※この作品はR-18です。

艦隊これくしょんのR-18な短編作品詰め合わせ   作:dn88k

6 / 22
 提督は彼氏になかなか会えないという嵐からセックスフレンドになるよう求められます。いまいち納得出来ないままその要望に応じますが…。


間違いとは、こんなモノ

「とりあえずさ、俺のセフレやってくんね?」

 いきなりそう言われて唖然とした事だけは覚えている。艦娘がその職務の都合上、ストレスを溜めやすいのは知っているし、そういった行為で解消を図る者がいるのも知っていたが、まさか自分がその解消の為の相手になるとは思いもよらなかったのである。

「……俺?」

「うん」

 不思議そうな表情で聞く提督に対して嵐は無表情で答える。

「何でよ?」

「都合が良いからだよ。ここってお前以外、男いねーじゃん」

 提督の質問に対して冷えた口調で答える嵐。

「こんな場所だろ? 彼氏の方はなかなか会えねえしよお。ヤリたい時にヤレる相手がいないの結構きついんだって」

 嵐は後ろの髪をかきあげるようにして言った。

「でもさ、上官と関係持つって色々と不味くねえか?」

 疑問が解消しきれないといった表情の提督は嵐に対してそう問う。

「別に良いんじゃねえの? 結局、俺がスッキリしたいってだけなんだし。それは司令も同じだろ? 悪い話じゃ無いと思うぜ?」

 クールな表情で嵐はそう答えた。欲求の解消くらいなら問題なかろう、彼女はそう言いたいようだ。

「ん、まあ、そういう事なら……」

 口を微妙に曲げつつ、いまいち納得しきれないといった表情で提督はそう言った。

「……なんかしっくりきてねえみてえだな。何が疑問なんだよ? ピルなら飲んでるぜ?」

「あー、ゴム用意する必要無いのは助かる……ってそうじゃねえよ。いや、俺だってスッキリしてえけどよそりゃ。だけどよ、部下を道具に使ってるみたいでなんかなあっていう……ただでさえ戦場にお前ら投げ込む役目してんだからな、俺な?」

「そんなんお互い様じゃねえ? 俺はこれから司令を道具に使うんだぜ?」

 実に下らないとばかりに嵐は答えた。

「……別にお前がそう言うなら、もう良いけどよ……」

 提督は呆れ返るように言った。

 そんな経緯で始まった二人の関係。その関係が肉体的にも始まった一度目のきっかけは、嵐の「今夜、暇だよな?」の一言であった。そして始まったその最中も、嵐にはちゃんとした彼氏がいた事から提督は気が進まなかったが、「まあ、仕方が無いか」と思い、本人が望んでいるという事を言い訳にそれ以上の思考を凍結した。

 そして提督の私室内に、クチュクチュという音が響く。それと共に聞こえるのは嵐の喘ぎ声だ。

「うあ、ああ……! ヒィ、ん……!」

 提督が嵐の膣に片方の手の指を挿れて丁寧にかき回し、もう片方の手でクリトリスとその近辺をこねていた。

 嵐は首を振りながら両腕で自分の顔を隠し、悲痛な声で言った。

「な、なあ、もう、それ、やんなくていいって……!」

「え、もしかして痛え?」

 心配そうな表情で提督はこう聞くが、実はそうではなかった。

「ち、ちげえよ! それ、やられると……うあああっ!!」

 途端、嵐の背が仰け反り、痙攣が始まった。提督の指を包んでいた膣が強烈な収縮を繰り返していた。それに応じる形で白く濁った粘液が嵐の膣口からこぼれ出て来る。

「あー、なんかすまん……」

 手マンだけで絶頂に達してしまったらしい事を察した提督は素直に謝る。

「だからやんなくていいって言ったのによお……」

 目を潤ませながら荒い息を繰り返しつつ嵐は提督に文句を言った。

「はああ……てかさ、俺だけ? 司令さ、まだ挿れてねーじゃん」

 そう言いつつ彼女が指差す先には提督の硬くなりきった剛直があった。

「んー、挿れるんだけどさ。その前に、キスってしてもいいか?」

 提督はそう聞いてくる。嵐は不思議そうに、

「んー、いいけど。どうして?」

「いや、キスの相手本命だけって子たまにいるからさ」

「何だよ俺がヤリマンみたいな言い方」

「堂々とセフレ募集する女ヤリマンって呼ばなくてなんて呼ぶんだよ」

 そう言いながら提督は嵐と唇を重ねた。すぐにディープキスとなり、嵐はその心地良さに酔った。

(あー、なんかコイツのキスいいなあ……)

