俺は帰り道に空から鉄柱が降ってきて意識を失った。おそらく死んでいるだろう事は確実だ。そのはずなんだけどなんでこんな所に居るんだろ?
「君を呼んだのは私だよ」
俺の目の前にはピンク色の髪をツインテールにした幼い女の子。
「私は全てを与える女、パンドラっていうんだよ。よろしくね☆」
「よろしく。で、ここはどこで、カンピオーネのパンドラさんが何の用?」
ラノベも好きなので内容は理解している。しかし、可愛いな。
「ここは神様の空間だよ。そして、君はカンピオーネになるの! いや~ちょっと負けちゃってね。上の人に多世界の死者の魂をカンピオーネにして叩き込めって言われたの。つまり、君は私達の世界に行く権利を適当に抽選した結果得たのです。そう、転生させる為に呼び出しました〜〜〜〜ドンドンパフパフ〜〜〜」
だが断る! あんな即死フラグ満載な世界になんて行きたくないっ! 確かにアテナは大好きだけど! そう、アテナ(幼女)は大好きだけど!! もちろん巫女さんも好きだ!
「大事だから二回?」
「イエス」
「まぁ、ロリコンさんなのは置いといて、転生は強制だから。でも、チートはあげるから安心していいよ?」
「マジで?」
「マジマジ。最初から私の息子で、特典上げちゃうよー」
なら、良いかもしれない。それに、アテナとむふむふできるかもしれないし。それに祐理やひかりもカンピオーネとして命じてしまえばいいんだ。くっくく、巫女さんを好きにできるとか最高じゃないか!
「で、特典は四つまで選択させて上げる。ただし、能力を作る系統はダメだからね。後、何の神様かはいいけどどれか一つは神様を選んでね」
「了解。じゃあ、呪力や身体能力は?」
「身体能力や呪力は鍛えればいいよ。普通にカンピオーネの力は持ってるし」
鍛え方次第か。頑張らないといけないな。
「なら、一つ目はゾロアスター教のアンラ・マンユの力を全て権能としてくれ」
「わお。一つ目からおっきいね」
「二つ目は成長能力で。もちろん限界は無しで成長速度も最大で」
「世界でも滅ぼす気ですか☆ それで、三つ目は? アンラ・マンユって時点で既に私は死にそうなんだけど」
三つ目はアテナたんだな。でも、それはどうにか出来そうだし、別のをもらうか。
「刀語の見稽古を魔術やありとあらゆる物に適応させたのを欲しい。四つ目はナイトウィザードのクラスとかが欲しい」
「TRPGのナイトウィザードね。2nd扱いでいいならいいわよ?」
「それでいいよ」
ナイトウィザードはエンターブレインから出版されている日本のテーブルトークRPG(TRPG)で、現代を舞台として影で世界を守る魔法使いたちの活躍を描くライトノベル調のロー・ファンタジーに属する作品だ。アニメとかもやってたのでわかる人はわかるだろう。下がる人のアレだ。
「じゃあ、神様を倒したらシナリオクリアーは神様か同じカンピオーネを倒すか撃退したらだね」
「厳しいけどありかな。力が元からあるんだし」
ナイトウィザードはシナリオ……セッションをクリアーすると自動的に1レベル上昇するのだ。なので、色々と便利だ。
「経験値は適当に配布するとして……スタイルとクラスはどうするの?」
「アタッカーで」
「ならちょうどいいから転生者ね。遺産はこっちで用意するから」
「了解。ちなみに特技は?」
「そうね……変形は居るわね。遺産所持もだし」
「なら不可視の神宝も欲しい」
変形はその名の通り遺産という名の神器の形をある程度変える事が出来る。遺産所持は遺産を持つ事のできる特技だ。不可視の神宝はセイバーのインヴィンシブル・エアと同じ効果を得られる。
「後二つね」
「アタッカーから死点撃ち(物理)とテクニカルエイムでいいよ」
死点撃ち(物理)はクリティカル(この場合は急所などに命中)すると相手の防御力を減らしてダメージを与えられる。テクニカルエイムは相手1人に集中する事で命中力をあげる効果がある。後は物理攻撃力上昇の特技がパッシブで入ってくるくらいかな。
「了解。容姿はこっちで好きにしておくからね」
「性別は男の子でお願い」
「いいよ。それじゃあね」
ピコピコハンマーで叩かれて意識を失った。
次に気づいた時、なんと……なんと……女の子になっていた!
