艦隊これくしょんのR-18な短編作品詰め合わせ 作:dn88k
※やはり好き嫌いの分かれるシチュエーションだと思いますので、苦手な方はそのままUターンをお願いします。
その鎮守府の秘書艦は由良である事が多い。テキパキと物事を進めるのが得意な艦娘であるから適任ではあるだろう。
そんな由良が提督に聞く。
「提督さん。明日のお休みはどうするんですか?」
「まあ、普通に外へ外出するつもりだが。……軽く近場の山を散策でもするかなあ」
「へえ、由良も一緒に行こうかな」
提督は彼女の台詞に違和感を覚えた。だから、こう質問する。
「付き合ってたあの子はどうした?」
そう、提督が把握している限り、由良には彼氏がいたはずなのである。普通ならそっちを優先させそうなものだ。ところが、由良からはこんな答えが返ってきた。
「え? 別れましたけど?」
「ん?」
意外であった。ついこの間まで「彼氏が出来ちゃった」だの、「向こうから告白してきた」だのとはしゃいでいたからだ。由良はあっさりと言ったが、別れるまでの時間も短すぎやしないだろうか。
「別れたって、何かあったのか?」
「特にそういったのは……うーん、ただ何となく違うなって思ったから、かな?」
宙を向いて考え込むようにしながら彼女は淡々とそう答えた。まるでほとんど印象に残らなかった人間を思い出すかのようでもある。別れたらこんなに淡白になるものなのだろうか。多少は引きずってもおかしくなさそうなものだ。
「ですから、明日は特に予定は無いんです。ご一緒しても良いですよね? ね?」
自身の希望に対する承諾を強く求めるかのように由良は言ってきた。違和感だらけであるが、こうなった時の彼女はなかなか折れてくれない。特に断る理由は無かったこともあって、提督は彼女を同行させる事にした。
その日は晴天で、温度もちょうど良かった。山を覆う木々からは木漏れ日が降り注ぎ、提督と由良という二人の目を和ませるには十分であった。
「んっ……気分が良いわ。やっぱりこういうのもいいわね」
提督の横を歩きながら、腕を上げて、背を伸ばしつつ由良が言う。
「うん」
提督は軽く相槌を打った。その時、フワリとした感触が彼の片腕を包んだ。由良が腕を組んできたのである。ちらりと不思議そうな視線を一瞬だけ由良に送った提督だが、すぐにその視線を前方に戻す。一方、由良は柔らかい微笑を浮かべながらまるで甘えるように提督に寄り添っていた。
散策も中盤といったところだろう、視界の開けた場所があった。見晴らしは良く、休憩には適切だろう。
「少し、休むか。歩きっぱなしだったしな」
提督がそう言うと、由良も、
「そうね」
と言った後、
「お弁当作ってきたから、ここで食べましょう? ね?」
と、片手のバッグを持ち上げながら言ってきた。元々前日に同行を許可した際、「昼食を用意してくる」と実に楽しそうに言ってきていたのであった。
昼食はサンドイッチであった。二人は座り心地の良い短い草に覆われた、山腹の緩やかな傾斜に座って昼食を摂る。
その際、サンドイッチの具材が多めだったのもあるのだろう、提督の口端に少しばかりその残りが付着して残ってしまった。
これは提督自身も自覚しており、指でそれを拭い去ろうとしたところ、突如として暖かい感触がその部分を襲った。由良が提督に抱きついて提督の口元についたサンドイッチの具材を舐めとっていたのである。
唖然とする提督をよそに、
「綺麗になりましたね?」
という彼女の表情は少しばかり蕩けたかのようでもあった。ただ、その時点でもなお提督は由良の行動に対して、変な事をするものだ、という程度の印象しか抱かなかった。
結局、軽く山を散策すると言っても、鎮守府に戻った時には日没近かった。ただ、ほとんど丸一日歩きっぱなしであったとは言え、気分転換としては十分だったのだろうか、疲れはあってもそれもまた快いものであった。
「明日からまた仕事だが……こういうのも大事だな」
提督は気分良さげに手を反対側の肩に乗せてその腕を回している。
「私も今日はすごく楽しかった」
由良も微笑みながら言い、
「次の休みも同じ日だったでしょ? また一緒にどこかへ出かけましょう? ね?」
と続けた。それを聞いた途端、提督は不思議そうな顔つきをする。そして、
「お前だってここに友達ぐらいいるだろう? そっちと遊んだ方が良いんじゃないのか?」
と聞く。ところが由良はこう言った。
「だって……他の人達よりもお父さんと一緒にいた方が楽しいんだもの」
途端、由良の頭を提督がパシン、と軽くはたいた。
「他はともかく、もうここは鎮守府の構内だ。その呼び方はやめろ」
先ほどとは打って変わって提督の表情は渋いものになっていた。
「ご、ごめんなさい……」
流石に由良もまずいと思ったらしく、素直に謝る。
由良は提督の仕事上の部下であると同時に、提督の実の娘でもあったのである。
「まあ、今日は確かに楽しかったがね。次は俺を優先なんてしなくても良いぞ?」
機嫌を直したらしい提督はそう言って笑い、そして由良にもうついてこなくて良い、と手で合図をして、一人自分の私室がある区画へと向かって行った。
一人残されたのは由良だ。なにやら別の意味で取り残されたような気分にもさせられた。
(本気で言ったつもりなのに……お父さんと一緒にいた方が楽しいのは本当なのに、何で……?)
山腹で提督の口元を舐め取ったのだって由良なりに勇気を振り絞って行った事だった。なのに、提督は一瞬だけ驚いたような反応を見せ、変な事をする子だという表情を少しだけ覗かせたが、その後はなにもなかったかのように普通に食事を再開してしまった。
結局、提督にとって由良とはただの娘以上の存在ではあり得ないのだった。ところが、由良にとってはそうではない。
(何で分かってくれないの? 私、お父さんと一緒にいたいから艦娘になったんだよ? お父さんと一緒にいたいからこの鎮守府に配属してもらったんだよ?)
