艦隊これくしょんのR-18な短編作品詰め合わせ 作:dn88k
カーテンも、ドアの鍵もきちんと閉め、他人からの視線が完全に遮断された状況で、菊月は裸体になり、自慰行為に耽っていた。
次第に脂肪が乗ってきて膨らみ始めた乳房を揉みしだき、痛くない程度の強さで皮の上からクリトリスをつまむ。だが、菊月がもっとも好んだのはその割れ目に沿って陰唇を擦ることだった。やがて愛液が本格的に浸み出し始め、手の動きが加速する。
この一人遊びを覚えたのは具体的にいつだったのか覚えていないが、その動きは既に十分上達していて、得られる快感も当初より奥深い物になっていた。
「司令官……。あ……来る!」
小さくうめいた後、菊月の全身が痙攣しながらのけぞった。
ビクッビクッと身体が跳ねていたが、そのうちそれも収束する。のそりと起き上がった菊月は一人つぶやいた。
「また、してしまった……司令官で」
粘液に汚れた手を暗い目で見ながら後悔する。だが、性に目覚めてしまった肉体は自慰行為をせずに放置すると疼き、その疼きが強くなっていって辛くてたまらなくなってしまう。更には提督に劣情をいだき始め、抱かれたいという欲望を覚えた事が状況に拍車をかけた。今や彼女は提督を想いながらの自慰に夢中になってしまっている。
だが、提督を汚しているという後ろめたさがあるのも確かだ。この気持ちは、はしたない事をしたという後悔にはるかにまさった。
(でも、止められない……司令官が、私を……)
提督に抱かれるという妄想は菊月にとって甘美であった。しかし、現実はどうかといえば、全くと言っていいほど自信が無い。菊月はノソノソと立ち上がって鏡の前に立った。
(私では、な……)
ぼんやりと鏡に映る自分の姿を眺める。その身体は第二次性徴期に入りたて。体の各部分は女としての発育を始めたばかりであった。そこに魅力を感じる者もいるが、大抵はより発育した身体を好む。鎮守府という場所には男好みに発育した身体を備える逸材と呼ぶべき者がゴロゴロいる。
「流石に私をそういう目では見てくれないよな……」
菊月はため息をついた。
菊月は南方のとある島に来ていた。近隣の海域で掃海作戦が実施される事になり、提督の管轄する鎮守府にも参加するようにとの指示が下ったのである。今回は提督自らが直接出向いて指揮したおかげもあってか、彼らの担当する海域の掃海作戦はスムーズに進み、深海棲艦の大半はこの海域から撤退した模様だ。
今は近隣の艦隊が危険な状態に陥った際、援軍を出す為に待機しているが、それらの海域に展開する艦隊も順調であるらしく、凶報は全く送られてこない。今日は提督の判断で暫定的な休暇となり、艦娘達は海水浴などをして思い思いの時間を過ごした。
「しょっちゅう海に出てるんだ。たいして面白いものでもないが……」
水着姿の菊月が準備体操をしつつぼやいていた。しかし、他に気を紛らわせる手段も特に無いのが実情であった。暇つぶし用にゲーム機などを持ち込んでいる艦娘もいたが、あいにく菊月はそういったものに対する関心が無い。かといって、ほぼ来ないであろう支援要請を軍の用意した宿舎で待ち続けるのにもいい加減飽きが来ていた。
「おー、菊月もこっちか」
声が聞こえて、一瞬浮ついた感覚を覚える。振り返ればやはり提督であった。
「流石に退屈なものでな」
と答えると、
「全く。近隣の艦隊も待機状態になってるのが増えててなあ、念の為って事なんだろうが……」
頭を掻きながら、さっさと帰還させてくれよって言いたいんだが、と提督は言った。
「流石に司令官でもすぐみんなを帰還させるのは無理か」
「力不足で悪い。文句ならいくらでも言ってくれ」
「いや、司令官が力不足なんて……」
菊月は慌てて言うが、これ自体は世辞でもなんでもない。何しろ、この周辺に展開した艦隊の中で最も掃海作戦を迅速に進めたのが彼なのである。当初は支援要請が送られた事もあったが、それにも見事に応えてみせた。
提督が混ざったからだろうか、艦娘達の海岸での水遊びに結局菊月も参加し、その場が大いに盛り上がった。彼女達は久々に気分転換が出来たといえる。
「少し調子に乗りすぎたか……」
しばらくして、菊月は木陰で休憩を取っていた。水遊びの際、はしゃぎ過ぎた気がしているのである。寝転がり、木の葉の隙間から見える空をなんとなく眺めていた。その時である。
「菊月、どうした?」
と言う声が聞こえた。顔を起こすと、そこにいたのは提督である。
「別に、少し休んでただけだ」
「そうか、ならいいけどな」
提督も腰を下ろして寝転がる。
「天気はいいんだがなあ、出来る事が少ないってのがなんとも……」
提督は愚痴をこぼした。待機の指示が解除される見通しが立たないので退屈しているらしい。
「それはここのみんな似たようなもんだろう。少しは楽しみがあると違うんだろうけどな」
「それは確かに、な……」
そしてしばらくは無言になった。
「すまない、話題がなかなかなくて……」
「…………」
提督からリアクションが無く、不安になった菊月は提督を見る。すると、彼は眠ってしまっていた。静かに呼吸を繰り返している。
(なんだかんだで働き詰めだったからな……)
菊月はむしろ当然という思いで提督の横顔を眺めていた。
提督が目を覚ましていた時にはすでに日は傾いていた。
「あー、寝ちまってたか」
提督が独りごちると、
「よく眠れたか?」
と聞いてくる声が聞こえた。その方向を向くと菊月であった。
「ああ、そうみたいだ」
「それなら良……」
と言いかけて菊月は慌てて提督から目を逸らした。何かと思ったが彼女がおそらく直前に視線を走らせた先、股間の部分に違和感を覚える。見るとそこは陰茎がすっかり硬くなっており、水泳用のパンツの生地を持ち上げていた。おそらく朝立ちと変わらない現象が先ほどの睡眠で起こっていたのだろう。
「あ、悪い」
「い、いや。気にしなくてもいい……」
菊月は顔を背けたままだ。お互い、非常に気まずい。
「本当は勃っちまうのが不味いんだが……」
「男っていうのはそうなる物なんだろ?」
「そうなんだけどさあ、女の子の前だぜ? セクハラって言われても文句言えねえよ」
提督は苦い顔を浮かべている。しかし、菊月は、
(私も女の子扱いなのか……?)
