※この作品はR-18です。

艦隊これくしょんのR-18な短編作品詰め合わせ   作:dn88k

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実の兄妹で、非常に仲の良い提督と陸奥。ところがこの二人は無意識下でお互いに欲望を抱えていて……。


提督と実妹・陸奥

 この鎮守府における秘書艦は原則として陸奥である。

 彼女は自分が出撃する場合でない限り、鎮守府内で提督のそばに控えている事が多い。秘書艦とはそういうものだと言われてしまうとそれまでだが、彼女の場合は特にその傾向が顕著であった。

 

 実戦が無くとも、鎮守府内では事態に備えて様々な艦娘が様々な訓練を行っている。当然、そこでミスが発生すれば事故に繋がる事もある。

 その日、提督が指導している最中にその近くを砲弾が飛来した。模擬弾ではあったがそれだって何らかの物体に衝突すれば砕けて破片が飛び散る。直前に誤射が発生した事を知らせる者がいて、提督や陸奥を含む着弾予想地点付近の複数名は慌てて伏せた。直後に破片が彼らの頭上を通過する。

「申し訳ありません!!」

 当該の砲弾を放った艦娘が青ざめながら大慌てで提督達のもとに駆けつけてくる。そして、伏せていた提督には陸奥が駆け寄っていた。

「ねえ、大丈夫!?」

 深刻そうに陸奥が声をかける。提督はゆっくりと起き上がると、

「大したことはないな。少し、こっちの手首が痛いけど……」

 と言った。それを聞いて息を飲んだような表情をした陸奥は、

「前、怪我した時みたいな感じじゃない!? あの時も……」

 と、血の気を失って提督に聞いている。

「いや、そんな感じじゃない。大丈夫だ」

「そう……でも念の為に医務室に行きましょう? 何かあったら怖いもの」

 提督は陸奥に対して分かった、とだけ言ってから、怪我人が出ていない事を確かめた上で、

「次からは気をつけろな?」

 と、誤射をした艦娘に対して言った。そして、医務室へ向かって歩き始める。陸奥は提督の後ろ姿を少しばかりの間複雑な表情で見ていたが、すぐに同じ艦娘に対して、

「提督は何も言わなかったから良いけど、本来は顛末書どころじゃ済まないのよ? ……ちゃんと反省してね」

 と、普段の陸奥からは程遠い、厳しい口調で言った。そして急いで提督の後を追っていった。

 その場に残った艦娘の一人が言う。

「あの人って提督の事になると結構変わるよね」

 それに対して別の艦娘が応じる。

「大切なお兄さんだもん。そんな人に何かあったら不安になるでしょ」

 提督と陸奥は上官と部下以前に、実の兄妹でもあるという、不思議な関係である事はこの鎮守府において有名な話であった。しかもこの二人は、喧嘩をする事も無い程の仲の良さで知られていた。

 

 

 とはいえ、提督から見れば、自分の妹が戦艦・陸奥としてこの鎮守府に配属される事が決まったと伝えられた時には流石に驚いた。同時に、身内の中でも両親の次に近い相手が部下になる訳で、どう扱ったら良いのかという戸惑いがあった事も確かである。

 しかし、実際に彼女が配属されてみれば提督が懸念したほど大した問題が起こる訳でもなかった。お互いにぎこちなさもなく、仕事に支障を来すようなものでもない。むしろ、出撃時には戦艦として遺憾なくその実力を発揮し、秘書艦を担当させてみれば何事においてもそつがない。提督自身は彼女がいてくれる事を過分と思ってしまう程に出来の良い妹であった。あえて気になるとすれば、兄妹だからこその距離感の近さが比較的高頻度で顔を覗かせるといった点だろうか。先程提督が怪我をしかけた時に不穏な雰囲気を放った事もそうだが、秘書艦の役目をやたらと引き受けたがるという点もそうだ。だから、今では秘書艦を担当するのは出撃がない限り陸奥という日が大半を占める。

 

 事務作業に一段落がついたからか、陸奥は提督に話しかける。

「そう言えばあの人の話、最近聞かないけど何かあった?」

 提督の彼女の件である。陸奥は周囲に第三者がおらず、仕事に関わらなくていい状況になると、艦娘ではなく気楽に妹としての顔を提督に見せる。

「んー? 別れたけど」

 提督はさらりと答えた。提督は提督で、基本的にはしっかり者でありながらも自由人的な気質も備える陸奥の性格をよく知っているからか、彼女の態度に関しては大して気にしていないらしい。

「あら、意外。またフラれたの? 原因は?」

「別れ話は俺からだな。あんま束縛の強いタイプはちょっと、な」

 提督は陸奥の質問に対して、宙を見ながら思い出すように答えた。

「束縛? そんな風には見えなかったけど……」

「いや、お前の話とかするとヘソ曲げんだよあの子」

「それもおかしな話ね。ただの妹なのに」

 自分の知らない所で提督の元カノに嫉妬されていたらしい事を伝えられ、彼女は苦笑った。

「そんな事よりお前はうまくやれてんのか?」

 提督は持っていたボールペンで陸奥を指し示した。

「先月別れたけど、その後の合コンで新しい男はゲット済み!」

 と人差し指を立てながらウィンクした。

「お前も別れてたのかよ。結構続いてたんじゃね?」

 提督は意外そうであった。

「一年くらいは保ったかしら?」 

「もったいねえな。新記録更新中だったのに」

「嫌な思いしてまでそんな記録更新したくないわ」

 またも提督の発言を聞いて陸奥は苦笑う。

 こんなノリで、結構あけすけな会話が交わされる事も多いのがこの二人の特徴であった。当然、その関係が険悪どころか昔から今に至るまで非常に良好だからそうなるのであって、別に今に始まった事ではない。

 

 

そんなある日の事だ。

「いきなり身内の部屋に転がり込むとか何か子供みたいだな」

 玄関口から戻って来た提督が、室内で寝転がっている私服姿の陸奥を見た時にこんな第一声を放った。

「別に私は大人でも何でもないわ」

 つまらなそうに答える陸奥。実際、こういう時の彼女は見た目だけならともかく、その態度は身内に甘えるのが好きな子供のままにも見える。

 この日の執務が終わり、自分の部屋に戻ろうとする提督に対して、陸奥がこんな事を聞いてきていたのである。

「ねえ、後で兄さんのお部屋行ってもいい?」

 それに対して提督は特に渋る様子も見せず、

「ああ、別に良いけど」

 とだけ答え、その結果として実際に陸奥が提督の部屋でゴロついているという訳である。

 彼女のそばに座り込んだ提督は、

「何かあったか?」

 と陸奥に聞く。聞かれた側の陸奥はしばらく黙り込んでいたが、

「少しだけ、聞いてもらって良い?」

 と、相変わらずつまらなそうな表情で聞き返してきた。提督が、「ああ」と答えると、陸奥は気怠げにゆっくりと起き上がり、俯きながらこう言う。

「今度の彼、すごく嫉妬深い人みたいなの」

「あー、男だと特に面倒くせえタイプか」

 提督は共感の態度を示した。

 陸奥はそうなのよね、と言い、はあ、とため息をついてから、自分の気持ちを吐き出した。

「彼の所に行く気にもなれないし、一人もちょっと、って気分だったから……」

「ん、そうか」

 元々、自分の部屋がちゃんとあるにも関わらず、頻繁に提督の部屋に転がり込んでくるのが陸奥であった。彼女が男の部屋に泊まっている事も決して少なくないが、提督の部屋を訪れた際は、何かを抱え込んでいるケースがある事を彼はこれまでの経験でよく知っていた。