悔しさのせいか、由良は目を伏せて口元をキュッと引き締めた。
由良にとって、もはや提督は上官であり、父親であり、というだけの存在ではない。血が繋がっている相手には抱いてはいけないはずの恋慕の対象であり、性的な欲求さえも抱いていた。だから今日一日は由良にとってデートそのものと言ってよかったのである。だが、別れ際の提督の態度で楽しい休日として記憶されるはずの今日は台無しとなった。
日が沈みつつあり、暗くなりつつある中、そこにはしばらくの間、たそがれて動けない由良の姿があった。
そして数日が経つ。その日、会議を終えて執務室に戻る提督の脳裏にふとして由良の事が思い浮かんだ。彼氏がいたはずなのに、すぐその相手と別れてしまった事に対して改めて疑問を覚えたのである。由良だって年頃の女の子だ、異性に興味が沸いたりもするだろう。だから、彼氏が出来たと聞いた時は、一抹の寂しさも感じたが、この子ももうそんな年頃か、と納得していた。当人が浮かれていたようにも見えたし、口を挟む気はなかった。
ところが、それから程なくして、由良はアッサリと別れてしまったのである。それをカミングアウトした時の態度は相手への未練も一切感じさせなかった。
(ああいうもんなのかなあ、女の子の心理はいまいちよく分からん)
提督は内心で首を捻った。
「提督さん?」
振り返ると、そこには由良がいた。別室での作業を指示していたが、ちょうど終えて執務室に戻るところだったようだ。
「明日のお休みはどうするんですか?」
由良からの質問は前回も聞いた事のあるそれであった。提督は明日が自分の非番である事を思い出し、そのための予定が入っている事も思い出した。周囲を見回して自分たち以外に誰もいない事を確かめ、
「明日は自宅の方に戻る。そろそろ母さんの所へも顔出さんとなあ。あんまり放っておくとアイツもヘソ曲げる」
と、彼は由良に顔を近づけてヒソヒソ声で言う。
それを聞いた由良は一瞬だけつまらなそうな表情を浮かべた。
執務室に戻って書類のチェックを始める提督。そんな彼のことを、由良は秘書艦用の机の席に座りながらぼんやりと見つめていた。
「こういうのも色気って言うのかな」
由良は呟いた。
「うん?」
由良の呟きの意味が分からず、提督は聞き返した。心なしか由良の目が細められる。
「提督さんって、何だか雰囲気的にエッチっていうか、そういう感じありますよね」
「男相手に変な事言うな」
由良の発言に呆れたような表情をして言う提督。
「別に変なこと言ったつもりは無いけど。あ、そうそう」
由良は身を乗り出した。
「今から、あの部屋の掃除するから。ね?」
由良は提督に言い含めるように言う。
「あ、ああ……」
提督もそう声を発するだけだ。その返答を聞いて微笑みを浮かべた由良は立ち上がる。速やかに提督の部屋の掃除を開始するつもりだろう。由良が提督の部屋を掃除する事に対してのこだわりは強く、別にやらなくて良いと言ってもこれだけは譲らなかった。
提督の私室に向かう由良はときめいていたと言っていい。
(そうよ、お父さんがエッチなのがいけないのよ……)
彼女は実の父から男の放つ色香のようなものを感じ取っていた。その色香に負けそうになっているという、実の娘なら本来はあり得ない苦悩を覚えている由良がいる。
まずは提督の衣類を洗濯機に入れてスイッチを入れ、それから提督の私室の部屋の掃除を開始するのがパターンであった。提督が脱ぎ捨て、洗濯カゴに入れられた衣類を見てときめいてしまうが、それではいつまで経っても掃除が終わらない。どうにか誘惑を断ち切るのだが、それはそれで由良にとって一苦労であった。そして彼女の場合、その次にベッドのシーツを変える手順に入るのだが、大抵はここで一旦心が折れてしまう。ベッドを見つめる彼女は、やがて飛び乗るようにしてベッドに寝転がり、その上に置いてある毛布に身を包む。
その際のときめきは洗濯の際のそれよりも強かった。その内モゾモゾとし出した由良は息を微妙に乱しながら、耐え切れないかのようにそっと自身のショーツを少しだけ下ろし、そこから現れた股間に手を入れて弄り回し始める。
(はああ、お父さん……)
父の寝室にコッソリ侵入しては、父のベッドに寝転がり、父を包んでいた毛布にくるまって自慰行為にふける。これが彼女がこの鎮守府に着任して以来の癖のようなものとなっていた。
提督の匂いに包まれているからだろうか、その淫裂は速やかに潤み始める。由良はそこへ中指をめり込ませた。
(は、挿入っちゃった……)
赤の他人の手によって処女膜を破られた蜜壺は容易に指を飲み込んでしまう。
(これがお父さんのだったら……)
父に抱かれる自分を想像しながらゆっくりと指を出し入れし始める。クチュリ、クチュリという音がその陰裂から聞こえた。果たして父はどんなセックスをするのだろうか。仮に父に抱かれたら自分の身体はどうなるのだろうか。そんな思考が走る。由良の女性器は極めて経験が浅い。にも関わらず、既に彼女は二本目の指をその陰唇に差し込み、本格的な出し入れを繰り返していた。
「んっ、んっ、んっ!」
毛布にくるまったまま、お尻だけをその外に出してひたすら自慰にふける。そんな由良の脳内では相変わらず父こと提督が自分を犯している様が空想の産物として繰り広げられていた。
「はあ、お父さん、お父さあん……!!」
気持ちがたかぶる余り、その場にはいない愛しい相手に対して切なげに呼びかける。それに呼応するかのように、本来は経験が未熟なはずの膣粘膜も愛液の分泌量を増やしていき、当初は微弱な疼くような感触だけであった快感も、より強く、奥深いものに変わっていった。
いよいよ指の出入りが激しくなっていく。チュプチュプと股間から音が響いていた。
「……! ……!」
全身が痙攣する。どうやら彼女の身体はオーガズムを覚えたらしい。
「はあ、またしちゃった……」
まるで焦点の合わない目をした由良の指にはベットリと愛液がまとわり付いていた。本来なら決して愛してはいけない相手を空想の世界で愛した証であった。
(何とか、しなきゃ……)
由良は心の中でそう呟き、より強く毛布をその身に巻き付けた。この何とかする、というのはこの場合、相手を諦める手段を探すという、どちらかといえば彼女にとって後ろ向きな発想に基づくものではなく、どうにかして相手に自分を女として認識させ、身体も含めて愛してもらう方法を探すという、極めて野心的で危険な発想に基づくものであった。むしろこんな思考をするからこそ、父が司令官を務める鎮守府にあえて自分から志願して着任するという大胆な行動をとっているのが由良という艦娘と言えた。自分を貫くのは自身の華奢な指ではない。父親の逞しい肉体のはずだ。そう彼女は考えた。
しかし、この時点で彼女は気づいていなかった。提督の寝室のドアが彼女の自慰行為の最中に静かに少しだけ開き、そして物音を立てないように慎重に閉じられたという事をである。
今日の執務でも提督の秘書艦は由良であった。これは提督が望んでいるというよりも、由良自身の強い希望の結果としてこうなっているのである。他の艦娘を秘書艦として使おうとしても、彼女は決していい顔をしなかった。
この日の提督も普段通りに見えた。そんな中、半ばルーチンワークであり、楽しみにもなっている提督の私室の掃除に由良が向かおうとしたその時であった。
「由良、今日は掃除はいい」
背後から提督のこんな声が聞こえた。その声色は心なしか冷えているようにも思えた。
「何で? 掃除していいって提督さんも言いましたよね?」
怪訝そうな表情を浮かべて、振り向き様に由良は問う。しかし、そんな彼女を見る提督の目からは一切の感情がうかがえなかった。
「確かに、掃除をして良いとは言った。だがな、変な一人遊びまでして良いとは言ってない」
途端、由良の顔が引きつった。
「へ、変な事言うのね……?」
そう言いながらどうにかぎこちない笑顔を浮かべる。そんな笑顔を一筋の冷や汗が流れた。
