艦隊これくしょんのR-18な短編作品詰め合わせ 作:dn88k
天城の視界に提督の姿が映った。だいぶ距離があるが、その姿を目で追っていた自分に気付き、慌てて視線を外す。そして、こういう事は控えなければと改めて自分を戒める。
何しろ、彼女には民間人の夫がいるのである。こういったケースの場合、退役を選択する艦娘も多い中、前線に立つ事を許してくれるのは仕事にやりがいを見出している天城にとってありがたい事であった。それだけでも幸運なんだと思い、先程のように提督を眩しげに見つめていた事が発覚して不興を買うのは避けたかった。大体、提督だって妻帯者なのだ。相手を困らせてしまうのは余計にまずい。それでもそっと振り返り、既にその場を立ち去ったのか、提督の姿が見えなくなっていた事にホッとする。
だが、実際に作戦行動を共にしている場合はどうしようも無いだろう。この日は深海棲艦の勢力が展開していないかどうか、そしてその痕跡が新たに見つからないかどうかを艦娘たちが分散しての情報収集に当たっていた。近頃は民間からの緊急連絡もこの周辺ではほとんど無く、収穫が無い事も多いが、かといって手を抜く訳にも行かない。
帰投した全ての艦隊が敵艦の存在等は確認出来なかった事を伝えた。詳細は艦娘各々が報告書にまとめる事になるが、大まかな状況を把握するためか、その場で提督は静かに報告を聞いていた。
提督自身は別に多弁で騒がしいというタイプではない。が、天城が見る彼は、どことなくではあるものの、普段よりも暗い印象を受けた。
(何があったのかしら……)
そばで観察していた天城はある事に気付いた途端、ハッとした。以前の彼ならその左手の薬指に付けていた指輪が見当たらないのだ。
(そんな、まさか……)
恐ろしい想像が頭の中を駆け巡る。
艦娘のほぼ全員が引き上げた後、天城が提督に声をかける。
「あの、提督……」
少々鈍い動きで提督は天城を見た。その目はいまいち虚ろに見える。
「失礼を承知で伺います。あの、薬指の指輪は……?」
そう問われ、天城を無言で見つめた提督は目を伏せて黙っていたが、その内、
「……退けた後に外で一杯付き合ってもらえるか? 鎮守府内部だと、ちょっとな」
と言って、報告内容をメモした紙を片手に執務室へと戻っていった。
その晩、とある居酒屋の個室席で天城は固まっていた。
「子供が出来ないからなんて……」
「向こうが言うには俺のせいだそうだ。別れ話も向こうからでね。お互いに何も払わなかったが、何も残らなかった」
そう言って提督は杯に口を付ける。提督には妻がいる事ぐらいは知っていたが、確かに子が産まれたという話は聞いた事が無い。
「でも、今なら治療という選択だってあるじゃないですか。検査くらいしたんですよね?」
それが当然じゃないのかという思いで天城は聞く。しかし、提督は暗い目つきのまま軽く首を振り、
「いや? 向こうは面倒だって言うし、必要無いの一点張りでね」
と言ってから、更にこうも言った。
「まあ、俺が種無しだったのかもしれないのもそうだが、そもそも愛想尽かされてたんだろう。別れる理由が欲しかったのかもな」
そんな彼は何かを諦めたかのような表情であった。
「そんな……」
この場はもはや澱んで暗い雰囲気が全てを支配していた。天城もそれなりに酒は嗜むが、この日飲んだ酒は粗悪品でも何でもないはずなのに、実に不味かった。
提督と共に不味い酒を飲んでからしばらくしての事だ。所用があって街を歩いていた天城はハッとした。自分の目の前を提督の前妻が横切ったのである。向こうは天城に気づかなかったようだ。実際の所、提督と離婚する前の彼女については元々遠くから見るか、写真で見るかしかした事がないから、向こうが自分の顔を知っているとは考えづらい。
少々気になった天城はそれとなく相手をつけてみることにした。しばらく歩いていると、いきなり尾行の目標が手を振った。そこには全く面識の無い男がいる。
(え、誰?)
