いでるんでレジ早くしてもらってイイっすか?

 

背後にはついさっき自分がこの店へと案内したサルカズの男が気怠げな様子で立っていた。店員は慌てた様子で私の腕を離した瞬間、今度はサルカズの男が私の手を掴みそのまま店を飛び出した。

 

店の中から怒鳴るような声が聞こえてきたがサルカズの男はそれを気にすることなく私の手を引いて走った。

 

そして店からだいぶ離れた位置に来ると男は私の手を離して向き直って来た。

 

──悪い、少し強引だったな。一応だがあれ君のお友達とかじゃないよな、もしそうだとしたら余計な事したか?

 

 

これがサルカズの男、ベリアルとの出会いだった。

 

 

それから何度かベリアルとは顔を合わせるようになった、仕事帰りや買い物に向かう途中など。チョコレート菓子を買いにデパートへ行った時にタイムセールのタイミングでベリアルがエプロン姿で現れた時は思わず笑ってしまった。

 

奇妙な縁とでも言えばいいのか顔を合わせるたびに彼は律儀に挨拶を交わして、気がつけばベリアルとは良く言葉を交わす友人と言える仲になっていた。

 

ベリアルは最近まで龍門近衛局に勤めていたらしい。

龍門近衛局の上級警司に知り合いがいるからこの間の事で連絡してみるか、と言われたがそこまで大事にするつもりもなかったので断っておいた。

 

ベリアルとの関係が大きく変化したのはある冬の日の事だった。

 

朝目を覚ますと妙に体が怠く、そして熱く疼いていた。その症状に心当たりがあった私は内心で悪態をついた。

 

発情期だ。

 

先人(エーシェンツ)は鳥や獣などの動物的な特徴を持った様々な種族が存在し、そしてループスなどの一部の種族の人間には性周期、発情期が存在するのだ。

 

前回の発情期はもう少し遅いタイミングであった為、油断していた。

私は発情期の間はあまり外に出ず、宿舎とは別の個人的に有している自分の家に引き籠るようにしている、理由は他人との接触を避ける為だ。

 

今回は発情期に備えてまだなにも準備をしていなかった。

会社に緊急で連絡を入れるとボスが電話に出た、それとなく理由を伝えるとボスは何も言わずに休暇をくれた。

 

ジワジワと下腹部が熱くなり疼く体を抑え、外出用のジャケットに袖を通して着替えると同僚たちと顔を合わせないようにしながらこっそりと宿舎を出た。

 

雪が降り積もる冬の寒い日だと言うのに真夏の猛暑に運動でもしているのかと思うくらいに体温が高まり汗をかいていた。

 

もう少しで自分の隠れ家につく、そこで自分の体の熱を鎮めようと思った。

 

──ん? よう、テキサスか。随分と朝早いんだな、これから出勤か?……おいおい大丈夫かよ。

 

背後から声をかけられた。

思わず舌打ちを溢しそうになってしまう、今一番会いたくないタイミングで友人と遭遇してしまった。だが面倒な同族の“アイツ”ではないだけマシかと思いその男の姿を視界に捉えた時、下腹部がズキンと痛いくらいに疼いた。

 

ああ、これはダメだ、脳が一瞬で理解した。

 

夜勤で朝帰りなのか少しだけ強い汗の臭いが風に乗って鼻腔に入り込んだ瞬間、それだけで腰が抜けそうになるくらいの甘い刺激が子宮に響いて来た。

 

──なっ、おい、大丈夫か?

 

足の力が抜けて壁に寄り掛かり倒れそうになる私をベリアルは抱きとめた。

 

彼からしたら体調が悪く倒れそうな人間に手を貸しただけかもしれない、しかしそれは私にとっては死にかけの人間に追い討ちを掛けるような行為だった。

 

崩れ落ちる体を抱き留められ、ベリアルの匂いや温もりを全身で感じとったその刹那、謎の幸福感に包まれた私は呆気ないくらいに簡単に絶頂してしまった。

腰をガクガクと暴れさせて、下着をグチャグチャに湿らせ、吹いた液で穿いていたホットパンツとタイツを変色させた。

 

激しく絶頂した私は、ぺたんとその場にへたりこんで、ぴくっぴくっと無様な絶頂の余韻に痙攣していた。

 

──えっと……テキ、サス?