いや、だって、どう見ても自分の前にあるショーケースに写っている姿は女の子なのだ。それも美少女。
髪の毛は赤色というかピンク色でまさしくロリっ子ツインテールお母様パンドラの子供に相応しい。瞳の色は紫色で長い髪の毛を三つ編みにしている。そして、色々とあるが、ボクの姿に似ている存在は一つ思いつく。FATEの黒ライダー、アストルフォ。
「はっ!?」
急いで股間に触れてみる。
「あ、ある……良かった……」
私服もFATEのアストルフォの物だった。年齢からして11歳くらいだと思う。ちなみに私服は紫色のパーカーに首元が大きく開いた紫色と白色のストライプのTシャツと黒のスカート。首には黒い槍のペンダントまである。そう、完全に女装している。手荷物はスーツケースが一つあるだけだ。
「とりあえず見てみようか……」
スーツケースを道端で開けてみると一番上に手紙が有った。先ずはそれを読んでみる。
『この手紙を読んでいる時、君は転生できていると思うよ。まず、君の容姿だけどアンラ・マンユと相談した結果、力をあげる代わりにFATEのアストルフォの容姿にしろとお願いされたの。なんでも君の知識にあった小説が気に入ったみたいだね。性別もちゃんと男の子だから勘弁してね。他ほ要望通りにしてあるし、アンラ・マンユの権能もちゃんと使えるはずだよ。それとアンラ・マンユから神器の槍が送られてるよ。首にあるのはアンラ・マンユの闇を凝縮されて作られた神器だから。転倒とかも出来るけど効果はもっとえげつないから使うのは注意が必要だよ。後は……幸運A+、対魔力A、騎乗A+はあるから……ぶっちゃけアストルフォと同じだね。それ以外もカンピオーネ補正で全部Bはあるしね。魔導書はないけど対魔力は普通のカンピオーネよりも高いからね。それはもう、口径摂取でも効かないぐらい』
「これは予想以上に凄いや……」
『後は一人称はボクで確定されているのと、一応君の知っている日本に行くチケットは用意してあげたよ』
確かに周りを見ると外国人が多い。これはこれでありだろう。って、それよりもボクの一人称がボクになるだと!? って、思考までボクにされてる!
だけど、この容姿だとこっちの方が確かにいいけどこれは非道い呪いだ。だけど、その他は色々とハイスペックなのは分かるので我慢……いや、感謝しよう。だって、ステータス的に言えばカンピオーネはオールBみたいだしね。まあ、考えようによっちゃまつろわぬ神はサーヴァントと同じ存在だしね。ただ、ハイ・サーヴァントも居るのだけど。
「っと、それよりもお金も無いんだよな……」
まあ、スーツケースの中身を調べればいいかな。ちょうど近くに公園もあるし、そっちに移動しようか。でも、その前にリボンだけ外して置こう。しかし、スースーするな。
公園に移動し、ベンチに座りながらしっかりと中身を確認していく。先ず見つかったのがフェリーのチケットと航空チケット。それによると、ここはギリシャ共和国の広域自治体であるペリフェリア(地方)のひとつイピロスにあるイグメニツァ港だった。他にもパスポートが一応有った。名前は万里谷アスト……漢字表記だ名前は明日斗となっている。
「万里谷っ!?」
つい叫んでしまって周りから視線を集めてしまうが無視する。何故にヒロインである祐理と同じ名前なんだよ?
