※この作品はR-18です。

闇を従えし魔王   作:ヴィヴィオ

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全話との関係で修正させていただきました。



下準備

 

 

 

 ボクが居るホテルに静花達が戻って来る。

 

「おかえり。オーダーは殺せって言ったのに」

「お兄ちゃんを殺すのは私には無理」

「いや、殺して生き返る速度を上げておいた方がいいのに。静花だって何度か死んでるからわかるでしょ」

 

 犯している最中に首を絞められて殺されたり、戦闘中に何回か死んだりしているのだ。

 

「それはそうだけど……」

 

 静花は護堂がカンピオーネだと理解しているし、特性はボクが教えておいたんだよね。ちなみに静花はカンピオーネとしての力をジル・ザ・リッパーの暗殺者としての権能で隠蔽しているので護堂にはわからないだろう。

 

「私が守ればいいでしょ。それよりもはい」

「確かに受け取ったよ」

 

 神具ゴルゴネイオン。女神アテナが求めている物。これに細工を施す。このゴルゴネイオンこそ罠でもある。

 

「さて、日本に帰ろっか」

「そうね」

「いえ、お待ちください。日本にそんな危険な物を持ち込まないでください」

「祐理……」

 

 まあ、そうだよね。媛巫女たる祐理からしたら看過できない事態だろう。

 

「大丈夫だよ。ちゃんと場所は確保してあるから」

「対策は取られているのですか?」

「島を買ったのはこの為だし。それにリーゼロッテも居るしね」

「そういう事ならわかりました」

 

 祐理も納得した所で、日本に転移して準備を行う。行うのは簡単だ。メディにゴルゴネイオンを取り込ませて融合させる。

 

「アテナの器は順調のようね」

「当然だよ、リーゼロッテ。その為に作ったんだからね」

 

 ゴルゴネイオンと融合したメディをアテナに自ら融合させ、内部から女神としての彼女を改変し人間に貶める。女神と人が交わり融合し、女神の力はそのままで半神半人となる。そして、メディに施した術式によってアテナを内部から支配する。

 

「ああ、アテナの身体、凄く楽しみだね」

「貴方の変態っぷりにも困ったものね。娘には変わらないのに、その子を犯すなんて」

「神様も同じ事をしているし、問題ないね」

 

 ゼウスとか色々とやってるしね。さて、こちらの準備は問題ない。あとは時間をかけるだけだ。

 

 

 

 

 

 

 数日後、メディの準備が完成し、ボク達はアテナが来るまで自由に過ごす事にした。その為、ボクは静花を連れて草薙家にお邪魔している。というのも、エリカがまだ諦めていないし、そうなると護堂も出てくる。はっきり言って凄く邪魔なのだ。アテナとの戦いで場所を特定され、邪魔をされては敵わない。護堂とエリカだけでアテナを倒せたんだしね。

 

「それで、家に来てどうするの?お兄ちゃんは学校だけど」

「そうだね。まあ、時間を潰すかな」

「そう。私は家事をしているから」

 

 静花はテキパキと家を掃除していく。それも観察して効率よく掃除している。カンピオーネの身体能力も合わさりすごい速さだ。

 

「護堂やお爺さんがしてるんじゃないの?」

「おじいちゃんはともかく、お兄ちゃんがまともに掃除できるはずないじゃない。カレーくらいしか作れないんだし」

「あははは……」

「ほら、アストも手伝って」

「はいはい」

 

 奥さんをお手伝いするのは夫の役目? まあ、ボクとしても普段はあんまり縛る気ないし、自由に過ごしていて貰った方が便利だしね。

 

「じゃあ、一気にやっちゃおうか」

「今日、お兄ちゃんにも教えるんでしょ?」

「んーそうだね。流石に気付くだろうし、まあ決別するかどうかはあちら次第だろうけどね。ボクと静花の事は伝えていいんじゃないかな?」

「わかった。じゃあ、ご馳走を用意しておこうかな」

「って事は買い物もいかないと大変だね」

「何か食べたい?」

「そうだね。日本食……お寿司にしようか」

「じゃあ、お魚ね」

「うん」

 

