艦隊これくしょんのR-18な短編作品詰め合わせ 作:dn88k
コンコン、とノックを何度か繰り返してみたが、一向に反応はない。筑摩はふうっ、と溜め息をついて、やむを得ないという態度で提督の私室の合鍵を取り出した。
基本的に、提督はきっちりと決まった時間ちょうどに起床するたちである。ところが、大きな作戦が立て続けに発生していたりといった要因で多数の業務が発生した等という場合はその限りではなく、その場合は夜遅くまで仕事にかかりきりという事も多い。そういう事が重なった場合はどうしても艦娘よりも起床時間が遅くなってしまう為、その際には既に起床済みの艦娘が提督を起こすのがこの鎮守府における習慣となっていた。
今日もそういった日であって、この日の提督を起こす係は筑摩だった。
「失礼します……」
事前に渡されていた合鍵を使って提督の私室のドアの鍵を開け、こっそりと侵入する。そそくさと提督の寝ているベッドに近づき、彼の顔を確認する。提督はすうすうと穏やかに寝息を立てていた。
(ああ、何故かしら。和むわね……)
提督の寝顔を見た筑摩は心のどこかがとろけそうな感覚を覚える。ずっと眺めていたいところだが、規則上の起床時間も近づきつつある。心を鬼にして提督を起こさねばならない。そう思って提督の体に被さっているシーツをそっと剥がし、彼の体のある部分を目撃して筑摩はハッとした。
(提督の……勃っちゃってる)
筑摩は思わずドキンとする。話には聞いたことがあった。男性は睡眠時、定期的に男性器に血流を集中させるという生理作用が働き、それが起床直前にも発生し得るという事を。そうか、これが朝立ちというやつか、と納得はしてみても、勃起した男性器を見てドキドキさせられてしまうのは変わらない。それだけではない。筑摩にとって困った事に、すっかり硬くなった提督のそれを見て、自らの股間もまた疼き出していた。
(私がこんなにいやらしかったなんて……)
これ、自動的にエッチな気分になるものなのかしら、とついつい思ってしまう。世間一般の感覚からすれば、男が女性器を見た場合と違い、勃起した男性器を見たからといって興奮する女性がそうそう居る訳でもなさそうなものだが、この鎮守府に所属している艦娘に関してはそうでもないらしい。
この鎮守府は提督と肉体関係を持つ艦娘も複数人いて、筑摩もそういった娘達とは情報交換も兼ねてその辺りの話をする機会も結構多いのだが、中には提督の寝起きを襲ってしまったという娘もいたりする。金剛や摩耶、飛龍といった子は比較的性に対してもオープンな印象を与えるから、本当に積極的なのね、としか思わなかったものの、加賀や神通といった慎ましい印象を与える子までもがやってしまっていたと聞いた時には内心驚いてしまった記憶がある。聞けば、提督の寝姿を見ていたらどうにもいやらしい気分になって止まらなくなってしまい、気づけば提督と結合してしまっていたのだという。違和感を覚えて目を覚ましたらしい提督が驚いていたのは言うまでもない。
(でも、今ならその気持ちもわかるかも……)
目の前で大好きな人が無防備な姿を晒しているのだ。しかも完全な勃起までしていて性交のための準備はOK。じゃあ自分はドキドキしているだけなのかと思い、思い切ってショーツのクロッチ部分を触ってみたところ、グチュリという感触があり、自分の女性器もすっかり潤んだ状態となって準備を整えていたことが分かり少なからず慌てる。だが、それがわかればジンジンという感覚と共に自分の体も性交を望んでいる事までもがはっきりと分かってしまう。
(そうね、生理現象だもの。仕方ないわ)
筑摩は自分にそう言い訳をしながらこっそりと提督のズボンと下着を脱がす。途端にブルンと提督の剛直が天を向いて露わになった。一瞬それを凝視してしまうが、それだけでは目的を達成出来ない。ショーツを片足だけ脱ぎ、提督の上に腰を浮かせた状態でまたがった。この時点で、すでに興奮のために息は荒い。片手で剛直をそっと握ってその角度を調整し、女陰の入り口に亀頭をピタリと当てて、挿入の為の準備を整える。
(提督、ごめんなさい)
筑摩は心の中で謝り、ゆっくりと腰を沈めた。
「ふうううん……!」
片手で口を塞ぎ、どうしても出てしまう喘ぎ声の音量を何とか最小限に抑える。相変わらず提督の剛直に自分の蜜道を貫かれる際の快感は格別だ。
(はああん、気持ちいいっ……!)