 

その声にハッとした。

ベリアルは困惑したような様子で私を見下ろして、そして何かを理解したように気まずそうに私から視線を逸らしていた。

 

自分でも顔や耳までもが赤く染まっていくのを感じた。

 

情けなくて涙が出そうだった。

ベリアルが何かを口にする前に目の前にいた彼を突き飛ばして、絶頂の余韻でうまく動かない体を引きずり逃げるようにその場を離れた。

 

あの場を離れた後、路地裏の影に身を隠すようにして体を休めていた。

ベリアルと遭遇してから雄を求める体の疼きがさらに強くなっていた、人の目がある外の空間だと言うのに今すぐにでも自分の体を慰めたくて仕方なくなっていた。

 

歯を食いしばって自分の中で強くなっていく性欲を押し殺して今度こそ隠れ家へと向かおうとした。

 

 

その時は余韻で上手く頭が回っていなかった、だから“背後から忍び寄る男の存在”に気がつかなかった。

 

口元を塞がれて雪の積もった地面の上に勢いよく押し倒された。

痛みに顔を顰めながら相手の姿を確認して目を見開いた、そこには情欲に溺れた気持ち悪い笑みを張り付けた家電量販店のあの店員の姿があった。

 

ベリアルとのやり取りを見られた上にこの男につけられていたらしい。

男は荒い息遣いに酷く興奮した様子で自分がどれだけ私の事を愛しているのか、などと暴走するようにベラベラと唾を飛ばしながら喋っていた。

 

私は押し倒して来た男の拘束から逃れようとしていたが力負けしている上に先程の絶頂の余韻の所為で体に上手く力が入らなかった。それでもどうにか逃げ出そうと暴れれば男は私の態度に逆上した様子で頬を叩いてきた。

 

口の中を切ったのか嫌な味が広がる。

男に両腕を押さえつけられ、体を弄られ始めた。

 

嫌だ。こんなの嫌だ。

気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い────ッ。

 

汚い顔がゆっくりと近づいて来た。

追い詰められた私はもうダメだと諦めかけた。

 

その瞬間、突然軽快なシャッター音が鳴り響いた。シャッター音に驚いて動きを止めた男が突然吹き飛ぶとそのまま壁に激突した。

 

──流石に無理やりはどうかと思うぜおっさん……ま、人にどーこー言えた義理じゃないがね俺も。

 

人の形をした影が自分に重なった、振り返るとそこにはカメラを片手に持ったまま蹴りを放った体勢のベリアルがそこにいた。ベリアルは一瞬だけ呆然としたままの私に視線を向けた後に男の方へと視線を戻した。

 

蹴り飛ばされた男は低く唸り、懐から取り出したナイフを構えて向かって来た。ベリアルは身構えもせず怠そうに男の姿を見つめ、突き出されたナイフを握る男の手首を掴み取りそのまま顔面を殴り飛ばした。

 

殴り飛ばされた男は気絶したのか痙攣したまま動かなくなった。

ベリアルは男を縛りつけてから通信端末を取り出してどこかに連絡した後、呆然と座り込んでいた私に目線を合わせて安心させるかのように笑いかけて来た。

 

──よぉ、もう大丈夫だ。あとの面倒事はスワイ……俺の後輩がどうにかしてくれるらしい、俺たちはひとまずここを離れよう。

 

私は返事を返す事が出来ず、思わず涙を零してしまった。

 

それは緊張が解けて安堵から流れた涙でもあったが、こんな状況でも目の前いる強い雄を求めてしとしと蜜を垂れ流して下着を濡らし、自慰をするように地面に秘所を擦り付ける自分が情けなくて零した涙だった。

 

私の様子になにを思ったのかベリアルは突然私は抱きかかえるとそのまま自分の家へと私を連れ込んだ。いきなり過ぎる展開に流石に抵抗しようとしたが、まさかと“その先の展開”を期待してしまい何も言えなかった。

 

しかしベリアルは私をベットの上に座らせた後、そのままどこかに行こうとした。予想外の展開に思わず声を張り上げて彼を呼び戻した。

 

どうにもベリアルは私の様子がおかしくなってるのは自分のアーツ能力の所為だと思っていたらしい、バツが悪そうにそう語る彼に私も自分が発情期である事をポツリと溢すように教えた。

 