と意外な思いで提督の方向へと振り返る。だからだろうか、彼女はいつの間にか、
「……私が司令官で興奮するのも不味いのか?」
と、自分でも驚くほど思い切ったことを言っていた。
「え?」
提督が間の抜けたような顔を自分に向けている。
「結構、よくない事になってて、な」
目を逸らし、何やらソワソワとしたような様子の菊月。実際、提督が自分の横で寝ているという状況下でドギマギしてしまい、それは彼女の下腹部にも影響を与え始めていたのである。
「その……こんな状況だし、そういうのを処理するのもまともに出来てないよな? それで、良ければ、なんだが……」
菊月は一旦沈黙した後、こう続けた。
「どうか、私を相手にしてくれないか?」
大胆な菊月の提案に唖然とする。そんな事を行ってきた相手の顔は真っ赤だ。
「ええと、それは……いいのかよ?」
流石に提督もそんな事を言われて戸惑いを隠せないが、
「最初で、最後かもしれないんだ。一度くらい、司令官と……」
と菊月は勇気を振り絞って言う。その声には切実さが込められていた。
「まあ俺で、良いんなら……」
提督がそう言った瞬間、菊月は真っ直ぐな視線を向けてくる。そこに負の感情は見受けられなかった。
菊月には実際の経験はないらしい、そう聞かされた提督はまずは慎重に愛撫するところから始めた。まずは、水着の下の部分を脱ぎさった菊月の股間にそっと触れる。
「あっ……!」
そこはうっすらと濡れていた。
壊れ物を扱うように丁寧に菊月の割れ目を撫でていく。その端にある肉豆はあまり触っても刺激が強すぎるだろうと思い、そっと皮越しに触れるに留めていたが、
「もっと強くていい。そこ、結構好きなんだ」
と言われてしまう。
提督と同じように、菊月もまた彼の逸物をそっとしごくようにして刺激を加えていた。
「ん、ん……」
ちゅ、ちゅという音と共に提督と唇を重ねる。ペッティングは継続しているが、菊月が初めてという事もあってお互いかなり慎重である。
「はっ! ちょっと待ってくれないか司令官!」
「どうした?」
「こ、これは、その。あっ、ダメだっ!!」
突如として菊月の身体が痙攣する。
提督の手にトロリと少々の粘液がこぼれ落ちた。菊月は彼の愛撫で達したのである。
「うう……こんなに、恥ずかしい、なんて……」
顔を真っ赤にした菊月はすっかり俯いている。いつものオナニー以上の快感を覚えてしまったらしく、ならばそれも当然なのかもしれない。
「どうする? 続きは後回しでいいが……」
菊月を気遣ったのだろう。本気で嫌がっているのなら無理に先へ進むつもりは無い。しかし、彼女は俯いたままながらもゆっくりと首を横に振り、
「初めては、司令官に貰って欲しい。この機会を逃したくないんだ」
と答えた。
「もう一度聞くけど、本当に俺でいいのか?」
「生憎、他の男なんて思い浮かばん」
そう答える彼女からは覚悟のようなものが感じ取れた。
提督はそっと菊月に触れ、コロンと寝転がせると、彼女は緊張と不安を混ぜたような表情をしていた。提督は自身のペニスを握り、挿入に備えた。
「痛いと思うぞ?」
「構わない。私は、司令官が良い……」
提督は業物の切先をその侵入者を知らない割れ目にあてた。そして菊月に目で合図をし、彼女はコクリとうなづく。
提督が挿入を開始すると、体が裂けそうな激痛を菊月が襲った。深呼吸を繰り返してそれを耐える。
「やめた方が……」
「それだけはダメだ! お願いだから奥まで頼む!」
いかにも必死な菊月を見て提督は挿入を再開した。少しずつではあるが、ズプズプといきりたった代物が肉壁へと埋まっていく。
やがて、挿入は完了した。提督の欲望が菊月の胎内を奥まで押し広げている。
「入ったのか?」
「ああ……」
「よかった……司令官が初めてをもらってくれたのか……」
半泣きで笑顔を見せる菊月を見て、提督の心臓が少しばかり跳ねた。今の彼女から愛らしさを感じなかったと言えば嘘になる。そんな彼女の頬を提督は優しく撫でた。
しかし、ここでピストン運動をしてしまうのは気が引けた。菊月は破瓜を迎えたばかりで、男性の陰茎に貫かれている現状もかなりの苦痛に思えてならないのだ。
ところが菊月は辛いであろうにも関わらず、提督に微笑みを向けて、
「精液を出してくれていいぞ? 溜まっていて辛いだろう?」
と語りかけてくる。提督はしばらく迷っていたが、そのうちゆっくりと腰を動かし始めた。ただし、そのストロークはかなり短かった。
菊月はといえば、単純に痛いだけではなく、提督に貫かれている事に喜びを感じていた。それだけではない。早くも彼の怒張に自分の膣が馴染んできているのか、徐々に痛みが消えていき、提督が自分の内部で動き回っている事が興奮を加速させる材料となっていた。
(こいつの中、良すぎる……!)
提督は菊月の膣が極めて刺激的であることに内心動揺していた。初めてで締まりがキツイのもあろうが、動くたびにペニスをこそぐようなその肉壁は凶悪に思えてならない。そんな肉穴に包まれていては彼のペニスが時をおかずに限界を迎えてしまうのも仕方がなかったろう。
「すまん、出そうだ!」
提督がそう宣言すると、菊月も、
「挿れたままで、頼む……!」
と膣内射精を要望した。それから時を待たずして菊月の膣に提督の熱い精液が吐き出された。
「はあ……はあ……」
菊月は自分の内部に何やらジワリと熱いものが広がっていくのを感じ取った。同時に、目の前にいる提督が自分に腰を押し付け、目を強くつむって震えている姿を視認する。
(へえ、私でもいけるのか)
そう思い、菊月は無性に嬉しくなった。
この時、菊月に女としての自信の萌芽が姿を見せたと言っていい。それと同時に、彼女は心の奥底で何かが静かに発火したような気がしていた。
それから数日して、ようやく提督の艦隊にも待機を解除し帰還するよう、上層部の命令が下った。
「何もしないと長いんだが今日は逆だったな」
宿舎の一室で提督は苦笑いしながら言う。今日は翌日の撤収に備えて、作戦活動に必要な機材その他諸々をまとめる作業をこなしていたのである。
「体が動かせて良かったんじゃないか?」
菊月が言った。最近の彼女は何故か提督のそばにいる事が多い。
「確かにな。帰ったら逆にみんな忙しくなるかもしれんが……」
鎮守府に戻ったら戻ったで、彼らにはさまざまな仕事が待ち構えている。それも見据えて、提督はこの時点で艦娘達に早めに就寝するよう指示を出していた。とは言え、日が沈む前に一通りの作業が終わったせいか、時間には大分余裕があった。ふと提督は視線を上げて壁掛け時計を見る。
「流石に就寝時間まではまだ早いか……」
どうやって時間を潰すか、提督がそんな事を考えていると、
「何だったら、するか?」
という菊月のセリフが提督の耳に届く。これには提督も驚いたような顔をする。
一度抱かれたという事実は菊月に多少なりとも性的な行為に対する積極性をもたらしたのだろうか、気恥ずかしげに体を寄せてくる。
「いいのかよ?」
「普段は一人でしてるんだ……あんまり言わせないで欲しい……」
菊月はうつむいて真っ赤である。
(マジか……)
彼女のオナニーのオカズが自分な事を提督は察した。
提督がそっと抱き寄せると菊月から唇を重ねてくる。彼女の仕掛けるキスは初めての時よりも力強く、提督の頭部を両腕で抱え込み、必死に彼の唇を吸っていた。
ようやく顔を離した際の菊月の表情は、普段の引き締まったそれが嘘のように蕩けきっていた。
「お前もそういう顔するのな」
「……何の、事だ?」
「いや、何でもない」
そう言いながら提督は菊月の服をそっと脱がしていく。
裸で寝そべる菊月の体躯はまだ発展途上のはずだが、何故か提督には成熟した女性の裸体のように美しく映った。
キスをすると、提督は菊月の全身を手で優しく撫で始める。
「ん……っ、くすぐった……」
提督の愛撫を受ける菊月はそう言うものの、その呼吸は興奮のせいか荒くなりつつあった。その手つきはとても優しくていやらしく、菊月の全身をゾワゾワとした痺れが走る。
(な、何だこれ……?)
