エルフ達を助けた次の日。ボク達は次にする事を相談して、取り敢えずコダ村に戻る事にした。炎竜の事を伝えないといけないからだ。ボクが居れば、炎竜なんて敵じゃないけれど、逆に言えばボクが居なければきつい事になる。たぶん、あの炎竜に単独で勝てるのってボクとアテナ、静花と護堂ぐらいじゃないかな。いや、リーゼロッテも勝てるか。リリアナは勝率七割くらいか。支援が有れば勝てるだろう。祐里とひかり、冬姫は無理だね。そんな訳で、車で戻っている。ボクは暇なので、レレイとルリナールを膝の上に乗せて、マンコを下着の上から擦って遊んでいる。
「ねぇ、隊長。猫耳娘より、先にドラゴンが来たりしませんよね?」
「言うなって。本当になったらどうする?」
「ん~でも、あの人が居れば大丈夫なんでしょ?」
「テュカの言う通りだが、なんせ気分屋だからなぁ」
「その通りだよ~だから、次はスルーしてあげようか?」
「やばくなるまでそれで頼む。一応、俺達で対応してみるから。銃火器が有効か、試さないといけないからな。安全が確保できているんだし」
「それもそうっすね~。ところで、猫耳娘は居るんですよね?」
「んんっ! 猫耳娘が、キャットピープルを差す言葉なら……んっ……居る」
「楽しみっすね」
「早速、浮気? ユノを悲しませるのは許さないから」
倉田が選んだエルフの妻はユノという名前で、テュカの幼馴染らしい。ルリナールこと、ルリはテュカの従妹。
「というかさ、ボク的にはまつろわぬ神様でも、まつろっている神様でもいいから、出て来て欲しいな~って、思うんだけど」
「「マジ勘弁してくれ(ださい)っ!!」」
「ちぇ~」
「戦って勝利すれば権能を得られる? んっ、あうっ、んんっ!」
「そうだよ。強いよ~地形が変化するなんてざらだからね!」
「巻き込まれたらほぼ死ぬこと間違いなしだ」
「そうっすよね」
「まあ、何れ見せてあげるよ」
「……楽しみ……」
レレイ達とイチャイチャしつつ、車が進んでいく。
コダ村に到着して、村長に伊丹とホドリューさんが話していく。
「なんと、炎竜によってエルフの村が滅んだとは……」
「どうする? 私達は彼等についていく事にしたが……」
「私達も逃げるしかないでしょうな」
「村を捨てるのか?」
「ええ。人やエルフの味を覚えた炎竜はまた村を襲ってきます。そうなれば我々に抗う術はありません」
向こうは任せても大丈夫だろう。
「アスト、私は師匠の所に行って手伝ってくる」
「暇だし、ボクも手伝おうかな」
「……ルリも手伝う……」
「助かる。こっち」
レレイの案内に従って、村外れにある滝の近くにある家についた。レレイが中に入る。
「炎竜め、50年も早く出て来をって……いい、迷惑じゃ」
「問題ない。私達の身の安全は夫であるアストが保証してくれる」
「確かに、あの力なら炎竜とて容易いだろう」
「実際、簡単に追い払った」
そんな会話をしながら、家の中からカトーと一緒にレレイが出て来た。
「すいませんが、頼みますぞ」
「うん。いいよ。荷物は全部、ボクが持ってくからこの闇の中にどんどん入れちゃって」
「わかった」
「凄い魔法じゃの」
「種類別にまとめた方がいいけどね」
「ルリ、衣服を纏める。手伝って。お師匠とアストは本をお願い」
「わかった」
「は~い」
レレイの指示に従って、引っ越しの準備をしていく。それが、終われば馬車に乗って村の広場へと戻る。すると、沢山の列が出来ている先で悲鳴が聞こえた。
「悲鳴……?」
「みたいだね~」
「アスト、お師匠、ちょっと見て来る」
「ボクも行くよ」
「まあ、わしらはゆっくりしておくかの」
「うん」
先に進むと馬と馬車が倒れていた。そして、見覚えある女の子が倒れている。昨日、犯したアリエッタちゃんだ。黒川が既に様子をみているので、容体を聞くとしよう。
「どったの?」
「あ、万理谷さん……脳震盪を起こしています。肋骨も折れている可能性が……」
「その娘はボクのだから、助けてあげよう。レレイ、丁度いいから回復魔術を教えるよ」
「わかった」
眼を瞑って、顔を上げてくるレレイに口付けをして、舌を口内へと侵入させる。そのまま舐めながら教授の魔術で回復魔術の知識をレレイの中に注ぎ入れていく。
「ぷはっ。どう?」
「ん……覚えた。やってみる」
