艦隊これくしょんのR-18な短編作品詰め合わせ 作:dn88k
背後から突如として抱きついてきた者がいた。その雰囲気からまさか、などと思いつつ、
「……誰だよ、おい」
と誰何する。
「提督ぅー。分からないんですかあ? ポーラですよおー」
そんな返答が聞こえた。
(参ったな……)
抱きつかれた側の提督は心の中で呟き、気まずい思いにとらわれる。提督は人並みの嗅覚の持ち主であるが、以前のポーラが日常的に漂わせていた酒臭さが一切嗅ぎ取れず、それが尚更自分にとって厄介だと思った。
「それでポーラ、何の用だ?」
提督は聞く。ただし、それに対する返答は彼の中でもある程度予測がついていた。
「えっとポーラ、提督のご自宅にい、お邪魔したいなあって……」
やっぱりか、とポーラの返答を聞いてますます気まずくなる。ポーラの提督にしがみ付く力が強くなった。
「ダメですかあ?」
甘えるようなポーラの声。
「お着替え、ちゃんと用意してますからあ」
どうしたものかと思わず考え込んでしまう。
しばらく前の事だ。提督はポーラと二人きりで飲酒をする機会があった。提督はさておき、ポーラの酒の強さと常日頃の飲酒量は異常で、昼間から呑んでいる事も珍しくなく、しかもそれで体調を崩す事もないので肝臓の強さについてはオーバースペックと言っていい。
「よくそれだけ飲んで酔い潰れないな」
提督は不思議そうにポーラに言った。それに対してポーラが、
「酔い潰れるにはちょっと量が足りないですねえ」
と返してきたので、
「意味分かんねえよ……」
と提督も呆れざるを得なかった。それだけの量を飲んで発言が破綻してしまうような事もなく、むしろ会話が盛り上がった事もあって、これがザルとかウワバミって奴か、などと思いつつポーラとの時間を過ごしていたが、突然、
「あー、でも早めかなーって気はしますう」
と、意味不明な事をポーラは言った。その時だけは明るい表情に不思議なシリアスさが覗いたように提督には見えた。
そうこうしているうちにだいぶ提督にも酔いが回ってきたようだ。酔いつつも流石にペースを落とすかなどと頭のどこかで冷静に考えていた彼である。
その時だ。
「提督ってえ、今はお一人なんですよねえ?」
そうポーラが聞いてくる。彼女を見ると、横目に自分を見るポーラの目が若干ながら細められている。これはひょっとして、いやポーラに限ってまさかな、などと思いつつ、
「ん、まあ、な……」
とだけ答える。
「んふふー、じゃあ、ポーラとおイタしても誰にも文句言われませんよねえ? 別に責任取れなんて言いませんしい」
テーブルに肩肘を付いたポーラは言う。その表情は先ほどよりも艶かしげだ。
(的中かよ……。しっかし惰性で部下に手を出すってのは……)
提督がそんな事を考えているうちに、
「ポーラって結構ぉ、自分の体には自信あるんですよお」
と言いながらポーラは上着を脱ぎ始め、更にはブラのフロントホックさえも外す。そして提督に近い方の服の生地を自ら横に引っ張り、彼女の持つ豊かな乳房の内の片方をプルンとこぼれ出させる。
「そういうの止めろって……」
提督は実はポーラがかなり酔っているのでないかと考えつつも、かつて見た事のない色香を放つ彼女から視線を外す事が出来なかった。彼女がそう見える自分も相当に酔いが回っているのだろうか。
「なんでそんな事言うんですかあー? 提督ってポーラの事、嫌いなんですかあー?」
「嫌いじゃないけどさあ……」
「ですよねえ? オチンチン、オッキしてますもんねえ?」
言われて気付いたが、提督の股間部はすっかり勃起して痛いほどに疼いていた。
「確かに興奮はしてるけど……」
「提督が真面目なのは知ってますけどお、たまにはおイタも良いと思いますう。このまましちゃってもお、お酒のせいに出来ますよお?」
そう言ってポーラはショーツまでをも脱いでいく。何故か、そこから姿を現した彼女の割れ目は既に粘液でぬめっていた。
「一度おイタしてみたいだけの女の子がここまでしてるんですよお? 何もしないで恥かかせるつもりですかあ?」