性的な感覚といえばオナニーの際に疼いた股間を捏ねるくらいでしか覚えた事のない菊月である。身体中を撫でまわされて何故か興奮している自分がいる事に困惑する。
そのうち、提督の手が膨らみかけの菊月の乳房を本格的にマッサージし始めた。
「はああっ……!」
一体何が起きているのか、菊月は自分の身体に聞きたくなった。全身を撫でられている時に興奮が高まっていき、乳房への愛撫が始まれば今までと別種の感覚が生じる。だがそれは決して不快ではなく、自身をますます興奮させた。その乳首はいつの間にかプクリと膨らみきっており、菊月の胸部で懸命そうに自己主張していた。提督はそんな彼女の乳首を口に含んだ。
「ひあ……!」
ジンジンとした感覚が乳房の先端に発生し、ジワリと不思議な感覚がそこを中心にして広がっていく。提督はそれ以外の部分を手で愛撫し続けていた。
(こんなの、どうなってしまうんだ……?)
自分の身体が自分のものでなくなるような錯覚を覚える。とにかく落ち着くために深呼吸を繰り返していると、やがて提督がそっと菊月の身体から離れてしまった。
「あ……」
何故か菊月は寂寥感を覚えた。彼女の下半身に移動した提督はそっと彼女の足を広げる。
「濡れてるな」
「……っ!! そういう事を言うな!」
菊月の肉裂は本人のセリフと裏腹に、既に蜜を滴らせていた。受け入れの準備自体は既に整えているらしい。
だが、提督は彼女の割れ目も愛撫してみる気になったのか、その柔らかい陰唇をそっと指でほぐし始めた。
「ああ……!」
彼の指はその幼い淫肉の感触を楽しんでいるかのようだ。割れ目の端で小さく膨れ上がったクリトリスさえも愛液に塗れた指先でゆっくりと撫でるように揉んでいく。
「ふっ……! ぅぅ……!」
今の菊月は提督の愛撫を受け入れるがままである。
(ひ、一人でしてる時と同じはずなのに、何かが違う……!)
だが、これは否定的な意味ではない。その証拠に菊月はオナニーの時以上に興奮している事を自覚していた。
(このままじゃ、来る……!)
オーガズムを覚えそうだと思ったその瞬間、提督の手の感触が消えてしまう。
「え……?」
中途半端な、と一瞬思い、下を向こうとしたその瞬間、今度は陰裂周辺を今までとは全く異なる感触が襲った。
「ひあああああっ!!」
慌てて下を向いた菊月は思わず「ええっ!?」と言う声をあげた。提督が股間周辺に口を付けて舐め回していたのである。
「や、やめてくれええええっ!! そこはっ、きたなっ……!!」
必死に止めようとするが、提督は止めてくれない。その股間を舐めまわされる感覚で意識がはっきりしなくなってきた上、全身が反射的にピクピクとおかしな動きを始めてしまい、菊月はシーツをつかんで提督のクンニリングスに耐えるしかなくなってしまった。
菊月のつま先はシーツを引っ掻こうと動き回り、筋肉が勝手に反応するせいで腰回りもクイクイと、振り幅は小さいながら上下に揺れる。
(来てしまう……! 司令官に舐められながら……!)
羞恥に襲われるだろう事を予想しながらそんな事を考えた次の瞬間、菊月の体内で何かが弾けた。
「あっ!!」
腰を中心に全身を跳ねさせる菊月。その感覚はオナニーで覚えた事のあるオーガズムとはまた別レベルのものであった。
全身の痙攣が収束した後も菊月は小さく震え続けていて、その蜜裂はトロトロと愛液を垂れ流している。
「こんな恥をかかされるのは、初めてだ……」
顔を赤くしながら菊月は提督を睨んだ。
「そんなお前も可愛いぞ? マンコも開いたり閉じたりしてて」
「チッ、うるさい……腹が言う事を聞かないんだ」
菊月は羞恥のあまりそっぽを向いてしまった。ただし、まだ全身に力が入らない。
「で、挿れていいか?」
菊月が顔の向きを戻すと、そこには真剣な顔つきの提督。実際に誘ったのは菊月の方なので、もとから断るつもりはない。
「構わない。さっさと私で出せ」
執拗な前戯が自分を恥に追い込んだ事に抵抗を覚えたのだ。挿入される事自体は嫌ではない。提督が出していないのは辛いはずで、そこがむしろ菊月には気になった。
「まだ二回目だからな。さっきので少しは痛くなくなってくれてるといいんだが」
菊月はようやく提督の意図を理解した。オーガズムを覚えるほど肉壺がほぐれてくれれば、少しは彼女の負担も軽減されるのではないかと思ったのだろう。
「そこまで……気を遣わなくても良かったんだ……私は、別に……」
「そうは言っても相手が辛いだけってのは俺の方が気ぃ引けるんだよ」
提督のペニスの先端が菊月の陰裂にあたる。そしてゆっくりそのペニスが菊月の内部へと侵入していった。
「ん、ん……」
提督の熱い物が自分の中に潜り込んでくる。その感覚は明らかに初めての時のそれとは異なっていた。
「……と。挿入ったぞ」
「ああ、そうみたいだな」
首の辺りだけを起こして菊月は提督との結合部を見る。本当に入るのかとさえ思っていたものが、実際に自分の腹の中に収まっているのだから、菊月にとって実に不思議な光景であった。
「辛くはないか?」
「いや、全く? 司令官のが熱くてな、それが何だか心地良い」
菊月はクスッと笑う。そんな彼女が可愛く見えてしまった提督は思わず口付けた。一瞬驚いた菊月もそれを素直に受け入れる。
「チュプ……出してくれて構わないぞ? 痛くはないからな」
期待したかのような眼差しを菊月は送る。提督はゆっくりとピストン運動を開始した。
(そうだ……これだ)
初めての際、何故か痛覚の中に充足感のような物を感じたのだった。提督という男の欲望が自分の中でうごめいている感覚そのものなのか、それとも別の何かなのかは分からないが、彼女が提督とのセックスで求めているものの一つであった。
「菊月の中、良すぎてすぐに出そうだ」
「い、良いから、出せっ! こっちだって……」
良すぎる、という言葉が出掛かるのを慌てて止める。ズルリズルリと提督の樹茎によって内部をこすられる感覚が早くも菊月に快感をもたらし始めていた。
どうにか自制していたようだが、それでも次第にピストンの速度は上がっていった。今では提督は菊月に抱きつくような姿勢になっている。
「……っ、出る」
提督がそう言った直後、菊月は自身の腹部の奥に熱いものが広がっていくのを感じた。自分に潜り込んでいる提督の熱い肉が脈動している事と併せてである。
「すごい出た気がする……良かった」
そう言って離れようとした提督。菊月は彼の体温が名残惜しいのと、自分で悦んでくれたのが無性に嬉しくなってしまったせいで、そんな提督に抱きつき、唇を重ねた。
「出したくなったら言ってくれ。私が相手をする」
菊月は熱い眼差しでそう言った。