 蕩けそうな感覚を味わっていると、突如として下半身に、ズンッ、という衝撃が走った。

「あ……え……?」

 提督から顔を離した嵐が唖然としたような表情で自分の下腹部の方を見ると、彼女の女性器には提督の熱く硬い剛直がその奥深くまで突き刺さっていた。キスの感触に酔いしれている隙を突いて叩き込まれてしまったらしい。

「は、挿入って……る?」

「おう、彼氏ももったいねえな。こんなに良いマンコなのによ」

「……っ! ひっでえ……挿れるなら言えよ……」

 挿入された感覚に耐えつつ、嵐は提督を睨んだ。

「悪かったって。次からはちゃんと言うからよ」

 そう言いながら提督は腰を振り始めた。

「ちょ、これ、すげ……!」

 嵐は提督の熱い砲身によって女陰の奥深くまでかき回され、ひたすら悶える。同時に、形の良いその乳房をも両手でマッサージされ、興奮で硬くなった乳首をしゃぶられてしまう。

「ヒア、あああ、ああっ!」

 嵐にとっては実に久々のセックスであったが、その割には刺激が強すぎたのかもしれない。その強烈な快楽で意識がはっきりしなくなってくる。

「あ、ちょ、やべえっ! 俺、またっ、イクッ……!」

「悪りい、俺も、持たねえっ!」

 提督はそう言って再び嵐にディープキスを仕掛け、それとほぼ同時に膣内射精を開始した。

「んううううっ!!」

 更に嵐もが絶頂に達し、提督の精液が子宮の内部に流れ込んでいく感触を味わいながら、極まった快感を受け止め続けた。

「はあ、はあ……」

 アクメが収束した嵐は深呼吸を繰り返していたが、やがて言った。

「司令さあ、まだ、硬えんだけど?」

 そして、気まずそうに提督も言う。

「んー、正直俺も久々でよ。まあ溜まってたんだろうな。収まんねえ……」

 その剛直は萎える事も無く、いまだ嵐の膣口に突き刺さったままであった。

「だったら、続きしようぜ? お互いご無沙汰なんだしさ」

 嵐はクスリと笑って言う。提督もまた苦笑しつつ、

「じゃあ、頼むわ」

 と言って再び嵐に覆い被さっていった。

 それから1、2時間は経っただろうか、二人は後側位の状態で繋がっていた。すなわち、横向きに寝転がった嵐の背中から提督がぴったりと抱き付く体位だ。激しい動きは出来ないが、体を密着させた状態でまったりとしたくなったのだろう。

「あーこれ、結構良いな……」

 嵐はトロンとした表情で言う。

「まあ、正直言うとよ、俺腰振るの疲れちまってさ」

「おーい、きちんと体力つけとけよぉ。お前本当に軍人かよ?」

 フワリとした笑顔と共に嵐はツッコミを入れる。

「ああ、要反省だよな。まあ、しばらくはこれで我慢してくれな?」

 そう言った提督は嵐の背後から彼女の事をギュッと抱きしめた。下半身で繋がっている事とあわせて、全身を包むような提督の温もりがとても心地よく、嵐は蕩然としてしまう。

「しばらくどころか、ずっとでも良いぜぇ……?」

 嵐はそう言うが、

「ずっとはダメだろ。明日も仕事あんだからよ」

「なんつーか、ロマンっつーかそう言うのねえなあ?」

「セフレなんだから元々ロマンも何もねえだろ」

 そんなやりとりをしながらもセックスは継続され、そして二人の夜は更けていった。

 

 そしてその翌日、嵐は目を覚ましたが、その天井が見覚えの無い物であった事から、彼女の思考に少しばかり混乱が生じた。しかし、そのすぐ後に、提督の私室で彼に抱かれたという記憶がよみがえり、目覚めた光景がいつもと異なる事に合点が行く。