「愚痴くらいは聞くけど?」

 提督がそう言っても、陸奥はゆっくりと首を振り、

「今は、良いわ……」

 と、彼女らしくない弱々しい声で答えるだけだ。

「ん。今日は好きなだけここにいていいぞ。あんまり大した事は出来ないけどな」

 と言いつつ、提督はポンポンと陸奥の頭を撫でるように優しくはたく。彼女はホッとしたような表情を浮かべた。

 結局この日の陸奥は不安を抱えたままだったのだろうか。提督のいつもの就寝時間が近づいてきても自室に帰ろうとせず、

「一緒に寝ていい?」

 と沈んだ表情で聞いてきた。

「あー、構わないけど」

 と提督は答え、結局二人は横に並んで眠る事になった。

 室内灯を消して暗くなった提督の寝室の中で陸奥が言う。

「何であんな人選んじゃったんだろ?」

 それに対して提督が、

「それについちゃ俺は何とも言えないなあ」

 と答え、陸奥が、

「そうよね……」

 と呟くように言った後は無言となり、そして二人は静かに眠りの世界に落ちていった。

 

 

 陸奥は激しく犯されていた。体を押さえ込まれて全身をくねらせながら自分の蜜道が強引に蹂躙されているものの、何故かそこから著しい快感が発生している事は屈辱的ですらあった。

 はっ、はっ、と呼吸を繰り返しながらどうにか心を安定させようとするが、強姦で快楽を得ている自分には浅ましささえ覚える。そのうちに込み上げてくる感覚に気づいて大いに慌てた陸奥は、

「兄さんダメッ!! 私、イっちゃうっ!!」

 と叫ぶ。ところが実兄こと提督のペースが下がる事など無く、むしろ陸奥を組み敷く彼のピストン運動は激しくなった。

「いやあああっ!! 私、イっちゃう、イっちゃう…………イクゥーーーーーーッ!!」

 陸奥は兄によるレイプでオーガズムに達した。

 その瞬間、彼女はハッと目を醒ました。ドッ、ドッ、と心臓が激しく脈打っている。

「何よ、夢……?」

 額に手を当てて、掠れるような声で呟く。全身に汗をかいていて、股間が今だに疼いているのは夢の中だけでなく、現実でも身体がオーガズムを覚えたからだろう。ゆっくりと横を向くと、兄はまだ寝息を立てていた。

(そうよね、兄さんがあんな事……)

 しばらくは提督の横顔をじっと見つめていたが、やがて陸奥はハッとした。

(何見とれてんのよ私!?)

 ゴロンと寝転がって提督に背を向ける。しかし、普段の起床時間はまだまだ先だし、大体今日は二人とも休みだ。陸奥はともかく、提督がいつ起きるかなんて分からない。再び眠りにつくなど出来そうもないが、かといってベッドから抜け出て何かをする気にもなれず、結局陸奥は背中に兄の気配を感じつつ悶々とするハメになった。

 

 やがて提督が目を覚ます。時間そのものはいつもとあまり変わらない。変わっているのは自分の寝ている位置が普段よりも横にずれているという事である。

(何だ? あ、そういえば……)

 そう考えつつ提督が横を向くと、シーツに包まって自分に背中を見せる陸奥の姿があった。

「おい、起きてるか?」

 提督が静かに声をかけると、陸奥は一瞬その体をビクリとさせ、

「ん、起きてる。おはよ……」

 と小さな声で返答した。

「あー、おはよう。てか、調子悪いのか?」

 いつもの陸奥とは様子が異なる気がして提督はそんな質問をした。

「そんな事ないけど。ちょっと夢見が悪かっただけ」

 ゴロンと仰向けになる陸奥。確かに提督が見る限り、その表情には憂いがあるような気がした。

「そうか」

 しばらくの間、無言の時間が流れる。そのうち、提督は体を起こしてその場から離れようとした。陸奥は複雑そうな表情でその姿を見つめていたが、突然、

「あっ……!」

 と小さく声をあげた。

 不審げに振り返った提督が陸奥を見ると、彼女の表情は若干赤面しつつもある場所を見つめたままになっていた。その視線の先にあるのは提督の朝立ちである。提督の視線に気付いた陸奥はバツの悪そうな苦笑い浮かべて、

「そう言えば別れたまんまよね。お邪魔だったかしら?」

 とあえてふざけたような口調で言った。

「別に。抜いてないとか関係なくなるんよこういうのは」

 フッと笑った提督は淡々とそう答える。その態度に安心したのか陸奥はこう言う。

「そうだったっけ? 溜まってたのかなーなんて思ったから」

「そこは否定しないけどな」

 相手が妹なせいか、あっさりとこう返す提督。この二人は仕事中はいかにも軍の所属らしい態度だが、プライベートで他者の目が無くなるとお互いに何処か幼少期に戻るようなところがある。

「一緒に寝てるの妹だから不満でしょ?」

「おー、お話にならねーしな」

「私も不満なのよねー。兄さんじゃねえ」

 などと悪態を吐き合っていると、

「んだコラ」

 と、提督が陸奥の体に抱きついた。

「やー、兄さんに犯されるー」

 あえて棒読みでそんなセリフを陸奥が言っていると、提督の手が彼女の服の内側に侵入した。

「あ!」

「!?」

 途端に静かになり、ゆっくりと離れる二人。

「あー、なんか悪い……」

「ううん、気にしないで……」

 彼女の下着に触れた際、割れ目を中心とする部分がジットリと濡れていたのだ。こればかりは流石に気まずい事この上ない。

 実は兄に犯される夢を見て絶頂を覚えた時から、陸奥の陰裂は静かに愛液を分泌し続けていたのである。このまま起きれば気まずいのは分かっていたし、何より下着を変えたいものの、今日はあいにくこの部屋に替えの下着を持って来ていなかった。自分の部屋に戻って着替えれば済む話だが、何故かこの日はその場から離れ難かったのである。