お互いの腰が完全な密着状態となれば、提督の先端が膣奥を圧迫して快感を発生させ、更にその部分に筑摩の子宮口が快楽にむせび泣くかのようにキスをしている。繋がっているだけでもこれだけ気持ち良いのだから、即座に腰を激しく振って快楽に没頭してしまいたいという誘惑にかられるが、それでは提督を起こしてしまう。とはいえ提督だって既に起床間近の状態であるはず。いずれにせよ自分が寝起きを襲ってしまっているのはほぼ間違いなくバレる。だったらいっその事開き直って思う存分腰を振ってしまってもいいのではないだろうか。何とも悩ましいものだ。
元々提督のセックスは一方的な物とは程遠い。積極的にコミュニケーションを取るかのような、主導権をまるでキャッチボールでもするかのようにお互いに与え合うセックスを好んでする。だから行為の最中は快感を通じて心までも通い合っているかのように感じてしまう。これが他の艦娘の好みかどうかは分からないものの、他人から何かを受け止めるだけではなく、積極的に他人に何かを与えてみたいという性格の筑摩にとってはまさにベストなスタイルのセックスであった。だから提督とのセックスは行為の回数を重ねるたびにどんどん好きになっていって、今や生活になくてはならないと言っても過言ではない物となっている。筑摩自身の初めての相手は提督だが、もはや彼以外の男に抱かれる自分など想像出来ないし、したくもない。そんなセックスも含めて、自分を優しく温かく包み込んでくれる提督の事も最近はますます好きになってしまっていて、ちょっと自分でも怖いくらいだ。
ところが、現在進行しているセックスはそれまでの物とはまるで異なる。寝ているのだから当然だが、提督が何かを与えるのではなく、自分が一方的に相手を貪っているのだ。今までに経験のないやり方ではあるが、これはこれで実に新鮮であり、非常に興奮させられてしまう。
どうにも激しいピストン運動にはまだ踏み切れない。だから今だに微妙な前後運動のみなのだが、それでももたらされる快感は十分に気持ちが良い。
睡眠の中にあっても快感を覚えているようだ。提督もほんの少しではあるが表情を変えながらたまに呻いている。
(提督ったら、可愛い……!)
荒い息を繰り返しながら、筑摩は提督を見下ろした状態でそう思う。自分は何か新しい性癖に目覚めてしまうのではないか、そんな気さえしてしまう。
そんな事を考えていると、提督が「んんっ」と一瞬呻いた。そしてその瞼をゆっくりと開け、眼をパチパチとさせている。
(ああ、提督が起きてしまった……!)
恐れていた事が現実になった。が、とうにその覚悟を決めていた事もまた事実であった。
「え、筑摩……?」
目の前にいる意外な存在に気づき、目覚めたてで寝ぼけ眼な提督はそう言って、一瞬訳が分からなそうな表情をしたが、ふと周囲を見回して自分が置かれている状況をどうにか確かめると、その身に何が起こっているのかが分かったらしく、
「筑摩ぁ、お前もかよお」
と、苦笑いしながら言った。何しろ自分の寝起きを襲うような淫らな前科者は部下の中に既に何人も居るのだ。今更そんな相手が一人くらい増えたところで慌てるような物でもあるまい。
「申し訳有りません。どうしても我慢出来なくて……」
「そうか……」
(みんなそう言うんだよなあ……)
提督は半覚醒状態の頭でぼんやりとそう考える。提督が目を覚ました事に気づいた際のリアクションもまたどの娘も大体同じなようだ。
「その、キス、してもいいでしょうか?」
「ん……」
唇を重ね、舌を絡めてお互いを味わう。
「はむっ……ちゅぷ……。んはあ、大好きです、提督……」
「ありがとな」
そう言って提督は筑摩の頬を撫でる。今自分が襲われている状況にしたって、相手が自分の事を好きであるが余り、衝動的に行動を起こしてしまった結果であって、悪印象など抱きようがない。
「ああでも、そろそろ時間だなあ?」
と提督が言うと筑摩はハッとして壁にかけられた時計を見た。既に提督が起床していてもおかしくない時間だ。
「やだ、そんな、どうしよう……」
悦楽に浸っていてすっかり時間を忘れていたのだ。すぐにでも行為を中止した方が良いのだが、この感覚をまだ味わっていたいと思ってしまっているのも事実であって、筑摩の中で葛藤が始まっていた。と、その時、
「……っ、ひゃあんっ!!」
下腹部を甘美極まりない衝撃が襲った。筑摩が時計を見ていた隙をついて、提督が彼女の腰を両手で掴んだ状態で突き上げてきたのだ。
「ほら、さっさとイって終わらせちまおう。悪いがみんなも待ってるんだからな」
