最初は驚いた事に静花の反応まで消失してしまったんだよ。ジャック・ザ・リッパーとシャーロック・ホームズと同じように。直前の報告で坂を転がり落ちたそうだけど、特殊な空間に飲み込まれたようだ。仕方なくリーゼロッテと祐理に頼んで探してもらったら、
「どうするの、王様?」
「え?もちろん代金は払ってもらうよ」
静花が勝利した為に結界が解除されて
「恵那、後は裸にして拘束具を付けて牢屋に入れておいてよ」
「は~い」
「ボクは冬姫の方に行ってるから」
「わかったよ」
転移して、冬姫が向かった所へと向かう。そこでは面白い光景が映し出されていた。そう、それは老人達とそれを守る者達。不穏分子をまとめて集めて会議するように誘導し、各家でそれが行われるときにそれらを一斉に
「冬姫貴様っ!! 育ててやった恩も忘れたかっ!!」
「あはははは、裏切った癖に何をおっしゃってますの!」
式神として呼び出した鬼や紙で出来た人形達が観覧席に陣取った女の子達が構えている銃火器から放たれる攻撃を必死に防いでいる。いや、それだけじゃない。魔術も多数飛んでいる。それは高位魔術であり、大規模な儀式魔術だ。
「準備が完了しましたわ!」
「馬鹿な……」
「禁術ではないか!?」
「それがどうしましたの! この禁忌の魔術に潰されてくださいですの!」
空中に百メートルもの巨大な氷塊が作成されて落とされる。数千トンを軽く超えるそれは彼らの防御を容易く打ち砕いて粉砕していく。戦略級魔術……いや、既に魔法だな。これは多数の人間を操って同時詠唱を狂い無く行って発動する事により、詠唱時間の短縮など発動効率を徹底的に良くしてある。普通は有り得ない事だ。
「ふふふふ、あはははははははははっ」
残ったのは糸が切れたのか、倒れた女の子達と泣きながら笑っている冬姫だけだ、ボクは冬姫を抱きしめてあやす。同時に魂や身体を闇に飲み込ませて回収する。彼らを分解して彼らの持つ知識を得る。得た知識は皆に配る予定だし問題ない。
「もう大丈夫ですの……」
「そう?」
「はい」
頭を撫でていた手をどけて、視線を合わせてキスをする。冬姫は直ぐに唇を開いて受け入れてくれる。舌と舌を絡めて唾液を交換していく。
「んっ、ちゅっ、れりゅっ……主様……」
「しっかり覚えてね」
得た知識を早速冬姫に与える。これで連城家は大丈夫だろう。奪った様々な知識が冬姫の物になる。呪力を貯めておけないから数日で消えるだろうが、毎日キスすれば問題なし。次第に慣れてくるだろうしね。
「さて、あちらはどうなってるかな?」
「ん……流石は羅刹の君といえますわ」
「破壊しすぎだよねー」
「主も人の事は言えませんの」
「てへっ」
ディオニュソスとシペ・トテックの2柱の神と戦っているおじいちゃんとお兄さんの二人はそれぞれの神と周りを壊滅させながら戦っている。ビルが切断されて倒壊したり、雷が降り注ぐ嵐が出現したりと、世紀末な状態だ。普通に強いんだよね、彼らって。お兄さんに勝ったのだって、言ってしまえば反則だしね。相手は本番が控えていて実力をろくに出せない状態だし。
「これからどうしますの? なんでしたらお相手致しますわよ?」
「捕まえた静花を楽しもうかと思ったけど、まずは武器を作ろうかな」
「武器ですか?」
「お兄さんに約束したからね。それに不利そうだし」
「材料はいりますか?」
「権能で出すから平気」
大地から鉄分を収集して、鍛冶神の権能を使って鋼を鍛え、それを剣に作り変える。天叢雲劍よりはランクが低いが神剣を作成できた。もちろん、普通の剣よりは格段に強い。
「一瞬でできるとか、理不尽ですの」
「ふふ」
ボクは神剣を持って構える。
「ところで、その投擲ポーズはなんなんですの?」
「こうする為だよ。お兄さん、新しい剣だよ!」
思いっきりお兄さんに向けて投擲してあげる。飛んでいく神剣はお兄さんの頭に直撃しそうになるけど、身体をずらして神剣を避けつつ片手で柄を掴んでそのまま神様に斬りかかった。
「流石だね」
「デタラメですの」
「はっはっはっ、カンピオーネに常識を求めちゃ駄目だよ?」
人差し指を唇に当てながら言ってあげると、呆れられた。
「ええ、そうですわね。ちゃんと理解しておりますの」
「ふふふ。まあ、ゆっくり見学しようじゃないか」
「分かりましたの」
冬姫を抱きしめて抱き枕のようにしつつ、子供のせいか暖かな身体を堪能する。そのまま観戦しながら冬姫とエッチしたりして楽しんだ。