ポーラがこう言ってきた時点で提督のタガが完全に外れた。この晩に関して、ここから先で提督が覚えているのは自分がポーラを必死に抱き続けた事と、今までに見た事のない淫靡な表情を浮かべたポーラが甘く甲高い嬌声をあげて嬉しげに悶え続ける姿だった。
翌日の提督は多忙だった事もあって執務室を出るのが遅くなってしまった。そしていざ部屋を出たちょうどそのタイミングでワインボトルを抱えたポーラに出くわしたのである。彼女は提督を視認すると、
「あー、やっぱりいたー」
と言いながら彼に近寄ってくる。相変わらず飲んでいるようだ。
「提督うー、今日も飲みませんかあ?」
そうポーラが言ってくる。ただし、その距離は以前と比べればやたらと近い。
「いや、遠慮しとく」
提督はハッキリと断った。しかし、ポーラは引き下がらない。
「また、おイタしちゃうからですかあ? ポーラはむしろ歓迎ですよお?」
どうやら彼女は昨日の酒で記憶が飛ぶ事などなかったようだ。
「そうは言っても流れでってのはな。とにかく、今日はダメだ」
そう言って提督はポーラから離れて自宅へ戻るべく早足で歩き出した。
「……本気になっちゃうからですかあ?」
ポーラがこう言った瞬間、提督は一瞬だけピクリと反応したが、その後は振り返りもせずにその場を立ち去った。
「……聞こえないフリするのはズルいですう。じゃあー、まず提督に分かってもらわないと……」
ポーラの目は普段の酔っている時のそれではなく、完全に獲物を捕捉した時のそれであった。
そのすぐ後辺りから、ポーラが昼間から呑んだくれて姉のザラが声を荒げながら止めようとするという、この鎮守府では日常的とも言えたシーンが目撃される事は全く無くなった。流石に気になった提督がザラに聞いてみたところ、
「ポーラもお酒を止めてくれたみたいなんですよ。分かってくれたのかも知れません」
と、安堵の表情を浮かべた彼女にそう返答された。その時点では、あまり姉に迷惑をかけるのも気が引けたのかとも考え、ポーラが酒を止めている事についてはそれ以上考える事はなかった。
そして、しばらくはそんな日々が続いたある日の事だ。その日もポーラが酒を原因に騒ぎを起こすという事は無く、むしろそんな事があった事さえ提督の意識の外へと消え去りつつある。彼は執務を終えて鎮守府の近くにある自宅に帰宅すべく、そちらへと向かった。
鎮守府との距離はほとんどない。そんな自宅の玄関に手をかけたその時である。
「ここが提督のご自宅なんですねえ」
と言う声が背後から聞こえた。何かと思って振り返るとそこにはポーラがいる。
「どうしたんだよ、こんな所まで?」
驚いた提督は当然ながら聞くが、
「一度お邪魔してみたいと思ってましてえ、いきなりですけどついて来ちゃいましたあ」
えへへ、と笑いながらポーラは言う。
提督は当初渋ったが、「飲酒もしてないし迷惑はかけない」とポーラが食い下がった上、
「マーミヤにお願いしてお夕飯を作ってきてもらいましたあー。一緒に食べませんかあー?」
と言いながら保温バックを持ち出して来た。帰宅した後、調理は自分でするとして何を食べようかと考えながら帰路を歩いていた提督である。やむなく彼は彼女を屋内へと通した。
「ここが提督のご自宅の中ですか〜。ポーラのお部屋よりちゃんとしてますう」
歩いて室内を見回すポーラ。提督はそんな彼女の姿を見て複雑そうな表情を浮かべていた。
当然ながら、ポーラが夕食の準備をした上で、彼の後を尾行していたらしい事など全くと言って良いほど想定になかった。しかし、ここまでされてしまうと流石に無下にはしづらい。素直にポーラが持ってきた夕食を二人で食す事にする。形態だけ見れば弁当のような代物だが、間宮製だからやはり美味である。それはそれとして、提督にはポーラの目的が今一つ分からない。
「どうしたんだよ、俺んとこまで押しかけるとか」
提督がこんな問いを発するのも当然と言えた。
「何となーく気になってたんですよおー。それ以外の意味はないですうー」
ポーラは笑顔でそう答えるだけである。