「変なのはお前だぞ由良」
提督は真っ直ぐに彼女を見つめながら言う。
「何でお前が俺のベッドで寝転がりながら……あー、そういうの弄ってるとこ見なきゃなんないんだ?」
もはや彼は苦虫を噛み潰したような表情であった。
由良はこの時点で心が冷え冷えとさせられ、同時に顔から血の気が引いていくのも自覚できた。見られていたのである。提督はもはや自分が由良から普段どういった目で見られているのかも分かっているのだろう。
「な、何を言っているのか、分からないんですけど……」
すっかり青ざめた表情ながら、由良はなおも言い逃れを試みる。
「しらばっくれるのか? お前が掃除した後に限って、俺のベッドのシーツやら何やらがやけに乱れている事があってな。理由が分からなかったんだが、昨日のお前を見てそういう事か、とな」
由良は提督のこの発言を聞いてもはや何も言えなくなった。掃除の途中で自慰行為にふけり、その余韻に浸ってしまった事で、ベッドの上のシーツ類の扱いが雑になってしまった側面はあっただろうからだ。
「……何で、見てたの?」
ついに観念したであろう由良がそう聞いた。
「部外秘じゃない書類が部屋に置いてあるのを思い出してな。時間もあったから執務室で片付けようと取りに行ったら、アレだ」
見られたくないところを見られたのだから、普通ならば由良は怒ってもいいのかもしれない。だが、その場所は提督のプライベートな空間であって、由良の空間ではない。そんな場所で自分の事を呼びながら股間を弄っていたのだから、不審を覚えるのは提督の方であった。
「言い過ぎたのかも知れんな。俺はお前に恥をかかせたい訳じゃないんだ。ただ、ああいうのは健全じゃない。悪いが今後はお前を秘書艦から外す。お互いに距離を取ったほうが良かろうよ」
提督はそう言った。自分の実娘でもある艦娘が、自分に邪な視線を向け続けていたのである。危険な状態と言えるし、なんとかして是正させなければなるまい。
だが、この一言で由良を納得させようとしたのであれば、それは提督の方に甘さがあったというべきかも知れない。
「……嫌よ。秘書艦はあくまで私……」
俯き気味に、由良は呟くように言う。
「提督さんの部屋を掃除するのも、私……」
そう彼女は続けた。
「そんな事許される訳ないだろう。少しはお前も頭を冷やしてだな……」
そう提督が言いかけたところ、
「頭は冷えてる。十分」
スッと由良は目を上げた。その目は力強く、提督を真っ直ぐに見つめ返していた。
「距離を取ったからなんだって言うの? その程度で私の気持ちが冷めると思う?」
コツコツと歩む音が聞こえる。由良が提督の机に近づいてくる音であった。そんな彼女はトンッ、と机に手をついて、上から覗き込むように提督に言った。
「彼氏でも作ったら嫉妬してくれるかなって、そう思って作ってみたんだけど、無反応……だから、初めてを誰かにあげてみたらと思ったんだけど、それも無反応……」
今の由良の態度には提督すら軽い寒気を覚えた。それくらいの威圧感である。
要するに、彼氏を作ったのも自分の方を振り向いてくれない父親への当て付けだったらしい。せめて反対くらいはしてくれるのではないかと考えた。そうすれば父親が自分に思い入れがある事への証明になると思ったからだ。ところが、当の父親は交際に反対するどころか「そうか、良かったな」という一言で片付けてしまった。腹いせに破瓜もその男に与え、その事も伝えたが、「年頃だから気持ちは分かるが、避妊はちゃんとしろよ」というコメントがあっただけである。提督からすれば通常の対応の範囲内だろうが、元々大して好きでもない相手だ。馬鹿馬鹿しくなった彼女はすぐに彼氏と別れてしまったという事のようだ。
「なら、良いからさっさと次の男作れ」
せめて提督はそう言うものの、
「いやよ」
と即答される。
「もう、無駄な男なんていらない。あんな経験ゴメンよ」
自分にとっての男は提督、すなわち、自分の目の前にいる実父一人だという想いを新たにしてしまっているようだ。由良は口を開いた。
「本当なら初めてはお父さんにあげたかったのに……」
「寝言ってのは寝てから言うもんだぞ?」
「寝言なんかじゃない……」
「もういい分かった。とりあえず今日はもう休め。俺に変な気持ちを抱いたとしても、それは忘れるようにな?」
提督は両手を上げて呆れるように言った後、由良に退室をうながすような仕草をした。その時の彼女の提督を睨みつける表情は、普段の彼女を見慣れている者ならばまず間違いなく驚くであろうという険しいものであった。
体を直立させた彼女は振り返り、乱暴な足音と共に部屋の出入り口へと向かって、そして激しい勢いでドアを開閉して出て行った。その後に残ったのはけたたましいドアの残響音である。
「何が『分かった』よ……何を分かってるって言うの……!?」
剣呑な声色で由良は一人毒づいた。
「忘れろって? 小さい頃からずっとずっと好きだった人の事なんか忘れられる訳ないじゃない!」
彼女の意識にあるのは自分の気持ちを軽くあしらった提督への怒りであった。
一方、執務室に一人残る提督の気分は極めて暗かった。
(まさかアイツがあんな事になっていたなんて……)
ますます妻の備える美徳を忠実に受け継いだかのように、麗しく成長していく由良。非常に頭も良く、何をやらせてもそつがない。自慢の愛娘と言っていいだろう。しかし、提督にとって非常にまずいのは、部下であり、実の娘でもあるそんな艦娘が、自分の事を一人の男性として見てしまっていたという事である。
由良が魅力的な女の子なのは間違いない。歳が歳なら、血さえ繋がっていなければ、などと思いかけて、その思考の危うさに気づいて首を振る。
が、娘の方は一見落ち着いているように見えながら、その実、父親ほど理性的でなかったようだ。幼児なら「父と結婚する」などと無邪気に言ってしまう子もいるのかもしれない。しかし、由良は世の中の道理と言うものを既に弁えていなければならないはずの年齢に既に達している女の子なのだ。その道理が残念ながら彼女には見えていない。
とにかく、出来る限り由良とは距離を置く。それが提督の思い浮かべる事が出来る現状唯一の対策であった。
そんなとある日、提督は上層部から送付された一枚の書類を手に取った。
(とうとう俺の所にも来たか……)
提督は心の中で独りごちた。彼の手にあるのは転属の可否と、転属先の希望について問う人事異動の書類であった。一つの基地に一定期間以上留まった人間がいれば、こういった話が出てくるのは珍しくない。
(場所は、そうだな……)
とにかく由良と出来る限り距離を置ける地方が良かろう。顔を合わせるのが不味いくらい、今の彼女は危ないのだ。
そう考え、転属先について記入しようとしたところ、書類が取り上げられた。そこにいたのは由良であった。
「転属先の候補はどこ?」
得体の知れない微笑みと共に、書類を片手に行儀も悪そうに机に軽く腰掛けながら提督に聞いてくる由良。
「聞いて、どうする」
提督の中でも彼女がどう返答するかなど分かり切っていたが、あえて聞いた。
「何でって……私もそこに行く為だけど?」
由良は妖しく目を細めた。やはり、どこまでも追いかけ回すつもりらしい。娘を性愛の対象とするなど彼の良心が許さなかった。娘の将来にも傷がつく。だから、彼はやむなく逃げようとした。しかし、父を一人の男として慕っている娘がそのまま逃すはずもない。もはや何がなんでも提督を落とすべく、彼女は機会をうかがい続けている。
ビリッ、という音と共に書類が破かれた。当然、破いたのは由良である。
「おい……!」
「転属なんて無理にする必要無いじゃない。どこに行っても一緒だもの。だから、ここで一緒に過ごしましょう? ね?」
グシャグシャと乱暴に書類を丸めた由良は、それを乱暴にゴミ箱へと放り込んだ。その様を見た提督は下を向いて舌打ちするしかなかった。