気付かれないギリギリのところまで近づく。すると、二人の会話が聞こえてきた。
「別れたばっかだってのに随分楽しそうじゃん」
「だってあの人がいたら堂々と付き合えないでしょう?」
「そりゃそうだ。だけどコッソリ乗り換えてたんだから悪い奴だよなあ」
「そうかしら? 子供でも出来たら違ってたんでしょうけど、あの人ってダメみたいなのよねえ」
その後も会話に耳を澄ませていたが、その内容があまりにも酷く、とうとう聞くに耐えなくなった天城は二人に気付かれる事なくその場から離れた。
どうやら相手は前妻の新しい交際相手のようだ。離婚してそれほど時間がたっていないがやけに親しげだ。いや、提督と別れる前から既に付き合いがあったと考えた方が良かろう。
(何、あの人……!!)
怒りがメラメラと燃え出した。まるで提督は最初から邪魔だったと言わんばかりだ。
が、天城は提督の前妻に怒りを向けている場合ではなかったのかもしれない。
スマートフォンに着信があった。
「あ、はい。大丈夫ですよ、お時間どおりに着くはずですから」
落ち着いた物腰で通話相手に返答をする天城。
「はい。それでは……」
そう言って通話を切った彼女は、
「ちょっと急がないといけないかしら」
と独りごち、早足で歩き始めた。
提督は背後から声をかけられた。そこにいるのは天城。ただし、その身にまとっている雰囲気には流石に提督でも違和感を覚えざるを得ない。ここ数日ほど休んでいたのは彼も知っているから、それと関係があるのだろうか。
「お外で一緒に呑みませんか?」
提督は眉をひそめた。
「あんまり俺と呑むと旦那さんに嫌がられるだろ?」
「その心配は、ありません」
天城は左手を提督に見せた。そこには以前ならあったはずの結婚指輪が無い。
「先日、判を押したんです。もう、あの人にとやかく言われる筋合いなんてありませんから」
その笑顔はほの暗く、クマの浮かんだ彼女の目からは疲れ果てた内面がうかがえた。病的とすら言えたのかもしれない。こんな事は自分だけかと思ったら今度はほとんど間を置かずに天城だ。提督は絶句するしかなかった。
「とりあえず、理由だけ聞いていいか?」
前回とは別の居酒屋の個室席にて二人で飲んでいた。ショックが大きすぎたのか、天城のペースがかなり早い。
「私も、子供が出来なかったんです」
理由も提督と同じであった。実に嫌な偶然である。夫の実家に呼び出され、跡継ぎが出来ない事を理由に夫はおろか、向こうの両親にも離婚を迫られたらしい。結婚してそれなりに時間が経過しているのに子が産まれない事から、天城には密かに不審の目が向けられていたようだ。杯をあおった天城はお猪口を叩きつけるようにテーブルに置いた。
「『うちに
暗く自嘲する天城を見ながら、流石にその言い草は無いだろうと提督は内心怒りを覚えた。
「いくら何でも品の無い……ああすまん。あちらさん方の悪口を俺が言っちゃいかんな」
「いいえ、品が無いというのは同感ですよ。それに、もう縁の無い方々ですし」
提督が自分の受けた仕打ちに対して我が事のように憤っているのが天城には分かった。そんな彼を見てむしろ少しは救われた思いだ。
(惹かれてたのがバレたのかな……)
そう考えたりもしたが、そこで思考を中止した。子を授からなかったのは事実だからだ。難しげな顔を浮かべた提督は、
「ちゃんと原因調べたのか?」
と聞くものの、この辺りも自分と同じような経緯だったようだ。
「いえ」
と天城は俯き気味にまずは言い、そしてこう続けた。
「あの人達は、『お前が悪い』としか言ってませんでしたね」
天城の話を聞いて、自分の前妻もそうだが身勝手なものだと呆れる。視線の先にいる天城は、ヤケのように再度杯をあおっていた。
流石に酔いが回りすぎたようだ。吐き気を催すほどではないが、帰路を歩く天城の足は少々おぼつかない。
しかし、そんな彼女を見て提督は仕方がないと思った。ここまでショッキングな出来事に遭遇したら酒でも飲まないとやっていられないだろう。
「似た者同士と言う事になるかな……いや、お前に失礼か」
「いえ、失礼なんて事はありません」