「おー、目え覚めたか?」

 そんな声が聞こえ、首を傾けるとそこにいたのはコーヒーカップを片手にした提督である。その姿は下はちゃんとズボンを履いていたが、上には軽くシャツを羽織っただけという、非常にラフな物であった。嵐は何故かその姿にしばし見入ってしまったが、提督はまだ彼女が寝ぼけているとでも思っているのか、

「朝飯な、トーストでいいか? 何なら目玉焼きくらいは作るが」

 と、嵐にそう聞いてきた。それを見ていた嵐は、

「……じゃあ、半熟で。トーストも忘れんなよ?」

 と、答える。

「三つ? 流石にお前が二つはねえよなあ?」

 冗談めかして言う提督に、

「お前、俺を何だと思ってんだよ。一つでいいよ」

 と言いながら嵐は苦笑いした。

 その朝、嵐が食べた提督の朝食は抜群に旨いと言う訳ではなかったが、決して不味い訳でもなかった。実に穏やかな時間でもあり、嵐にとってはまず経験のした事の無い体験であった。

 そして二人のこんな関係が、しばらくの間続いたのである。

 

 

 ノックの後にドアが開き、嵐が今日発生した戦闘の報告書を片手に執務室に入室して来る。

「終わった」

 とだけ嵐は言うが、提督はそれを気にする事なく、

「ああ、終わった? じゃあ書類チェックするからそれ渡せ?」

 とだけ答える。このやりとりだけ聞けば提督という男は実にファジーかつアバウトな人物であると言えよう。

「……艦隊の損傷とかそっちの心配はしねえんだな……」

 呆れたように嵐は言うが、提督は別に気にする事でもないと思っているらしくこう返す。

「元々お前らが変な怪我するなんて思ってねえよ。怪我するくらい相手がヤバかったら連絡くらいするだろうしな」

「いい加減っつーか、何つーか……」

 呆れたように嵐は提督に報告書を手渡す。提督は速やかにその報告書に目を通し始め、上層部向けの書類としてまとめ始める。嵐はその様子を提督の机の前に置いてあった椅子に座って眺めていた。

(まあ、なんだかんだ言って熱心なんだよなあ、コイツ……)

 椅子の肘掛けに肘をつき、その手の甲に顎を乗せてジッと提督に対する観察を継続する。彼はその間も書類仕事に取り組んでいた。

 そのうち、嵐の下半身が微妙に疼き始め、そこに寂しさを覚えた。それをこらえるために足を組んだ後、彼女はボソリと低いトーンでこう呟く。

「……くっそーコイツ、滅っ茶レイプしてえ……」

「怖えー事言うなよっ! いきなり何だよお前っ!!」

 突然、嵐の呟きを聞いた提督は流石にひっくり返りそうな勢いで顔を上げ、そう言った。その表情も驚愕そのものである。今まで黙って目の前に座っていた部下が、自分の事を真正面から真っ直ぐ見つめながら唐突にそんな不穏な事を口走ったら恐怖感を覚えるのも当然ではある。

「いけねえのかよ、ヤリてえって思っちゃさ?」

 提督から視線を外す事なくそう言う嵐。

「気持ちは分かるがレイプはやめとけ?」

 実に下らなそうな表情になった提督は言い、更にこう聞いた。

「ったく、欲求不満か? 本命の男と別れたって話は聞いたけどよ」

「……それ、青葉情報?」

「そう」

「あんの野郎……まあ、今はいいや。別れた事には変わりねえし」

 実につまらなそうに言う嵐に対して提督は手を振りながら、

「頼むから襲わないでくれな? 今片付けなきゃいけない仕事あんだからこっちは」

 と呆れ顔で返した。

「理由、聞かねえの?」

 不満そうに嵐はそう聞いてくるが、提督は関心が無いようで、

「どうせ俺みたいなセフレがいたのがバレて修羅場ったとかそんなオチだろ?」

 と、再び書類に目を通し始めながら面倒そうに言う。それに対して嵐は微妙に苛立ったような表情で言った。

「違えよ。単純にお前と比べて『コイツ、無いな』って思っただけ」

「……何故に?」

 書類から顔を上げた提督は不審げに聞く。

「なんか安心感与えてくれるっていうかさあ。ものすごく居心地がいいっていうかさあ。ヤってる最中もそういうの感じられんだよな。それ、他の男だとなかったからさ」

 気まずそうに視線を逸らしながら言う嵐。男勝りな性格の彼女だが、どうやら甘えん坊の気があるらしい。表面的な性格がこんなもんだから、向こうは向こうで嵐に包容力を求めていたのかも知れないが、どうもそこに不一致があったのが別れた要因の一つのようだ。