 携帯を取り出して甘粕さんに連絡をいれる。

 

『はい、なんですか?』

「マグロとブリ、鮭、ホタテ……寿司ネタを用意して。あ、魚のままでいいよ。こっちで斬るし」

『魚屋じゃないんですが……』

「そっちの分も好きなように注文していいから」

『まあ、いいですけど』

「あっ、あとひょっとしたら護堂とやりあうかも」

『!?そんな事をついでみたいに言わないでくださいよ……リーゼロッテ嬢にくれぐれもお願いしますよ』

「わかった」

 

 携帯を切って静花に手配した事を伝える。

 

「甘粕さん、可哀想だね。こんな事に使われるなんて」

「だって、優秀だし。それに甘粕さん達を通して色々と依頼を受けてるじゃないか。名探偵さん」

「ん……それもそうだね」

 

 シャーロック・ホームズとジル・ザ・リッパーのカンピオーネである静花の推理力と犯罪者側から判断する認識能力によってどんな難事件も一瞬で解決してしまう。現在、日本に入った指名手配は全てが捕まっているし、行方不明者は一週間以内に見つかる。もちろん、手術の腕もいいのでそっちの方の患者も多い。

 

「静花の能力って汎用性高いよね」

「そうね。でも、アストの方が戦闘時では有利」

「闇だからね」

 

 テーブルを拭いてソファをどかして掃除機をかけ、雑巾掛けを行う。静花はカーテンなどを洗濯する。それらが終われば古本を虫干しを行う。途中で人手が足りなくなったので名状しがたきもの達のちっこいばんを呼び出して手伝ってもらう。

 

「「てぃけりっけ、てぃけりっけ」」

 

 名前を言ってはいけないような奴や虫、ネズミなどがホコリや汚れと一緒に文字通り喰らわれていく。

 

「なんていうか、一般の人が見たら正気を失うわよ」

「気にしない気にしない」

「はぁ……まあ、楽だからいいか。貴方達、2体ずつに別れて……」

 

 静花がテキパキと支持していく。護堂の部屋にも入り、綺麗にしていくと……一部が何かを持ってきた。

 

「てぃけり?」

 

 これどうするの?と静花に聞く名状しがたきもの。

 

「……食べていいわよ。いい、裸の女の子が写っている物は全部処分しなさい」

「てぃけりー」

「哀れ護堂君」

「何か?」

「なんでもないです」

「まさか、私達を散々使ってるのに、こんなの持ってるなんて言わないわよね?」

「持ってない、よ?」

「ふーん」

 

 静花が携帯を取り出して家に居るリリアナに連絡を取り出した。

 

「え、えっと……」

「リリアナさん、今から言う場所を見てみて」

『わかった』

「わー!? ま、まったぁぁぁっ!!」

「待たない」

 

 くそぅ、飛び火しちゃった!

 

『ふむ。私達のと一緒に違うのも入っているな』

「私達以外のは処理して。妻の以外は必要ないからね」

『了解した』

 

 あーあ、せっかくの可愛い女の子をみつけて食べた奴とかも捨てられちゃったか。基本的に茶道部でやった奴は残ってたらいいな……。

 

「まったく、なんでこんなのを置いておきたがるのか……」

「男のロマン?」

「くだらない」

「あと、脅し的な?」

「……やっぱり処理して問題なし。だいたい力づくで色々とできるでしょ」

「まーねー」

 

 静花に後ろから抱きついてスカートの中に手を入れてショーツごしにクレパスをなぞり、空いた手で胸を揉む。

 

「んっ、んんっ」

「エッチしようか」

「好きにしなさいよ。私はアストのものだから」

「うん。それじゃあ――」

 