どうにもタイミングが悪かったらしい。

 

そこから先はよく覚えていない。

彼をベットに引き摺り込んでそのまま、なし崩し的にベリアルに抱かれていた。発情期が収まるまではずっと彼の家でぐちゃぐちゃになるまで繋がっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──エクシアたちをファミレス内に置き去りした後、ベリアルはテキサスに引き摺られてショッピングモールへと足を運び、まるで恋人同士がデートをするかのようにショッピングモール内を見て回った。

 

モール内部で経営されていた飲食店で食事を済ませた二人は“いつものように”龍門都市の端にあるベリアルの古びた一軒家へと戻ってきた。

 

「んむぅ、 んぢゅる、んんんっっ……♡」

 

二人が家の中へと入りベリアルが玄関の扉を施錠した瞬間、テキサスはベリアルの胸ぐらを掴んでグッと自分の方へと引き寄せると背伸びをしてとその乾いた唇に少し湿った柔らかい唇を重ねた。

ベリアルは一瞬驚いたような表情を浮かべて固まったが抵抗する様子は見せず逆にテキサスの腰に手を回して抱き寄せていた。

 

気恥ずかしさがあるのかテキサスは、おずおずと言った様子で舌を開いた口の中に差し込むと舌先で口内を擽るように踊らせる。大きく開いた口は次第にベリアルの唇や舌を執拗に何度も啄み、吸っていた。

 

「んっ、ちゅ、ちゅむっ!……はぁっ♡」

 

デザートにと、食べたチョコレートアイスの味が口に広がる。

 

夢中で唇を啄み、口内に流れ込む唾液を飲み込む。名残惜しそうに唇を離すとまるで離れるのを拒むように、絡みついた唾液が銀色の糸を引いて唇との架け橋を形作っていた。

 

ベリアルがジッとテキサスを見つめるとそれ気がついた彼女は恥ずかしそうに視線を逸らした。

 

「……テキサスってキス、好きだよな」

 

「そ、そんな事は………だ、ダメなのか?」

 

「いや全然、俺も好きだし」

 

だからもう一回、と頬に手を添えてテキサスの唇にキスを落とした。

 

「ちゅ、んんぅ♡ んちゅる、んむっっ……っ♡」

 

没頭するように唇を合わせて舌を絡ませる、そしてビクッと体を跳ねさせるように震わせた。

 

驚いたテキサスは視線を向けると、ベリアルは腰に回していた手をゆっくりと線をなぞるように下の方へと下ろして行き、小柄ながらも肉付きの良い臀部を掴み揉み込むように撫で回していた。

 

「んんっ! んじゅっ……じゅるぅっ……♡」

 

いきなりに何をするんだ、唇を重ねながら訴えかけるようにベリアルに視線を向けるが彼は目を細めて愉しそうにしていた。

 

それがなんだか気に入らず、テキサスは撫で回される刺激に耐えながら、キスに集中しようとジワジワと与えられる快感に流されそうになる意識を抑えて口内を掻き回す舌を捉えて深く絡めていく。

 

いつも主導権を握られ、ベリアルが満足するまで鳴かされて、手玉に取られているテキサスは今日こそは主導権を奪いたいと密かに思っていた。

 

「──ぁっ♡」

 

しかしそんなテキサスの抵抗は一瞬で崩された。

 

綺麗にブラッシングされている尻尾を艶かしい手付きで解され、ギュッと握られただけで腰の力が抜けてベリアルに撓垂れ掛かってしまう。

 

「それは、卑怯だろう……っ」

 

「敏感なのが悪い」

 

敏感な尻尾全体を愛撫するように撫で回されたテキサスは歯を食いしばっても隙間から漏れる嬌声を抑える事ができない。

ジュン、と下腹部の疼きが強くなっていき快楽に酔いしれるように悶える事しかできない。

 

へなへなとへたりこむ体を抱き留められたテキサスは、ベリアルの胸元に顔を埋めて麻薬のような彼の匂いを吸い込み鼻腔を満たしている時、彼に“混ざった別の匂い”に気がついてしまった。

 

思わず眉を寄せて顔をしかめてしまう。

 

「………お前、私に会う前に別の女を抱いてきただろ?」

 

「…………うっ」

 

「この匂い、近衛局の督察隊隊長の匂いだ」

 