一応、もう一度手紙を読んでみる。内容の変化は無かった。ただ、裏側にPs.万里谷家の親戚にしておいたと書かれていた。いや、それ以外にも色々と書かれている。
『君の両親はイギリス人と日本人で、ギリシャ在住だったけど両方とも死亡しているからね。君の母親は私だけでいいから。あと、一応君の好きな巫女さんの家計である万里谷に引き取られるようにしておいたよ。11歳の子供だから仕方無いよね。でも、原作開始まで時間があるから大丈夫なはずだよ。あっ、万里谷家の人とペロポネソス半島西部に位置するオリンピアで待ち合わせしているから遅れない方がいいかもね』
「おいおい……」
他には何も書かれて居ないが、これは色々と楽だね。無理矢理王様の権力を使って住み着こうかとも思っていたが、これはありだ。まあ、今はそんなことよりも大切な事がある。
「取り敢えずズボンを買ってから行くか」
幸いにも財布と通帳がスーツケースの中に入っていた。お金は大体9220ユーロが口座に有ったので大丈夫だ。財布には100ユーロも入っている。日本円にすると大体1万4千くらいだから問題は無い。
それよりチケットの時間を確認しないと……チケットの時間は13時45分。現在の時間は13時20分。
「って、やばいじゃん!」
急いで荷物を片付けて港に走る。それはもう、カンピオーネのスペックを利用して本気で走る。人の間を駆け抜けて高台の手すりから飛び降りて屋根の上に着地する。そのまま屋根の上を進んで港を目指す。色々と指さされたりしたけど気にしない。ここから普通に進んでも絶対に間に合わないしね。
無茶な走り方をしていると、港に無事に着いた。ただ、タラップが取り外されようとしている。だから、ボクはそのまま走って飛び乗ってやった。
「ちょっ、君!」
船員が無茶苦茶怒ってくる。
「はい、これチケット」
「……これはあっちの船だぞ」
「なんですと!? 今から間に合うか……」
「冗談だ。この船で合っている。ただ、これからはもっと早く来なさい」
「はーい」
冗談とはやってくれる。しかし、この船に乗れて良かったよ。
ぐぅ……
「すいません、食堂は何処に?」
「それはそこの甲板から上がって船内に入った場所だ」
「ありがとうございます」
直ぐに食堂に移動する。千の言語のお陰で言葉も分かるし何の問題も無く注文して食事をする。パクパクと食べる。食事を終えたら部屋に移動してみる。部屋は067号室だった。神様が用意してくれたけどかなり小さい。ベッドと棚があるだけだしね。
「さて、戦力を確認しようか。使え無いと死ねるしね」
先ずはこの人外級の圧倒的身体能力。こちらは船に来るまでに確認したし問題無し。次に権能だね。ボクの権能は善悪二元論のゾロアスター教において絶対悪として表されるアンラ・マンユの力。ゾロアスターの創世神話によれば、世界の始まりの時、創造神スプンタ・マンユと創造神アンラ・マンユが出会い話し合ったそうだ。そして、スプンタ・マンユは世界の二大原理のうち善を、アンラ・マンユは悪を選択し、それぞれの原理に基づいて万物を創造したという。つまり、創造神の力を持っている事になる。アンラ・マンユは更に冬、病気、悪などの16の災難を作成し、何より光を破壊し生命を殺戮すべく悪竜アジ・ダハーカを生み出した。配下は大魔ダエーワ(悪魔達の総称)やアジ・ダハーカなど闇に属する者を配下に収めている。特にアジ・ダハーカなんてかなりヤバイ代物だ。アジ・ダハーカは3頭3口6目の容姿を持ち、竜のような体型……つまりドラゴンだ。更に千の魔法などを駆使しでき、剣を刺してもそこから爬虫類などの邪悪な生き物が這い出すため、これを殺すことができない不死の怪物だ。アジ・ダハーカはインドの蛇の怪物ヴリトラとヴリトラとセットになって神話に登場するヴィシュヴァルーパに対応するとされる。この為、雷すらも操れる。
アジ・ダハーカはボクの騎獣として使えると思うだろ?