鎮守府に帰還した後も、事あるごとに菊月は提督と身体を重ねるようになった。提督から誘うこともあるし、菊月から誘う事もあるが、後者の方が明らかに比率として高い。提督は一見お硬そうな印象を与える菊月が暗におねだりしている姿を見て戸惑うような表情を見せる事もあるが、菊月にしてみれば提督によって自身の性を司るあらゆる部分に火を放たれ、たぎるような熱さが備わった気さえしている。端的に言えば、今の彼女の内面は燃えていると言ってもいい。
そんな菊月の肉体が提督を求めるのはごく自然な事であった。彼の姿を目にした途端、心拍数が上がってしまう事も珍しくない。いざ事に及べばそこにあるのは甘美で刺激に満ちた時間。提督の熱と、彼をそんな状態に追いやった喜びで溶けてしまいそうだ。
そんな菊月は自分が変わった事を自覚していた。提督に体を開いてからそれほど時間が経っていないはずだが、早くも彼女は性というものを謳歌しているのだ。体の見た目は大人の女性への階段を登り始めたばかりなのに、既に内面は娼婦のごとくである。
(司令官が巧みなのかな)
ふふふ、とらしくない笑いが漏れる。セックスが気持ち良くなっていくと同時に自慰行為での快感も強くなっている。そこに正の循環が起こっているのは間違いないが、提督のセックスが自分に合っていて、尚且つ思いやりに満ちているからと考えた方が良さそうだ。大体、こんなにあっさり慣れた上に快感を享受する事など普通は出来る物なのか。
(まあいい。とことん楽しむまでだ)
菊月は踊るかのような心地であった。視線の先にあるのは提督の姿、たかぶってしまった彼女はそれを態度に出さないよう、早足で彼に近づいて行ったのであった。
そんなある日、資材の保管庫の一つで、チェックリストを片手に菊月は言った。
「こんなところか。突合させてもズレは無さそうだぞ」
その視線のすぐ先には同じくチェックリストを手にした提督の姿があった。
「そうだな。念の為ここで最終チェックだけやって今日は終わりにしよう」
菊月はそう言う提督に無言でうなずいた。ここだけ見れば二人とも真摯に物事に取り組む真面目な人物にしか見えない。実際、周りは二人の事をそう見ているが、現実はそうとも言い切れなかった。
「よし、問題なし、と」
保管庫の隅にある小さな事務作業用のスペースで、提督は書類に鉛筆で軽くチェックマークを入れ、書類を一つにまとめた。これで今日の作業はおしまいである。
「ありがとう、助かったよ」
机から椅子ごと離れた提督は、そう言いながら伸びをした。
「必要な事をやっているだけだ」
「それでもだいぶ早く終わったからな」
「それも、そうか」
正面に座って提督の作業を見ていた菊月は、スッと立ち上がり、机を回り込んで提督の膝の間に座り込む。その体は提督が抱きしめて包み込んでしまえるほどの小ささである。
「……?」
菊月は上半身を後ろに倒れ込ませて提督の胸板を背もたれがわりにした。こいつもこんな甘え方をするのかなどと提督が考えていると、次に彼女は腰の位置も後退させて、提督とピッタリ背面を密着させる。続いて彼女が行ったのは、腰を上下に動かしてその一部が尻に接触している陰茎に刺激を送り込む事であった。
「お、おい……何やって……」
「ん? ふふふ……」
菊月の臀部がもたらす刺激と、菊月自身から漂うほのかな香りによって、浅ましくも提督のペニスはすぐに硬直してしまった。
「硬くなったな。辛くないか?」
相変わらず提督にもたれかかり、隆起してしまった提督のそれに尻の隙間で刺激を与え続けていた。
「おい、ここって人が来る場所だって分かってるよな?」
流石に今日は時間的に誰かが来るとは考えにくいが、それでも二人が不純な行為に及んでいる所を見られる可能性は無いとは言えない。
「ああ、それは分かってる」
と、菊月は軽く言った後、
「……で?」
と、ゆっくり振り返ってきた。その表情は白けているなどとは程遠い、求めているとしか思えない艶かしいそれであった。腰を上下させて提督の陰茎をその尻肉ですり続けることも止めなかった。
「や、だから……人に見られたら困るだろって」
「そうか? 見せつけるぐらいで良いと思うがな」
「本気で言ってんのか?」
「ああ。それに、司令官だって結構乗り気ではないか? 本気で嫌なら私を押しのけるくらいは出来るだろう?」
「…………」
何も言わなくなってしまった提督の雰囲気を察してフッと笑った菊月は、そっと立ち上がって上半身を机の上でうつ伏せにし、スカートをめくりあげた。菊月のショーツが提督の視界に入るが、彼女は更にそれも太ももの途中まで引きずり下ろしてしまう。そこに現れたのは当然の事ながら菊月の女性器だが、既にその割れ目は粘液でジットリと潤んでいた。
「司令官は硬くなっているが、私も催していてな……」
扇情的な眼差しで提督を見つめる菊月、提督は股間がますますいきり立ち、苦しくなってしまう。
(パッと見はまだ大人になりかけなのに……)
そんな相手に欲情している自分に戸惑うと同時に、大人への階段を登る途中の菊月がこれほどまでに蠱惑的な雰囲気を漂わせていることが提督を困惑させた。既に何度か身体を重ねた間柄であるが、自分を誘惑し始める際の、化けたかのような菊月の姿をいきなり見せつけられるのは今だに慣れない。
が、ここで耐えるのが苦痛なのもまた事実であった。他の艦娘ならいざ知らず、菊月に誘惑された途端に堪え性が無くなってしまうのだから不思議である。
提督はズボンから取り出した怒張を速やかに菊月に挿入しようとした。彼女をじっくりと時間をかけて愛でたいのは山々だがここは長く行為に浸っていていい場所ではない。
ところが、である。挿入直前、
「待て」
と言うセリフで菊月が提督に制止をかけた。
「ん?」
提督が菊月の顔を見ると、彼女は何やら険しい表情を浮かべていた。そしてそんな彼女は言う。
「さっきの、『見られたら困る』と言うのは、どうしても見られたくない特定の艦娘が誰か他にいると言う事か?」
「何でそんなこと聞くんだ?」
「今は私の質問に答えろ」
いきなりそんな話を切り出されて提督は訳が分からないが、菊月からは切迫感すら感じられた。
「そういうのはいないが……」
と答えると、次の質問が飛んでくる。
「では、単純に恥ずかしいだけか?」
「まあ、な。後はお前に変な噂が立たないか心配ってのはある」
そう答えると、今度は念押しのような問いを菊月は発する。
「私が、司令官にとって大切な存在という事で良いんだな?」
「ああ」
「大切、というのは、最も、という事でいいか?」
「うん、まあ……」
少々煮え切らないかのような提督の返答に菊月はムッとしたらしい。
「『まあ』とはなんだ? 他に大切な女が出来るかもしれないという意味か?」
「そうは言っていないだろ」
「本当は気付いてるからだろう? 司令官に好意を寄せる女が他にもいる事に」
「そりゃあ、な」
鎮守府は女所帯である。男が居たら恋慕の情を抱く艦娘が一人や二人はいても不思議ではない。まさに菊月がその好例なのである。
そんな菊月は黙って提督を見つめていたが、その内にこんな事を言った。