提督が筑摩の女の中枢部をその熱く太い主砲でもってズンズンと攻撃している。
「ああう、て、ていとく、やめっ……!」
本来騎乗位の状態であり、セックスにおける主導権を握って然るべき筑摩は、しかし提督の執拗で巧みな対空砲火の前になす術などなく、そのひたすら与えられ続ける強烈な快感に悶えるだけの状態となっていた。筑摩の女の部分はそもそも提督しか知らない。だからその体も提督との結合にのみ最適化されていて、一旦提督の攻撃に遭えば与えられる快楽を享受すべく即座にスイッチが入ってしまう。
「いやあん、気持ちいい! 気持ちいいのお!」
「筑摩の体はいい反応するな。いきなり締め付け始めたぞ」
「だって、気持ちよすぎてえ、体が、勝手に……! ああっ、私、おかしくなるう!」
「俺もいるんだから安心しておかしくなれ。……っと、そろそろ出そうだ」
「出してくださあい! 私も、私もイっちゃいますう!」
提督のピストンがいよいよ力強く加速していく。それに応じて筑摩の体も絶頂に向かって追い込まれていく。
「私、イっちゃいます! イっちゃう、イっちゃう、イくううう!」
次の瞬間、筑摩は急に背を仰け反らせ、全身を痙攣させた。
「ああああああっ!」
とうとうアクメの領域に突入した筑摩の肉体。その蜜壺は提督を搾り取るべくギュウギュウとこれまでよりも更に強烈に締め付けてきて、とうとう耐えきれなくなった提督の主砲も精液の噴射を開始し、筑摩の子宮に向かって子種汁を流し込んだ。
「ああっ、てえとくがあ、だしてくれてるう……!」
あまりに気持ちが良いのか、筑摩の呂律がまともに回っていない。その体は相変わらずガクガクと痙攣を続けたままだ。快感が頂点に達したまま降りてきてくれないらしい。
「はあっ……! はあっ……!」
筑摩が落ち着いたのはそれからしばらくしてから。収まるのにいつもより時間を要した気がするが、恐らくはいつもとは異なる非日常的な状況にかなり興奮してしまったのだろう。
「提督、申し訳ありませんでした……」
「気にするなって。俺も気持ちよかったからな」
「あ、ありがとうございます。……そ、そろそろ降りますね。ふう、ん」
自らの肉道から提督の剛物を引き抜く。その途端、自分の愛液と提督の精液を混ぜたものがとろりと溢れてきてしまった。
「ん、ちょ、や、やだあ……」
筑摩は片手の掌で股間を押さえて蜜道の出口を塞ぐ。提督が快感を覚えた証が自らの胎内から流れ出て行くのを放置するのは忍びない。
「ま、とりあえず簡単に掃除だけして着替えよう。とっくに時間も過ぎているからな」
提督が指摘した事で、自分は改めて提督を起こしに来たのであって、セックスをしに来た訳ではない事を筑摩は思い出した。
「そ、そうですね……」
欲望の赴くままに突っ走ってしまった筑摩の顔は真っ赤だった。
その後の筑摩は姉の利根を含めた数名の艦娘にからかわれていた。わざわざ起こしに行った割には妙に時間がかかっていた事からそれについて追及され、情事に没頭していた事を白状せざるを得なくなったのである。
「やはり吾輩の妹であったか。提督の寝姿に欲情してしまうとはのう」
「ね、姉さん!」
「なんじゃ、違う事を言うたかのう?」
「ち、違わないですけど……」
「であろう? 何しろ提督のあの寝姿は堪らんからのう。吾輩とて何度誘惑に負けて襲ってしまった事か……」
戦場では抜群の戦闘能力を発揮する利根もこういった場ではもはや単なるエロ娘である。本来ならそんな姉に対して一言言いたいはずの筑摩も、今朝まさにやらかしてしまったばっかりなので何も言う事が出来ない。
「まあ、気持ちは分かるよ気持ちは。あれ見ちゃったらどうしたってムラムラするって」
と、飛龍がポンポンと筑摩の肩を慰めるように叩いている。
「なんだかんだでテイトク優しいからねー。目が覚めた後もちゃんと相手してくれるし、エヘヘへ……」
金剛もまた自分が襲った時の事を思い出したのかうっとりとしている。
一方、今日の訓練や任務の内容についてチェックをしている提督には摩耶がまとわりついていた。
「で、提督? 今夜のアタシの相手はちゃんとしてくれんだよな?」
「勝手に予約入れてた事にしてんじゃねえよ。今日は流石に股間痛えからそっちは休みてえんだって」
「えー? 何だよそれえ?」
摩耶がブーたれている。
そんな摩耶に一瞥をくれた後、加賀は言った。
「流石に私達も強引過ぎたかもしれないわね。このままだと提督が枯れてしまうわ」
「確かに反省する必要がありますね。ですが欲求に耐えられるかと言われてしまうと……」