「別れてスッキリしたような気もしたんですけど、でもやっぱり寂しくて……それで、同じような経験をされている提督をお誘いしたんです」
そう言った天城は腕を組んで来た。提督は無言である。自分と同じ、いや、自分以上に悲惨かもしれない経験をした彼女を放っておくなど良心が痛む。
「提督……」
「うん?」
「慰めて、くれませんか? カラダ、寂しいんです」
「…………」
すり寄るように自分にもたれかかる天城。自分も酔いが回っていたのもあるだろうが、境遇が似ている相手をここで袖にする程、彼は冷酷になどなれなかった。
元妻の出て行った自宅はがらんとしたものである。その寝室で下着姿になっている天城を抱きしめると、彼女は音も立てずに泣き出した。当然だという思いがあるが、何が出来る訳でもない提督は黙って彼女を抱きしめ続ける。
やがて落ち着いたのだろうか、天城は、
「続きを……」
とだけ言った。だから提督はある引き出しを開ける。
(まさかまた使う事になるなんて)
と思いながら、そっとコンドームを取り出した提督の手が押さえられた。天城である。
「……どうした?」
「必要ありませんよ、そんなもの。どうせ、
散々苦悩した果ての諦めなのだろうか、死んだような目をした彼女には自虐的な微笑みが浮かんでいた。
提督によって天城は両頬を手で包むように抑えられ、口付けられる。
「チュプ……ウンン……」
ディープキスに違和感は無い。むしろ強いときめきと共に身体が溶けそうである。天城は提督の背へ回す腕に力を込める。更に続くキスによって身体が熱くなってきた。相手の体に下半身を密着させ、片足を前に出してすり付けるように動く。
「チュ…………あ」
唇を離して初めて天城は自分の行動に気が付いた。口付けに酔いしれて腰を擦り付けるなど初めてである。彼女は気恥ずかしくなった。
「ごめんなさい、私……うんん」
実は提督が彼女の片方の胸を揉んでいたのだ。そこも少しばかり疼きが生じ始めていた。
そんな彼女はそっとベッドに座らされる。ブラのホックが外され、大ぶりで張りのある乳房が姿を表す。
後ろに回った提督は、再び彼女の乳房を揉み始める。それも今度は片方だけでなく両方であった。
「あ……」
提督は横乳の部分から刺激を始めた。
(何これ? くすぐったいような……そうじゃ無いような……)
「嫌だったら、言ってくれ」
提督が言ってくる。
「い、いえ! そんな事は……」
そう答える彼女の息は、「ハアー、ハアー」と、かなり興奮の度合いが高まっている事を感じさせた。
提督が揉んでいくにつれ、痺れるような火照りが乳房に集まってくる。彼が触っているのはその乳房の裾野から中腹の部分。いやらしい動きでマッサージを施され、その山脈全体が疼くような快感を覚えている。
(オッパイがおかしい……おかしいの……!)
快感がバスト以外にも伝播しているのか、全身をくねらせ、太ももも擦り合わせて喘ぐ天城。彼女は提督から施される乳房への愛撫が強い快感を発生させている事を理解し始めた。
(だめえ……このままじゃ……)
既に興奮で乳輪が隆起し、乳首は硬く勃起してしまっていた。そんな部分を提督は攻略し始めた。
「ぁ、ぅ……」
震えながら快感に耐える。今提督が攻めているのは乳輪の外縁部だ。サラサラと指先で撫でて回し、プックリと膨らんだピンク色の膨張部に徐々に刺激を加え、攻略していく。それから内側へと指を移動させる。
「ん、ん……」
彼女のバストはジンジンとした快感で支配されていた。それまでは我慢していたが、顔に締まりがなくなりつつある。
「きゃうっ!!」
天城は声を上げた。提督の指が突然乳首を摘みだしたのである。すっかりしこったその蕾をコリコリと揉まれ、そこからはこれまで以上の快感が発生した。
「うう〜……くぅ〜……」
必死にバストから発生する快感に耐える天城。既に背中がひくつき始めていた。そこまで来て天城はハッとする。不思議な感覚がバストに宿り始めたのである。これは以前稀に感じた事のある感覚でもあった。
(え? 私、オッパイだけでイっちゃうの……? そんな事って……)
「て、提督! ま、待って、下さい……!」