「……そんな物は無視しろ。好意を伝えられたら全部断れ」
その口調は菊月にしては珍しい強いトーンであった。
「え?」
「私だけのモノになれと言ってるんだ! この先は私だけを犯すと誓え!」
苦しげにそう言った菊月は片手でしとどに濡れている女陰を塞いでしまう。
「それが誓えないなら……司令官は、金輪際ココに入ってはダメだ」
提督を真っ直ぐに見つめる菊月の瞳。そこには緊張と怯えが覗いていた。
自分に対するこだわりが相当に強いらしい事が分かった提督はさほど時間を要さず菊月の要求を呑んだ。
「……分かった。お前だけとしかしない」
それを聞いてホッとしたらしい菊月は、
「そうか……色々としつこく聞いてすまなかったな」
と言って片手を股間から離した。
「ふふ、好きに抱くと良い」
机にうつ伏せになったまま無抵抗になった菊月。提督は腫れ上がって辛くなっていた樹茎を菊月の蜜がたれている淫裂にゆっくりと挿入させた。
「ああ……」
菊月は提督の熱がズプズプと自身に侵入してくる感触がたまらなく、感慨深げにため息ついた。
「私が強引に誘っても、犯してくれるんだな」
「まあ、な。どうもたまらなくなるんだ」
「ふふ……」
ゆっくりとピストン運動が開始される。
「あああ……はあああ……」
提督が自身の膣内で動き回る感覚が気持ちよくてたまらない菊月は、早くもその表情を蕩けさせていた。
パチュン、パチュンと粘液まみれの肉穴に剛直が出し入れがされる音と、菊月の尻肉に提督の皮膚がぶつかる音が静かに響く。やがて、菊月が「んんっ」とうめきながら提督の方へとその顔を少しだけ向け、
「そうだ、司令官には父親になってもらおうか?」
と、驚くような事を言ってきた。
「え……おい、流石にまだ早くないか?」
思わずピストン運動を停止させた提督は菊月にそう聞いた。
「確かに大分先の話にはなるな。今はまだ早すぎる。だが、私との子作りは必ずしてもらうぞ?」
今の彼女は薬を飲んで避妊をしているようだが、いくらなんでも発想が飛躍しすぎてはいないだろうか。
「いいのかよ、お前にそんな事しちまって?」
「さっき、司令官は私のモノになると誓ったな? 私の物になった以上、どうこう言う理由はないはずだが?」
戸惑いを見せる提督に対して菊月は彼の肉棒をこねくり回すように腰を動かしながらそう言った。とは言え、子作りは果たしてどうなのだろうか。提督の独占を快く思わない艦娘の存在はどうするのだろうか。
「ふふふっ、私が至上の物であるのは認めているのだろう? なら、答えは後からついてくる」
菊月はどうしても提督の子供が産みたいらしい。相変わらず彼女は腰を動かし続けていて、その動きは提督をよりねだるかのようであった。
「そうか……」
呟いた提督はグッと力を込めて菊月の膣奥にペニスの先端を押し当てた。
「ああっ!!」
ビクン、と菊月の身体が一瞬だけひくつく。彼女にとって、子宮口がある付近を圧迫される感覚も甘美であった。提督はその状態のまま、のの字を描くように腰を動かし、菊月の膣壁をじっくりとペニスで揉んでいく。
「ぉぉぉぉ……ぉぉぉ……」
提督の熱い樹肉による蜜裂内部への優しい愛撫。そのせいか、生殖器全体が本格的に熱を帯びたかのように下腹部が丸ごと蕩けそうな感覚に陥る。
「ん、気持ちいい……素敵だ……」
相変わらずの蕩けた表情の菊月だが、あるタイミングで、
「……あっ!」
と短い声を発し、全身を引きつらせる。同時に、膣が一瞬だけキュッと強く締まった。
「……すまない。軽く気をやってしまった……」
菊月は振り返りながら恥ずかしそうに言う。提督はこう返した。
「こんな風にイきながら妊娠したいんだろ?」
「……! 子作りの時はこんなもんじゃ済まない位乱れるだろうな。自分でも想像して怖くなるくらいだ」
熱い吐息と共に笑顔を浮かべる菊月。彼女の膣はせっかちなようだ。まだ先の話だと言うのに断続的に提督のペニスを締め付け始めていた。
そんな姿が愛らしく見えてたまらなくなった提督は猛然と腰を振り始めた。
「ああーーっ!! あっ、あっ、あっ、あっ!!」
提督の樹茎が優しいマッサージから突如として暴れるような動きに変化し、菊月の生殖器周りの神経は鋭い快感を発生させた。彼女の膣内を占拠する提督の欲望は突撃を繰り返し、蜜壁をこそぐように体当たりする。
菊月は提督の肉棒が自身の胎内でうねっているような錯覚さえ覚えた。そんなうねるペニスはとことん菊月の肉洞を蹂躙し、膣壁を圧迫し、こすり、快楽を与え続けて彼女の生殖器をますます興奮させる。
「だ、だめだ! 私、また……!」
強烈なオーガズムの予感を覚えた時には手遅れであった。程なくして彼女の全身がビクンと大きく跳ねる。
「あああーーーーーーーーっ!!」
快感を伴いながらも断続的に続く痙攣。それだけでも菊月の意識がどこかへ飛んでいってしまいそうなのに、
「俺も出る!」
と言って提督が射精を開始したのだからたまらない。ドクドクと熱い粘液が子宮に溜まっていく感覚を覚えた。
「ああ、子種え! 司令官のお!」
自分の腹の中で提督の生殖液を放出される事自体が悦楽以外の何物でもなかった。快楽のあまり思考に霧がかかったかのような状態の菊月であるが、提督が自分との将来的な子作りを見据えている事を彼の雰囲気からそれとなく察した。
(ああ、司令官は本当に私を孕ませてくれる人なんだな……)
オーガズムが収束しきっておらず、今だにひくついたままの菊月はボンヤリとそんな事を考え、ますます身体をほてらせた。
提督はその日の仕事を終えて自室に戻ろうとしていた、廊下を歩く彼が漠然と考えているのは菊月の事である。
(変われば変わるもんだなあ……)
彼女は提督といる場合、なんらかのきっかけで積極的な上に情熱的な女の子に変貌するのである。普段はどこか冷えた態度を覗かせる事も多いから、その落差はやはりインパクトが大きい。
そんな時、彼の袖が何者かによって引っ張られた。振り返るとそこにいたのは菊月である。
「どうかしたか?」
菊月に対して提督は問う。
「ん、明日の予定を聞きたくてな」
そんな菊月は無表情である。
「俺のか? 明日は休みだけど、そう言えば何の予定も入れてねえな……」
そんな提督の呟きを聞いた途端、菊月は安堵したかのような表情を見せ、
「なら、いい。こっちへ来てくれ」
と、提督の腕を掴んで歩き始めた。
「おい、なんだ!?」
「明日は暇なんだろ? いいからこっちへ来い」
菊月はグイグイと提督を引っ張っていった。
連れられたのは菊月の私室である。提督は部屋に入って見渡し、その概観に菊月の性格が反映されていると思った。全体的に物が少なく、どこか殺風景な印象さえ覚える。
ところが、小さな棚の上にいかにも大事そうに置かれている写真立てがあるのを見つけた。写真の中身は提督とのツーショット。菊月が非常に恥ずかしそうに「一緒に写ってくれ」と頼んできたのを思い出した。