 お互いに背を向けての沈黙は先程よりも長い。それに耐えきれなくなったのだろうか、提督が先に、

「……朝飯にでもするか。それともお前はもう帰るか?」

 と言って立とうとした。

 その時である。

「待って!」

 と言う声が聞こえて服が引っ張られる。そんな事をしているのは当然ながら陸奥だ。提督が振り返ると、彼女はうつむいて震えていた。

「こんなこと言うの、気持ち悪いのは分かってるんだけど……」

 そう前置きをしてから、陸奥は緊張のあまり唾をゴクリと飲み込んで、言う。

「兄さんって、私とする気ない?」

 あまりにも想定外な陸奥の発言。提督は思わず「はっ!?」と声を発してしまうが、そんな彼女のセリフを聞いた途端に何故か自身の剛直にますます血流が集まるのだけは自覚出来た。

「今日の私、何だかおかしいの……。とにかく兄さんの側にいたくて、エッチな気分が止まらなくて……」

 陸奥は顔をあげ、怯えるような目で提督を見つめていた。いかにも彼女らしくないしおらしさだ。

 彼女はそっと自分のショートパンツとショーツを股間が見える程度まで下ろした。そのクロッチ部には彼女の割れ目から粘液が細く糸を引いている。上着もへその辺りまで見えるようにめくり上げた彼女は、

「あそこ、ジンジンしちゃってて、お腹の奥もキュンキュンしっぱなしなの……」

 と上目遣いで言う。もはや目そのものも潤んでいる。股間部をさらけ出すという行動に出ているのも極めて衝撃的だし、子供の頃ならいざ知らず、大人になってからこんな弱々しい態度を見せる陸奥など見た事がない提督は、唖然としたまま彼女を見つめ続ける事しか出来なかった。

「私、辛いの。助けてよ……」

 先程から自分が紡いでいる言葉一言一言は全て本気のつもりだ。が、陸奥は心のどこかで自身を冷静に俯瞰していた。

(今の私、本当にマトモじゃない……)

 クラクラしそうな意識の中、それだけは分かった。夢の影響だろうか。決して身体を交えてはならない相手である兄に性的な魅力を感じ、自制も効かなくなりつつある自分がいる。セックスのおねだりなど論外のはずだ。

 これは提督も同じであった。

(溜まり過ぎか? 何かコイツがエロく見えるんだけど……)

 兄妹なのにお互いを劣情の対象として見てしまっている。双方共に歯止めが効かせにくくなっているのは寝起きだからという側面もあるのだろうか。

 実際、陸奥は美貌の持ち主で、一人の女性として非常にスタイルも良いタイプである。それだけでも男の劣情を煽るには十二分だろう。提督がそんな彼女に全くと言って良い程、無反応だったのは彼女が実妹だったからである。だが、「実妹では欲情出来ない」という大抵の人間が持ち合わせているであろう潜在的な意識が、提督の脳内から一時的にでも消え去ったらどうだろうか。あまつさえ、当の妹が性行為を自分に対して求めているのだ。

「おい、本当に何かまずいことでもあったんじゃないか?」

 提督は陸奥に聞く。どうにかして彼女を冷静にさせなければと思い、時間稼ぎも兼ねたつもりだった。双方ともにこのままでは本当に一線を超えてしまう。

「そんなの、ない。兄さんですごくドキドキしてるってだけなの。理由は、分からないけど……」

 陸奥はジリジリと提督に近づき始めた。

「こんなの絶対にダメだって分かってるの。でも、多分今の私、兄さんの事すごく欲しがってる……」

 そしてとうとう陸奥は提督に抱きついた。

「苦しいの……お願い……」

 彼女は震え続けていた。提督はしばらくその様子を見つめていたが、

「しゃあねえな。一回だけだぞ」

 と言った。途端、陸奥は顔を振り上げた。目には涙を浮かべつつも、驚愕そのものといった表情だった。

「んだよそのツラ。さっきの全部嘘なのか?」

「……! 全然、嘘なんかじゃないけどお!」

「まあ、さっきのが演技だったら普通に女優出来るよなあ。もしくはドッキリとかよお」

「普通に本気だったの! でもやっぱりOK出されたら普通驚くでしょ!?」

「ほーん?」

「な、何が『ほーん?』よっ!」

 そう言って陸奥は提督を押し倒してしまう。

「全く、必死だった私が馬鹿みたい……」

 恥ずかしげに下半身の衣服を脱ぎ去りつつ陸奥は不満げに言った。

「自分の事悪く言うなって。これも俺が悪いって事でいいからさ」

 陸奥が見れば、提督の表情は先程までの引きつったようなものではなく、いつもの妹ととしての自分を見る時の優しいそれに戻っていた。恐らく彼女が抱えていた心理的な負担を取り除きたかったのだろう。

(……そういう所なんだけど?)

 彼女の脳裏にこんな言葉が走った。

 先程までの悲痛さに満ちた心理状態から立ち直った陸奥は、それが提督のからかいのおかげな事に思い至り、私もチョロいわね、などと内心苦笑いしつつ提督のペニスを取り出した。

「禁忌を犯すってのも普通にはない刺激があって楽しそうじゃない?」

 馬乗りで提督の剛直を掴みつつ、彼を見下ろした陸奥は罪悪感を覚えないようあえて明るくいった。

「いやあ、刺激っつっても妹じゃ何も感じないだろ」

 提督はそんな憎まれ口を叩く。

「何それ?」

 そういう陸奥はつまらなそうな表情を浮かべているが、提督が妹の為にわざと悪役を演じようとしている事をそれとなく察し、何故か自分の内面が暖かさで満たされるのを実感した。同時に、股間の疼きがこれ以上なく強まっている上に、ますます濡れている事も自覚し、一刻も早く兄のペニスで埋めてしまいたくなる。

「じゃあ、試しちゃうからね?」

 陸奥は提督の逸物の先端を割れ目に当て、スッと腰を下ろす。すっかりぬかるんでいた彼女の蜜裂はスムーズに逞しい肉棒を一気に飲み込んでしまった。

「……!?」

 陸奥が一瞬驚いたような表情を見せる。それに気付いたのか、

「どうした?」

 とだけ提督は聞いてきた。

「う、ううん。何でも、ない……」

 陸奥はそう答えるが、

(あれ? 何だかとってもしっくり来るような……)

 と内心では少しばかり動揺していた。挿入された物が実に自分にフィットしている気がするのだ。こんな男は経験が無い。そんな動揺を表に出す事なく、

「挿入っちゃったわねえー。挿れたらいけない所に挿れたらいけない物がー」

 と陸奥は悪戯っぽく言うが、その表情はとても艶やかなものであった。コイツってこんな顔をするのかという意外な思いにとらわれた提督だが、身内なのだから普通は見る事がないのも当たり前かと考えて納得した。それよりもそんな陸奥がますます魅力的に見えてしまった事に後ろめたさを覚えるが、先程までの陸奥もそうだったのかもしれない事を思い出し、

「ただのじゃれ合いみたいなもんだろ。お前でイけるかってだけの話なんだし」

 とあえて挑発した。それが兄の優しさに由来するものである事に気付いている陸奥もその挑発に乗る。

「妹なら何も感じないって言ってたわねえ? ……だったらあ、私の中でイっちゃダメだからね?」

 まるでグラインドをするように彼女は腰を動かし始めた。

「…………!」

 提督は快感で声が出そうになってしまった。陸奥の蜜壺は熱く、極めて心地良く彼の怒張を包み込んでいて、締め付け具合も絶妙に彼好みで優しく搾り取るような動きだった。更に陸奥の動きに合わせて怒張の各部を擦っているが、とても刺激的な上に彼のツボを突くような快楽の与え方をしてくる。

(クッソ、エグいマンコしやがって……!)