でも、竜種は該当しないんだよね。残念だけどさ。いや、乗ろうと思った乗せてくれると思うけどね。
まあ、現状として使える権能はアジ・ダハーカとアンラ・マンユの基礎権能である始原の暗黒という闇その物を操る代物かな。アンラ・マンユの本質は悪であり、それは光を遮ったときにできる物理的な影でもあり、負の感情から成る心の闇でもあるためかなり最強といえる。まあ、流石にそこまでは人の身では不可能だろうけどね。物理攻撃は普通に効くだろうし。
「後はこれかな……」
アンラ・マンユがプレゼントしてくれた危険な危険な、とっても危険な魔槍らしいペンダント。試しに手に取ってイメージしてみると、漆黒の槍が現れた。放たれる気配は邪悪その物で、力を解放すると死と破壊を巻き散らかす代物だとわかる。力を解放せずに普通に使ってもかなり強力な武器になるんだろう。取り敢えずそうしよう、刺したら確実に殺せるだろう。いや、神クラスなら分からないかも知れないけどね。
後、ナイトウィザード的にいうとボクは転生者/アタッカーになるので物理攻撃力は結構あるよ。基礎スペックに更なる強化が行われているから尚更強いはずだ。
「ん?」
なんだか体調が良くなってくる。それに周りが昼間なのに夜みたいに暗い。だんだん海も荒れて来ている。
「あははは……流石は幸運A+。カンピオーネ補正も入っているのか、すごいね。転生してから数時間で神様引き当てちゃったよ」
力を試す獲物が向こうからやって来た。これは嬉しい。だからボクは闇に荷物を取り込んだ後、甲板に出て船の先端に立つ。周りは嵐に巻き込まれ、大変な事になっているけど気にしない。
「さぁ、勝負しようじゃないか! まつろわぬ神様!」
そして、海の上に浮いている人影に対して宣戦布告する。初戦が海上というのも面白い。あちらもこちらに気づいて居るのか、楽しいそうに笑みを浮かべる。相手は白い髪の毛に同じく白い髭でトーガという古代ギリシャの法衣みたいなのを着たお爺さんだ。手には三股に先が別れた槍を持っている。
「若い神殺しよ、顕現したばかりの我に戦いを挑むのは天晴である。我も我が同胞と戦う予定であるが、前哨戦としては良かろう! どうせなら戦う前に名乗ってやろう。我が名は大海と大陸を支配し、海を司る神であるポセイドンである」
って事はあれが三叉の矛(トリアイナ)か。かなりのビックネームが来たね。ポセイドンはゼウスに次ぐ圧倒的な強さを誇り、全大陸はポセイドーンの力によって支えられていると言われる程だ。それに容易く嵐や津波を引き起こし、大陸をも沈ませることができる上に、万物を木端微塵に砕くことができると伝えられている。
「神殺しよ、貴様の名は?」
「ボクは万里谷アスト! お爺ちゃん、いざ尋常に勝負!」
「良かろう。かかってこい。先手は譲ってやる」
「なら、深淵よりも暗き原初の闇より生まれし眷属よ、我が前に立ち塞がる愚か者を冥府へと叩き込め、アジ・ダハーカ!」
「ぬっ!?」
ボクから大量の呪力が抜け出すと同時に闇が濃縮し、空間から染み出るように邪悪な気配が放たれる。ボクの上空に巨大な暗黒神竜が生み出される。三つの首に六つの瞳を持ち邪悪なる気配を撒き散らかす負の存在。アジ・ダハーカより発せられる気配は正真正銘の化け物クラスだ。
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■━━━━!!」
発せられる声にならない雄叫びによって衝撃波が生まれ、大津波が起きる。
「アジ・ダハーカだと……貴様、ゾロ・アスターの創造神より権能を簒奪したというのか……」
「貰っただけだよ。さあ、行けアジ・ダハーカ!」
ボクの指示により、ポセイドンに突撃するアジ・ダハーカ。それに対してポセイドンは三叉の矛(トリアイナ)を全力で投擲してきた。
「ふんぬっ!!」
アジ・ダハーカは回避行動を取るが、足が一本弾け飛んだ。流石はメジャーゴット。だけど、吹き飛ばされたアジ・ダハーカの足から名状しがたい者達が溢れ出してポセイドンに向かっていく。しかも、周りに毒が撒き散らかしながらなので大変な事になっている。
「ぬぅ……我が眷属共よ、我が敵を滅ぼせ」
ポセイドンがイルカを呼び出して名状しがたい者達と戦わせて居るが、有利なのはこちらだ。
「これはどうじゃ? ふんッ!」