 そして提督の事をチラリと見て、嵐は言う。

「まあ、だから……俺の事、頼むな?」

「ああ? おい、ちょっと待て。それ、本格的にって事か?」

 流石に困惑したかのような表情で提督は言う。それを気にする事もないといった様子で嵐は言った。

「ああ、セフレ扱いはやめだ。本命のつもりで行くからそこだけ分かっとけ」

「いやあ、それは流石に勘弁してくれな?」

 提督はいかにも面倒くさそうな表情である。

「適当な男いくらでも引っかけられんだろお前だったらあ。俺じゃなくて他を当たれよ他をさあ」

 嵐にそんな事をいきなり言われてもどうでもいいと言わんばかりに、提督は気怠げにそうこぼしながら書類に目を戻し、それらのチェックを再開している。そんな態度を取り続けての彼のこの発言に嵐は微妙にカチンと来たらしい。彼女は立ち上がり、デスクの上にある書類を丸めて、

「お前レベルのヤツお手軽に引っかけられんならわざわざこっちからこんな事言ってねえんだよバカヤロウ!」

 と言いながら提督の頭を軽くパコンと叩いた。

「……なんだよ、オイ。出来ねえって事は無えだろ。お前見た目も中身も悪く無いだろうが」

 書類を叩きつけられた部分に手を当てながら、訝しげに提督はそう言った。

「そういう問題じゃねえってんだよ! 欲しいって思ったんだよ! 分かれよ!!」

 嵐は顔を真っ赤にしつつ、そう言い切った。しかし、

「言いたい事言えたか? こっちは残作業まだあんだからよ。とりあえず、一旦部屋から出ろな?」

 こう言ってしまう提督の嵐に対する表情は冷淡なものになっていた。流石にこうなるとどう騒いでも逆効果だろうと感じた嵐は、舌打ちをして大人しく部屋を出る。ただし、

「確かに言いたい事は言ったからな? 忘れんじゃねえぞ?」

 という言葉を添えてである。

 残された提督はため息をつき、作業を再開した。

 

 

 それからはますます嵐の態度がおかしくなった。提督の視界に写る場所に出来る限り自身の姿を置くという、以前であればやらなかったであろう行動を連発するようになったのである。挙げ句の果てには、そっと近づいて来て、「考えてくれてるよな?」等と耳打ちまでしてくる始末だ。それも、「司令が本命」と宣言してから毎日である。その度に適当にあしらうのであるが、コイツはどうしてやろうかと、内心で頭を抱えたくなる状況が続いているという訳だ。

 あしらった後はさっさと嵐と物理的に距離を置いてしまうのが一番良い。いつまでも付き合っていたら何を言い出すか分からないからだ。しかし、毎回その場に放置される嵐にしてみれば、冗談じゃねえ、という気持ちである。そしてそれは心理的な側面としてだけではない。提督の後ろ姿を眺めていた彼女は、突如として歯軋りをしつつ自身の下腹部を片手で押さえ、

「……っく! ……ちっくしょお、いい加減にしろよお……!」

 と、目を潤ませて提督を睨みながら呟いた。女としての身体の奥深くが強烈に疼くのである。しかし、それは提督に向けたものなのか、それとも自分に向けたものなのかは本人にも分からなかった。

 

 

(面倒くせえなあ、もう……)

 提督は心の中で独り言ちた。嵐の件である。

 元々、嵐には本命となる彼氏がちゃんといて、提督自身は彼女の欲求不満の捌け口でしかなかった。本来セフレとはそういったものであろう。提督だって溜まるものは溜まる訳で、その解消に嵐を利用出来る。そして、嵐は嵐で、ストレスの無い状態で任務に臨む事が出来れば、それに集中出来て出撃時にヘマをする可能性は減るだろうという、実務的でドライな理由もあった。