図星だった、ベリアルはバツが悪そうにしながらジト目で見つめてくるテキサスからサッと視線を逸らした。そんな彼の様子に呆れたようにため息を吐いた後、グリグリと自分の匂いで上書きするように体を擦り付けた。

 

ベリアルはそんな彼女の濡れ羽色の髪に指を通して撫でた後、少しむくれた様子のテキサスを横抱きにかかえて寝室のベットへ向かった。

 

ベットに辿り着くまでの途中で首元に舌を這わせ甘噛みして来るテキサスの様子に思わず苦笑いしてしまったが、自分に非があるので何も言わずに気の済むように好きなようにさせていた。

 

「えっと、いつまでやってるんだそれ?」

 

「……私が満足するまでだ」

 

寝室のベットの上で向かい合うように座り、テキサスは相手の上着を脱がせながらどこか拙い舌使いで動物がマーキングするかのように首元や胸板に舌を這わせてペロぺロと舐めていた。

 

こそばゆさを感じながらなすがままになっていたベリアルだが、暇を持て余していた腕をそっとテキサスの股下に差し込んだ。

 

「……っ。ま、待て、まだ私が……んっ、ひゃあぁ」

 

「悪いな……俺も、楽しみたいんだ」

 

テキサスを抱き寄せ、少し濡れたタイツの中に手を差し込んで下着越しに秘所を擦り刺激を与えるとそれだけで彼女は腰砕けになり、しがみつく事しかできない。

 

「直接触るぞ、大丈夫か?」

 

「…………っ」

 

耳元で囁かれた言葉に身構え、無言で首を縦に振り頷いた。

 

蜜壺からだらしなく、しとしと溢れて来る愛液を吸収して重くなったショーツをズラし、指先を滑らせて淫裂に触れる、パクパクと餌を待つ小鳥のように開いていた口は長い指を迎え入れるかのように飲み込んでいった。

 

「あっ、あぁっ、ひ……ぅんぅぅ!」

 

ズブリ……と指が沈みこんだ瞬間、体内の空気全てが口から漏れ出たような錯覚に陥る。しゃぶりつくすようにうねうねと膣壁が蠢き、じくじくと火傷しそうな熱を感じる膣内。

 

中指と人差し指、二本の指を飲み込むようにに受け入れた膣内は離さないように締まり続ける。腰を浮かしたテキサスは目を白黒させて、口元に手を当てて嬌声を押さえ込もうとするも恥ずかしい声を出し続けるしかない。

 

くちゅくちゅと淫靡な水音が部屋に広がり聴覚を犯す。

 

「おいッ、ちょっ……ま、待て! 何してる、ひぅん! あっ、ああぁっ」

 

「……動くなよ、少し痛くするからな」

 

「え? ……痛っ!? はっ、はぁっ!あはぁ、あっっ♡」

 

膣の浅い部分を容赦なく責め続けていたベリアルは快楽に悶えるテキサスの姿を、ジッと見つめて彼女をベッドの上へと押し倒すと徐に顔を近づけてその細く白い首筋に顔を埋めて齧りつく。

 

肌を突き刺すような鋭い痛みから目を見開いてしまう。

 

噛みちぎられるのではないかと思ってしまうほどの痛みだった。

ゆっくりと口を離すとそこには烙印のようにくっきりと痕を残した歯形が刻まれ、うっすらと赤い血が浮かび上がって来ていた。

 

ベリアルは歯形から滲んできた少量の血を舐めとると舌で傷痕を濡らしていく。

 

自分の首元に刻まれた大きな歯形を見たテキサスはゾクゾクと体を震わせた。まるで自分は彼の所有物なのだと証明するかのような傷痕に興奮と歓喜が抑えきれなかった。

 

「んぅ……むじゅぅ♡……じゅむぅ!じゅ…………じゅぱぁ、あぁ、あふぅ、んんっ!んぐぅ……♡」

 

啄むように唇を重ねられ、長い舌に口内を蹂躙される感覚に酔いしれるように支配される。慣れた手つきでスルスルと上着や下着を脱がされて行き、外気に肌が晒されやがて生まれたままの姿となる。

 

テキサスのシミ一つない綺麗な裸体を食い入るように眺めていたベリアルは腕を伸ばすと、その形のよい乳房に触れて撫でるように指を動かした。

 