両手を広げて空間を握るようにして手を重ねるようにしていく。するとアジ・ダハーカが両手を広げて見えない壁に押しつぶされないように対抗しだす。
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■━━━━!!」
三つの口からポセイドンに向かってビームのような毒のブレスを吐き出してポセイドンに攻撃する。ポセイドンは三叉の矛(トリアイナ)を呼び戻して素晴らしい体術と槍さばきでブレスを斬り裂いていく。その後、開放されたアジ・ダハーカが即座に爪で斬り裂きに掛かる。ポセイドンとアジ・ダハーカは激しい戦いをボクが見ている前で行っている。
「ふふふ……」
その戦いをの姿を見ながらボクは学習する。学習しながら神器たる槍に力を貯めていく。この槍はアンラ・マンユが作り出した根源たる闇。人々などの生命の恐怖や死への絶望、恨み辛みが蓄えられる。それは名状しがたい蠢く者と殺し合っている相手はの眷属達も含まれる。この船に乗っている者達も恐怖や絶望が積み重なっていく。ボクは激しく揺れる船の上で手すりを掴みながら槍を投擲する準備をする。投擲方法はポセイドンから習った。だから問題無い。
「ウラァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァッッ!!!」
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■━━━━!!」
ポセイドンがアジ・ダハーカの一つの首から中に入り込んで、両手でアジ・ダハーカを引き裂いた。その瞬間にボクは投擲してアジ・ダハーカを倒して油断しているポセイドンに叩き込んでやった。だけど、同時に船が傾いていき、沈む事が確定した。
「ごほっ……せい、せい、堂々と……」
「馬鹿じゃないの? 戦いに正々堂々も卑怯も糞もないよ。勝った者と負けた者のだけが居るんだから。それより、アジ・ダハーカ……君って、その程度?」
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■━━━━!!」
ボクの声に雄叫びを上げたアジ・ダハーカは真っ二つにされた傷跡から大量の名状しがたい者を放ち、かつ自身は触手を生み出して傷口を網目状の触手で覆って急激に再生していく。そう、ポセイドンを飲み込んだままでだ。追加に胃液などの体液替わりとして猛毒をポセイドンに浴びせている。
「ぐぬぅぅぅぅぅぅぅっっっ!!! この怨み、忘れぬぞ! 次は我が勝つっ!!」
ドロドロに溶かされて消滅していくポセイドンを見送り、ボクの身体の中に内から溢れ出す力が存在した。それにポセイドンから権能を奪うお母様の術式が見えた。
「ポセイドンの権能、ゲットだよ! ‥‥‥‥‥‥‥ないわー。うん、やめよう。しかし、この船ももう駄目だね。アジ・ダハーカ、送ってよ」
「……」
「あっ、何それ! 知るかって顔してる! あっ、こら! 消えるな!」
アジ・ダハーカは勝手に名状しがたい者達と共に消えちゃった。残ったボクは仕方無いのでさっき奪ったポセイドンの権能でイルカを呪力を使って大量に召喚する。乗客をイルカに乗せたり銜えさせたりして近くの浜へと向かう事にした。でも、そこには次の神様が待ち構えて居た。そいつはオリンピアで戦い、古代都市を完全に破壊したけどなんとか勝利出来た。ポセイドンと戦う約束をしていた奴だったようだが、こいつもなんとかポセイドンがアジ・ダハーカと戦う時に見せた槍さばきを覚えてたから倒せた。でも、そのせいで万里谷の者と合流できなかった。
万里谷の者と合流できなかったボクは仕方無いのでズボンを購入してそちらに着替えてから空港に向かう。だって、ボクとまつろわぬ神の戦いでオリンピアの被害は甚大だし、探すのも面倒だしね。
そんな理由で空港に移動したのだけど、こちらも被害が出ていたようで欠便になってしまっていた。普通なら言葉が通じなくて困るんだろうけど、ボクはギリシャ語とかも完璧に覚えているようなので問題無い。元々ギリシャに住んでいたって事だしね。
「すいません、日本へ行く飛行機はどうなっていますか?」
「日本へは乗り継ぎがございますが、今はどの便も滑走路が使え無い為に欠便しております」
「それは困ったな……」
いっそ権能で眷属を呼び出してそれで行くか?