 心の中で悪態をついた提督はどうにか射精を避けるべく鼻で深呼吸をしつつ、その剛直に与えられ続けている快感から出来る限り意識を逸らそうとしていた。上半身を前倒しにしてそんな提督を覗き込んでいる陸奥は、

「あらあら、気持ち良さそう」

 と言いながら快感に耐える彼の顔を眺めつつ、心まで蕩けそうになる錯覚に囚われた。

「イったらダメなんだからね? ……イったら、ダメ……」

 そんな陸奥のセリフはどちらかといえば自分に言い聞かせるようであった。まるでうまく噛み合ったパズルのピースのように、自分の膣にはまり込んでいる提督の勃起は、動くたびに陸奥の弱い部分を刺激して回るのだ。彼女の性感はこれまでに無いペースで上昇を続け、挿入してさほど時をおいていないのにも関わらず、その淫裂から溢れる愛液は白濁とした本気汁に変化していた。

「本当に、大丈夫、なのかしらあ? 耐えきれ、る……?」

 陸奥の表情は完全に蕩けていた。快感に浸り切っているそれである。

「お前はどうなんだよ? 逆にイきそうなんじゃないのか?」

 今にも精を放ってしまいそうな快感に耐えつつ、提督は陸奥に聞き返した。

「冗、談、でしょ……」

 強がる陸奥だが彼女だって余裕はなかった。むしろ腰砕けになりそうなくらいだ。

 意地の張り合いのような言葉を交わしていたが、身体がそれに素直に従うはずもない。まるで自分の為にあつらえたかのような蜜肉に包まれて刺激を与えられ続けた提督の剛直は勢いよく精液を放ち始めてしまう。そして、ほぼ同時に陸奥も下半身を痙攣させた。

「ああああっ!!」

 自分の意思とは無関係に一定の間隔で引きつり、提督のペニスを搾りとる動きを繰り返しながら強烈な快感を発信し続ける下腹部の反射的な反応に、目をつむってひたすら耐えた。

 身体の痙攣が落ち着き、上半身を起こした陸奥は熱い呼吸を繰り返しながら言う。

「クスッ、イった。妹が気持ちいいくせに」

「お前だってイってたみたいだけどなあ?」

 かあ、と顔が熱くなる。

「だって……言ったでしょ? 本当、今日の私って変なのよ……」

 その慌てている陸奥の姿は相変わらずらしくないが、提督は妹の可愛らしさを再確認した思いであった。

 たまらず彼は上半身を起こすと、逆に陸奥を押し倒してしまう。

「え、何なの……?」

 咄嗟の出来事に陸奥は目をパチクリとさせているが、提督は手を伸ばしてそんな彼女の上着を胸部の上までめくりあげ、ブラのフロントホックを外す。すると、彼女の豊かで形の良いバストがプルリとまろび出て空気に晒された。

「ち、ちょっとお!」

 陸奥は慌てて提督を止めようとするが、彼は柔らかい双丘を両手で握りしめてしまう。

「んん……!」

 目をつむる陸奥。提督の乳房をつかむ強さは強すぎることはなく、心地良ささえ覚えた。彼は更に指を動かして二つの肉球を揉みほぐしていく。

「あ、ん……やぁ……」

 乳房への愛撫が強い快感を生むが、陸奥にしてみればそんな部位でここまでの快感を覚えた記憶が無く、大いに動揺した。それまでも触られた事は幾度もあったが、男の人は本当にここが好きだなという、どちらかといえば冷めたような感想を抱く事が多かった。

 ところが、兄から今仕掛けられている愛撫はそれまでとは別物であった。股間に感じている疼きと同様とさえ思えてしまう。

「ふぅー、ふぅー……」

 その快感に耐えていると、今度は更に一段階上の快感が陸奥を襲う。いつの間にか興奮で勃起し、しこっていた両乳首を提督が指でこね始めたのである。

「あああっ!!」

 胸への刺激がここまでとは。では兄より前の男の愛撫は何だったのかと、そんな事をも思う。

(いやあ……こんなの続けられたら、私……)

 癖になる、と思った瞬間、提督の手が乳房から離れてしまった。

「……?」

 どうしたのかと思っていると、提督は陸奥の腰を掴み、膝立ちになると同時に彼女の腰も宙に持ち上げた。乳への刺激が原因で忘れかけていたが、提督のペニスは今だに硬いままで、陸奥の蜜裂に挿入されたままなのであった。

(うう……深いぃ……)

 提督の樹肉がまるで陸奥の最奥部を更に押し広げるかのように力強く挿入され、腹部の奥底、すなわちポルチオからさえも快感を発していた。その快感に負けてまたも彼女の息が荒くなり始める。すると、今度は提督が激しく腰を振って陸奥の蜜壺に埋まった肉茎のピストン運動を開始した。助走など一切ない。最初から全開のピストン運動である。

「あああああっ!!」

 腰を宙に持ち上げられた状態で陸奥は激しくよがる。Gスポットだけでなく、ポルチオもが提督の逞しい肉棒による猛烈な刺激で悲鳴にも似た快感を発している。快感がますます陸奥の淫裂から蜜を分泌させ、その蜜は尻肉をつたってポタポタとシーツにこぼれていく。

 そんな陸奥の上半身では露わになった乳房がブルンブルンと揺れ続けている上、その谷間には汗が吹き出ているのが見て取れて、この性交の激しさを物語っている。

「あっあっあっあっ!」

 突かれる度に声が出る。兄がここまで積極的、もっと言えば乱暴なセックスをするとは、と思いつつ、それで快感を覚えている今日の自分はやはりまともではない、などと漠然とした思いが頭をよぎる。次の瞬間、元々強い快感が一気に高まったことを彼女の意識は察知した。

「ダメッ! イっちゃうの! イク、イク、イク……」

 次の瞬間、自分のものではない熱い液体が子宮に流し込まれ始めたのを感じ、そしてそれもあいまって強烈なオーガズムが陸奥を襲った。

「イクゥーーーーーッ!!」

 脳髄を焼き切るかのような強烈な快感と共に大きく背をのけ反らせて全身を激しく痙攣させる陸奥。大ぶりのバストは痙攣によって揺れ動き、子宮には相変わらず兄の脈動と共に彼の生殖液、すなわち、自分に極めて近い遺伝情報を搭載した代物が流し込まれているのを実感して下腹部をますます火照らせる。

 ようやくお互いの痙攣が収束し、提督は陸奥の体を下ろして彼女を貫いていた肉棒を引き抜いた。

「はぁー……はぁー……」

 荒い呼吸を繰り返しながら陸奥は自分の体を横向けにしてうずくまる。

(凄かった……何、あれ?)