振り返った天城は必死にそう訴えかけるが、提督は止める様子を見せない。相変わらず絶妙な指使いでバストを刺激し続けるだけだ。
「そんな……そんな……」
乱れつつも深い呼吸を繰り返し、自分に襲いかかる感覚から逃げようがない事を悟る。
「そんな、オッパイでなんて……ヤダヤダヤダッ……ヤダァーーー!!」
天城の身体が跳ねた。ビクッ、ビクッと全身が一定のスパンをおいて痙攣する。
提督にバストを掴まれたまま、背を預けるように彼にもたれかかる。彼女の後頭部が提督の肩に乗るような姿勢になった。
(本当にオッパイで、イっちゃうなんて……)
天城が落ち着いたのを見計らって、彼女の頭を撫でながら提督は、
「大丈夫か?」
とだけ、聞く。
「えっと、大丈夫では、あるんですけど……」
天城はボンヤリとしてしまっている。
「ココでイくのなんて、初めてでしたから……」
「そうだったのか。辛くはなかったか?」
「はい、それは大丈夫です。えっと、それでなんですけど……」
気まずそうに天城は提督の方へと再び振り返る。
「ん? どうした?」
「気分を害したら申し訳ないんですが、こういうの、前の奥様は嫌がったんですか?」
「ああ……アイツはそもそもこういったの全般が好きじゃなくてな。子供さえ出来ればそれでいいぐらいのつもりだったみたいだ」
と、苦笑いしながら提督は言った。
「そ、そうでしたか……」
引き攣ったような表情をした天城はそう相槌を打つのが精一杯だった。
(勿体ないなあ……)
何せ、自分は既にたっぷりと癒してもらっているのだ。身体の浮き上がるような悦楽を覚え、もっと提督が欲しくなっている。そんな体を持つ自分はむしろ運がいいのかも、そんな風に天城は思い始めた。
「続き、するか?」
「はい、お願いします」
天城は仰向けに寝そべる。豊かなバストはもちろん、全体的な体型も整っていて美しい。そんな彼女は恥ずかしげながらも、これから起きる事を待ち望んでいるかのようにも見える。
ショーツを観察すると、既に割れ目が当たっている部分にはシミが出来ていた。
「濡れてるな」
「あ、もう。嫌ですよお」
天城は抗議するが、その声色には微妙な甘さがあった。提督はそんな彼女のショーツをそっと脱がしていく。
露出された股間の表面が染み出した粘液で覆われていた。その蜜裂は期待しているかのように扇情的な動きで入口をくねらせている。
提督はそこに柔らかく指を添えた。
「ん……」
天城から小さく声が漏れる。愛液を指にまぶし、ゆっくりと陰唇を撫で上げた。それだけでも天城の身体は軽くひくつく。
「痛くはなさそうだな」
「はい。気持ちいい、です」
天城は恥ずかしげながらも笑顔であった。そのクレバスはますます愛液を滴らせ、刺激を求めているかのようでもある。そんな場所に提督は指を一本、ゆっくりと差し込んだ。
「ん、ぅぅ……」
天城の内部は指でも分かる熱さだ。粘液まみれの肉洞に向かって、指を丁寧に出し入れしていたが、やがて指を曲げて膣壁の各部分を揉むようにかき回す。
「ぁー……ぁ、ぁ」
声と共に膣壁もキュッと指を締め付けた。更にそのまま指を深く入れて弄り回していると、天城の身体が一瞬だけ大きく跳ねた。
「きゃう!! ……あ、あの、提督」
提督が視線を上げると天城が困ったような表情をしている。
「どうかしたか?」
「えっと、その……」
顔を赤くして天城は視線を逸らす。
「その、ですね……」
「ああ」
天城は何やらモジモジとしている。
「寂しい、です……。ですから、その……」
「うん?」
しばらくの沈黙の後、天城は、赤くなった顔面を両手で隠し、言った。
「その……挿れて下さい!」
提督にしてみればそんな彼女も可愛らしいと思える。
仰向けに横たわる天城の両足を少しばかり広げさせ、提督はその間に自身の体を割り込ませた。そして自分の業物の切先をそっと天城の潤み切った淫門にあて、彼女を見る。天城は微笑みを浮かべながらコクリとうなずいた。
半ば開きかけている彼女の割れ目を亀頭でゆっくりと確実に押し開き、肉棒全体をジワジワと天城の蜜裂に埋め込んでいく。