「そんなに悔しいの?」
提督の顔を覗き込むようにして、由良は言った。
「悔しいとかじゃなくてだな、お前と距離を置きたいんだよ、俺は」
「……何故?」
「俺はお前に真っ当に生きて欲しいんだ。他の男なら構わん。だが、俺となれば話は別だ。真っ当に生きられなくなったお前を見るのは忍びないんだよ」
由良は少しばかり黙っていたが、やがて聞いた。
「お父さんは、真っ当に生きたいの?」
「当たり前だ」
すると、即座にこんな問いが由良から発せられた。
「……由良じゃなくて、他の子だったら良い訳?」
「ん?」
提督は顔を上げる。由良を見れば、その目は明らかに嫉妬をたたえていた。
「確かにお父さんのこと見る目、おかしい子が何人かいるよね。黙ってみてろって言うの?」
どうやら他の艦娘に対しても由良は警戒の視線を向けているらしい。全くの第三者に父親を奪われる可能性がある事も彼女がこんな行動をとっている一因だろう。
「それ以前に俺には母さんがいる」
「いつまで保つんだか。誘惑に負けて浮気なんて珍しくないじゃない」
そう言って由良はフワリと提督の頬を両手で包んだ。
「こんな所にいても我慢しなければいけないなんて、お父さんが可哀想」
確かに、鎮守府は誘惑の多い職場と言えた。それだけに全く流されないという保証は無い。
「それでも、お前だけは無い」
そう提督が言うと、
「……認めたわね? 他の子とする可能性」
という由良の低い声が聞こえた。
「あ?」
「私だけが無いのなら、他の子は有り得るって事でしょ?」
真っ直ぐに提督を見つめる由良。
「下らん言葉遊びだな。その辺にしておけ。ついでに、俺に気持ちを押し付けるのもな」
良い加減父親離れしろ。そう言って提督は立ち上がり、執務室の外へと去って行った。
由良はその場で立ちすくんでいたが、やがて両手を握りしめた。その力は手の皮を破いて血が出るのではないかという程強く、腕そのものが震えていた。
「そうやってお父さんはいつまでも私の事をただの子供扱い……。私がお父さんを父親って思えない事も分かってくれないで……」
由良は険しい表情を浮かべて苦しみを吐き出すように呟く。私は娘である前に一人の女だ。そう彼女は叫びたかった。
そしてある朝の事だ。その日、眠りから覚醒しつつある提督は股間に違和感を覚えた、むしろ快感と言ってもいい。
彼は目を開けて、そのまま視線を下げると驚愕した。勝手に侵入したであろう由良が提督のすっかり硬くなった陰茎をその口にくわえてしゃぶっていたのである。
「おい、何をしているんだ!?」
由良に大慌てで問いかけるがフェラチオを続けたままで返答はない。蕩然としたような表情のままひたすら提督のペニスをしゃぶっている。
「とにかく、離れろ!!」
手で押し退けようとするが、逆に由良は提督の体に抱きついてきた。更には首を振って陰茎への刺激をより強化する。その口からはグポグポという音さえも聞こえた。
「くっ……」
刺激が強烈だったのか、提督はあっさりと根を上げてしまった。その先端からは白濁液が噴出し、その事に気付いた由良は愛おしそうに剛直を口で加えたままそれを受け止め続ける。しばらくして精液の放出はやみ、提督はこれで解放されると思ったが、由良は放精後のペニスを舐め回していた。どうやら綺麗に舐めとっているようだ。それが終わってからようやく口を離し、由良はコクリコクリと口に貯まった精液を丁寧に飲み干していった。
唖然とし続ける提督が自分を見つめている事に気づいた由良は、
「辛そうだったから、お口でしてあげたの」
と、フワリとした笑顔を浮かべた。確かに朝勃ちを抜かれるのは気持ち良かった。それにこの子の事だ。自分がたびたび辛くなって一人で処理しているのにも感づいているだろう。
「勘弁してくれ。こんな事はやっていいもんじゃない」
額に手を当てつつ、提督は力無く言う。日を追う毎に過激になっていく娘の行動に対して弱気になりつつある自分がいる。
「そうね。普通はいけない事だと思う」
由良はまずそう言って、続けた。
「でも、お父さんが出したいのに出せないなんて、見ていられないもの。よければ、もっと気持ちいい方法だって私は構わないのよ?」
「止めてくれって。俺はそんな話聞く気になれん」
話の先の予想し、おぞましい想像が頭に浮かんでしまい慌ててベッドから抜け出そうとした提督を由良が軽く手で押さえた。
「ううん、言わせて。私の身体を使ってくれないかしら?」
提督の予想通りであった。そんな彼の事を真っ直ぐ見つめながら由良は言った。
「初めてはあげられなかったけど、その分ちょっとだけ練習出来てるの。お口よりも気持ちいいと思うから。ね?」
とうとう提督は由良を突き飛ばしてしまった。
「つっ……!」
ベッドの上に転げる由良。その下半身を見れば、ショーツが半脱ぎの状態であった。恐らく自分でも弄っていたのだろう。
速やかに着替えて逃げるように自室から飛び出した提督は執務室にこもって一人考え込んでいた。だが、いつまで考えていても妙案など思い浮かばない。このままいけば娘と身体の関係を持ってしまうのも時間の問題だ。そうなれば誰も幸せになれないように感じてならない。
(もう、いかん……)
心の中で苦しげにうめいた提督は机にある固定電話の受話器を取り、緊張した面持ちで電話をかけた。
「……という事だ。あいつはもう俺の言う事なんか聞いてくれやしない。ついてはお前に引き取ってもらうしかないと思ってな」
提督の自宅である。休みを取った彼はここで由良の現状について妻に対して一切を話した。フェラチオによって愛娘の口に射精してしまった事と併せてである。
「全ては俺の責任だ。別れるなりなんなりしてくれて良い」
提督の表情はむしろスッキリとしたものであった。これで内面にある葛藤から解放される。そんな印象さえあった。妻はそんな彼をしばらく見つめていたが、やがて、こう言った。
「あの子の言っていた事、本当だったのね」
「!?」
意外な一言であった。てっきり怒るなり軽蔑するなりくらいはされると思っていたからだ。
実は以前から妻は娘に相談されていたのだと言う。話していくうちに、どれほど娘が夫に強い恋慕の情を募らせていたのかも分かっていったそうだ。
「『お母さんのお父さんを好きになってしまってごめんなさい』って謝られたわ」
それも半泣きでね、と妻は笑っていた。
「……怒らないのか?」
唖然としたような表情で提督は言う。
「怒りようがないわ。他の子に貴方から手を出したのならともかく、あの子が貴方を好きになったんだもの。それに、あの子は私にとっても大切な娘なのよ? 私もその気持ちは分かるのよ」
穏やかに妻は言った。どうやら彼女は娘の気持ちにゴーサインを出していたらしい。
「しかしなあ、俺にとってもあいつは大事な娘だ。そんな子が俺とそんな関係になってみろ。あいつは絶対に幸せになれん」
と提督は言うものの、妻は、
「どうかしら? 幸せかどうか決めるのはあくまで本人だと思うのだけど、ねえ?」
そう言って振り返った。そこから姿を現したのはあろう事か由良である。
「おい、お前は今日休みじゃなかっただろう!? どうしたんだ!?」
驚いた提督は半ば立ち上がりつつ言った。彼女は鎮守府での勤務についていたはずなのである。
「勝手に休んじゃった……。お父さんの様子がおかしかったから……」
暗い表情で由良が言う。
「気になって追いかけてきちゃったのね。この子だって十分苦しんでるわ。辛いままあの場所でいつまでも過ごさせるつもりなのかしら?」
妻に言われても、顔を伏せて苦悶するように両手でその顔面を撫でていた。やがて、提督は顔をあげて由良の顔を見る。その目は父から視線を外す事が出来ないようだ。笑顔を浮かべていたが、かなりの無理をしている事が分かった。
「お願い、私の事捨てないで、お父さん……」
そう言って由良はその瞳からポロポロと涙をこぼし始めてしまった。