「んっ……悪かったな、私の胸は近衛局の隊長のようには大きくないんだ」

 

「いや、何も言ってないんだが。そもそも胸の大きさを選り好みした覚えはないっての」

 

どこか拗ねたような口調と様子で口を尖らせたテキサスの姿に思わず笑ってしまう、そんな彼女がなんだか愛おしくて鎖骨に何度もキスを落として乳房を触れた。

 

「あっ、ひぅっ!……ああぁぁっっ♡」

 

乳房を弄られる度にピリピリと痺れが胸全体に広がる。

胸を弄られる心地良さに全身が脱力してしまう、乳房の先端で存在を主張するようにプックリと尖った桜色の蕾をコリコリと指先で弄ばれる。

 

そしてそのまま軽く上へと伸ばすように引っ張った。

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛ぁっ……!はぁぁ、あああっ!!……はぁ♡…はぁ♡…」

 

電流のように強烈な刺激が乳房の先端から全身へと駆け巡り、ヘコヘコと腰を卑猥に踊らせながら絶頂した。絶頂の余韻に浸るテキサスの頭を撫でながら、既にパンツの下で痛いくらいに怒張している逸物を取り出して蜜壺へと当てがった。

 

「……挿れるからな?」

 

「…………っ」

 

テキサスは抜けきらない絶頂の余韻からどこか呆然とした様子で小さく首を振って頷いた、その瞳は情欲で濡れており飢えるように更なる快楽を求めて潤んでいた。

 

当てがった肉棒をズブブと蜜穴の中へと沈み込ませていく。

 

ぐっしょりと濡れそぼった雌の入り口は熱く滾る亀頭を呑み込んでキツく締め付けてくる。順長に目の前の雄専用へと形を変えられつつある狭い膣道、肉棒が膣壁を掻き分けながら最奥へと辿り着き。

 

そして最後に子宮口と肉棒が勢いよくキスをした瞬間、呆気なく二度目の絶頂を迎える事になった。

 

「……ひぎぃ! ンっああぁぁ、ああぁぁぁっっっ♡」

 

プシュ、と潮を噴くように愛液が栓のされた蜜穴から噴射された。

シワが出来る程シーツを強く掴み、まるで生まれたての小鹿のように全身をガクガクと震わせるテキサスの姿に笑みが深くなってしまう。

 

自分から誘ってくる癖に、いざ情事が始まれば快楽に流されなすがままになってしまうそんな彼女が愛おしくて堪らなかった。

 

それこそ、快楽でグチャグチャに染め上げて壊してしまいたくなるくらいに。

 

「はああぁっ……!!あぁんぅぅ!んふぁあぁっ!!」

 

「もう少し声を抑えろっ……うちの家の壁はそこまで分厚くないんだぞ」

 

「あ゛ああぁっ、無理っ……むり、あああぁっ! 声っ……がまん、できない、から……んああ、あぁぁっっ♡」

 

「このエロオオカミが……っ」

 

白い身体がびくびくと跳ね、女の飛沫が噴水のように撒き散らされる。

大きく腰を振り付けて腰部が衝突するたびに、ばちゅん♡ ばちゅん♡ と粘りつく蜜液の卑猥な水音が室内に鳴り渡る。

 

膣奥を叩かれる衝撃に視界を白く弾けさせ、だらしない表情を浮かべながら全身をガクガク痙攣させて嬌声を上げている口を重ねて塞ぎ、さらに腰の動きを加速させる。

 

「んふぅっ♡ んんっ、んん、んちゅぅ、んむぅっ、んあああぁっ♡……あんんむぅ……♡♡」

 

興奮が高まり、浮き上がった全身の汗が混ざり合う。

 

正常位で肉棒を膣奥に突き込まれ、膣壁を貫かれるごとにテキサスはイキ狂うように絶頂していた。深い絶頂感から戻ることも出来ず、続け様に与えられる甘い快楽に流され何度も何度も意識が飛びそうになっていた。

 

絶頂した瞬間に意識が遠のき、子宮を殴られる感覚に意識を取り戻す。

強すぎる快楽の本流に頭がおかしくなりそうだった。

 

「ひぐぅっ! あひぅっ!! ああぁっ……あぅんぅぅぅっ!! しぬぅっ♡ しんじゃうぅぅぅ♡♡ あぁ、んぁぁっ♡♡ あ゛あ゛ぅぅぅっ♡♡」

 