 しかしながら、まさかそんな嵐が提督に本気になってしまうとは思わなかった。ましてや、本来の彼氏と別れてまで、である。別れたらしいという話を聞いた当初は、「どうせどうでもいい理由で変な喧嘩でもしたんだろう」程度にしか思っていなかったが、今にしてみれば自分がいたせいでそうなってしまったとしか思えない。

 だから今の嵐の危険度なんて提督にも容易に分かる。彼女にしてみれば、提督が原因で別れた以上、彼の事を確実に自分のものにしなければその熱情が収まる事など期待しづらいからだ。

 そんな経緯があるものだから、今の提督にとって、嵐への対応はややこしい事この上ない。以前であれば、必要な指示を出し、報告書のやりとりをして、ついでにセックスもする。その程度だ。しかしながら、現在はメスそのものの顔をしながら言い寄ってくる嵐をどうにか言いくるめて追い返し、出来れば嵐に自分の事を諦めさせるというミッションまでもが提督に課せられていた。追い返すだけならまだ良い。しかし、諦めさせるのは現状を見る限りほぼ無理筋である。

 その日の仕事も終わって私室に戻り、上着を脱いで伸びをする。その時、自分の部屋の鍵をかけ忘れていた事に気付いて後ろを振り向くとそこには何故か嵐がいた。

 不適な微笑みを浮かべながら嵐が後ろ手で部屋の鍵を内側から締めてしまった。これで提督は逃げる場所を失った形になる。不審げな表情で提督は聞く。

「……何でお前がここに?」

 それに対して微笑みを絶やす事なく、嵐はこう答える。

「いや? ゆっくりと二人っきりでお話をさせてもらいたくてなあ。悪りいけどストーキングさせてもらったって訳」

 そうは言うものの、そもそも嵐がしたい「お話」の内容なんて分かりきっている。それを提督が断り続けて来たから、痺れを切らした彼女がここまで押しかけて来たと言う事だろう。

「……例の話ならノーだぜ?」

 提督は嵐のしつこさに呆れつつ言う。

「……まあ、そんなこったろうと思ったよ。でもよお、今日の『お話』はちょっとちげえんだよなあ」

 そう言った途端、嵐は提督に一気に近づいて押し倒してしまった。

「ってえなあ……。急になんだよおい!?」

 そう言って相手の方を見た直後、提督の唇は嵐のそれによって塞がれてしまった。彼女の舌が提督の口内に侵入し、かき回す。

 やがて口が離れるとようやく提督の視界に嵐の顔がまともに写った。その表情は上気していて、息も荒い。

「俺が告ってからお前が俺の事やたら避けまくったせいで全っ然ヤってねえよなあ? そろそろ溜まってきちまって洒落んならなくなってきてんだよ」

 その表情には赤みが差しつつも怒りが浮かんでいた。

「最初と話違ってんだからむしろヤったら不味いだろうがよ……」

 提督は嵐を見上げながら言うが、嵐はチッと舌打ちをしてから、

「そんなのテメエが勝手にそう思ってるだけじゃねえかよおっ!!」

 と叫ぶように言った。そして、

「イかせろよ、俺を……。前みたいに激しく抱いて気ぃ失うくらいよがらせてみせろよ……」

 と低い声で言いつつ、震える手でベストを脱ぎ、シャツをはだけさせ始めた。

「……もう、やめる気ねえよな、これ?」

 呆れ顔でそう聞いてくる提督を嵐はキッと睨み、言う。

「たりめーだろ……体が勝手にお前欲しがってんだよこっちはあ。これ以上放っとかれたら……持たねえよ……」

 嵐はそう言って今度は提督のシャツのボタンを外し始める。相変わらず息は荒いままで、提督のシャツにかける手も震えたままだ。どうやら情欲に支配されて冷静さを失っているらしい。