視線を外し、再び顔を下に向けた提督は片手を顔にそえて悩み続けていた。本当に良いのだろうか。しかし、娘も、そして妻でさえも提督が由良を受け入れる事が最善であると信じているようだ。
ふと提督は顔を上げ、由良を真っ直ぐに見た。
「……良いのか、本当に俺で?」
そう言った途端、由良は提督に駆け寄って彼に抱きついた。
「当たり前でしょ! もうお父さん以外嫌なの!! もう苦しいの、嫌なのお!!」
そう言って由良は声を上げて泣き始めてしまった。提督は泣いている由良を抱きしめながら、そんな彼女を見つめていたが、そのうちに、
「……参ったな」
と、妻に向かってそう言った。
「この子にとっては当然でしょうね。私だって、貴方に放って置かれたら寂しいもの」
そう言う妻の目には不思議な色気があった。
寮の自室に戻る間、提督と由良は無言であった。提督はもはや由良を拒絶する事が出来ない。せめて由良が引き返してくれればと思い、後ろを振り返りながら言う。
「最後の最後だ。このまま来るか?」
だが、これは由良にとって愚問だったのかもしれない。
「当たり前でしょう? 私が引き返すと思う?」
提督を睨むように由良は言った。
「そうか……」
そう呟く彼の後ろを由良は無言で付いて行った。
室内に入った途端、由良が抱きついて来た。驚く提督をよそに、彼女はふわりと彼に唇を重ねる。
しばらくの間なんの音もせず、由良はひたすらに相手に抱きついて唇を重ね続けた。やがて唇が離れると、提督の視線のすぐ先にはトロンとしたような表情の愛娘の姿があった。
「ふふ、ファーストキス、お父さんにあげちゃった……」
意外な発言である。提督は聞いた。
「おい、前の彼氏とはしなかったのか?」
由良はゆっくりと首を横に振って、答えた。
「なんか嫌だったから、してないの。したのは、エッチだけ……」
本気で父親に対する当て付けだったようだ。恐らく付き合うと言うよりは、街でノリの良い子を逆ナンしただけに近いのだろう。
「自分の身体をもっと大切にしてくれよ……」
流石に提督は呆れたが、
「お父さんがちゃんと私を見てくれてたらこんな事しなくて済んだの!」
と由良に膨れっ面をされてしまった。
「とりあえずコンドームは……」
妻とこの部屋でする為の代物がある。提督が引き出しを開けると、その手を由良が押さえた。
「私、薬飲んでるから。中で出してくれても良いよ?」
照れたような表情で由良が言う。
「んー……そうか。それだったら彼氏は気持ち良かったろうな」
由良は贔屓目に見てもその可憐さでは他を頭一つどころか二つも三つも抜けていると言って良いほどの美少女だ。そんな子の生セックスなど年頃の男の子にとっては夢のようなものだろう。
「あ、彼氏にはちゃんと着けさせたんだけどね」
「……んん?」
提督は訝しんだ。
「何だかこの人のを奥に出されちゃうのもなあ、って……」
気まずそうに言う由良。結局、ただ単に経験を済ませるためだけの関係だったのか。提督は脱力しそうになる。
(なんかその男に同情するぞ俺は……)
何度由良と致したのかは知らないが、女の子が初めてを与えてくれたのにも関わらず、その実その子には他に好きな男がいて、キスさえロクにさせてくれずにいつの間にかハイさようならなのである。真実を知らされたらどれほどショックを受けるだろうか。
提督は慣れたように由良の服を脱がせていく。その時の彼女の頭の中にはぎこちない元カレの動きが思い浮かんだ。
(お父さん……やっぱり慣れてるんだ……)
母を含め、何人の女を父が抱いたのか由良は知らない。が、人数なんて知りたくなかった。そんなものを知ったところで、嫉妬が加速するだけである。
ブラもいつの間にか外され、決して小さくはない乳房があらわになる。
もう一度優しく唇が重ねられる。その感触に蕩けそうになっていると、乳房が優しげに揉まれ始める。当然、父の手である。
「はああ……」
思わず声が漏れた。これがいわゆる前戯であるのは由良にも分かったが、ここまで心地の良いものだったとは。
乳房に心地良いジンジンとした感覚が宿り始める。
(オッパイって、こんなに気持ち良いんだ……)
そう思いながら父の愛撫を受け入れる由良はそれだけで蕩けそうになる。
その後、コロンと身体がベッドの上に転がされる。そして、スカートとショーツがゆっくりと脱がされていった。
「はぁー……はぁー……」
息は荒いが、由良は片手で自身の陰部を隠していた。
「どうかしたか?」
「だ、だってその、恥ずかしくて……」
「うーん、そうか。でもな、俺のを朝から舐めまわしていた子のセリフとは思えんぞ?」
一気に赤面する。父を想うあまり自慰行為に及び、相手へのフェラチオも行った。その事を父は全て知っている。由良は恥ずかしさのあまり目を瞑って顔を逸らしてしまう。
ゆっくりと提督は股間を隠す由良の手を外していく。そこには抵抗する力など無かった。現れたのは、男を覚えてさほど回数を重ねたわけでもない、若い女の子の新鮮な割れ目である。しかし、既にそこは透明な液体で潤み始めていた。
提督は口を近づけて由良の陰唇を舐め回し始めた。
「キャウッ!! えっ、お父さんっ!? それはダメッ!! いやあああっ!!」
突然のクンニリングスに大慌てする由良。自分の最も恥ずかしい部分を最も愛しい人にじっくりと観察されるどころか、そこを相手の口でしゃぶり回されているのだ。突然正体不明の感覚に襲われて下半身を見たら提督がそんな行動に出てしまっていたのである。どうやら由良にクンニリングスの経験は無かったらしく、それならば慌ててもやむを得ないが、より彼女にとって不味いのは、この行為によって快感を覚え始めているという点である。
(何これぇ!? ゾクゾク……ゾクゾクしちゃうっ!!)
由良はひたすら提督の口唇愛撫で悶えまくった。やがてその腰全体までもが快感に浸食され始めたのだろうか。下半身がひくつき始めていた。
提督はそのうちに由良の淫裂から口を離した。視線の先にあるのはすっかり発情して粘液をこぼす由良の割れ目と、相変わらずひくついている彼女の腰。そしてその視線をあげれば、深呼吸を繰り返しながら蕩けた表情をしている由良の顔があった。
「続き、するか?」
提督はその場にそぐわないような低い声で由良に聞いた。もはや、引き返せる最後のチャンスである。
「する……じゃなきゃ、一生、恨むから……」
由良はあえて剣呑な返答をした。彼女にとって愛しい実父と結ばれる以外の選択などあり得ない。
「そうか……」
それだけを言った提督はすぐに服を脱いで裸になった。逞しい身体からいきり立ったペニスが生えている。
(ああ、お父さんの身体って素敵……)
こんな素敵な身体に抱かれる。今まで空想でしかあり得なかった行為がこれから現実に行われるというその期待に由良は大いにときめいた。
提督がゆっくりと由良の足を開いていく。亀頭を由良の入り口直前まで持っていき、緊張した面持ちで提督は由良を見た。彼も実の娘を抱く事に対して恐怖感があるのだろう。
「お願い、挿れて……? 私、お父さん、だけなの……」
娘の哀願に耐えきれなくなった。提督はその剛直をゆっくりと挿入していく。
「んああ……」
由良はため息をつくように声を漏らす。その内部はやはりセックスには慣れきっておらず、それなりに抵抗を感じる。だが、痛がっているわけではないようだ。
愛しの父が自らの女芯に潜り込んでくる感覚。これこそが由良が待ち望んでやまなかったものと言えた。その掻き分けるような感覚が終わったと思えば、今度は自分の奥に優しく押し付けるような感触と共に、蜜道を押し広げるような心地良い圧迫感が由良の下半身を襲った。
(これが、本物のセックス……)
念願であった父を受け入れて、由良は陶酔する。これ程の多幸感をもたらすものだったとは。初体験はとうに済ませているから、痛みは無い。ひたすら父を受け入れ、その感触を味わう事が出来る。これだけは自分の行った、初めてを赤の他人に与えるという暴挙の前向きな結果と言えるだろう。