食事を食べ終え、その容器類を片付けて一息ついていると、ポーラが提督に寄りかかってきた。そんな彼女を見ていよいよ提督は訝しげな顔をする。
「ポーラ、お酒飲んでないんですうー。知ってますかあー?」
「それは分かるけどな」
飲んでいる者特有のアルコール臭さがない。ただ、のんびりしたような口調なのは酔っていても酔っていなくても変わらないようだ。
「いきなりどうしたんだとは思ったけどよ。アル中レベルの酒好きがいきなり断酒なんかしてんだから」
「アル中は失礼ですうー」
ポーラは口を尖らせ、少しばかり沈黙したが、やがて以前酒の勢いで身体の関係を持った時の話を持ち出した。
「提督はあの時酔ってたからおイタをしたんですよねえ?」
「うん、まあ、な」
「それでえ、ポーラが酔って誘ったからああなっちゃったんですよねえ?」
「ん、多分……」
「ポーラがふざけてたから、って思ってましたあ?」
「ああ……」
「やっぱりい。確かにあの時はポーラも酔ってましたしい、おイタのつもりだったんですよお」
再びポーラは沈黙したが、それも一瞬だった。
「でもお、実は結構提督のこと気になってましたしい、アレで本気になっちゃったって言ったら信じますう?」
「……え?」
提督が振り向くのとほぼ同じタイミングで、ポーラが抱きついてくる。
「提督のエッチってえ、とっても優しくて、とってもとーっても気持ちよかったんですう」
もはやポーラは提督の耳元でささやいていた。
「でもお、お酒飲んじゃってたらおふざけだって思われるじゃないですかあ。だからお酒やめて本気の誘惑してるんですう」
「…………」
「やっぱりポーラの事、嫌いなんですかあ……?」
「嫌いとかそういう話じゃ……」
提督は目をポーラから逸らしていた。
(原因酒だぜ? お互いイタズラって話だったのにいきなり本気とか言われても……)
そんな事を考えながら提督が黙り込んでいると、
「あーもうメンドくさーい!」
と言いながらポーラが提督を押し倒してしまった。見上げると自分に馬乗りになって妖艶な笑顔を浮かべるポーラがいた。
「ポーラってえ、エッチ好きなんですう。お酒も無いからそろそろ辛くて……」
彼女にとって、酒での酩酊は性欲発散の代用になるらしい。提督はあの夜の記憶を辿ってみた。そこに浮かぶのは自分を懸命に求めながら大いに悦ぶポーラの姿である。セックスが好きなのは本当だろう。普段の彼女とは異なり、余りにも艶かしいその姿を思い出した事と、今のポーラが腰を前後に動かして刺激を加え続けている事から彼のペニスは容易に勃起してしまった。
「硬くなっちゃいましたねえ。コリコリするのも気持ちいいですよお?」
そんなポーラの息は既に荒くなっている。
「まだ悩んでるんですかあ? 別に今日もおイタのつもりでいいんですよお? それともお、あの時と違って誰かさんに迷惑かけちゃったりするんですかあ?」
今だ黙り込んだままの提督を覗き込みながらポーラは言った。
「断る理由は、無いんだけどさ……」
提督がようやくそう答えると、
「しちゃっていい、って事ですねー? ポーラ、結構都合良く考えちゃうんでえ、もう止めようとしても遅いですよお?」
そう言いながらポーラは膝立ちになり、紐パンの片方を外して自分の陰部を露出させた後、提督のズボンも下ろしてその剛直も露出させた。更には、
「何事も粘り強くってザラ姉様も言ってたじゃないですかあ……。すぐ本気にさせる必要はないんですう……」
と、静かにささやくような声で呟く。その声は極めて小さく、口の動きから提督にはポーラが何か独り言を言っているらしい事は分かったものの、全くと言っていいほど聞き取る事が出来なかった。
一体彼女が何を言っているのか、そんな事を思ったその瞬間、提督の股間を快感が襲った。よほど我慢が出来なかったのだろうか、ポーラは自らの濡れ切った蜜裂に提督の樹肉を奥まで一気に挿入してしまっていたのである。見るとポーラは軽く全身をひくつかせていた。
「えへへ、提督の気持ち良すぎますう。一人でするのも我慢してたから余計にですけど……」