 ぼんやりしながらつい先程の自分の体験を反芻する。ただし、陸奥にとっての今日は最初から未知の体験の連続だった。このまま続いたらどうなるか、そんな事を考えて怖くなる。

 そんな時だ。

「……足りねえ」

 と、提督がボソリと呟いた事に気付いてゾッとした。慌てて顔を提督の方向に向けるが、既に彼は陸奥の身体に覆い被さっており、横にうずくまったままの彼女の蜜裂にまだまだ硬くそそり立った逸物を一気に叩き込んでしまう。

「ああーーーっ!」

 肉棒を根元まで挿入して腰を陸奥の尻に密着させ、提督は腰を上下左右に動かしてその膣壁を圧迫する。

「ああ、それ……!」

 すっかり感度が上がってしまった陸奥の肉洞はそれだけでも快感を覚え、再び愛液を分泌し始める。陸奥自身も微妙に悶えていたが、提督はそんな彼女に構う事なく再び猛烈に腰を振り始めた。

「あ、あ、あっ!」

 陸奥の嬌声と共にパンパンという彼女の尻肉と提督の下半身がぶつかる音、そしてジュプジュプという粘液まみれの肉穴に剛直が出入りする音が響く。

 陸奥はシーツを掴んで必死に快感に耐える。かなり一方的で強引な行為にも関わらず、何故ここまで気持ちが良いのか。猛スピードで蜜壺を半ば無理やり掘削されていても、そこに苦痛も違和感もない。それどころか彼女の膣は楽しそうに提督のペニスをしゃぶっているかのようであった。

(こんなの、危ない……!)

 きっかけが自分とはいえ、兄に自分の身体を蹂躙されて悦楽を覚えるなどいよいよ不味い。かと言って振りほどこうにも力が入らない。ただひたすら歯を食いしばってフウフウと呼吸を繰り返しながら、快楽に耐えるのが精一杯であった。そんな時である。

 ドプリ、という感触と共にまたも提督が陸奥に膣内射精を開始した事を感じ取った。同時に、それがトリガーになったらしく、陸奥もまたオーガズムに達する。

「アアーーーッ!! イヤァーーーーッ!!」

 つま先をピンと伸ばし、身体を痙攣させつつも陸奥はそう叫んでいた。身体は提督の射精を悦んでいるようだが、陸奥自身は次第に自分が追い詰められているような錯覚を覚えていた。気持ちが良いのは否定出来ない。しかし、この悦楽に浸り切った先に何があるのかが見えず、恐怖感を覚える。

 射精を終えた提督は再びペニスを引き抜いた。それに気付いた陸奥は快感の余韻でうまく動かない身体をどうにか起こし、四つ足でその場からの離脱を試みる。

 自分は既にどこかが壊れているのではないか、そんな思いが脳髄を走る。相手が射精する度に激しいオーガズムを覚えるなど経験がない。

 今朝、夢で見た内容は今体験している一連の行為を予知したものだったのだろうかと、そんな風にさえ思ってしまう。

「もおいい……もおいいのお……」

 そううわ言のように言いながら、四つ足でノソリノソリと逃げ続ける陸奥。その剥き出しの股間の割れ目からは激しい情交の証拠が糸を引きつつ滴っていた。

(このままイカされ続けたら、私、狂っちゃう……!)

 だが、そんな思考もどこまで本心だったのか。後ろから襲われるのではないかと予想し、期待している自分がどこかにいた。そして案の定、彼女は提督によってあっさり背後から捕まり、再びガチガチの樹茎をその蜜裂にぶち込まれてしまった。

「あ゛お゛お゛お゛お゛っ!!」

 もはや陸奥があげるのは獣の咆哮のような声だ。両腕を提督によって押さえつけられた陸奥は身動きが取れなくなった。

 そしてそんな彼女をまたも提督の熾烈なピストン運動が襲った。

「ぁあ……! ひ、ひぅ……」

 快感のせいで全身の力が抜け切っているのか、話す事もままならなくなっている陸奥は、辛うじて呼吸音を声帯にかすめたような声を出すだけになっていた。提督のピストン運動はそんな彼女相手でも止まらず、まだまだ悦び続ける陸奥の生殖器の内部で暴れ続けていた。

(気持ち良い……気持ち良いのお……)

 今や陸奥にとって、提督とのセックスは強引にも関わらず極めて甘美であった。彼女の割れ目からしたたる愛液は止まらず、その内股を汚し続け、床にも跡を作ってシミを広げ続けている。

「あああっ!?」

 下腹部から発生している快感に陶酔している陸奥が突如として声を上げた。提督が相変わらず丸出しなままの陸奥の乳房を揉みしだき始めたのである。

(下だけでも気持ち良いのにい……!)

 提督によって覚醒させられたとも言える乳房での性感。これが更に陸奥を追い詰め、もはや彼女はひたすらに提督こと兄から与えられる快楽を受け止め続けるだけの存在と化している。その耳が聞き取っているのはいかにも必死に陸奥を犯し続けている提督の激しい呼吸音だ。

(兄さんって、私を犯したくて、一生懸命なんだ……)

 提督をこんな風にさせたのは結局は自分だという事に思い至り、甘い気分にさせられる。同時に、快感を受信する神経の感度は更に引き上げられた。そんな中での女陰と乳房という快楽の二重攻撃は陸奥をいよいよ追い詰めていく。

「兄さ、ん……私、ィク…………ィクゥ」

 陸奥が呟くように言う。それが聞こえたのか、提督の息は大きく乱れた。

 二人の腰が密着すると、またも提督が陸奥の膣内に吐精を行い、それに呼応するかのように陸奥がオーガズムに達する。

「ァーーーッ……ァァーーー…………」

 伏せるような姿勢の陸奥はか細くも長い嬌声をあげ、蕩けた表情とともに幸せそうに身体を震わせ続けていた。

 