「お父さんって、こんな感じなんだ……」
実に幸せそうな表情で由良は言った。提督も優しげな眼差しで由良を見つめている。
「痛くは無いか?」
「ううん。全然」
「そうか……」
提督は由良の下腹部にそっと手のひらを置いた。
「ほら、ここに挿入ってる。分かるか?」
提督が由良の腹部のうち、自身の肉棒が埋まっている部分をそっと撫でると、
「うん、すごく熱いの。熱いのが、気持ち良い……」
と、由良も提督と手を重ね合わせるように下腹部を撫でる。
「ここまで可愛いとはな……」
「ああっ……!」
提督の手が由良の腹に押し込まれた。だから、彼女の腹部は提督のペニスと手の双方によって圧迫され、由良に別種の快感をもたらす。
「あんまり変な事、しないで……」
由良には戸惑いもあったようだ。乱れ気味の息と共に潤んだ瞳で提督を見つめている。
「そうだな。少しずつ慣れていってもらおうかな」
提督はそう言ってゆるりゆるりと腰を前後に動かし始めた。
「あ……これ、すごい……」
現状の由良にはこのレベルでもかなりの充足感をもたらすようだ。目を閉じてうっとりとした表情の彼女は陰裂で父のペニスをじっくりと味わうかのようであった。
「はう……お父さんのオチンチン、奥まで動いてくれてる……」
再び目を開け、卑語を発する由良は挿入された父の剛直が気持ち良くて仕方がないらしい。息は相変わらず乱れているが、顔を赤くして微笑みを浮かべながらも提督から視線を外す事が無い。ただ、その息遣いからは余裕がなくなりつつあるように感じられた。
「ね、ねえ。私、危ないかも」
下腹部を両手でさすりながら、由良が言った。
「危ないって、なんだ?」
提督も切羽詰まったように聞く。
「イきそう……イきそうなの……!」
その身体は早くもオーガズムの予兆を捉えたようだ。ただ、元々は提督をオカズに自慰にふけっていた彼女である。実際に行為に及べばすぐに絶頂に至ってしまうよう、その肉体は学習してしまっていたのかもしれない。
「悪い、俺も出そうだ」
そもそも由良の膣は締め付けが強烈だ。内部構造も刺激的なように思えてならず、そんな蜜壺が提督好みの動きをするのだからよく保った方と言っても良いだろう。そんな提督の言葉に反応して、由良は辛うじて足を提督の腰に回し、膣からペニスが抜けないようにする。
「ああっ……!」
か細い悲鳴を上げて由良の身体が跳ねた。同時に、提督もその締め付けに耐えきれずに射精を開始する。
「ぁ……ぁ……ぁぁぁ……」
痙攣を続ける由良の表情はすっかり蕩けていた。その下腹部の奥深くにジワリと熱いものが広がっていく。
(これが膣内射精……素敵……)
全身をピクピクとうごめかせながらなおも幸せそうな由良であった。
「好きな人とするって、こんなに気持ち良いのね」
提督に熱い視線を投げかける由良。当然、由良にとっては初めての膣内射精だが、ここまで悦楽を覚えさせるものとは思っていなかった。
「娘に膣内射精する事になるとは思わなかったけどな」
そう言う提督だが、その表情に暗さは無い。むしろ愛おしい女を抱く事の出来た喜びが垣間見えた。そんな彼の心情がわかるのか、
「これからもたくさん膣内に出さなきゃダメなんだから。ね?」
と笑顔を浮かべながら由良は言い、提督の腰に回した足に力を込め、膣も一気に締め付けた。
キュッという由良の膣の締め付けはたまらない。硬いままの逸物を締め付けられてしまった提督は思わず声が出そうになるが、由良に口付ける事でどうにか誤魔化す。
その感触に陶酔してしまったらしく、再び大人しくなった由良。提督はその淫裂に剛直を突き刺したまま、彼女をうつ伏せにさせた。体勢としてはバックの姿勢だ。
「え? ……え?」
いつの間にか視界が大きく変化して混乱している由良だが、提督はそんな彼女に対して硬いままのペニスを勢い良く叩き込んだ。
「きゃううううんっ!!」
突然にして甘美な衝動が由良を襲い、背がのけぞり、鋭く甘い声が出る。
「全く、父親まで誘惑していけない子だ」
提督は先程よりも強い力で由良の女陰を突きまくる。
「はあっ、あっ! 違うのっ! お父さん以外……!! 誘惑、してないってばあ!!」
「じゃあ、前の彼氏はどうなんだ?」
そう言って提督は更に由良へ一突き叩き込んだ。
「キャウッ!! あ、あれも違う、のおっ!! お父さんに、私を、見て欲しくて……!!」
愛しの父によって後ろからの熾烈な攻撃に晒され、ひたすらに悶える由良。
(お父さんってこんなにエッチだったんだあっ!! こんなのダメッ!! 私、もっともっとお父さん好きになっちゃうっ!!)
気持ちだけでなく、肉体までもがますます父の感覚を覚え、その想いを募らせていく事を実感する。
パチンパチンと皮膚がぶつかる音がする。そして由良と提督の結合部は巧みに擦られ、性感がいやが応にも増して行く。もはや提督は上背を直立させておらず、愛娘の背中に抱きついて懸命に腰を振っていた。
(ああっ!! 暖かいっ!! お父さんに後ろからされちゃって、気持ち良くて、フワフワなのおっ!!)
すっかり快感にほぐされてしまった由良の顔は普段のそれとは程遠い、だらしのないものになってしまっていた。
「……出る!」
そう言った途端、由良の膣の最奥部にまたも熱い生殖液が放たれた。限界に達していたのは由良も同じである。
「ああああああーーーーーーーーーっ」
嬌声を上げて大いに身体を痙攣させる。そして由良の膣壁は提督のペニスを搾り取るように蠢き、子宮は大喜びで提督の精液を飲み込んでいた。
その後のベッドの上には、身体を重ねた後の由良と提督という二人の裸体が並んでいた。
「こんなに気持ち良いものだったなんて初めて知ったわ」
由良は言う。その息はまだ整っていないが、何処かリラックスしたかのようでもある。
「辛くなかったんなら良かったがな」
提督は言った。経験が浅いであろう相手に、どうも飛ばし過ぎた印象があるからだ。
「辛いなんて全然……。あ、そうそう」
由良は少々意地悪げな表情を浮かべて提督の顔を覗き込むような姿勢を取り、言った。
「後ろからされている時に前の彼氏の事を聞かれた気がするの。あの時結構激しかった気がするんだけど……」
提督はその件について別段表情には出さず、
「あれは、いろんな男を誘惑するようになっても良くないと思っただけでな」
と言う。しかし、由良は意地悪げな表情を崩さない。
「心配なんだ、私がそんな事しちゃいそうで?」
「そうは言ってないだろ。だけどお前は可愛いからな。ちょっと誘えばコロっと行く男は多いだろうよ」
「やっぱり、心配しちゃってるんじゃない?」
由良が目を細めて言い、提督は気まずそうな表情を浮かべた。
「まあ、な」
「そう……例えば私が色んな人を誘ったら、どうかな?」
妙なスイッチが入っているのか、相変わらず意地悪げな顔付きのまま相手を追い詰めるような質問を投げかける由良。その表情には扇情的なものさえ混ざり始めているように見える。
「それは……」
「それは、何?」
由良は愛しい父を言葉で追い詰める。
「……」
「教えて欲しいんだけど」
「……勘弁してくれ」
とうとう提督は片手の甲を顔に乗せて黙ってしまった。しかし、それでも由良には回答として十分だったようだ。彼女はクスリと笑い、問答を止めてくれた。その代わりなのだろうか、
「続き、しましょう?」
と由良は言い出した。
「いや、いい。俺はもう無理だ」
提督はそう言うものの、由良は改めて妖しく目を細め、言う。
「嘘ついちゃって……こんなに硬いまんまなのに『もう無理だ』なんて」
いまだに硬いままな提督のペニスにそっと触れる。この子にこれ以上は辛かろうという彼の配慮を由良は見抜いていた。
「お前は平気なのか?」
「何度かイッたけど、まだ大丈夫」
彼女はノソリと起き上がる。その表情に浮かんでいるのは期待に満ちた微笑みである。