神通がふうっと溜息をつく。今までは禁欲的と言える程、性的な事柄には無縁だった分、一度その味を知ってしまえば反動で色欲にまみれた世界にハマるのは一気であった。だから提督の体力と自分の性欲の発散をどう両立させるかで悩んでしまっているのが最近の加賀や神通でなのある。
「ふと思ったんですけど、今の提督の食事のレシピってだいぶ栄養的に物足りないはずなんです。本来ならもっと精力のつくような物を食べて頂くのが良いはずなんですが……」
そう言うのは鳳翔だ。彼女もまた提督とまぐわい、愛欲に溺れるような日々を送っている艦娘の一人である。鎮守府では調理係としての役割を担う機会も多く、その際に提督の食事の内容を見て、栄養バランスに不安を覚えていたらしい。
「そちらの対応は必要ですね。間宮さんや伊良湖さんと相談して提督の食事の内容を見直してもらえますか?」
と、加賀が言った途端、
「ちょっとキミタチあんまり変な事企まないでくれないかなあ!?」
と、それとなく三人の会話が聞こえていたらしい提督が声をかけてきた。
「別に変な事ではありませんよ。提督の体調はもちろん、私たちの士気にも関わってくる事ですから」
と、平然と応答する加賀。
「そこはほら少しは我慢するとかさあ……」
そう提督が言ったところ、
「そんなの無理です!!」
と、三人がユニゾンで力強く即答してきたのだからもはや提督の要請が通る見込みはない。
「提督、頑張れ! 吾輩の問題でもあるのだぞ!」
このタイミングで利根までもが明るく言ってきてしまった。こうなれば、
「へえへ……」
と提督も応じざるを得ない。これに合わせるかのように、
「明石さんにお願いして精力剤を作って貰うというのはいかがでしょう?」
筑摩もがそう言って参戦して来てしまった。確実に自分への包囲網が形成されている事が分かり、流石に不利を悟ったのか、提督も、
「……それじゃあ、頼んどいてくれるか?」
とため息交じりに言うしかなかった。
提督自身にはそれほど自覚がなかったのだが、実は海軍に入隊する前の彼はある意味結構な遊び人でもあり、元々セックスにおける抜群のテクニックの持ち主であった。軍に所属する前は、既に他の異性との交際経験があった一般の女性と交際をしていたが、かつて感じた事のない快楽を与えてくれる提督にその女性はすっかりはまってしまい、べったりとくっつくようになってしまったのである。正式に海軍に入る事になり、いつ死んでしまうか分からない仕事に就く人間に民間人を関わらせる訳にもいかないと考えた為に別れる事にはなったのだが、別れ話を切り出した途端思い切り泣かれてしまった。
一方、他の鎮守府はいざ知らず、この鎮守府に所属している艦娘は男に対する免疫がほとんどなかった。そんな元々はウブな女の子がモテるタイプの上官に遭遇したら恋に落ちるのは不自然ではないし、しかもそんな上官が初体験の相手であり、女泣かせのテクニシャンでもあったりしたらのめり込んでしまうのもまた自然な事と言えよう。他の男との経験もある民間の一般女性がはまってしまうような男に性の手ほどきを受ければ淫乱な女として覚醒してしまうのも無理はないと言えた。
(ま、きっちり責任は取らないとな)
提督はそう思った。この場にいる艦娘達を落としてしまったのは事実だし、セックスの悦びを教えたのもまた事実だ。想定外だったのはどの娘も性的な事柄に関してあまりにも積極的になり過ぎてしまったという事だが、こればかりは事前に予測など出来るはずがない。それでもきっかけを作ってしまったのは自分なんだから、今後もきちんとお勤めは果たさねばなるまい。
提督がそんな事を考えていると摩耶が横からこんな事を言ってきた。
「今夜ダメなら明日の朝でもいいよな?」
「ダメに決まってんだろバカヤロウ!」
「えー、だったらいつならいいんだよ?」
摩耶は実に不満そうだ。今日は筑摩だったが、明日の朝目覚めたら自分にまたがっているのは摩耶という事になりかねない。事前にNGを出してはおいたが、生理的な欲求に由来する物でもあるし、果たしてちゃんと言う事を聞いてくれるのだろうか。というよりも、我慢してくれるんだろうか。ここにいるメンバーの中では最も理性的な部類に入るはずの筑摩までもがやってしまっているのだから、あんまり期待すべきでもないのかもしれない。
(まさかこいつらがここまでエロくなるとは……)
あくまで自業自得の形であるとはいえ、自分を取り巻く艦娘達の予想以上の色ボケぶりに、ちょっとだけうんざりとさせられてしまう提督であった。