「あああ……ああー……」
すっかり欲しがりになってしまっていた女陰へと、待ち望んだ提督の勃起が挿入ってくる感覚に天城は安堵する。それと共に、その膣壁をこすられ、圧迫される快感に心地良さを覚えた。
提督の、太く長い剛直は天城の膣の行き止まりに到達する。
「熱い……」
天城の下半身に提督の熱塊が見事にはまり込み、甘く押し広げられるような感覚も覚える。
(奥も、ジンジンしてる……)
天城が目を上げると、提督が彼女の顔を覗き込んでいた。
「続けても大丈夫かな?」
そう問われて、天城はうなずき、
「はい、大丈夫です。とっても、気持ちいいですよ?」
と言いながら提督を抱きしめた。
「そうか……」
と、呟いた提督は腰をゆっくりと円運動をするように動かし始めた。
「あっ、回さない、でえ……!」
熱い提督の肉柱で膣壁が揉みほぐされ、ポルチオもまた捏ね回される。染み渡るような快楽に反応して、天城の蜜裂はまたもじわりと蜜を分泌した。
「ねえ、キスして下さい! キスゥ!」
たまらなくなった天城は提督の唇が欲しくなった。すぐに提督はリクエストに応え、お互いに舌でもまぐわい合う。その間も提督の剛直は緩やかに彼女の肉洞を揉みほぐしていた。
(私こんなに包まれて……蕩けそう……)
天城が穏やかな悦楽に酔っていると、下半身からは更に痺れるような快感が走った。上体を少しだけ起こした提督がその恥骨を彼女のクリトリスに押し付け、圧迫するようにして刺激していたのである。更には、膣内への肉棒によるマッサージも忘れていない。
「きゃう! はああ、うう……!」
悶える天城だが、その時点で自分の肉体が思わぬ反応を起こし始めている事に気付いた。
「あ、ま、待って下さい! 何だか私、もうイっちゃう……!」
天城は焦るものの、提督は落ち着いていて、
「構う事はないだろ。安心してイっていい」
とだけ言う。
「ええっ!? でも、でもおっ!!」
首を横に振る天城だが、彼女の下半身を溶かしてしまうかのような提督の腰使いは止まらない。だから天城は確実に生殖器へと蓄積されていく快感にとうとう耐えきれなくなり、アクメに達した。
「んううううっ!! うんっ!! うううっ!!」
シーツを掴んでいた天城の腰が跳ねるようにひくついた。その蜜壺もそれと同期して、キュ、キュ、と提督のペニスを締め付ける。
絶頂が落ち着いて深呼吸を繰り返している天城の頭を提督が優しく撫でていた。その内、天城の視線が提督を向いた。
「提督が出してないですよ……」
そんな彼女は寂しそうだ。
「私だけ気持ちいいなんて、嫌です」
自分の身体で射精して欲しいようだ。そんな健気な天城がより愛おしいと感じる。何より、これまで膣に埋められていた樹茎は十分に刺激を受けていて、提督にしても存分に吐き出したくなってしまっていた。
「じゃあ、動くぞ?」
「はい!」
嬉しそうな天城の返答に応じるかのように提督は腰を振り始めた。小気味良いテンポで敏感になってしまった蜜穴に出し入れが行われる。
二人の結合部は、ジュップジュップとリズミカルな音を立てている。その皮膚を滴り落ちる粘液はすっかり白く濁っていて、天城がいかに興奮しているかを示していた。長いストロークのピストンはすっかり感度の上がった蜜壁を擦り上げて撹拌し、同じく敏感になってしまった奥をもトスントスンと柔らかく潜り込むようにノックを繰り返した。
「あっ!! あっ!! あっ!!」
快楽のあまりのけ反り気味の天城はそれでも提督の体へと懸命にしがみついている。行為中にも関わらず、今までにない温もりを感じてしまい、それを手放したくなかった。
「もう一度っ!! お願いっ!! もう一度、キスッ!!」
反応を示した提督に対して、今度は自分から口付けた。相手の舌をも吸って酸欠になっているのか、意識がはっきりしなくなってくる。
(奥もコリコリされて……身体が全部、熱いのお……)
またも自分の肉体が絶頂へと追い詰められそうな予感を覚え、余裕などとうに失っている事を実感する。