 それから静花を裸にしてエプロンをつけさせて犯していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 護堂

 

 

 

 

 

 

 昼休みになった。教室で前は飯を食べているのだが、エリカの奴が転校してきてやらかしたせいで、数日前から屋上になったのだ。まあ、今回は廊下であった万里谷に呼び出されたのだが。

 

「はぁ……」

「どうしたのよ、護堂」

「どうしたも何も、お前のせいだぞ」

「あら、美しい蝶に群がるのは普通の事じゃない」

「俺まで巻き込むなってことだよ」

「つれないわね。あんなに熱い夜を共に過ごしたのに」

「誤解を招くような言い方をするな! 俺までアストと同じような扱いに……」

 

 今日だって休み時間の都度、嫉妬に狂った男どもに追いかけられたんだ。アストの奴は容赦なく蹴散らしてやがったが、流石に俺がやるのは問題だろう。そういえば、アイツ……新学期になってから学校に来てないな。万里谷達は来ているが。

 

「それで、護堂はどうしたのかしら?」

「万里谷に呼び出されてな」

「へぇ……あの子にね。ねえ、護堂。あの子も貴方の愛人にしない?」

「馬鹿なことを言うな。万里谷は既に結婚……いや、婚約して娘までいるぞ」

「あらそうなの? おかしいわね。調べた限りその情報は……いえ、隠されている? でも、私の情報網から媛巫女とはいえ……っ!? 護堂」

「おっ、来たみたいだな。しかし、これは……」

 

 屋上の扉が開くと2人の少女が現れた。一人は万里谷で、もう一人はこの学園の理事の一人となっている清秋院。まあ、そんな事よりも結界が張られた事の方が問題だな。

 

「これは人払いの結界ね。それほど人に聞かれたくない事なのかしら?」

「あれ? 呼んでない人も居るみたいだよ」

「留学生のブランデッリさんですね。彼女も関係者ですから問題ありませんよ恵那さん」

「そっか。まあ、結構使えるみたいだから楽しめそうなんだけどね」

「ダメですよ。王の御前です」

 

 万里谷が片手をあげていつの間にか持っていた刀の柄を抑えて清秋院を止めた。俺の隣ではこちらもレイピアを出現させたエリカが居る。どいつも好戦的だな。

 

「落ち着けよエリカ」

「そうね。向こうも今のところは手を出す気はないみたいだし」

「恵那は祐理の護衛だからね。怖い王様の下に戦闘能力のない祐理が行くんだからこれくらいはするよ」

「申し訳ございません。羅刹の君たる御身をお呼びした事と連れが働いたご無礼を謝罪致します」

「いや、そんなの別にいいよ。それよりも、万里谷。今回の呼び出しってなんなんだ?」

「はい。ブランデッリさんの事です」

 

エリカの事か。また何かをやらかしたのか?

 

「日本の裏を治めている4家の一つまで出てくるなんて私に何の用なのかしら?」

「それはね、貴方が邪魔だからだよ」

「へぇ……」

「恵那さん」

「エリカ」

 

2人をどうにか止めに入る。本当に血の気が多すぎる。

 

「少し黙っていてください。ご飯を抜きにしますよ」

「!?ご、ごめん。お口にチャックしておくね!」

 

 瞬時に万里谷の後ろに下がる清秋院。本当になんなんだ?

 

「手懐けられているのね」

「祐理のご飯は美味しいから」

「こほん。本題に入ります。日本は既に我が君の下に統一されている事は前にお話し致した通りです。そして、こちらで我が君と草薙様が争うような状態になりそうな事態が発生致しました。我々としましては王様同士で戦われるのは非常に困るのです。そこで草薙様の意向をお聞きすると同時に我が君よりの警告に参りました」

「無礼ね」

「承知しておりますが、これも王命であります」

「そういう事。簡単に言えば日本に王は3人もいらな――」

「恵那さん!」

「待ちなさい、3人ですって!?」

 