嬉しそうに提督に自らの腰を密着させているポーラ。手を後ろに回して上半身の体重を支えるその姿は、まだ服を着ているにも関わらず、普段から分かる大ぶりなサイズのバストを尚更強調させていた。
そんな彼女の姿を見てペニスはますますたかぶり、硬度を増す。加えてそんなペニスを包み込むポーラの淫裂がやたらと熱く、ゆっくりとしゃぶるように締め付けてくる有様は快感以外の何者でもなかった。
「提督はどうですかあー? ポーラのココ、変じゃないですかあー?」
「いや、気持ちいいよ」
「えへへ」
今度は上体をゆっくりと前に倒したポーラは提督にそっと口付けた。
「提督とキスしちゃいましたあ。初めてですねえ」
「そうだったっけか?」
「前はあ、エッチだけだったんですう。やっぱりフワフワしちゃいますう」
提督はポーラをそっと抱きしめ、その頭をゆっくりと撫でる。彼女の顔を見ると微笑を浮かべながら提督を見つめているが、その目つきは優しくも熱を帯びていた。
「このままでもいいですかあ?」
「ああ……」
「えへ、提督ってあったかいですう……」
しばらくはその身体を提督に擦り付けるようにしていたポーラだったが、そのうちに、
「お腹がキュンキュンしすぎてきちゃいました……ズポズポしちゃいますけどお、いいですよね?」
と甘ったるい声で聞いてきた。
「うん、いいけど……」
そう提督が言い終わるか終わらないかのうちに、ポーラはスッと体を起こし、即座にピストン運動を開始した。パンパン、というリズミカルな音が響く。
(ポーラの膣内、良すぎる!)
提督は改めてそう思わざるを得ない。要するに、その作りが男にとって刺激の強い代物なのである。挿入していれば包み込むように締め付けるばかりか、ピストン運動を開始してしまえば肉ひだが雁首を始めとするペニスの各部分を効果的に刺激して回る。剛直を痺れさせるかのようなゾリゾリとした感覚は肉棒本体のみならず、下腹部の奥まで電撃のような刺激を染み渡らせ、背筋にもゾクゾクとした寒気にも似た感覚が走る。それだけの快感を与えられて提督の息は乱れてしまう。
「提督もお、気持ちよさそうですねえー」
彼に馬乗りになり、その様子を見ていたポーラは楽しげに言うが、息が乱れている点では同じである。提督が強い快感を覚えているのと同じように、彼女もまた彼の剛直を蜜壺に咥え込ませることで、腰が砕けそうになる程の快感を覚えていた。
(やっぱり提督とするエッチ気持ち良すぎですう! 奥までギュウギュウグリグリさせられてえ……!)
このまま続ければ下腹部が快感で溶けてしまいそうだ、そんな風に思いながらひたすらに腰の上下運動を続ける。と言うより、気持ち良すぎて腰の動きを止められないのだ。
「あ……! あ……!」
腰の動きに呼応するようにポーラの口から甘い声が漏れる。
「不味い……出そうだ……」
提督はうめくように言った。ポーラの肉穴にしごかれ始めてさほど時間を置かずに限界を覚えるのも無理はない。
「が、我慢してください! ポーラもお、もう、ちょっと……!」
提督が限界に近づいている事を知って内心で焦りを感じた。何しろポーラの腰は半ば自動的にピストン運動を行なっているかのようになっていて、自分でペースをコントロールしようにも出来ないのである。その一方で彼女自身の内部でも急激に快感が高まりつつあり、オーガズムに到達するまでは余裕がない。そんなギリギリの状態で先に提督に果てられたら消化不良もいいところだ。
「はうっ!!」
突然ポーラがのけ反った。絶頂を迎えたのである。ほぼ同時に提督のペニスの奥深くでトリガーが引かれ、濃い生殖液を彼女の奥へと吹き付け始めた。
「はあー……はあー……」
焦点の合わない目で天井を見ながらポーラは全身を震わせていた。
(一緒に気持ち良くなったあ……提督って素敵すぎますう……)
多幸感に襲われながらポーラの脳を走った想念はこんな台詞であった。
結局、提督とポーラという二人による身体の関係はこれだけでは終わらなかった。