余裕が無いのは提督も同じだ。天城の蜜壺は巧みに提督の肉茎に吸い付き、動けばザラリとした感触と共に刺激の強い快感を与えてくる。蟻の門渡りにも痺れが走り、気を抜けばピストン運動をやめてしまいそうになる。止めるまではいかなくても、ペースを抑えなければ一気に果てそうだ。こんなに気持ちの良い女体があるとは、と内心驚くと共に、自分もますます興奮している事を自覚し、天城の唇から伸びる舌を自分の舌で絡め取る。
抱きつく天城の力がますます強くなった。下半身の背後にも彼女の足が回り込み、奥に出される事を望んでいるようだ。
「出るぞ、お前の中で!」
「はい、奥にください!」
そう言って天城はまたも提督の唇を奪う。提督は腰を振るペースを上げて、そこから一気に精液が込み上げてくる感覚を察知すると、天城の蜜裂の奥深くまで限界に達した剛直を突き込んだ。
次の瞬間、提督の業物は決壊し、飛び出してくる精液は天城の行き止まりへと叩きつけられた、
「〜〜〜〜〜っ!!」
天城もタイミングを同じくしてエクスタシーに達する。今までよりも数段階上の快感に襲われ、提督に抱きついたまま肉体が痙攣を起こす。膣肉の締まりも強烈で、提督から噴射される特濃の精液を受け止めた胎内はうごめき、子宮へとそれを飲み込ませていく。
(提督が、出してくれてる……お腹が、悦んじゃってる……)
提督とのキスをようやく止めた天城は、少しだけ彼の表情をのぼせたような笑顔で見つめていたが、すぐに、
「このまま、繋がったままでいさせて下さい……」
と言い、再び彼に抱きついた。
(こんなに優しくて幸せなセックス、初めて……)
抱きつかれた提督には見る事が出来なかったが、当初の暗さが嘘のように、天城の顔には穏やかな笑みが浮かんでいた。
二人の関係はこれ一度では終わらなかった。それどころかどちらも終えるつもりなど無かったろう。
傷の舐め合いのような関係だったはずだが、元々お互いに良く知った間柄だった上、提督にとっても天城にとってもお互いがこれまでの交合では得られないような悦楽と安心感、そして暖かさを覚える相手だったようだ。当初の傷心が癒えて行くと同時に、その満たされるような性行為に、二人とも溺れるようにはまっていった。
だからなのか、今となってはやたらと天城の距離感が近いし、提督もそれを不快がる事はなかった。だからこんな事だって起こる。
「あの、提督……」
「うん?」
「ご飯、作りに行ってもいいですか? それともこちらへいらっしゃいますか?」
天城が頬を染めつつ言う。もはや前の夫ではなく、提督が彼女の視界の中心にある。提督にしても天城相手では断る気になど到底なれなかった。そしていざ食事を終えれば天城自身が全力で甘えてくる。あとはお察しである。
更に、彼女はわざと提督の視界に入るような場所に立つケースも見受けられるようになった。背を向けた彼女は顔を横に向けて視線を提督に向け、そっと横髪を撫でる。彼女なりのお誘いの合図だ。更には、二人きりになると、
「精の付く物、ご用意しますね?」
と耳元で囁く事さえある。その際に見る彼女の顔には妖艶さが漂い、提督はつい、
(眠れるかな、俺……)
と心の中で独りごちてしまう。それくらい天城は積極性を増しつつあった。
今や、彼女は淫らさを開花させていっているように思えてならない。が、それを悪くは思えない。淫らな彼女も愛らしく思えてきて仕方がないのだ。今の天城がこれならば、彼女の前夫が見ていた天城は果たして何だったのか、その点が気にならないでも無かったが、無粋であると思った提督はその手の思考を封じた。
一方の天城は日々の生活において以前ならあり得ないような充実感を覚えるようになっていた。仮に前夫と別れなかったらこんな生活を送れただろうか。
(子供が作れないのは仕方が無いけど、この人さえいれば……)
彼女は浮ついた気持ちでキッチンに立った。
そんな日々が続いてから数ヶ月が経過した。提督にそっと声をかけてくる者がいる。この声はと思い、その方向を見ると、そこにいたのはやはり天城であった。
「調子が悪いのなら無理して出てくる必要はないぞ?」
ここ数日、彼女は体調の優れない日が続いており、この日の前日は休みを取っていたのである。