「お父さんの事、知りたいの。こういう所も含めて全部、ね」
彼女は騎乗位の姿勢を取るようだ。提督のアシストを得て、彼の先端をその膣口に当てて、ゆっくりと沈み込ませた。
「ん……ん……はああ……」
父の今だにいきり立って萎えない剛直が、彼の愛娘の潤みに潤んだ蜜穴にすっかり埋まってしまった。そんな蜜穴は愛する者の再度の来訪を大いに喜んでいるようだ。剛直を優しく締め付けるような動きを見せている。
「やっぱり、素敵」
うっとりとした表情でため息をつき、そう呟いた由良はゆっくりと俯き、優しい眼差しで、
「お父さんで悦んで良いでしょ? ね?」
と腰を密着させつつ言う。提督が頷くと、由良は非常に緩やかにその腰を動かし始めた。
「ん……ふうう……」
目をそっとつむった彼女は、ひたすら父のペニスの感触を噛みしめていた。自身の胎内に居て存在感を発揮するその剛直の感触がたまらないようだ。
「ん……ん……ん……ん……」
とにかくゆっくりとした優しい騎乗位だ。愛する人の熱を自身の内側に感じているからこその、その恍惚とした表情。その姿はおそらく他の男では見る事など叶うまい。
それはペニスだけに留まらない。感触を覚えようとする彼女の行動は父の全身に及んだ。そっと上半身を前へと傾けた由良は提督の上半身をなぞるようにその両手をはわせ始めた。
「……おい、くすぐったいぞ」
「我慢して? この素敵な身体、今でもすぐに覚えておきたいの」
撫で回す由良の息が荒くなっているのを確かめるまでもなく、彼女の興奮の度合いが強くなっているのはすぐに分かった。彼女の膣肉の締め付けが次第に強くなっている事も分かったからだ。
どうしたものかと考えていると、提督の唇に暖かいものが覆いかぶさった。由良の唇である。これもまた、提督の存在をじっくりと味わうような動きであった。
「ん…………ん…………」
柔らかく唇の感触を確かめるように、いかにも愛おしそうに実父との接吻を続ける由良。本気で提督の感覚を覚えたい、そんな彼女の強固な意志を感じた。そんな愛娘・由良の姿を目の当たりにした提督は何故か彼女を苛めたくて仕方がなくなってしまった。
「ひゃうんっ!!」
由良が突如として叫んだ。寝そべってくる彼女の上半身を提督が抱きしめ、下から腰を振って由良の事を突き上げてきたからだ。
「これダメっ!! ちがっ!! 違うのおっ!!」
突然の感覚で困惑を覚える中、快感をも覚える由良は大いに慌てた。父である提督の剛直が並外れたものである事、それを由良の肉体は早くも学習してしまっていたのである。掘削され続ける膣肉。そこは悦んで提督の剛直を迎え入れていた。
「いやだあっ!! 私、まだお父さん覚えてないいっ!!」
彼女が戸惑いを見せているのは、愛する父の肉体に対する理解が不十分なまま絶頂に追いやられてしまう危険性に想到したからだろう。
「すぐ覚えられる訳ないだろう。こういうのは時間をかけてゆっくり覚えて行くもんだ」
由良の下方から父のこんな台詞が投げかけられた。次の瞬間、由良が覚えたのは快楽に浸されているにもかかわらず、自分がますます高ぶる感覚であった。
「お父さんの事、時間かけて覚えて良いの!?」
「そうだ」
余裕を失った由良の問いに提督は答える。
「何回もしちゃうけど良いの!?」
「そうだ!」
もはや愛する父を貪ってしまう、そう宣言したに等しい由良の事を、父こと提督は受け入れると力強く宣言した。
「約束よ!? 私、大好きなお父さんと何回もしちゃうんだからあ!!」
「ああ、何回もする!! だから安心してイけっ!!」
この一度では終わらせない。そう覚悟をすえた提督はますます力強く由良の事を突き上げ始めた。
「あああっ! お父さんに下から突かれてイっちゃう! イっちゃう! イっちゃう! ……イくうううううっ!!」
その精神的な喜びさえも宿らせた蜜壺はとうとう激しいオーガズムに達した。
「あああうううううっ!!」
嬌声を発する由良の下で、父も達してくれたようだ。今だに濃厚な父の精液はすっかり貪欲さに目覚めた由良の子宮に飲み込まれていった。
(ああ、大好きなお父さんにこんなに気持ちよくしてもらって、私、幸せえ……)
快感のあまりはっきりしなくなった意識の中、由良は最愛の男である父の体を強く抱きしめた。
提督の家族三人を巡る関係は大きく変わってしまった。
鎮守府の近くに三人が住まえるだけの部屋を借り、代わりに自宅を他人に貸したのである。そして妻も引っ越してきた為、三人で部屋に住む事になった。妻は妻で、夫である提督が近くにいない生活が相当に寂しかったらしく、以前と比べても積極的に夜の営みへと誘うようになってしまった。そこに実の娘である由良さえもが混ざるようになっているのが普通の家庭と異なる点だ。
妻の身体は提督にとって極めて具合の良い肉体である。娘である由良のそれも同様だ。どちらの肉体も提督とは相性が抜群であるように思える。ただし、その方向性は大きく異なり、妻が優しく包み込んでくれるような印象を与えてくるのに対して、由良のそれは若々しさを前面に押し出したかのような力強さがある。
「不思議なもんだ」
由良との熱いひと時を過ごした後、提督は呟いた。
「何が?」
「何故かお前とのセックスが母さんと変わらない位合っているような気がしてなあ。身体は全然別のはずなんだが……」
「クスッ、当然じゃない?」
由良は覆いかぶさるように提督に寄り添った。
「お父さんにとって、お母さんの身体って全然飽きが来ないくらい素敵な身体なんでしょう? 私はそんなお母さんとお父さんの間に生まれた子なのよ? 身体がお父さん好みになっても不思議じゃないわ」
そう言った由良は提督に足を絡めて更に言う。
「……これは逆も言えるの。お父さんのおかげで生まれた身体だから、お父さんに合っちゃうの」
言い終えた由良は愛しい父に熱い口づけを施した。
「おい、まだ続けるのか?」
「正解。まだまだ元気じゃない。こんなの見たらたまらなくなっちゃうもの。ね?」
硬いままの父の陰茎を優しく掴みながら上半身を起こして、すっかりオンナの表情を浮かべた由良は提督にまたがり、提督はそんな彼女を受け入れていったのであった。
最中、由良は腰をゆっくりと振りながら熱い吐息まじりにこんな事を言った。
「ふふ、母さんったらどんどん綺麗になっていくんだもの。お父さんのおかげね」
事実、彼の妻は体を重ねる度に美しくなっている。それはさながら時間を巻き戻すかのようであった。
「お父さんって、エッチの度に女に何か吹き込んじゃうのかしら」
「変な事言うなよ」
「悪い意味で言ってるんじゃないわ。どんどん身体がエッチになって、どんどん気持ち良くなっていくの。素敵な事じゃない?」
父の手をそっと握り締めながら、そんな事を言う娘はといえば、抱く度に魅力的になっていく。今やその有り様は、本来ならまだやんちゃさの残るであろう元気でみずみずしい肉体をベースにしながら、より乳房は形の良さを保ちつつも大きくなり、腰は引き締まり、ヒップは丸くなり、本来の年齢に不相応な程の蠱惑的な雰囲気をまとっていた。
「女として生きるって素敵な事なのね。好きな男の人とずっといられれば尚更……」
そう言った由良は母と共に父とのセックスに臨む時のことを思い出す。その時の母は普段の落ち着いた姿が嘘だったのかと思わせる程、父である提督と情熱的なセックスを繰り広げるのである。特に父の体にまたがって腰を振る姿は非常に印象に残っていて、母もまた女なのだと痛感させられた。同時に、その淫らな姿が、私だってこの人をこれだけ愛している、という自分に対するメッセージ、あるいはアピールである事もうっすらと分かった。それを裏打ちさせるように、後で、「あんな風にあの人を気持ちよくさせたことがあるのかしら」とこっそりと聞かれた。もはや母にとって自分は大切な娘であると同時に、恋敵でもあるのだろう。彼女にしても自分を受け入れてくれる母に対する敬意をますます深めると共に、対抗心を燃え上がらせざるを得ないのであった。