事あるごとにポーラが間宮やザラに作ってもらった食事を携えて提督の自宅に来襲し、誘惑してきてはセックスになだれ込んでしまうのだ。ポーラがそのまま一晩過ごす事も珍しくない。
「ポーラ、お酒と同じくらいエッチがすごくすごーく好きなんですう。特にい、提督のおイタは今までのエッチの中でも一番ですう。我慢してたら苦しくなっちゃいますよお」
とろけた顔でポーラはそう言った事がある。彼女の中で、嗜好として酒と性行為は同じ水準にあるのか。だとすれば、仮に性行為にステータスを全て振った場合、末恐ろしい事にならないかなどと提督は考えた。
「あくまでおイタですしい、これからもしちゃうと思いますからお願いしますねえ?」
そう言って抱き付いてくるポーラを見ながら、どうしたものかとも考える。関係を絶ったらまた飲兵衛に戻ってしまうのだろうか。
そんな経緯があっての今があると言う訳である。ただし、いきなり提督の自宅にアポ無し突撃するのではなく、彼に事前の許諾を求めているという点が今と以前との違いだ。
「なんか用事があるんですかあ?」
「そういうのは無いが……」
「じゃあ、行っちゃダメな理由があるんですかあ? それともお、ポーラの事本当に嫌いになっちゃいましたあ?」
「そういう質問はずるいだろう」
答えづらい質問を提督は何とかかわそうとする。
「ならあ、ダメな理由教えて下さい」
「……そういうのも無いけどな」
この返答を聞いた途端、ポーラは提督から離れ、威勢よく歩き出した。
「なら早速行きましょー! 今日はあ、ポーラが提督のおうちでご飯作るつもりで準備もしてあるんですよお!」
「はあ?」
ポーラは料理が得意だなどという話は聞いたことがない。果たして大丈夫なのだろうかという不安が頭をよぎったが、何故かテンションの高いポーラが提督の自宅へ率先して向かい始めてしまった為、それに引きずられるようにして提督もポーラの後をついて行くしかなかったのである。
結果から言うと、ポーラの手料理は中々の出来であった。
「ご馳走さん。美味かったよ」
提督は素直な感想を言った。
「美味しかったですかあ!? 良かったあー」
安堵したような表情のポーラ。しかし提督は疑問を口にする。
「気悪くしたら謝るけど、お前料理って普段やってたっけ? こういうのって大体ザラじゃなかったか?」
「そのザラ姉様に教わってたんですう。この間合格って言ってくれたので今日は自分で作ってみたんですよー」
知らないところで練習をしていたらしい。空いた皿を眺めながら、まさか自分の為かと思いつつ、視線をあげるとポーラと目が合った。彼女は照れたように笑った後、
「お片付けしますねー。提督はのんびりしてて下さいー」
と、立ち上がって食器類を片付け始める。
ポーラが台所で動き回っている音が聞こえる。それは別に良いのだが、何故か今の提督はどうにもうわついた気分になって仕方がなく、何となく落ち着かない。
ふと振り返ると、食器類も片付け終わって台所を軽く確かめて回るポーラの後ろ姿があった。そんな彼女を眺めているうちに提督は突然立ち上がり、フラフラと吸い寄せられるようにポーラに近づいて行った。そして、彼女を後ろからそっと抱きしめる。こんな行動を取ってしまった理由は本人にも分からない。
ポーラは一瞬緊張したようだが、すぐに「はああー……」と甘ったるいため息をついて、
「提督からってえー、初めてですよねえ?」
と嬉しそうに言う。
「そうだな……」
と返事をする提督に背中を寄りかからせたポーラは、
「すぐ来てくれてもいいですよお? もう片付け終わってますしい」
と、そう言いながら提督の方を振り返る。その顔は劣情を秘めたそれであった。提督はそんなポーラの唇を奪う。そして、その下半身に両手を伸ばし、ショーツ越しに陰部を撫でた。
「ん、んんん……! はぁ、それ、気持ちいいです……」
ポーラは赤みの差した目を細めながら感想をこぼした。手の感触から、ショーツは徐々に湿り気を帯び始め、クリトリスが勃起してその生地を押し上げているようだ。そこで提督は彼女の割れ目を覆っている部分を横にずらして露出させ、そっと陰唇に触れた。