絶頂するたびに膣壁が痙攣し、キュウキュウと肉棒を締め付けて精を求める。

 

浮かび上がる汗、溢れ出す涙、口元から零れる唾液、ぐちゃぐちゃになった顔を晒して堪えきれないと言った様子で懇願するテキサスの姿に興奮がさらに高まっていく。

 

「イクぞ……テキサスッ……っ!」

 

「ひっあぁ、イッてる……わたしもいってるからぁっ♡…… あくぅ♡ あぁ♡ あっ、あっ、おぉ、ほぁっ……っ! んんん、あ゛あ゛ああぁぁっ!!」

 

込み上げてくる射精感。

尿道から精液が迫り上がって膨らむ肉棒、最奥まで突き刺さる剛直にガツガツと膣肉を解される感覚。

 

「んんんぅぅう───!………ッッ♡」

 

隙間なく触れ合う亀頭と子宮口。

 

爆発するような勢いで吐き出された子種は行く先を求めて、テキサスの子宮へと殺到する。熱い精液が膣内で発射され、どんどん子宮へ流し込まれていく間にもテキサスは何回絶頂を迎えたのか自分でもわからなくなっていた。

 

精液を放出し終えた肉棒が膣から抜かれる甘い感覚にピクピクと腰が震える。グチョグチョに解されきった膣壁は離れる事を拒むかのように、肉棒を締めつけ絡みついていた。

 

「はぁはぁ、はぁはぁ………ァ」

 

息を切らし、呼吸を整えようとしていたテキサスは頭や耳を撫でられる感覚に嬉しそうに目を細めて、その優しい手つきに酔いしれるように身を預けながら意識を暗闇の中に落としていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいおい、拗ねるなって」

 

「………別に拗ねてない」

 

「嘘つけ、むくれてるぞ」

 

「……なら、もう少し加減しろ。お前の所為で腰が抜けて立てない」

 

これでも加減してる方なんだけどなぁ、とベリアルはベッドの上でシーツに包まって股座に腰を下ろし寄り掛かってくるテキサスを抱きかかえながら苦笑い気味に胸中で溢した。

 

ムスッと拗ねた様子のままグリグリと頭や体を擦り付けてくる黒髪のループス、そんな彼女を甘やかすように抱きしめて長い髪を指を通して撫でていた。

 

そこでふと思い出したように、テキサスはベリアルの方へと顔を向けた。

 

小さく振り向く動作にキスをねだられたのかと思い、顔を近づけるとテキサスはそうじゃないと羞恥から顔を赤くして近づいてくる男の顔を押さえた。

 

「……ここで吸っても大丈夫か?」

 

「ん? ああ、別に気にしないでもいいぞ」

 

何が目的なのか理解したベリアル。

ヘッドボードに無造作に置かれていたテキサスが普段から所有している煙草の入ったボックスを動けない彼女の代わりに取ると手渡した。

 

煙草を受け取ったテキサスはお礼を言って一本だけ取り出すと口に咥えて、箱の中に一緒に入れていたマッチ棒を擦り着火させると煙草に火をつけた。

 

「ライターじゃなくてマッチ使ってるのか?」

 

「……普段から暴れてる分、ライターだと仕事中に何かあった時危ないからな」

 

ガスの匂いなんか特にな、そう言うとと珍しく驚いた様子で自分を見てくるベリアルの姿が面白くて笑ってしまうテキサス。軽く振って火を消すと、深く息を吸い小さく白い煙を吐き出した。その時、後ろから伸びてきた腕がテキサスの持っていたボックスから一本取り出した。

 

「これもらっていいか?」

 

「……そういえばお前も吸ってたな。待ってろ、いま火を………む?」

 

煙草を咥えるベリアルを見て火をつけてやろうとマッチを取り出そうとしたがボックスの中のマッチは空になっていた。

 

「………悪いがマッチがない」

 

「……? いや、火ならそこにあるだろ」

 

「ん?……ああ、そういうことか」

 

どういう事かを理解したテキサスは煙草を咥えたまま振り返り、グッと顔を少しだけ突き出した。それに合わせてベリアルも煙草を咥えながら顔を近づけると煙草の先端を重ねてジリジリと火をつけた。