 すっかりうつ伏せになった陸奥の上に体を乗せたままの状態ではあったが、ようやく提督は冷静になったらしい。

「結局やっちまった……しかも妹……」

 彼の下からはやはり落ち着いたらしい陸奥が、兄の方へと首を回しながらイタズラっぽい口調でこう言ってくる。

「それも乱暴にねー。兄さんっていつもあんななの?」

「いや、あんなのはお前が初めて」

 提督は即答した。

「ふうん……」

 陸奥は真面目そうな表情になっていた。そして提督は言う。

「なんか悪い」

「うん?」

「マジで激しくし過ぎたからさ、キツイよな?」

 欲望の赴くままに妹を犯した事を後悔しているらしい。しかし、兄にばかり責任がある訳ではない事は陸奥もよく分かっているから、

「キツくなかったって言えば嘘になるけど、結構気持ち良かったわよ? それに……」

 と言って自分の膣をキュッと締め付ける。

「う……」

 提督の短いうめき声を聞いた陸奥は楽しげに、

「あれだけ出したのにまだ硬いの?」

 と言った。今だに提督のペニスは硬度を失っておらず、それが陸奥の蜜穴に根元まで挿入されていたのである。

「あー、ごめん……」

「ふふ、気にしちゃダメだって。それより……」

 陸奥は色気のある眼差しを背面にいる提督に向け、

「まだいけるんなら、今度はちゃんと優しくして欲しいんだけど?」

 と言った。提督は、

「……善処するわ」

 と静かに言い、陸奥と繋がったままその手で背後からゆっくりと愛撫を開始した。

 先程は思い切り暴走してしまった提督だが、どうやら相手をじっくりと撫で回すのも好きらしい。打って変わっての優しい愛撫に、陸奥はくすぐったさにも似た心地良いゾクゾク感を覚え始めていた。

「なーんか手つきがいやらしい……ん、ああ……」

 再び陸奥の身体が火照り始め、以前までは鈍かったはずの乳房が再び疼きだし、潤んだ膣もまた微弱な性感を発信しながらうねりを再開した。

「くっそ、マンコ気持ちいい……」

 提督が苦しげに呟いた。

「クスッ、そんなに感じちゃう?」

 楽しげに言う陸奥だが、相手の性器で感じてしまっているのは同じだ。

「ココだけじゃないけどな。さっきは色々良すぎてイカれてたって事にしといてくれ。ビックリするほど出たしよ」

「フフッ、強引なのもそんなに嫌って訳じゃ無かったけどね?」

 引き金を引いたのは自分のせいでもあるのに、やっぱり兄は優しい。そんな兄の本質を改めて知った思いの陸奥は、今のセックスで得ている性感が彼の性格とリンクしているような感覚に陥る。

(兄さんとするエッチって、こんなに気持ちいいんだ……)

 その途端、自分の中からドス黒い感情が湧き上がってきた事に気付き、その正体が嫉妬である事を理解した陸奥は内心大いに慌てた。兄と今まで付き合ってきた女達が、今の陸奥のように身も心も蕩けるような思いで彼と身体を重ね、愛されていた事など容易に想像がつく。本来は先天的に恋愛の対象外でなければならないはずの存在である兄。そんな男と肉体関係を持った女達に、何故ここまで激しく嫉妬しなければならないのか。

 陸奥はしばらく無言になった。ペニスのゆっくりとした動きと、その丁寧な愛撫のせいでまれに声を漏らす程度であった。

 やがて彼女は、

「ねえ、顔見えないの嫌……」

 と提督に向かって言った。寝バックの状態でじっくり愛されるのは心地が良いが、今の陸奥にとっては何かが足りない気がしたのである。それに、ここまで自分の恥ずかしい表情を見て欲しいと思ったのは生まれて初めてだった。

 陸奥の意図を理解していたかどうかはともかく、提督はリクエストに応じて彼女をゆっくりと仰向けにさせた。足を大きく広げて提督の剛直をその蜜壺で受け入れ、快感に浸っている彼女の顔はすっかり蕩けたものになっている。

「やべえ、今のお前すげえ可愛い」

 提督は素直にそんな感想を漏らす。

「あら、普段の私は可愛くないって言うの?」

 と憎まれ口を叩いてみるも、

「普段も可愛いけど、もっとって事」

 と返されて心臓がドクンと跳ねた。

「今、変な顔してると思うんだけど……」

 ますます恥ずかしくなってしまった陸奥は両手で顔を隠そうとするが、その手は提督によって押さえられてしまった。大人しく自分の両手を脇に置くと、提督の両手が陸奥の両頬をそっと抱え込む。恥ずかしさのあまり目を逸らしたくなったが、何故かそれが出来ず、結局陸奥は兄と見つめ合ったままになる。その内、提督の顔が近づいてきて、フワリと唇が重なった。兄にキスをされていると理解した瞬間、更にドクンと、力強く心臓が跳ねた。

「……したら不味かったか?」

 顔を離した提督は言った。

「そんな事無い。気持ち良かったわ」

 陸奥は嬉しそうだ。何やら照れ臭くなって流石に目を逸らす。実は陸奥の口からは、「恋人同士みたい」というセリフが出かかり、とっさにブレーキがかかっていたのである。

(やっぱ、コイツって可愛い……)

 提督はそう心の中で呟く。そんな彼はもっと別の表情が見たくなった。上半身を起こした彼は、陸奥の下腹部に片手を置いた。

「ここに俺のが挿入ってんのは分かるだろ?」

 と、陸奥に聞く。

「ええ、とても熱いわ……」

 蕩けたような表情で答えた陸奥だが、その表情が突如として慌てたような物に変わる。提督が下腹部をグリグリと手で押し込み、こね回し始めたのである。

「ええ、ちょ、ちょっと待って!」

 今までに知らなかった感覚を覚えて大いに戸惑う。しかし提督は陸奥の制止を無視して更に下腹部をこねた。

「うあああ! あ! あ!」

 ポルチオの他、膣の腹部側の部分が提督のペニスと手で圧迫されて、陸奥にとっては未知の快感を発生させているのである。突然そんな刺激を受けて彼女が慌ててしまうのも無理はなかった。

「ああああ! それはやめっ……!」

 更には提督は余ったもう片方の手で陸奥のクリトリスをも触り始めた。予め指に愛液をまぶした上での丁寧なものだったが、それでも陸奥には十分に刺激的であった。

「やだああっ! 気持ち良いっ! 気持ち良いのおっ!」

 陸奥は悶えながら嬌声をあげていたが、突如として、

「……ああっ!!」

 と短く叫び、その身体を跳ねさせた。同時に提督のペニスを包む膣肉がキュッと締まる。どうやら彼女は絶頂を迎えたらしい。

「どうだった?」

 提督は感想を求める。対する陸奥は目を逸らしつつ、

「気持ち良かった、けどぉ……」

 と言って黙り込んでしまう。

「エロ顔でパニくってるお前も可愛かったぞ?」

「そういう事言わないでよ! ホントに恥ずかしかったんだから!」

 陸奥は提督を真っ赤な顔で睨めつけた。

「悪りい、嫌ならもうやらんよ」

「嫌なんて言ってないじゃない。それより……」

 陸奥は視線を下におろす。

「兄さんが出してない気がするんだけど……」

 そう言った彼女はどこか寂しそうだ。

「兄さんさえ良ければ、出して?」

 陸奥は視線を上げ、真っ直ぐに提督を見た。そんな彼女がますます愛らしく思えてきた提督は、

「ん」

 と短く返事をして、再び上半身を倒した。そして陸奥の顔を間近で見つめながらピストン運動を開始する。

「あ、あ、あ、あっ!」

 やはり陸奥にとって、提督の肉棒はその女性器に一番フィットする代物らしい。彼女の肉洞に馴染み、その好みを知り尽くしたかのように刺激を与えてくる。そんな印象を与えるのだ。

(ああっ!! 気持ち良すぎちゃう!!)