 しばらく提督は黙っていたが、やがて鼻でため息をつき、

「しょうがねえヤツだなホントによお……」

 と言って嵐に手招きした。それを見た彼女はまるで誘導されたかのようにフラリと体を前に倒し、再び唇を重ね、舌を絡め合わせた。

「ンプ、チュプ……クスッ、やっぱ司令のキスすっげえいいわ。これでまずハマるよなあ……」

 起き上がった嵐の顔はすっかり蕩けていた。どうも怒りの方は引っ込めてくれたようだ。そして彼女は片手で提督の股間を撫でる。そこにはすっかり硬くなった彼の一物があった。嵐は提督のズボンのベルトを解き、ファスナーを下ろして剛直本体を露出させる。

「……へっ、ガッチガチに勃ってんじゃねえか。我慢しないで俺抱けばいいのによお……」

 嵐はニヤニヤと笑いながらもいまいち目付きがまともじゃない。怒りを解いたと言うだけで、冷静でない事には変わりがないようだ。

「別に我慢してた訳じゃねーよ。マジんなったお前なんか抱く気になれなかったってだけだ」

 提督のこんな返答に再び腹が立ったらしい。再び険しい目付きになった嵐は叫ぶように、

「ああっ!! そうかよっ!!」

 と言って、ほんの少しだけ立ち上がってから素早く片足だけショーツを脱ぎ、更にこう言った。

「マジんなって悪かったなあっ! テメエがそうじゃねえってんならこっちが勝手にヤるだけなんだよおっ!!」

 そして片手で握った提督のペニスの位置を速やかに自分の膣口に合わせて一気に腰を沈み込ませた。

「ふううううんっ!!」

 途端、提督の耳に嵐の喘ぎ声が聞こえ、そのペニスにも甘美な感覚が走った。

「……っく!」

 一瞬、声が出る。しかしながら、ペニスへの刺激はそれだけではなく、激しい収縮を伴っていた。よくよく嵐を見れば、彼女は背をのけ反らせて「うあああっ!! おおおおおっ!!」と嬌声を上げながら激しく全身を痙攣させていた。

 ようやく嵐が落ち着いた後、提督は聞いた。

「何? 挿れただけでイったの、お前?」

 それに対して溶けたような表情でよだれを垂らしながら嵐は答える。

「そう、だよ……。こっちは欲しくて疼きまくってたんだよぉ……いきなりぶち込んだらイくだろ、そりゃ……」

 そして彼女は再び体を前に倒し、提督の上に上半身を寝そべらせる。

「あー、きもちー……やっと落ち着いたぜ……」

「落ち着いてるように見えねえんだけど。なんでまだ息あがってんだよ?」

 提督は呆れた様子でそう問いかける。そんな彼の問いに、

「うるっせえよ……。久々なんだよこっちはあ……。焦らされたら感度なんて上がるだろうがよ……」

 そう嵐は答えた。焦らしたつもりなんかねえんだけど、と思いつつ、更に聞く。

「……俺が悪いの?」

「じゃなきゃ誰が悪いんだよ?」

 嵐は提督に覆いかぶさり、その顔を覗き込むように言った。

「……まあ、悪いのは俺かもなあ」

 嵐から視線を外した提督は言う。

「だろ?」

 やっと分かったのか、といった表情の嵐。

「初めっからお前のセフレなんて引き受けなきゃ良かったんだよ。じゃなきゃこんな面倒くせえ事になんざなってねえんだからよ」

 この提督の言葉を聞いたその瞬間、嵐はまたもチッと舌打ちをしてゆっくりと起き上がり、

「なあにズレた事言ってんだよ……」

 と、再び険しい表情に戻って言った。

「もう手遅れなんだよ色々とよお……『引き受けなきゃ良かった』だあ? 告らせといてヘタれるとかナメてんのかコラッ!!」

 その直後、彼女は激しく腰を振り始め、提督の剛直に思い切り刺激を送り込み始めた。

「おい、ちょっと嵐、お前それやめろっ!!」

 提督は嵐を制止しようとするが、もはや彼女は止められるような状態ではないだろう。

「やめてなんか、やるかよっ! ざけた事ぬかしたバカヤロウの精子なんざ搾り取んなきゃいけねえんだからよ!!」

 そんな嵐も目に涙を浮かべて、「ハアッ! ヒイッ!」と喘ぎ声を上げている。彼女が快感を覚えているのは明らかだが、もっと余裕がないのは提督である。彼女の膣内は実に気持ち良く、流石にこんな形であっても全力で腰を振られたら射精なんてあっという間だ。