(そんなこともあったなあ)
などと考えていると、背後から抱きしめられた。
「……それはあんまり見ないでくれないか?」
菊月の消え入るような声であった。何故だと聞くと、
「恥ずかしいんだ。すまない……」
という返答があった。自分らしくないとでも思っているのだろうか。
出された茶をのんびりとすする。が、それ程会話があるわけではない。ただ、菊月自身はピトリと提督に体をくっつけながら座っていた。提督はそんな彼女の頭をゆっくりと撫でる。
「本当だったらもう少しマトモな持てなしが出来れば良いんだが……」
少々落ち込んだように菊月が言うと、
「別につまらなくなんてないから安心しろよ。こうしてるだけでも良いだろ?」
と提督が答えた。
「そうか……」
一瞬俯いた後、菊月は聞いた。
「なあ、本当にこうしてるだけか?」
「ん? それは、こういう事か?」
提督は菊月を抱きしめ、その唇を塞いだ。それも、いきなりのディープキスである。
「んんっ!! んっ……んっ……」
菊月は一瞬だけ驚いたようだが、すぐにトロンとした目つきになった。
「チュパ、チュル……ハァ……」
キスを解除すると、熱で浮いたような表情の菊月が提督の視界に入る。
「違ったんなら謝るが……」
「いや? 正解だよ。フフ……」
本格的な発情モードへと変貌した、実に色っぽい表情の菊月。ただ、提督はこうなる事をほぼ確信していた。女の子が自分の部屋に男をあげるのはともかくとして、自分が入った後に菊月が自室のドアの鍵をかけた音が大きく響いた上、ドアチェーンまでかけて容易に開かないようにしていたのである。何も無しで返すつもりが向こうにあるとは流石に考えづらい。
「司令官のキス、好きなんだ。もう一度……」
提督が良いと言う前に既に菊月は彼の唇に吸い付いてきていた。全力で甘えてくる菊月からはフワリとした甘い香りが漂う。
(うわ、ヤッベ!)
提督は内心慌てた。彼の陰茎が速やかに膨らみ始め、早くも臨戦態勢に入っていたのである。
(俺ってロリの気があんのか?)
ただ、菊月と同じ程度の外見年齢の艦娘は他にもいるのに、そちらには全くと言って良いほど反応しないのは奇妙な点だ。そんな事を考えていると自分の怒張がズボンの上から握られた。
視線を下げると、そこには自分の隆起した陰茎を撫で回す菊月がいた。
「何か?」
そう言いながら菊月は提督の股間をさすっている。その表情に浮かぶのは外見にそぐわない淫靡さだ。
「や、あんまり撫でられると……」
「もしかして出るのか? まあ、最近出来てなかったからな。男というのは溜め込むと辛いんだろう?」
そう言いながら菊月は提督の上半身を脱がせていった。姿を表した彼の肌のあちこちにキスをし、吸っていくと赤い痕が残る。それが首筋にまで至って、
「お、おい。流石に目立つって!」
と、提督が慌てながら言う。
「だから何だ?」
微笑を浮かべた菊月は意に介しない。
「司令官は私だけのモノ、そういう約束のはずだが?」
「まあ、それはそうだけど……」
「だったら良いだろう? それよりも、口付けじゃ物足りない」
そう言って菊月が服を脱ぎ始め、提督も残りの服を脱いだ事で二人は全裸になる。何故か提督は菊月の裸体に見惚れてしまったが、その隙をついて菊月がそっと提督を押し倒してしまった。
「私も出来ないのは辛くてな」
提督にまたがってその肉茎を握りながら菊月は言う。
「そんなすぐで大丈夫か?」
「マンコはもう濡れてるから安心していい」
菊月の口から平然と卑語が飛び出した事に軽く驚いたが、それは自分の逸物が菊月の刺激的な蜜肉に包まれた快感によってすぐに上書きされてしまった。
「相変わらずすげえいいわ……」
ため息をついて提督は感慨深げに言う。根元まで菊月に刺さった提督の樹茎に彼女の肉ひだが絶妙に刺激を加え続けていた。
「喜んでくれるんだな……」
提督を見おろす菊月は実に嬉しそうだ。
「もっと喜んでくれ。私ばかり喜ばされるのは腹立たしいからな」
「おかしくなりそうなこと言うのやめてくれよ」
「おかしくなればいい。私狂いになれ」
そう言って菊月はゆっくりと身体を上下させ、提督に刺激を与え始めた。彼は片手の甲を額に当ててその快感に耐えていたが、その内にその手が菊月に掴まれ、指を絡めるようにして握り合わされた。提督の視界に映るのは、快感に浸りつつも愛おしげに自分の事を見つめる菊月の姿だ。
「うん、司令官が喜ぶ姿は可愛らしいな」
そう言って菊月は上下運動をやめ、自身の下半身を提督の腹に密着させた。
「おい、大の男が可愛いとか言われても嬉しくねえぞ」
「不快だったのなら謝る。たかぶってしまっていてつい感じたことを、な。夢中になっている副作用だと思って欲しい」
「不快じゃあ、ねえけどさ」
「そうか……」
菊月は上半身を倒して再度のディープキスを提督に施す。
「はは、相変わらず司令官の口付けは美味だな」
「そうなのか?」
確かに菊月とのキスは提督も好きだが、そんなふうに評されるのは意外だった。
「歯を磨いときゃ良かった」
そう呟いた提督に、
「別に気にする必要はないぞ?」
と菊月は言ったが、ふと考え込んで、
「そうだ、司令官用の歯ブラシと着替えぐらいはこの部屋に置かないとな。シャンプーあたりは共有でいいだろう」
と言い出す。
「おい、俺がこの部屋泊まるの前提か?」
「そうだが?」
「この部屋って他の艦娘も出入りしたりするんだろ?」
そんな物が置かれているのが見つかれば提督との仲が余計に勘ぐられるに決まっている。
「確かにそれはそうだ。……で?」
みっちりと、その剛直を蜜肉にすっかりと咥え込んだ菊月はそう問い返す。
「司令官と私がそういう関係なのは疑いようのない事実だ。むしろ都合が良い」
その肉は効果的にうねるように締め付けてきて、自分以外の女に吐精する事など許さんと言わんばかりだ。提督は菊月がどれほど強い気持ちを自分に向けているか再度分かった思いで、それ以上は言わなかった。
菊月はもう片方の提督の手も掴み、同じく指を絡め合わせるようにして握り合わせる。そして彼女は上下運動を再開した。
「はあ……はあ……」
宙を見つめ、甘い吐息を繰り返しながら、提督の剛直の感触を自らの潤った女芯で味わう菊月。
「ああ……素敵だ」
うわ言のようにそう呟く。菊月にとって提督と交わっている今という時間は現実であると同時に、夢を見ているかのようでもあった。
提督はそんな菊月を愛おしそうに眺めていた。誘ったのは菊月だし、今の性交を積極的に行っているのも菊月である。だが、それも快感を通じて提督を癒してくれているように思えて仕方がない。こんなに満たされるような相手は初めてである。
その内菊月のピストン運動の速度が上がってきた。本格的に快感を貪りたくなったのだろう。
(あああっ! 司令官の熱いのでズコズコしてえ! お腹がキュンキュンしてえ!)