 その快感に、陸奥の生殖器官はすっかり陶酔してしまったかのようで、愛液を割れ目から垂れ流し続ける下半身は気怠ささえ覚える。こんなのを挿れられたら耐えられる訳がないと陸奥は思った。

 相手の性器が自分にフィットしているように感じているのは陸奥だけではなく、提督もそうであった。初めて挿入した時点で、ここまで自分を心地よく包んでくる女陰など経験がなくて驚いたのである。その結果として暴走した側面もあり、今もまたその自分のペニスを絶妙に刺激してくる蜜壺が凶器にさえ思えてくる。

 だから、お互いにそんな状態でこすり合っていたら長持ちするはずもなかった。

 提督は焦るように再度陸奥に唇を重ね、更には舌を彼女の口内に侵入させた。陸奥は提督の意図を理解し、彼の舌を自分の舌で絡めとる。兄妹によるディープキスが更に二人の興奮を加速させた。

 下半身は相変わらずのピストン運動。そこに陸奥の両足が提督を抱え込むようにして相手の体をホールドしていた。そして上半身はお互いに強く抱きしめ合い、舌を絡め合わせるディープキスが継続されている。

「…………っ!! んんっ!! んんんんんっ!!」

 いきなりながら陸奥からこんな声が漏れる。彼女の身体は激しく痙攣していた。オーガズムを迎えたのである。提督もまたピストン運動をやめ、陸奥に股間を押し付けて震えていた。こちらもまた射精を開始し、それがなかなか止まらないらしい。放出される精液はまたも陸奥の子宮に流れこんでいるようだ。もはや彼女のそこは提督の精液の貯蔵庫と化したと言えるだろう。

「はー、はー……」

 絶頂が収束したものの、興奮が冷めるのにはまだ時間がかかりそうだ。熱い視線をかわした陸奥と提督という兄妹は、再び口付けをかわす。ただし、それはディープキスではなく、優しくお互いの感触を確かめ合うような柔らかいキスであった。

 

 それからしばらくして、落ち着いた二人が揃って寝そべりつつ、だらけたノリで会話を交わしていた。

「兄さんの話すると『本当にお兄さんの事?』って聞いてくるのよ? 嫌になるわ」

「似たような事言われたな……俺が前に『束縛強い』って言った理由分かったか?」

「まあ、ね」

 気怠げに陸奥は言う。今までだったら「面倒だ」という一言で片付けられたのかもしれないが、ついさっきその対象となっている兄はただの兄ではなく、肉体関係を持った厄介な存在へと変わってしまった。そんな兄もこんな話をする。

「久しぶりに元カノと会ったんだけどさ、『妹さんの話が惚気にしか聞こえなかった』って言われてさ」

「え……」

 俄然、陸奥の顔が赤くなった。提督の元カノの中では、陸奥という存在は提督の恋人とほぼ同義という扱いになってしまっていたらしい。自分にも心当たりがある陸奥は提督に聞く。

「ええと、たまに兄さんの話すると、その時点で機嫌悪くなったりしてたんだけど、それって……」

「多分な。惚気に聞こえたんだろ」

 やはりそうかと思った。陸奥の彼氏の中では、提督なる実兄らしき存在 ── 確かに実兄なのだが ── は陸奥の本命なのではないかとみなされているのである。普通だったらあり得ないと笑い飛ばすところだが、この二人の場合、実際に身体の関係まで持ってしまったという点で非常にややこしい。

「どうしたら良いのかしら……」

 憂鬱な気分でそう呟く陸奥。兄妹でやらかしてしまったのだ。上手い解決法が思い浮かばない。そんな陸奥に対して提督がこう言った。

「別れろよ。で、しばらく俺のそばにいろ? 抱いちまうけど」

「…………」

「どうした?」

 陸奥が沈黙してしまっているので不思議に思った提督は彼女の方へ視線を向ける。すると陸奥はポロポロと涙を流していた。

「あら? あらあら? 変な事言われてるはずなのに……」

 あえて明るく言ってみた。その口元も笑っているがそれで涙が止まるわけでもない。

「凄く、嬉しいって思ってる……」

 提督は陸奥の体を引き寄せ、いつも彼女をなだめる時のようにその頭をポンポン、と優しく叩いた。そんな彼に陸奥は抱きつく。

 しばらくして落ち着いたのか、陸奥は顔をあげて提督の目を見た。彼女の表情はとても穏やかなものになっている。そして、陸奥の方から提督へ顔が近づき、唇が軽く重ね合わされ、チュ、という音がなる。

「しばらく、ね?」

「ああ、しばらく、な?」

 そんな言葉を交わした後、お互いにクスリと笑ってその額を軽くコツンとぶつけた。

 

 

 明らかに道を踏み外してしまった兄妹である提督と陸奥。道を踏み外した事自体は今の所誰にもバレていないが、二人とも心のどこかでネジが飛んでしまったらしい。

 今日もまだ仕事をしていなければならない時間のはずなのに、作業を名目に誰も入ってこないであろう鎮守府の一室でイチャついているのである。

「本当、お前ってそそる身体してるよな」

 実の妹である陸奥の豊かなバストを服の上から揉みしだきながら提督は言う。少し前の彼ならありえないような態度と言動である。陸奥も提督に触られている事に興奮を覚えているのか、トロンとした表情でこんな事を言っている。

「あら、今頃気づいたの?」

 とは言え、彼女だってつい最近まで兄を性的な目で見る事を避けてきた。逆に体の関係を持ってしまった今、彼の事を劣情込みの視線で見ている自分に気付いて内心動揺してしまう事も今だにある。だが、もう既に一線を超えてしまった今、彼女に動揺を与えている倫理観はその熱情を抑えきる事も出来ず、自分から提督を求める事も少なくない。

「オッパイだけ?」

 陸奥は後ろに居る兄を振り返りながら言う。そしてスカートをたくし上げると、そこにはTバックが現れる。陸奥は提督と肉体関係を持って以来、鎮守府内においてもこういった下着を履く事に遠慮が無くなりつつある。

「準備、出来てるんだけど?」

 そう言って陸奥は尻を突き出す。そのクロッチは陸奥の割れ目が分泌した粘液によるシミが広がっていた。提督は我慢しきれず、ズボンからペニスを開放する。そして陸奥のショーツを横にずらして現れた潤んだ淫裂。そこに提督のいきり立った肉棒が一気に突き刺さる。