あれ? エリカは知らないのか? そういえば俺は伝えていなかったな。

 

「ごめんなさい」

「後でお仕置きされるでしょうね」

「あうあう……ど、どうしよう祐理!」

「知りません」

 

 ガクガクブルブルと震える清秋院。それほどまでにあいつは怖いのか? 見た目は男の娘なんだが。

 

「こちらも前回にお教えした通り、もうお一人の方も我が君の支配下に入られ、妻となっておりますので問題ありません。現在、日本での懸案事項は草薙様の事となります」

「俺としては平和に過ごせればそれでいいんだけどな」

「本当ですか?」

「ああ」

「護堂!」

「では、ブランデッリさんの行動は草薙様の命令ではないのですか?」

「エリカが何かしたのか?」

「はい。我々は数年前から王の命によってプリンセス・アリスが予言した星なき夜の予言より世界を救う為の準備を行ってきました。結果、迎え撃つ準備が整ったのですが、最後の欠片であるかの神が探している神具ゴルゴネイオンが見つからなかったため、その探索をサルバトーレ様やヴォバン様に代価を支払いお願い致したのです。そして、ようやく見つかった神具をそちらのブランデッリさんが一部の者達と強奪なさいました」

「おい!」

「じゃあ、イタリアで護堂を襲ったのは!」

 

 つまり、全部エリカのせいなのか!

 

「我々の手の者です。ゴルゴネイオンの奪還は必要な事ですので」

「本来ならそれだけでいいかと思ったんだけど、そこの人が諦めずに色々と手を回して探しているからさ。ハッキリ言って邪魔なんだよね。王様は殺せないけど、そっちの人なら殺していいかというくらいにはね」

 

それで怒っているのか。確かに前々から世界の為に準備を行ってきた連中からしたら激怒するのも納得できるな。交渉した一人は知らないが、ドニの野郎を納得させるものまで用意したんだったら特にな。

 

「へぇ……言ってくれるじゃない!だいたいあれは私達が見つけた物よ!それを私達が新たなカンピオーネである護堂に託しただけじゃない!」

「こちらは既に手を回して合意を得ていました。横から取っていったのはそちらです。それにこう言ってはなんですが、世界を滅ぼす星なき夜の予言の神を相手に王になったばかりの草薙様では不安が残ります」

「まあ、そうだよな。俺もできれば戦いたくないしな。うん、わかった。つまり、そっちの要求は手を出すなって事だろ?」

「はい、その通りです」

「なら、好き好んで戦いたくないし、対策ができてるってんなら任せるよ」

 

俺は平和に過ごしてられるんだ。面倒な事は残りのカンピオーネがやってくれる。素晴らしいじゃないか。

 

「護堂!? せっかく権能が手に入るチャンスなのよ!」

「いや、権能とか別にいらないからな。万里谷、悪いんだけどその代わりと言ってはなんだが、エリカの奴を許してやってくれないか?」

「畏まりました。元より我が君はそちらの方のように育った方には興味もありませんし、問題ないかと」

「え?」

「何、ロリコンなの?」

「……お答えしかねます」

「あはははは、恵那達は小さい頃から王様付だから可愛がられてるだけだしね」

 

 やっぱりアイツか。だったら学校に来ないのも納得できる。出会ってしまえば隠匿系の権能でもない限り直ぐに分かるからな。

 

「草薙様、何か便宜をはかることがあれば連絡してください。既に草薙様のご家族には便宜がはかられておりますが、それ以外の事でしたら出来る限りはさせて貰うとの事です」

「そうだよね。お兄ちゃんになるんだから三人分?」

「お兄、ちゃん……おい、まさか!?」

「護堂?」

 

 立ち上がった俺は急いで家に向かう。

 

「恵那さん、悪戯がすぎますよ」

「えー?だって、そっちの方が面白そうじゃん」

「貴方達ねえ……」

 

 

 

 

 

 

 

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