「それどころじゃないんです!」
「……?」
天城は提督を人目のつかない所へ連れて行った。そして後方にいる提督の方へと振り返り、愛おしそうに下腹部を撫でながら、言う。
「……
これ程提督を驚かせた言葉もそうそう無かったろう。
「!? 俺達、どっちもダメって話じゃなかったのか!?」
「そうなんですけど、お医者さんに診てもらったら『間違いない』って……」
二人にとっては信じ難い事であった。どちらも子が作れない体質なはずなのだ。以前の妻や夫と離婚せざるを得なかったのもそれが理由なのである。
「それで、どうしましょう?」
「そんなの、責任を取って育てるしか無いだろうよ」
提督は何かを噛み締めるような表情であったが、満更でもなさそうにあっさりと言う。すると、天城も嬉しそうな表情を浮かべて抱きついてくる。
「ありがとう、ございます……」
涙声で言う天城を抱き返し、彼女の頭を撫でる。そして、えらい事になったななどと思いつつも、珍しく浮かれたような気分にさせられてしまった提督であった。
それから更に時間を経て、天城の体は安定期に入った。検査の結果、母子共に健康との事である。
「相変わらず元気みたいですね」
慈しむように自分のお腹をさする天城。
「順調で何よりだ。それにしても俺が父親か……諦めてたんだがなあ」
「私も同じ気持ちです。まさか子供が出来るなんて……」
そこまで来て、提督は独りごちるように、
「しかし、こうなると俺らはどっちも……いや、止めておこう」
と言って軽く首を振った。
「そうですね。言わぬが花、ですよ」
自分達は子を作る事が出来たのだから、問題は結局お互いの元パートナー側にあったと考えざるを得ない。彼らの先が思いやられるが、もはやそれは気にしても仕方のない話であった。
提督は話題を切り替える。
「俺らが籍を入れた時にはもうこの子はいた訳か」
「そうなっちゃいますね。ふふ」
気付いたように言った提督に対して幸せそうに頷く天城。日付を計算すればどう考えても二人の子だし、離婚してからの期間を考えても提督を父としてお腹の子を戸籍に載せる事が出来る。元々二人とも子など出来なくとも入籍は考えていたし、その手続きはとうに済ませていた。とにかく、今回の件はどちらも自分の事を不能と思い込んでいただけに青天の霹靂であった。お互いの存在を自分が喪った諸々の穴埋めに用いる対象として見ていた側面があった事は否定しないが、まさか子供まで出来るとは思っていなかったのである。
病院から戻ってきた二人は穏やかな雰囲気で雑談を交わしていた。
そのうち、天城が照れたように提督に寄り添う。
「それでなんですけど……エッチって、してくれますか? お腹に子供がいるのは分かってるんですけど……」
「今からか?」
「はい……」
寝室のベッドに移動するが、今までとは逆に、コンドームを着用する。胎児に悪影響が出てはいけないからだ。
「産まれても、沢山して下さいね? あんなに気持ちいい経験した事なかったんですから」
「おい、何人産むつもりだ?」
提督は楽しそうだ。
「たくさん、産んじゃうかもしれないですね」
そう呟いて天城は提督の唇を奪った。
「エッチなお母さんになっちゃってごめんなさい」
微笑みを浮かべ、膨らみかけのお腹をさすりながら言う。これはこれから産まれてくる子供と、提督の双方に向けた言葉だったのだろう。
裸体で横向きに寝た天城は期待に満ちた眼差しで提督を見つめていた。そんな彼女の割れ目は既に潤んでいたが、いつも以上に丁寧な前戯のおかげで愛液がトロリとこぼれ落ちる。
「ねえ、あなた……挿れないんですか?」
とうとう天城は甘ったるい声で提督の肉茎を求めた。一時は完全に諦めていた子供を自分に授けた代物である。
提督は無言でその肉茎を握り、そっととろけた彼女の蜜裂に差し込んだ。
「あー……」
幸せそうな声を上げる天城。そんな彼女を提督は優しく抱きかかえ、そしてゆっくりとしたピストン運動を開始した。
(うふふ、本当に何人産んじゃうのかしら……)
背面側位で優しく繰り返される挿入を受け入れ、蕩けた嬌声をあげる天城の表情は幸せそのものであった。