菊月の蜜肉は徐々にひくつきを強めていった。
(セックスうう! 司令官のセックス好きだああ! 身体が司令官のものにいい!)
女体を激しく上下する菊月は、提督に視線を向けるともはやそこから目を逸らせなくなった。
「き、気持ち良いか!? 射精、出来るか?」
荒い呼吸と共に提督に聞く。
「ああ……」
提督はそれだけを言った。
「私も気持ちいいっ!! 司令官じゃなきゃダメなんだあ!!」
もう限界が近いようだ。
「気持ちいい! 気持ちいい! ……気持ちいいい! ああぁ、来る、来る、来るぅーーーー!!」
菊月はビクンと背をのけぞらせた。膣が収縮するだけでなく、生殖器全体が快感で震える。彼女の刺激に耐えていた提督の肉棒もついに根を上げ、精液を菊月の奥に向かって噴出し始めた。
(熱いな……こんなに沢山……)
溜まった上での濃厚な代物を自分の生殖器官に流し込まれているのだ。薬を飲んでさえいなければ間違いなく妊娠しているのではと考え、ますますたかぶる菊月。
自分の絶頂も、提督の放精も収束してようやくお互いに落ち着いた。菊月は再び身体を前に倒して提督の胸板に寝そべる。
「女に生まれるというのは、運の良い物なのだなあ。ここまでの快感を得ながら、愛する相手を喜ばせて、依存させる事が出来るのだから」
そんな彼女の提督を見る視線は熱い。
「子供さえ好みの相手を選んで産む事が出来る。やはり女の権限は強い」
それにしても、この男の与えてくれるオーガズムのなんと格別な事か。自分が落としたのではない、相手に落とされたと言いたくもなる。
「さて」
気分を切り替えたらしい菊月は切り出した。
「少々体を動かしたからな、何か冷たい物でも飲むか? どうせ時間はまだまだあるからな」
微笑みながらいう彼女。やはり提督を簡単に帰すつもりはないらしい。
「ん」
コクリと頷いて短く提督が同意すると、
「少し、待っていてくれ」
と言って菊月はゆっくりと立ち上がる。その際、彼女の肉洞に埋まっていた提督の逸物が、硬度を維持したままヌルリと抜け落ち、彼女の口からは「んぅ……」と小さな声が出た。
冷蔵庫に向かう菊月の後ろ姿は何故か提督にとって非常に魅惑的に映った。その股間を見れば先程の情交による蜜が陰裂からこぼれ出し、糸を引いている。
次の瞬間、提督は衝動的に菊月を追いかけて抱き締め、今だ硬いままの自身の肉棒を彼女の蜜裂へと一気に挿入してしまっていた。
「ああああうううっ!」
菊月は悲鳴をあげる。だが、そこには何故か甘ったるさが混ざっていた。その快感で彼女は膝から崩れ落ちてしまい、上半身が前へと倒れてうつ伏せになってしまう。ただし、腰回りだけは提督がしっかりと掴んでいた上、何より彼の怒張が彼女の奥まで挿入されていたからお尻だけが持ち上げられた体勢になっていた。
「な、何だいきなり……!」
突然襲われた形の菊月が焦り気味にそう聞くのも当然であった。
「悪い……」
菊月に聞こえて来たのは自分に謝る提督の声だ。
「もう、俺は抑えられない。俺はお前に射精する事しか考えてない獣だ」
彼はもはや認めざるを得なかった。菊月という女の子は自分の理性を溶かし、性欲を大いに喚起させる程の、他の女の子とは別格の存在なのである。
そんな相手である菊月はしばらく黙っていたが、やがてクスリと笑う。その様子は安堵するかのようであった。
「やっと、か……」
その瞬間、彼女の愛液の量が一気に増え、コプリという音を立てて蜜口から溢れ出た。それはさながら彼女の生殖器官が嬉し泣きをしているようにも見えた。
「元々私にだけなんだ。他で出すなんて決して許されないはずなのに、常にその危険性は残っていた。やっとそれも消えたんだな……」
尻を突き上げて揺さぶる。
「私が司令官のはけ口だ。とことん飲み干してやる」
たまらなくなった提督は猛然と腰を振り始め、その快楽を受け止める菊月の嬌声が響き始めた。
それからしばらく経ったある日の事だ。前日、例によって菊月と身体を重ねた提督は彼女に抱きつかれる形で眠りについていた。彼は相変わらず夢の中にいたが、
「おい、起きろ」
という声でゆっくりと意識を覚醒させていく。自分に声をかけているのは菊月のはずだ。が、まぶたを開けた提督は自分の目を疑った。
確かにそこにいるのは菊月であった。しかし、問題はその格好である。何故か彼女はSMプレイで着用するようなボンテージファッションに身を包んでいたのである。提督は眠気が吹き飛んでしまい、体を起き上がらせて目を白黒させるばかりだ。
「どうかしたか?」
「いやその……なんでそんな格好してんのかなって」
状況が全く飲み込めない提督は戸惑い気味にそう答えるしかない。そんな提督を見つめる菊月は意地悪そうな眼差しで答える。
「ああこれか……司令官には一度制裁が必要だと思ってな。見た目からって訳だ」
「制裁って……俺なんか悪いことやったか?」
そう提督が言った瞬間、菊月の目が更に細められた。
「……自覚が無いのは深刻だな」
そう言って一気に近づいて来た菊月は提督を押し倒し、彼にまたがった。
「ふふ、私を一介のメスにまで落とした罰、しっかりと受けてもらうからな?」
実に嗜虐的でありながら情欲をも備えた表情の菊月は提督を見くだすような眼差しで言った。
(今のコイツ、前とは全然別もんだなあ)
提督は心の中でひっそりと感想を漏らす。現に、菊月は提督と関係を持つ以前と比較すると大きく変貌していた。すでに彼女の身体は出るところは出て、引っ込むところは引っ込むという、肉体年齢を考えればあるまじきエロティックさが備わっている。特に鍛えられた筋肉を覆うような、程の良い脂肪に包まれたぷっくりとした太ももは現時点でも異性を魅了してしまうだろう。それ以外の部位も成長に伴って妖艶さを増していくに違いない。こんな風に男を魅了するような発育をしていく子などまずいないのではないだろうか。
「私だけが司令官のオンナなんだ。だから司令官は私のモノだ……そうじゃなければ釣り合わない」
菊月は己の独占欲を臆面もなく口にする。実際、今の彼女は提督以外をまともに視界の中へ捉えていないのではないか、彼女の提督を見る目がそう思わせた。
「司令官は私にメスとしての喜びを教え込んだ。これは一生直せない。一生残るような傷を与えるに相当する重罪だよ。生涯その体を捧げて償ってもらわないとな?」
菊月が言いたかったのはこれだろう。すっかり自分を変えてしまった責任を取れと言っているのだ。
「司令官は私のマンコに一生精子を注ぎ続けて死んでいくんだ……他の女なんてあってはならない」