呪力が持つかという問題がありそうだけど。これはやっぱり万里谷の人を探した方が良さそうだ。
「あっ、災害に巻き込まれた日本人が何処に居るか、分かりますか?」
「日本人の情報でしたら日本の大使館に情報が入ると思いますよ」
「わかった、ありがとう。ちょっと行ってみるよ。タクシーで行けるよね?」
「はい。大丈夫ですよ」
「ありがとう」
空港から出て外で客待ちしているタクシーに乗り込む。
「日本の大使館まで」
「畏まりました」
タクシーで空港から大使館へと向かう。大使館は数十分で到着した。道が落雷や台風によって色々と壊れているので仕方無い。とりあえずお金を払って中に入っていく。中では在日日本人の安否確認で大変そうだ。でも、こちらも用事があるので人を捕まえる。それに一応ボクも日本人になっているはずだしね。
「すいません」
「なんですか?」
「万里谷という親戚を探しているのですが、情報はありませんか?」
ボクはパスポートを渡して職員の人に聞いてみる。
「万里谷さんですね。座って待っててください」
「は~い」
職員さんが直ぐに調べて戻ってきてくれたが、その顔色は悪い。
「万里谷さんは災害に巻き込まれて怪我を負ったそうです。こちらの病院運び込まれています」
「ありがとうございます。行ってみますね」
「タクシーを呼びますので少々お待ち下さいね」
「うん」
少しして大使館が呼んでくれたタクシーが到着した。そのタクシーで病院を目指していく。病院に着いたら人に聞いて病室へと向かう。病院は人がごった返していて被害の大きさがここでも感じられる。メジャーゴット2体と戦った被害なら安いものだろう。まあ、他人がどうなろうと知ったことではないしね。そして、病室の前に移動すると話し声が聞こえて来た。
「祐理、本当に無事で良かったわ。青銅黒十字の人達には連れてきてくれた事だけは感謝しましょうか」
「お母様とお父様達にもご心配をお掛けしました。それよりもお母様もこちらでまつろわぬ神との戦いに巻き込まれたと聞きましたが……」
「ええ。でも私は大丈夫よ。その代わりここで合流するはずだった親戚の子とは会えて居ないのだけどね」
「心配ですね。確か私と同い年ですよね?」
「ええ、そのはずだけど……」
どうやら生きてるみたいで良かったや。それに祐理もいるのか。ボクの女第一号ちゃんになって貰おうかな。
「っ!? そこに居るのは誰ですかっ!!」
「ありゃ、バレちゃったか」
ボクは祐理の声に大人しく扉を開けて中に入る。そして、中の人達を見る。
「っ!?」
「あら、貴方は……もしかしてアスト君?」
「そうだよ。万里谷アスト。これから色々と世話になるからよろしくね♪」
おばさんに挨拶すると、祐理が身体を震わせながらこちらを青白い顔で見詰めている。だから、ボクは近づいていく。
「ひっ……」
「祐理? どうしたの?」
「緊張しているだけだよ。ね」
「は、はい……」
近づいたボクは祐理の身体を抱きしめて耳元で囁いてあげる。
「これからお前はボクの女だ。良いな?」
「っ!?」
「逆らうな。受け入れろ。王の命に逆らうと身近な人達が大変な目に遭う……かもしれないよ」
ボクは護堂のようなヘタレじゃない。使える権力は使う。優秀な女や気に入って女は手に入れてボクの物にする。神様と命懸けで勝負して守ってあげるんだから、それぐらいの役得は当然だ。それに王とは媚びぬ、引かぬ、省みぬだよ。サウザーやギルガメッシュも言っているしね。
「……わ、分かりました……で、ですから……」
「よろしい。これくらよろしくね、ボクの巫女さん」
「……はい……」
返事を聞いた後、直ぐに離れて今度はおばさんにハグする。
「祐理には刺激が強かったのかしら?」
「ハグは挨拶だよ」
「それにしても、下のジーパンはともかく上は女物よね?」
「母親と父親の趣味で女装させられてたんだ。まあ、似合ってるからズボン以外はいいかなと思うんだけどね」
「確かにそれもそうね。それよりも無事で良かったわ」
「ああ、うん。無事だよ」
「そうえば神様って信じてるのかしら?」
「信じてるっていうか、ここに出たまつろわぬ神ならボクが殺してきたよ」
「え? 本当?」
「本当だよ♪」
「祐理……」
「……本当です……この方、この御方は荒ぶる鬼神の顕現、忌むべき羅刹王の化身です」
「とりあえず、ボクはポセイドンを弑逆して権能を簒奪したんだ。日本に引越しするから日本の王となるね」
驚いているおばさんと恐怖に震える祐理を見ながらボクは楽しそうに宣言してあげる。すると、おばさんは携帯を取り出して連絡を取りだした。
「ちょっと電話するわね。流石に私だけで対応できないから」
「いいよ。どうぞ、どうぞ。ついでに日本の魔術結社にも伝えておいてよ。ボクの機嫌を損ねたら日本列島が海に沈むかもってね」
「はっ、はは……」
「止めてください! 何でもしますからそれだけはお許し下さいませ!」
祐理がボクに抱きついて懇願してくる。涙目で可愛いね。虐めがいがあるよ。もちろんやらないけどね! 掻き回すのは大好きさ!