杖を構えたレレイが呪文を口にすると、傷がどんどん治っていく。荒い呼吸も落ち着いて、寝息にかわった。
「アリエッタはどうなんですか……?」
「問題ない。治療は終わった」
「よかった……」
「それより……あっ」
馬が立ち上がって、前足を振り上げてボク達に振り下ろそうとする。しかし、その前にアリエッタの下半身の穴から黒いのが出てきて、グリフォンの形となって馬を蹴散らした。
「これは……?」
「あ~そういえば護衛を仕込んでたっけ。敵対者から守るようにしていたけど、事故や怪我から守るようにはしてなかったや」
「設定ミス?」
「そうだね~直しておこう」
「というか、この子に引かせたらいい。馬も死んだ」
死んだ。というより、今なおダークネスグリフォンさんに食べられてる。
「まあ、それがいいか。コントロールできるのはアリエッタちゃんにしておけばいいし」
こんな話をしていると、目が覚めたようだ。でも、ボクを見るなりガタガタと震え出して、母親に抱き着いて泣き出した。
「もっと虐めたくなるね~」
「駄目。危険」
「仕方ない。でも、これだけはやっておかないと」
「ひっ!?」
アリエッタちゃんに近付いて、唇を奪う。そのまま教授の魔術でグリフォンの使い方を教えてあげる。
「この子はあげる。だから、お母さん達を守るといい。でも、忘れちゃ駄目だよ。君の全てはボクの物だからね」
震えながらも頷くアリエッタ。近付いて来たグリフォンを撫でて、心を落ち着かせていく。アニマルセラピー? まあ、もっふもふだから当然かも知れないね!
「グリフォンは炎竜ほどじゃないけれど、かなり危険な上位モンスター。使役できるなら戦力としてもってこい。私も欲しい」
「あげるよ~」
「本当?」
「うん。あんなのいくらでも量産できるし」
「やめてください」
「痛い」
頭を小突かれて後ろを振り返ると、そこには巫女服姿の祐里と護衛であろう騎士姿のリリアナが居た。
「なんでここに居るの?」
「探しに来たのです。急に居なくなるんですから」
「私は戦闘能力の無い祐里の護衛です」
「そっか。まあ、これで安心だ。祐里、この人達に支援魔術をかけて」
「……構いませんが、何をするのですか?」
「逃避行だって♪」
その後、ボクは祐里達にレレイ達を紹介して、有った事を説明する。すると、呆れた表情になっていた。
「色々と言いたい事はありますが、何故炎竜を見逃したのですか? 旦那様なら、追いかけて直に倒す事も出来たはずですが……」
「え、だってそっちの方が面白そうだったもん」
「……また直感ですか。被害が増えるので、討伐して欲しかったのですが……」
「やだよ、めんどくさい。ボクが真面目に相手をするのなんて、祐里達可愛い
妻の為か、楽しい戦闘の為くらいだよ。それ以外は気分!」
「理性が蒸発してやがるからな。むしろ、今の所比較的ましな方なんじゃないか? なんせ、地形がまだ変わってないからな。森は炎竜のせいだし」
「それもそうですね。ご苦労様です伊丹二尉」
「ありがとうございます。じゃあ、後はお任せします」
「はい。さて、旦那様。増やしたのは三人だけですね?」
「そうだよ~」
「そうだよ~ではありません! 御身は王なのですから、立場という物を弁えて……」
「だが、断る!」
「言いたかっただけだろ」
「イエス、その通りだよ、伊丹君」
「旦那様……」
「苦労している」
「わかりますか!」
「うん。でも、私はあっち側」
「え!?」
レレイはボクに抱き着いてくる。
「知識の探求欲には勝てない」
「魔法使いや魔術師の性だね!」
「そう」
「……これだから魔術師は……」
「すまん、祐里。否定はできない。魔術師の殆どはそのような存在だ」
「……はぁ……もういいです。私達の事は好きにしていいですから、出来るだけ大人しくしてください。まだ色々とわからない事が多いそうですから」
「りょ~かい。っと、それよりも温泉街作ったんだった。どうせだから、この村捨てるらしいから持ってくね!」
「持ってくって……」
「スケールが大きい」
「も~まんたいだよ!」
地中深くから切り取って、闇に吸い込ませて回収。全ての闇を総べる権能なので、圧縮して影に入れておけばいい。移動中、夜はこの温泉街で寝泊まりすれば皆も楽だろうしね。