 

肺に空気を送り込み吐き出せば、バニラの甘いフレーバーの軽い味と匂いが広がる。

 

「……女性向けって感じだなこれ」

 

「文句を言うなら吸うな、意外と高いんだぞ」

 

白い煙を吐き出してぼやいたベリアルの腹を呆れたように小突いて、大きな体に背を預けながらテキサスも煙を吐き出した。

やがて煙草を吸い終えた二人は灰皿へと押し付けて火を消した後、眠りについた。

 

翌日、朝帰りで出勤したテキサスは喧しい同僚たちにつけまわされ根掘り葉掘り聞き出されそうになったのは別の話。

 

 

 

 

 

 

 

 





紹介
ベリアルくん:サルカズのインキュバスもどき。
近衛局の任期を終えた後で今までの貯金を崩して、新しい生活を始めようとしていた時に勤務中のテキサスと出会う。
家電量販店のおっさんとテキサスはそういった関係なのかと最初は勘違いしていたが、明らかに様子がおかしかった事と案内してくれた恩があった為テキサスをおっさんの手から救出。

テキサスとは何度か顔を合わせているうちに友人と呼べる関係になった。近頃は『魅了』は制御出来つつあるが完全ではない為、僅かに漏れ出た力が発情期で雄を求めて疼いていたテキサスの身体にトドメをさすこととなった。

街中で潮を吹いて絶頂したテキサスの姿に、あっ(察し)となって逃げ出した彼女を慌てて追いかけて更に救出。

なし崩し的に体の関係を持ってしまったが今でもその関係は続いており、彼女の身体を無意識のうちに自分専用のものへと開発している。最近ではお尻の反応もいい事に気がついてしまった。

何かと自分から誘ってくる癖に快楽に弱々なテキサスが可愛くて仕方ない。

なぜかエクシアから亡霊でも見たかのような目で見られていたが……?



テキサスちゃん:ループスの女の子、得意なプレイは誘い受け?
普段は源石剣というライトセーバーみたいな武器を使ってる、カッコいいよねあの剣。振り回せば気分はジェダイもしくはシス。

顔馴染みの“彼女”のようなストーカー気質な家電量販店の店員に困らされていた時、ベリアルに助けられたのが彼との出会い。
本当に偶々ベリアルと顔を合わせる事が多く、挨拶を交わすうちに気がつけばベリアルと男友達になっていた。

しかし発情期に出会した所為でトドメをさされ、なし崩し的に体の関係を持ちただの男友達から屈強な雄として認識させられ自分がただの雌として屈服させられてしまう。

情事の際には何度も求めてしまう程のキス好き、ついでに頭や頭部の獣耳を優しく撫でられるのが大好き。もう完全にワンちゃん。
ニャホニャホの時は主導権を握りたいが快楽には滅法弱い為、逆転する事ができずベリアルが満足するまで喘がされてしまう快楽弱々ループスちゃん。
もうお互いに色んなところを見せ合ってるのに未だに気恥ずかしさが残る初心な子。

被虐趣味満載とまではいかないが若干Mっけがあり首輪とかつけられると喜んじゃうくらいに開発されてきている。
“相性”はそこそこいい、何度も抱かれる内にベリアル専用の体に染められてしまい、最近では自慰でも満足できない体になってしまっている。

ベリアルには元々好感を抱いており屈服させられてからは、雌としての本能でそれは好意に変わっている。本人はそれをよく理解していないが嫉妬してしまうくらいには好意を寄せている。










テキサスちゃんは二度目の出番です。
彼女はプロローグ扱いで短い出番だった為どうせならと書き直してみましたが思いの外難航しました。

書いてて楽しいですけどエッチな小説って難しいですね、「この表現の仕方前回もやったな」とか思っちゃうと結構筆が止まってしまいます。

そしてテキサスちゃんの喫煙者設定は正直に言ってシガーキスがしたいが為だけにアリにしました、後悔はしてないです。

それと彼女は感慨を抱かないから無口、との事なので逆に感慨を抱けば饒舌になるんじゃね? という考えにいたりいっぱい喘がせました、はい。


次回はスワイヤーちゃんかエクシアちゃんを予定しています。



再登場希望キャラ

  • チェン
  • W
  • テキサス
  • エクシア
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