「もちろん冗談だよ。流石のボクも故郷を海に沈めようなんて思ってないよ。まあ、逆に海底を浮上させるとかは面白そうだけどね」
「ほっ。お、お願いですからそのような冗談はお止めくださいませ」
「まあ、ボクは気分屋だからどうなるかは分からないけどね。それと、分かっているとは思うけどボクの権能と弑逆した神の名を漏らす事は禁じるからね。まあ、ポセイドンは構わないし、相手も何れはばれるだろうけどね」
「かっ、畏まりました……」
ボク等がこんな会話をしている間にも、おばさんが日本に連絡を取って向こうの魔術結社……日本の呪術師や霊能者を統括し、彼らが関わった事件の情報操作などを行う政府直属の秘密組織、正史編纂委員会に連絡していた。それが終わった段階でボクはおばさんに声を掛ける。
「それで、そっちはどうなったのかな?」
「明日、政府専用旅客機でこちらに到着するそうです。今日はホテルのスイートルームで泊まってくれと……」
「そう。あばさんの怪我は? それと家族になるんだから別に敬語とかじゃなくていいよ」
「そう。なら、お言葉に甘えさせてもらうわ。私は魔術で治したから大丈夫よ。もう退院できるわ」
「お母様、いくら王のお言葉とはいえ……」
「本人が許してるからいいのよ。それにそっちの方が不敬になるわよ」
「そうそう」
「うぅ……」
おばさんに祐理が諭された。まあ、ボク的にはどっちでもいいのだけどね。それよりもスイートルームか、楽しみだ。
「では、退院手続きしてくるから……」
「あっ、待って」
「何かしら?」
「携帯のアドレス交換しておこうよ」
「そうね。祐理は持ってないし」
「そうなんだ……」
「お母さん達の影響で機械音痴なのよ」
おばさんとアドレスを交換する。おばさんは直ぐに退院手続きに行った。なので、ボクは早速メールを打っておく。打ち終わったら不安そうな表情でこちらを見ている祐理の手を掴む。
「っ」
「買い物行くよ」
「はっ、はい……」
祐理を連れて買い物に行く。買うのは日用品や服だ。それらを買いながら爪痕の残るこの街を観光もしていく。祐理は終始、大人しく付いて来ていた。買い物を終えたら、おばさんが予約してくれたスイートルームへと向かう。かなり豪華な佇まいでちょっと引いてしまう。中に入ると直ぐにボーイがやっていくるのでそちらに話して案内してもらった。
そんな感じで着いた先は超豪華なスイートルーム。王侯貴族が利用するような部屋だ。
「なにこれ、すごーい」
「なんですかこれは……」
「祐理、見てよ見てよ、壁画だ!」
「由緒ある物ですね……」
今は祐理も子供だからか、色々と原作とは違うよで楽しんでいる。そもそもまだ小学生だしな。小学生高学年のロリ祐理の身体を堪能するのが楽しみだ。
「それで、そのどうしますか?」
「先ずはご飯かな」
「分かりません。注文してきます」
「よろしく」
しばらく見学して祐理を待っていると、おばさんもやって来た。おばさんにの後ろにはスーツ姿の外国人の男性が見れる。ボクは座ったままで対応する。
「その人は?」
「この地の魔術結社トゥーレの者よ。ここの手配とかをお願いしたの」
「お初にお目にかかります。この度は生誕おめでとうございます」
「ありがと」
トゥーレって何処かで聞いたような……でも、あれってドイツだしな。違うだろう。
「いえ、こちらこそまつろわぬ神を早急に倒して頂いて感謝しております。それで王は日本へと向かわれるのですか?」
「そうだよ。確か明日には迎えが来るんだよね?」
「そうよ」
「そうですか……出来ればこちらに残って頂きたいのですが……」
「ごめんね。日本の方がいいから」
祐理やひかりも居るし、ボクも日本人だしね。それに食文化とかやっぱり日本がいい。後、オタク文化も好きだし。