「はうううっ……!」

 陸奥の身体がひきつり、控えめながらも甘い声が口を突いて出る。その表情はベッドで提督と身体を重ねている際のいやらしいそれと変わらない。

 机に手をつけ、足を八の字に広げてどうにか体を支える。今の彼女は後ろから実兄に突かれていた。それも職場でだ。これがまたスリルと興奮を誘う。兄と身体を重ねる事がここまで満たされる行為だとは。いや、これまでがまがい物だったのだろう。今の彼女は本当に欲しかった相手に犯されているのだ。

(気付くには近すぎたのね。私、本当にこの人が……)

 陸奥がそんな思考を巡らせているうちに、すぐにお互いの肉体に限界が訪れた。陸奥はオーガズムに震えると共に、提督が自分の膣奥に射精しているという、あまりに甘美な感覚に背をのけ反らせながら甲高く長い嬌声を上げた。

 自分が兄を好きな事くらいは分かっていた。ただ、それが兄妹愛に基づくものなのか、本物の異性に対するそれなのかは流石にこれまで判別が付かなかったが、イタズラな体の関係を持った今、どうやら自分の気持ちは本物らしいという事に対して、ようやく確信が持てそうだ。

 

 日も暮れそうな時間帯になった。執務室で陸奥が提督に聞く。

「兄さん、晩御飯はどうするの?」

 提督は彼女の質問に答える。

「簡単に食堂で摂ろうかって思ってるけど」

 するとである。陸奥からはこんな言葉が飛んでくる。

「あらあら、またあんな所で他の子と浮気?」

 彼女を見れば、普段の余裕のある態度が見受けられず、本当につまらなそうな表情を浮かべている。

「お前が束縛強くなってどうする?」

 提督は呆れたような表情を浮かべた。

「だって、『そばにいろ』って言ったの兄さんだもの」

 すまし顔になった陸奥は手に持った書類をトントンと乱暴に叩いて揃え、

「それに、本気でも良いんでしょ? しばらくは」

 と言って、提督に視線だけを向ける。

「ま、しばらくはな」

 すると陸奥が乗り出すようにして言う。

「食材、もう用意してあるんだけど?」

 晩御飯は二人きりで食べたいという意味だ。ここ最近の夕食は提督か陸奥か、どちらかの私室で二人で調理をし、二人で食べるというのが半ば恒例になりつつある。

 

 そして執務室から退けてしばらくした後、チャイムが鳴った為にドアを開けるとバッグを手に持った陸奥がいた。

「ほら、持ってきたから」

 楽しそうにバッグを掲げて彼女は言う。そんな陸奥が部屋に入ってきた途端、提督は背後から彼女を抱きしめた。

「もう、やめてってば! 一緒に食べて、それから、ね?」

 とりあえず抵抗するとすぐに提督は苦笑いしながら離れてしまった。

(もう、もっとがっついてくれても良かったのに……)

 正直なところ、夕食を後回しにしてここで一度兄と致してしまってもいいかと思ってしまっていた彼女である。

 

 二人の夕食を用意する為に二人でキッチンに立つ。これがここ最近の陸奥を何よりも浮かれさせてしまう重要イベントであった。ずっとこんな生活をしていたいとさえ思ってしまう。隣には兄がいる。その存在感が実に心地良かった。

 ふと、彼女は思った。兄と関係を結ぶ直前に見たあの夢は、「このままだと虚しい男女関係を繰り返すだけだ」という、自分の無意識が発した警告なのではないかと。そのせいか、陸奥は提督に向かってこんな質問をした。

「ねえ、兄さんって私とエッチする夢って見たことある?」

 提督はこう答える。

「あるよ? 自己嫌悪すごくてさあ」

 見た夢の内容が不快だったのだろうか。陸奥は不思議そうに聞いた。

「自己嫌悪……なんで?」

「お前汚しちまったってのが一番でかいかな」

 気まずそうに提督はそう答えた。その背後には陸奥の事を大切にしたいというニュアンスが隠れている事を、それとなく感じ取る。

「あら、汚してくれてもいいのに」

「お前なあ……」

 渋い表情を自分に向けた提督を見て陸奥は笑う。その内心では、

(私、この本気から抜け出せるのかしら……)

 と、軽い疑問を覚えていたが、もはや彼女にとってはさほど重要な事でもなかった。

 

 二人とも料理はそこそこに得意だ。下らない会話を交わしながら食べる二人で作った料理は何故か本来の味以上に美味しく感じられ、その時間は常に楽しい。

 そして食べ終え、食器も洗って片付ければ入浴の時間だ。提督は何故か陸奥を優先したがるが、彼女はこんな事を言う。

「一緒にお風呂、入りましょ?」

 途端、気まずそうな表情を浮かべるのは提督である。

「え……やめようぜ?」

 それを聞いて、陸奥は色気を秘めた目を細めて兄にこう聞く。

「あら、しちゃうからかしら?」

「ああ」

 提督の返答は短かった。クスリと笑った陸奥は愛しの兄の手を掴み、

「それ込みでいいじゃない」

 と言って、引っ張り始めた。妹が自分を見る表情は熱がこもっていて、一人のオンナとして本気になっている事がうかがえた。

(俺、コイツの事手放せるのかな……)

 と、軽い不安を覚えたが、彼は速やかにそんな不安を捨て去った。

 浴室で見る陸奥の裸体は見事なプロポーションである。そんな妹の姿を見て提督の陰茎は一気に血流を充填させ、すぐに硬くなってしまう。

 思わず無言で陸奥を抱きしめた提督と、それを期待していたかのような陸奥。はぁ、という甘いため息を漏らした後、彼女は振り返る。

「兄さん……」

「ん?」

「好き……」

「うん……」

 唇を優しく妹に重ねると、提督はそっと彼女の股間に手を這わせた。

「もう濡れてる……」

 そんな提督の呟きに対し、すっかり欲情した様子の陸奥は言う。

「どうする? 結構ジンジンしちゃってるんだけど?」

 それからさほど間をおかず、提督はほぼ前戯無しで潤んだ陸奥の蜜裂に剛直を奥深くまで目一杯挿入させ、その快感に悦ぶ彼女からは長くて甘い嬌声が上がった。

 恐らく、お互いに飢えていたのだろう。すぐそばに「本物」がいるのにも関わらず、軽い触れ合いが精一杯だったのである。偽の男女関係で誤魔化し続け、心も身体も耐えきれなくなって悲鳴を上げた結果があの朝のセックスと言っても良いのかもしれない。

 

 

 じゃれあいが昇華してもはや夫婦の域に到達してしまった兄妹。彼らの言う「しばらく」とはどれほどの期間か、全くもって不明であった。

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