「……ちょっと濡れてんな」
「やっぱりですかあ? さっきからお腹キュンキュンしてるんですからあ」
陰唇をなぞるように触っていると、次第にそこが本格的に濡れてくる。その間、彼女は「ぁ……ぁ……」と、か細い喘ぎ声をあげていた。
「……あうっ!!」
突然ポーラが声を上げ、小さく跳ねるように身体をひくつかせた。提督のもう片方の手がクリトリスを触り始めたのである。
「そこが好きなの、言ったことありましたっけえ?」
「いや、初耳」
「一人でする時もお、そこ触るんですう……ん、うう……」
ポーラは足を八の字にして爪先立ちになり、少しばかりお尻を提督に突き出すような姿勢になっていた。そのままではフラつきそうになるので両手を台所の流し台につけて体を支える。
ポーラの股間がいよいよジンジンとした感覚を発してたまらなくなってくる。すると、今度は自分の胎内に何かが侵入してくる感触を覚えた。
「うあ、あ、あ……」
提督の中指が濡れた膣壁をゆっくりと刺激して回っている。蜜裂全体をいたわるようなその動きで身体が弛緩してしまいそうだ。そんな感覚に陶酔しそうになっていると、二本目の指が侵入してきた事で性感が倍増した。
「はあああ……!」
反射的に背中の筋肉が引きつり、ポーラは体をのけ反らせる。既に彼女の蜜穴には提督の指が二本刺さっていて、それぞれが別の生き物のように内部を動き回り、かき回し続けている。入り口からはグチュグチュという音すら聞こえ、膣内はすっかり愛液に浸りきっているが、彼女の生殖器は粘液をまだまだ吐き出し足りないようで、内部に留まりきる事の出来なくなった蜜が、割れ目の外へと溢れ出始めてもなお液体の分泌量を増し続けていた。トロトロとこぼれ出る愛液は今や白く濁った本気汁に変化し、股間を濡らし、足をつたって、最終的には床に粘り気のある小さな水溜りを作った。
そんな状態で提督による執拗な手マンと、クリトリスへの刺激という二重攻撃に耐えていたポーラだったが、いつまでも耐えられるはずなどなかった。
「んあうっ!!」
突然そんな嬌声を上げてポーラの体が跳ね上がった。提督の指を膣肉が一気に締め付け、同時に多量の愛液が収縮を続ける膣口からドプリとこぼれ落ちた。ポーラの身体は一定の間隔で腰回りを中心に痙攣を起こしている。
「提督の手だけで気持ち良くなっちゃうなんてえ……」
今だに深呼吸を繰り返すポーラは振り返りつつそういうものの、しかしその表情には微笑みが浮かんでいた。
「何だかどうしても触れたくなってな。悪い……」
「謝っちゃダメですよお、してくれるの待ってたんですからあ。それより……」
提督を責める事の無いポーラはそう言ってから更に言葉を続けた。
「オチンチン、苦しくないですかあ?」
これを聞いて提督は戸惑った。
「え、お前イったばかりだろ? すぐには辛くないか?」
「そんな訳ないじゃないですかあ。むしろ奥とかももっとイジめて欲しくてウズウズしてますう」
そう言ってポーラは尻を提督の勃起に押し付け、ゆっくりと上下に動かす。
「提督とならあ、もっともーっと気持ち良くなれますう」
ここまでされてしまっては我慢出来る訳もないし、その理由もない。提督は速やかにズボンを半脱ぎにしてペニスを取り出す。一方のポーラは先ほどよりもお尻を提督に突き出した姿勢になっていて、スカートを片手で捲り上げている。顔を見ればすっかり期待しきっているのが分かり、股間を見れば横にずれたままのショーツの端から姿を覗かせる蜜裂が、挿入に備えて粘液をこぼし続けていた。
提督は自分を求め続けるポーラの割れ目にそっと自らの樹茎の切先を当て、ゆっくりと内部に沈み込ませていく。
「あ……あ〜〜……」
その内側をかき分けて来る熱と圧力が余りにも心地よく、何故か安堵させられたかのような気分になってポーラからは溶けたような声が漏れる。やがて密着しきった後に訪れるのは下半身の心地良い火照りだ。
(お腹の中がアツアツになっちゃってますう! こんなの知ったら提督以外無理になっちゃいますよお!)