「ちょっ、ヤベッ、出る!!」

 提督がそう言った直後、そのペニスは決壊し、白濁液を放出し始めた。しばらく出していなかったせいであろうが、粘度の高い代物である。提督が射精に至った事を感じ取った嵐は腰を密着させ、

「へっ、出てんなあ……ずいぶん気持ち良さそうなツラしちまってるじゃねえか、あー?」

 と言いながらその腰を回すようにこすり付けていた。まるで精液を胎内に馴染ませるような動きである。

「……っ! うっせーよ……」

 提督は再び視線を外しながら言う。嵐はそんな彼の両頬を自身の両手で押さえて正面を向かせ、またも熱い口付けで相手の口腔を犯した後で、

「今日は金玉空っぽになるまでやっからよ? テメエの体に俺の気持ち教え込んでやるよ」

 と宣言し、再び腰を振り始めた。提督は大いに慌てる。

「いや、だからそういうのやめろってのっ!!」

「やめろって言われてやめるバカいねえんだよお!! あー、そういやお前いつも一発じゃ済まねえよなあ!? 今日は何発いけっかなあ!?」

 こうして罵り合う声と、肌のぶつかり合う音と、粘液の滴る音と、そして嬌声とが、夜遅くまで提督の私室に響き渡っていたのであった。

 

 

 翌日、提督は演習の視察に来ていた。その途中からいきなりその横に、そっと嵐が並んでくる。

「……『有り』って事で良いんだよな? 昨日あんだけ俺ん中に出したんだからよ」

 と彼女は聞いた。ギョッとしたような提督は一瞬嵐を見てから再び前を向き、

「んな訳ねえだろ。少なくとも俺にとってもお前にとっても、無しは無しだ。大体、昨日はお前が勝手に乗っかって来たってだけじゃねえかよ」

 と不快そうに答える。提督の方を向いた嵐は実に不満そうだ。

「後半結構ノリノリだったような気もしたんだけどなあ? ……まあ、いいけど。で、なんで無いんだよ? 説明しろよ」

「散々説明しただろうがよお……」

「あんなんじゃ納得出来ないから聞いてんだよ」

 実はこんなやりとりがここ数日、嵐と提督の間で繰り広げられていた。提督は頭をかきつつ、

「もう、これさあ、俺らの基本的なところなんだけどな?」

 と言い、やや大袈裟なジェスチャーを使って嵐に説明する。

「俺、ただの職場の上司よ? そのうち異動で自動的にお別れする人間よ? で、君は艦娘で、ここで戦力としてやっていかなきゃいけない子なのよ? 異動はするかもしれないけど、異動先が同じって事なんて無いのよ? OK?」

 提督はそう言って確認を求めるように嵐に指を向ける。

 実際、軍隊の人間には配置転換というのはついてまわり、一つの基地に留まり続けるというのはまずない。その転属先の候補はそれこそ全国であり、現在の赴任地の近隣で済めば幸運であると考えた方が良い。それは司令官クラスの人間、つまりは提督のような人間であっても例外ではない。

「何の関係があんだ? 異動で離れたらヤっちゃいけねえのかよ?」

 白けたような表情で返答する嵐。

「遠くに行くような人間じゃなくてよお、ちゃんとした相手が近くにいた方がいいだろ? 俺はせいぜい繋ぎなんだからよ。お前にとっちゃ結局こっちはただのセフレにしかなれねえんだからさ、あんま本気にされると困るんだよ」

 複雑そうな表情を浮かべてそう言う提督に対して、嵐は目を細め、発情したメスそのものの表情で近づき、低く、静かな声で言った。

「…………へっ……好きなだけ困ってれば良いじゃねえかよぉ……」

 そして彼女は更に提督との距離をつめ、彼の耳元でこうささやいた。

「大体、『セフレ扱いはやめ』って俺が言ったの忘れた訳じゃねえよなあ……? 少なくともこっちはもう完っ全に本気だぜえ? いい加減テメエなんざ繋ぎでも何でもねえ……遊びでヤってた事せいぜい後悔しろよぉ……」