その様は妍を競うようだ。母娘なのだから年齢差は相当なものなのだが、お互いに一歩も引かずにいて、実際に甲乙付け難い。しかも、そこには深い信頼さえ同居しているのだから不思議な関係であった。
「……いかん、出る!!」
父がうめくように言った時には、由良の身体も限界を迎えていた。全身を震わせながら、彼女は自分の父が胎内に吐精してくれている事に幸せを覚え、歓喜の声を上げた。
結局、提督の家庭環境における雰囲気は相変わらず和やかなままである。妻とは離れ離れで、娘の由良が悲痛な思いで提督にアタックしていた頃に比べれば、むしろ状況は遥かに改善していると言える。確かに提督は実の娘である由良と禁忌を犯した。しかし、それが悪い結果に繋がるとは必ずしも言えないようだ。
今日も今日とてこの家庭は慌ただしい朝を迎えていた。提督と由良が鎮守府に出勤するまでそれほど時間はない。
朝食を摂った後、後片付けをする由良は思い出した。
(あ、お洗濯だけしておかないと)
昨日の家族が着ていた衣類を洗濯すべく、由良は洗濯機置き場に向かった。とは言え、今では由良がする事は洗濯機に衣類を入れてスイッチを入れる事だけである。干す作業は母が行ってくれるはずだ。
丁寧に衣類を洗濯機に入れていくうちに、ふと由良の動きが止まった。その手にあるのは提督が昨日着ていたシャツであった。
高まる鼓動と共に父の脱いだ服を見つめて、そのうちにシャツを顔面へと寄せ、欲望に抗えずにクンクンと匂いを嗅ぎ出す。
(ああ、やっぱり素敵……)
全身が火照るような感覚さえ覚え始めたその途端、
「おーい、人前でやめてくれよそういうの」
振り向くとそこにいたのは提督である。実に気まずそうな表情であった。
「で、でもお……この匂い、すごく素敵っていうか……」
照れ気味に由良は言う。
「もしかして、お前って洗濯の時も……」
提督は思い出したのだ。この娘、提督の私室の掃除だけでなく、洗濯もやたらと引き受けたがるのである。由良は無言のまま顔を赤らめてわざとらしい笑顔を作り、目を逸らしてしまった。
「ったくいい加減、一切やるななんて事は言わないけどさあ、タイミングくらいは考えろよ?」
もはや呆れ顔を浮かべた提督にそう言われてしまった由良は、プシュウ、という擬音が聞こえそうなほどに顔を真っ赤にして、両手に父の服を握り締めたまま俯いてしまった。
由良の身体は元々かなりの淫らさを備えていたのかもしれない。そんな身体を備える彼女は父に恋をしてしまっていた。だから、父の事を想うあまり、彼の痕跡を察知すれば身体が勝手に反応してしまうようになっているようだ。それも、提督が由良の気持ちを知るはるか前からである。
既にファザーコンプレックスなどという段階はとうに過ぎ去っていると言えるのが由良という女の子だ。彼女にとって、提督は父ではなく、幼い頃から自分のそばにいてくれた愛すべき理想の男性なのだ。
出勤前に母に対して元気よく挨拶をして、由良は提督と共に家を出る。
妻が引っ越してきて以来、提督と由良が共に並んで出勤するのがごく当たり前になっていた。この時点で二人が父娘な事だけは皆に知られていたから、別段怪しまれる事もない。
そんな中、由良は父の存在を隣に感じながら、自分の将来について思いを巡らせていた。父はこれからもこの仕事を続けていくはずだが、由良は艦娘として退役しなければならない日が来る。あるいは、艦娘の中には艦隊司令として前線に残る道を選ぶ者もいれば、高級将校として中央に活躍の場を求める者もいる。しかしそれらの選択が父と共に過ごすという結果につながるとは考えにくい。どうすれば父と居続ける事が出来るか、彼女はそんな事を考えていたのである。
その時、隣にいる提督が由良に聞いた。
「でだ、ひとつ聞きたいんだが……お前って子作りは興味あるか?」
「うん……え?」
反射的に答えた後で、その質問の過激さに気付いた由良は驚いたような表情を浮かべる。
「作って、いいの?」
そう問い返さざるを得ない。
「どうせ娘を抱く外道なんだ。母さんも良いって言ってくれてるし、子を作るくらいはしちまってもいいかと思ってな」
途端、由良が抱きついてきた。どうせ作るのなら子育てはコッソリと一人で、などと暗い未来を思い浮かべていた由良にとっては、福音と言っても過言ではない父の言葉であった。
「お父さんが外道な訳ないでしょう! 私の夢を一生懸命叶えてくれるんだもの!」
実際、自分をこれ程優しく、暖かく、慈しんでくれる男を由良は知らない。
「いつ頃作るの!? 私はいつでもいいからね!? ね!? ね!?」
由良はすっかり目を輝かせてしまっている。
「母さんがもう一人欲しいと言い出していてなあ。悪いが、それまでは待ってもらわんとな。それに、お前と二人で過ごす時間もいきなり無くすのは惜しくってな」
父は照れ気味に言う。そんな彼を見てこみ上げてくる思いに耐えられなくなった由良は思い切り提督に抱きついた。
「お父さん大好きっ!!」
「だから、こう言った場所でその呼び方するなってのっ!!」
鎮守府の門に近づきつつある中、提督は慌て気味に由良の頭を叩いた。だが、もはや由良は引き下がらない。
「ダメよ! 提督さんは私の提督さんだけど、お父さんなのも事実でしょう!? 公私にわたるパートナーなの! ね!? ね!?」
どうも由良はすっかり舞い上がっているらしい。そんな彼女がこんな事を言い出した。
「エッチな気分になったら、執務室とか、色んなところでして良いから! ね!?」
「おおい、良くないぞお!?」
提督は慌てる。自分の発言が原因とはいえ、ここまで暴走してしまうとは。が、由良の暴走はこれより前から既に始まっていたらしい。
「残念、下着も結構エッチなの履いてるんだけどなあ?」
由良は相手を誘惑するような実に色っぽい視線と微笑みを浮かべて、自身のスカートの片方をそっとめくり上げ、提督にそれとなく履いているショーツを少しだけ見せつける。それは同年代の女の子と比べてもかなり気合の入った代物であった。せめて提督さんに仕事中も気持ち良くなって欲しいから準備だけはしてるの、と彼女は付け加えた。
「う……」
そんな彼女を目の当たりにして何も言えなくなる。既に提督からしても由良をただの娘として見る事など出来ず、愛すべき恋人と言うべき存在としてしか認識出来なくなっていたが、だからと言ってそれをそのまま公に出せる訳が無い。
「父親相手にそこまでやるか?」
提督はこう言ったものの、この発言は由良にとって大幅な減点材料であった。いきなり耳を引っ張られ、
「父親じゃなくて彼氏! 夫!」
とキツい調子で言われてしまう。
「なんで俺が怒られるんだよ……」
「分かってないんだから当たり前なの!」
提督が反論しても由良は拗ねたようにそう言い放ち、不機嫌そうに鎮守府の構内へと提督よりも先に、ズカズカと入っていった。
ところがこの日、劣情をもよおしてたまらなくなってしまい、結果的に人目のつかない場所で相手に身体をすり寄せるようにして誘惑を開始してしまったのは由良の方だった。制服フェチとでも言うのだろうか。どうやら完全にブレーキの外れてしまったらしいこの娘にとっては、制服がキッチリと決まった実父の姿も性的な欲求を刺激してやまないものになってしまっていたようだ。
年頃だからこそ性欲が強くなっている部分はあろう。散々葛藤した末、実娘を受け入れる覚悟は出来た提督だが、由良の誘惑してくる姿に勤務中も耐えなくてはならないという新たな悩みを抱えるハメになった。
ちなみにこの日の由良は流石に悪戯が過ぎたようだ。自宅へ帰った後で仕置きと言わんばかりに快感で腰が抜けて動けなくなる程、愛する父から犯し抜かれたそうである。ついでに言うとこんなセックスも由良の琴線に触れるものであったらしく、行為の後でヘトヘトになりながらも、強引なお父さんもとっても素敵、と思ってしまったという。