そんな事を考えていると上半身が抱きしめられた。何かと思って振り返ると自分の口が提督のそれによって塞がれる。
「んぅ……」
ポーラの心拍数がますます高くなる。
(身体中アツアツのフワフワになっちゃってえ……ねえ、提督。これホントにおイタなんですかあ? 本気になっちゃってませんかあ?)
顔が離れるがしばらくの間、お互いに視線を外す事が出来なかった。そのうち、
「ポーラに出したい。いいか?」
と、かすれるような声で提督が言うと、
「はい、ポーラでえ、気持ちよーくなってくださいねえ?」
と微笑みながらポーラは返答した。
次の瞬間、猛烈な勢いで提督によるピストン運動が開始された。
「うああっ!! あっ!! あっ!! あっ!!」
肉棒がポーラの蜜道の中に差し込まれたまま猛烈な勢いで暴れ回っている。しかも、この肉棒はポーラにとってはまともな代物じゃない。まるで彼女に最も相応しい性感を与える目的で、その形状から何から彼女の為に仕立てあげられたかのような、あるいは凶器と麻薬を一つにしたかのような、そんな極めて危険な代物なのだ。先程の前戯ですっかり感度が上がり、仕上がっている生殖穴にそんなモノが侵入し、刺激して回るのだからたまらない。
「んんーーーっ!! ぐうううっ!!」
ポーラは快感に耐えようと必死に歯を食いしばる。早くも足元はおぼつかなくなり、八の字状に広げた両足はガクつき始めていた。力が抜けてしまいそうな両足の代わりに、流し台に乗せている両手の腕に力を込めて体重の負担を補う。そこで気がついたのは、ポーラの事を提督が抱き締めているおかげで、彼女の四肢そのものの負担が軽減されているという事だ。
(提督ってえ、いつもポーラの事支えてくれてましたよねえ? 提督のそういうところ大好きですよお?)
ポーラだって最初は、せめて一度だけと思い、それきりのつもりだった。だがそれは結局、提督への好意を加速させるだけの結果に終わったのである。だから今こうなっているのだろう。
今回のセックスは提督側が積極的という点で今までと異なる。ジュプジュプと音を立てながらポーラを背後から貫き、Gスポットやポルチオを含む、淫裂のあらゆる弱い部分を突いてこするその快感はポーラの知るそれを更に上書いていった。
微小に痙攣を開始して勝手にポーラの腰がくねり始める。足は相変わらず震えて不安定な上、その内股は提督の剛直を受け止め続ける彼女の肉穴から湧き出る膣粘液にすっかりまみれてしまっていた。そんな肉穴の筋肉は提督の剛直にしがみつこうとするように不規則な収縮を続けている。
「ああああっ!?」
突如としてポーラから甲高い嬌声が上がる。提督が片腕でポーラを抱きしめ続ける一方、もう一方の手でクリトリスを刺激し始めたのである。子宮を含む生殖器官全体を甘美な痺れが駆け巡った。
強すぎる快感に太ももを開閉し、腰どころか上体もくねらせ始めるポーラ。
「これ、危ないですう! ポーラ、もう……!」
一気に湧き上がる絶頂の予感。すると、
「俺も出そうなんだ!」
と言う提督の苦しげな声が聞こえた。実は提督もポーラの膣内に挿入した状態で腰を振りながらも、その感覚が強烈で力が抜けそうな錯覚を覚えていたのである。ましてや今日の彼女の盛り上がり方はいつも以上だ。そんな状況に置かれてしまい、ポーラ同様にこれまでよりも興奮していた提督も既に限界が近づいていたのである。相変わらずペニスをこそぐような感覚に耐えていると、腹の奥深くで痛覚に似た疼きが広がり始めた。もう射精を止める術は無いだろう。
「……出るっ!!」
提督がそう言ってポーラに腰を押し付けると、
「ああああーーーーーっ!!」
とポーラもまた背をのけ反らせてエクスタシーに達した。彼女の膣内では、その筋肉が絶頂によってもたらされる快感にはしゃぎながらも、まるで咀嚼するように提督の肉棒を締め付けて精液の放出をサポートし、そして放たれた精液は悦びに震える生殖器官各部の助けを得て子宮内部へと流れ込んでいった。
「はあー……はあー……」