 更に彼女のささやきは続く。

「俺、抱かれるたびにあんだけ良くなるなんて事なかったぜ……? お前、ヤベえよなあ? 俺じゃなくても確実にどっかで良い女引っ掛けるよなあ? で、お前のご希望通り、お前が俺から逃げてみろよお? いつの間にかお前の隣を俺の知らない女が歩いてんだよ多分。それもベッタリひっつくような感じでよお? そんなのムカつかないで済ませる自信なんかねーんだけど?」

 そう言う嵐はすっかりスイッチが入ってしまっているらしい事ぐらい提督にも分かるものの、だからと言ってこの状態が果たして容認出来るかと言えば、否、なのである。なので、嵐に対してこんな疑問を口にする。

「……最初にセフレとか言い出したヤツがそんな事言っていいのかよ、おい?」

 それに対して嵐からは速やかにこんな返答が戻ってきた。

「心変わりしないなんて言ってねえしなあ」

 嵐の返答は別にちゃぶ台返しという訳では無いが、明らかに当初の想定外だ。

「じゃあ、それを信じた俺は……」

「うん、まあ、バカって事だな。そんなバカ相手に本気になっちまった俺は、大バカって事なんだけど」

 クスクスと笑う嵐。

「もう繋ぎとかあり得ねーから。冗談抜きでマジになった女ナメんじゃねえぞコラ?」

 そう言って提督の顔を覗き込んだ嵐は更に言う。

「あー、どーなるのかなー。これ以上おこぼれだけ預かってりゃいいなんて都合良すぎねえ? この先もコバンザメ続けるつもりかよ?」

 提督は不満気に言った。

「俺はコバンザメで結構なの! プライベートとは別にちゃんとした仕事があるの!」

 だが、こんな理屈などもはや今の嵐に通用するはずもない。

「そういう事言ってもねえ、そっちが嫌でもこっちはコバンザメじゃ食えねえ量食わせたくて仕方ねーからぁ。腹一杯じゃあ済まねえぜぇ? 断ったらどうなるか分かってるよなあ、おい?」

 そんな事を言う嵐の顔がやたらと近い。

「いや、分からねえ。分かりたくもねえ」

 そう言って焦ったように首を振る提督。嵐は更に楽しそうに言う。

「おおっとお……こいつは色々と教育モンだなあ? とりあえず簡単な躾から食らってもらおうかあ?」

 何故か嵐から不穏さを嗅ぎ取った提督は、

「ええっと次の見回り先はあ……」

 と言って、とうとうその場から早足で離脱を始めた。だが、嵐がそれを容認するはずも無い訳で。

「ああっ!? 逃げてんじゃねえぞおコラァ! 女一人本気にさせた責任取りやがれ!!」

「俺のせいじゃねえだろ!! 言い出しっぺテメエだろ!!」

「そんなん理由になんねえんだよお!! いい歳こいてこんなん理屈じゃねえって事も分かんねえのかおめえはあっ!!」

「こっちには理屈がありますから! 管理職特有の監督責任とか色々ありますんでね!?」

「今更そこ考えちゃダメだろうがよ!!」

「ね、僕、間男。一時ファイル。オゥケェイ!?」

「『オゥケェイ!?』じゃねーよっ!! 『間男』じゃないっつーの! もう『本命』なの! 『大本命』だっつーの!! 大体一時ファイルって何だよ!? テープストレージでバックアップ必要なレベルって自覚持てやコラァ!!」

 そんなやりとりをしつつ、嵐は逃亡する提督の事を、彼と同じように早足で追撃し始めたのであった。

 

 

 ちなみに、提督はその後、軍の慣例として別の鎮守府へと異動した。何故か、同時に嵐までもが秘書艦として同じ鎮守府に異動させられるという謎の内容ではあったが。こんな現象が発生してしまった原因について、提督は嵐に心当たりが無いかどうかを聞いてみたが、当の彼女はフッと笑った後、

「……どう思うよ?」

 と、妖艶な表情と共に提督に寄り添いながら聞き返してきた為、何も言えなくなってしまったという。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。