そんな事を言う菊月に向けて、そっと手を伸ばした。そして彼女の頬をゆっくり撫でるが、その相手は嫌がるどころか、柔らかい微笑みを浮かべてその手に自分の手を重ねながら、
「……やっぱり、好きだ」
とだけ言った。
そのまま菊月の事を愛でていたが、やがて彼女は、
「足りないな」
と言って膝立ちになり、ボンテージファッションのパンツにあるチャックを下ろし始める。そのチャックは後ろまで回り込んでいるようで、最終的には既に潤みきった蜜裂が姿を表した。
「私がここまで浅ましい女になるなんて腹立たしいが……」
と言いながら、今度は提督のペニスを取り出す。それもまた既にいきり立っていて、性交の準備は整っていた。菊月はさほど間も置かずにその怒張を自分の愛液で蕩けた淫らな壺に挿入させてしまった。
「私なら好きなだけ使っていい。とことん吐き出せ」
菊月は菊月で提督に自分の身体を捧げるつもりのようだ。提督はそんな彼女が愛おしく、再び上半身を起こして彼女を抱き締めた。
「はああ……深いぃ」
剛直が奥を圧迫するような感覚と、提督の自分を包み込む感覚がたまらない菊月は彼を強く抱き返した。
「本当、エロくなったなあ」
提督が素直な感想を漏らすと、
「さっきも言ったろう? 司令官が私を変えたんだよ」
「俺へのこだわりすげえよな。あんな感じではっきり言われるとは思わなかったし」
「好きだったからな。もう手放したく無いんだ」
「そういうの、いつ頃?」
「会った瞬間心臓が跳ねたのはとてもよく覚えているな。それで目が離せなくなってな。だから、最初からだ」
真っ直ぐに提督を見つめたまま、菊月は更に言葉を続ける。
「抱かれたら抱かれたで、もっと欲しくなるんだ。ジャンキーと変わらない」
「そんな中毒患者とは……」
悪どい表現が菊月の口から飛び出し、提督は少々困惑する。
「違わないな。一切、違わない。もう、抱かれた時点で違うんだ。変わってしまうんだよ、見える世界が」
熱っぽい口調で菊月は提督をいい伏せるように言う。
「何かが違う、このままじゃおかしくなる。そんな不安を解消するにはどうしたらいい? もう一度抱かれるしかない」
確かに、一度麻薬に手を出すと、それまでは日常だった生活が色褪せて見えるようになると言う。ドラッグの類に常習性があるのはそういった性質がある事も一因なようだ。提督との関係はそれに共通する物があると菊月は言いたいのだろう。
「そうやってのめり込んでいくんだ。だから私はこれを一生残る傷と言ったんだ。一度壊れて直しようがないんだ……これほど素晴らしい壊れ方があるとは思っていなかったがな」
彼女は「壊れる」と言う表現にこだわった。「運命的な恋」という表現も出来なくは無いはずだが、彼女自身がその手の言い方を好まないのと、この燃えるような気持ちや、相手を貪りたくなるような自身の淫乱さや貪欲さを端的に表すには表現が回りくどい上に、綺麗すぎるように思えて言えなかったのである。
「もう、愛してるとしか言えないんだ。安い言い方だが、他の言い方が思い浮かばない。愛してる……」
菊月は提督に唇を重ねた。更に舌を伸ばして提督の口内をじっくりと味わう。
サディスティックな見た目の菊月だが、その対面座位で行われる彼女達のセックスはとても甘ったるい雰囲気であった。熱い眼差しを提督に送り、彼が与えてくれる性感というものをとことん味わい、悦んでいた。
「重い女の生き様を背負わせることになるが謝るつもりはない。司令官が私を司令官無しでは生きられなくした。それだけだ」
腰を上下に揺さぶりながら、菊月は熱い吐息と共に言う。
「私は老いて死ぬまで壊れていく。司令官の手でな」
決して手放さないという覚悟がその言葉からは覗いていた。提督はそんな彼女の頭をポンポンと軽く叩きながら、
「一生面倒見るかねえ」
とだけ、言う。それを聞いた菊月は嬉しそうな表情を浮かべ、
「賢明だな。自身が甘すぎる罠だったことを後悔するといい」
と言って腰を振る動きを激しくしていった。提督も腰を上下に動かし、彼女の膣をすり、奥をノックすることでその性感をアシストする。
「ああ、愛してる司令官! 司令官の事をここまで愛してしまった私にとことん注ぎ込んでくれ!」
快感に悶えながら膣内射精を哀願する菊月。彼女の蜜裂は既に限界を迎えつつあった。
「好きなんだ! 愛してるんだ! 言わずにいられないんだ!」
もはや気持ちが溢れて止まらないらしい。提督に対する思いが菊月の口から立て続けに出てくる。
「出るぞ」
提督が静かに言った途端、彼の精液が菊月の奥にドプリと叩きつけられた。
「ああっ!? あああああっ!?」
提督の射精がトリガーになったのか、菊月の肉体もまたオーガズムに達した。ボンテージファッションに身を包んだ菊月はビクンビクンと身体を痙攣させ、その表情は蕩けつつも実に幸せそうであった。
絶頂の余韻から復帰した菊月は情熱を秘めた眼差しで提督を見つめつつ、言う。
「まだ、いけるだろう?」
引き続き提督を受け止める気満々と言いたげな菊月の膣は追加をおねだりするかのような、優しく締め付けて吸い取るような動きを繰り返していた。コクリと頷いた提督を見て、彼女は再び彼に快感を与えるべく身体を動かし始めた。
まだ年少と言える菊月はしかし、心も体も大きく変化していたと言っていい。いや、まだまだ変化し続けている。全ては提督を自分のもとに繋ぎ止める為。ただし、自分が提督好みの女へと変化しているのはあくまで無意識だ。提督に対する燃えるような情熱がその心身に自然と影響を与えた結果が今の菊月なのである。提督の体温を、もっと言えばその欲望をも感じ取らなければ寂しさでたまらなくなってしまうのだ。もはや提督の子種をひたすらに求め、得る為には手段を選ばない。そして、既にそんな菊月にしか吐精する気がなくなっている提督は、とうに彼女に魅了されていたと言っていい。
かくして、菊月は一人の少女からサキュバスと呼んでも差し支えのない程の実に艶やかな存在へと羽化し、一人の女として完成を見た。提督にすっかり心を奪われ、提督一人を求めて誘惑し、献身的に愛し抜いて吸い取る事に生涯を捧げようとする、実に一途で健気で愛らしいサキュバスである。
先程から繰り返される優しいキス。それはさながら提督を癒すかのようでもある。
「一生、たぶらかしてやるから覚悟しろよ?」
そう言いながら提督に快楽を与えるべく、優しく全身をくねらせる菊月の姿は実に妖艶で美しい。そんな菊月もまた甘美な快楽を提督から得るべく夢中になっていた。
(たぶらかされたのは私の方かもな……)
少なくとも最初に夢中にさせられたのは確かだが、それももはやどうでもいい事なのかもしれない。
その部屋ではいつまでも菊月の甘い声が響いていた。