提督の射精はこれまでよりも長く、量も多かったが、それが収束しても宙を向きながら陶然としているのがポーラである。絶頂が強すぎたのか、その余韻から脱し切れていないようだ。
提督はポーラを抱きしめる腕に力を込めた。
「う、あ……」
体重を提督に預けるようにしたポーラはゆっくりと振り返った。その表情は柔らかい笑顔である。
「えへへ、提督とするエッチ、どんどん気持ち良くなってますう」
提督はそんな彼女に更にもう一度口付けた。
提督が入浴を済ませて出てくると、ポーラが何やらスマホを片手に通話をしていた。ちなみに、ポーラは提督の前に入浴を済ませている。
「はい、提督からしてくれましたあ。すっごく、ものすごおーく気持ち良くてえ……」
その内容は明らかに先程のセックスについてだ。通話相手は誰なのか。
「あー、提督戻って来ちゃいましたあ。はーい、また後でー」
のんびりと通話を切るポーラ。
「……人に軽々しく話していい内容じゃないぞ?」
座った後、難しそうな表情を浮かべて言う提督だが、ポーラは大して気にしていないらしい。
「ザラ姉様から報告するように言われてたのでえ、それで連絡取ってただけですう」
「……へ?」
いきなりポーラの姉の名前が出てきたので唖然とする。どうやらザラは提督とポーラの関係を知っているらしい。
「ザラに料理教わってたって言ってたよな? それって……」
「はい、確実に落としたいなら身体張るだけじゃなくて相手の胃袋を掴んで落とせって言われちゃいましてえ」
「なんだよそれよお……」
思わずうなだれてしまう。まさか姉妹がグルだったとは。そんな提督にポーラがもたれかかってきて、相手の顔を覗き込むようにしながら、こう言う。
「やっぱり提督にとってのポーラってえ、おイタでエッチするだけの相手ですかあ? 本気にはなれませんかあ? 前も言いましたけどお、ポーラは本気なんですう。すごくすごーく本気なんですう」
流石にここまできてポーラの行動の一切が冗談とは考えづらい。少なくとも提督はそう思った。
「ザラ姉様は『提督は奥手だからどんどん押していかないとダメだ』って言ってましたあ。でもお、あんまりしつこくて嫌われるのはいやですう。すぐに答えてなんて言いません」
そう言葉を続けるポーラの体温が暖かく、心地良い。そんな彼女は更に言葉を紡ぐ。
「エッチしてご飯一緒に食べて、だけでもいいですよお? あ、たまにはお酒も飲みたいですう」
この段階でようやくポーラは提督から離れた。
ポーラは持ち込んだ荷物の整理をするつもりのようだ。今日も泊まるつもりでいるらしいので別にそこは不思議ではない。だが、そんな彼女を見つめる提督はこんな事を考えていた。
(最初の時おイタって言われたのにその後でいきなり本気って言われたんだよなあ……)
提督にとって不可解な現象であった。更に、もう一つあった疑問をポーラにぶつけた。
「なあ、何で一度目の時俺を誘ったんだ?」
自分に背を向けるポーラの動きが一瞬だけ止まったが、すぐにこんな回答を戻してきた。
「……お酒の代わりになるかなあって」
どういう事か分かんねえぞそれ、という呆れたような提督の声を背中で聞きながら、ポーラは誰にも聞こえない声量で呟いた。
「だってえ、お嫁さんになりたい気持ち、我慢出来なかったなんて言えないじゃないですかあ」
大人気ないですけど、とも呟いてクスリと笑ったポーラは今日の為に持ち込んだ荷物の整理を再開した。
結局、その後もポーラが提督の自宅を頻繁に訪れるのは変わっていない。変わったのは、何故か提督の自宅に置かれるポーラの私物が増えてきている点だ。
また、ポーラの飲酒の習慣も復活したが、その量は以前と比べると一気に減った。ただし、飲まない日は高確率で提督を誘惑してセックスにもつれ込むという謎の傾向が見受けられるようになったのだが、その原因は不明である。なお、提督の側からポーラを求めてしまうケースも増えつつある。
ポーラが提督にとって『おイタ』の対象でなくなってしまうのも時間の問題なのだろうか。いや、現状を鑑みるに、もう既に手遅れなのかもしれない。