「いえ、こちらこそ出過ぎた事を申し訳ありませんでした。誠に失礼でありますが、もしもまつろわぬ神が新たに現れた時はお願いしてもよろしいでしょうか?」
「構わないよ。いや、むしろ大歓迎だよ。ああ、神器とか出てきたら連絡ちょうだいよ。これ、携帯の番号ね」
「王との直通ラインなどよろしいのですか!?」
「ああ、そっか。その問題もあるんだ。まあ、まつろわぬ神とカンピオーネに関する緊急時以外は使わなければいいよ。暇だったら直ぐに駆けつけてあげるけど、下手な事に使ったらわかってるよね?」
「もちろんでございます! 我々ギリシャはアスト様に従わせて頂きます」
「よろしい」
国外に伝手ができるのはありがたいしね。可愛い女の子を献上させるのにも使えるし、魔術書とか色々と融通してくれるだろうしね。そんな事を考えていると、祐理が戻って来た。
「ただいま戻りました。お食事の準備が整いましたが、どうなさいますか?」
「じゃあ、食べようか。君も一緒に食べてきなよ」
「はっ」
スイートルームに用意された食堂へと移動し、豪華な席に座って運ばれてくる料理を食べていく。うん、魚介を中心にしてあって美味しい。食事が終わったらトゥーレの人は帰って行った。
「私はこのまま寝るわね。好きな部屋にあるベッドを使って寝てね」
「わかった。お風呂は?」
「常に沸いてるはずだから入ったらいいわ。私は朝入るわ」
「お母様……」
「祐理、アスト君の事をお願いね」
「は、はい……」
不安そうな表情で頷く祐理の頭を撫でてからおばさんは部屋に入っていった。おばさんはボクが祐理に何をするかわかっていない。まあ、わかっていてもどうしようもないんだけどな。
「さて、祐理」
「はっ、はい!」
ボクの言葉に不安がる祐理に近づいて命令する。
「一緒に風呂に入るぞ」
「はい。お風呂に……一緒に……えっ? え? えぇえぇぇっ!? そ、そんなはしたない事出来ません!」
「駄目だ。いいから来い」
「ひっ!? やっ、嫌ですっ、お許しくださいっ!」
嫌がる祐理を無理矢理連れて風呂場へと向かう。脱衣所はすぐ近くなので簡単に連れ込めた。
「ほら、祐理も脱いでよ。それともボクが脱がしてやろうか?」
自分の服を勢い良く脱いで素っ裸になりながら祐理に聞く。
「そのようなふしだらな真似はお止めくださいっ!」
「じゃあ、自分で脱ぐんだね。祐理はこれから巫女としてボクに仕え、ボクの一人目の妻兼肉奴隷になるんだからね」
「っ!?」
裸になった状態で祐理に近づき、無遠慮に服の上から胸を揉んでやる。
「いっ、痛いですっ、荒ぶる心をお鎮めください」
「鎮めて欲しかったら身体を使って頑張るんだね。それとも、別の娘を用意させた方がいいかな? 気に入らなかったら殺すだろうけど、祐理が嫌じゃ仕方無いよね」
「わ、分かりました! 脱ぎます、脱ぎますからお許し下さい!」
「よろしい。じゃあ、ボクの前で脱いでよ」
「は、はい……うぅ、恥ずかしいです……」
一枚一枚服を脱いでいく祐理を視姦する。原作通り、色素が薄く茶色になっている肩の少し下まである髪の毛は綺麗でさらさらしている。肌も白く染み一つ無い綺麗な肌は羞恥心で赤く染まっている。それは十代になったばかりの幼い肢体がどんどん晒されていく毎に増えている。
「せっ、せめて……みっ、見ないでくださいっ、お願いしますぅ……」
「やだね。ほら、行くぞ」
「はっ、はい……」
祐理は手で胸と下半身で隠しながら付いてくる。その身体は震えているが、しっかりと決意が宿っていた。まあ、今回は簡単な事しかしないし、処女は奪わないでおいてやるつもりだ。だって、祐理は巫女なんだからどうせなら巫女服を着た状態で神社で犯したいからな。