艦隊これくしょんのR-18な短編作品詰め合わせ 作:dn88k
※バトルファック的な要素はありませんのでこの点は何卒ご了承願います。
朧という可愛らしい女の子の初めての相手が自分というのは提督のひそかな自慢であったりする。対して、朧は朧で前々から敬愛していた提督が自分の事を一番大切にしてくれているという事実に想到すると甘ったるい気分にさせられ、他の男の事など考える事もない。
一度肉体関係を結んで以来、暇さえあれば身体を重ねていると言っても別段言い過ぎではないだろう。それくらい朧と提督は、お互いの存在に夢中になっていると言っていい。
そんな二人の関係性にちょっとした変化が生じつつあった。とはいえ、それ自体は別に不穏なものという訳ではない。
提督は快感を覚えつつ、自身にまたがる朧を見つめていた。しかし、その姿を見つめる彼には少しばかりの戸惑いもある。
「ダメ! アタシが気持ち良くなっちゃ、ダメなのにぃ!!」
そう言いながら朧は息を乱し、喘ぎながらも懸命に腰を振って提督のすっかり硬くなった肉棒を自身の蜜壺でしごき続けていた。すっかり紅潮した顔は目を強くつむって何かに耐えるような表情だった。
「辛いなら、無理はしなくていいぞ?」
その姿が心配になった提督が声をかける。
「辛く、なんか、ないですっ!」
相変わらず息を乱したままの朧が腰を振るペースを落とす事なく苦しげに言った。
「提督が気持ち良くならなきゃ、ダメなんですっ!!」
「いや、ちゃんと気持ち良いから……」
本当に無理をするなと言おうとしたところ、
「そういうのじゃダメなんですっ!! 提督を、もっと気持ち良く……」
と朧が苦しげに言い、更にこう続ける。
「絶対、負けません……からあっ!!」
全身をひくつかせながらも更に腰の動きが激しくなった。朧の言う勝ち負けの意味が分からない。
そのうち、彼女の身体が限界を迎えてしまったらしい。
「ええっ!? いやっ! いやああっ!! ああっ!! ああああああっ!!」
背を仰け反らせてオーガズムに達した朧。彼女が持つ美しい造形の腹部は、その内部に格納されている生殖器の甘ったるくも強烈な震えに応じていやらしくうねり、腰全体も痙攣し、仰け反ってその顔こそ見えないものの、年齢に不相応なほど大ぶりな乳房は乳首を興奮で尖らせながら全身の動きに応じて揺れていた。
オーガズムはしばらくの間続いたが、それがようやく落ち着くと、のぼせたようでありながらも、朧は悔しそうな表情で提督を見下ろし、
「……っ! また、先にイカされたあ……」
と、今だ整わない息と共にそんな台詞を吐いた。どうも自分が絶頂する前に提督が射精していないのが不満らしい。提督にすれば何でそこにこだわるのかが分からないのだが、彼女で射精出来ないなどという事は決してない。むしろこれ以上なく興奮を誘う相手が朧なのである。
今度は提督が朧の腰を両手で掴み、下方からの攻撃を開始した。
「あああっ!! それダメっ! やらないでって、言ったのにいっ!!」
そんな悲鳴のような声を上げ、快感に悶える朧。だが提督はどうしても止めたくなかった。朧で達するというのは彼にとってもこれまで経験した中で最も気持ちの良いそれであったからだ。
「……出るっ!」
そう提督が小さくうめいた直後、彼の先端から白濁液が勢いよく飛び出し、朧の奥底を満たしていった。
「ふうううう……熱い、熱いよお……」
腹の奥にある女の証に粘液を注ぎ込まれる朧は蕩然としたままうわ言を呟いていた。
行為が終わった後、朧は頬を紅潮させながらも、不満そうな表情でもあった。
「ええと、俺って何か悪いことした?」
「悪い事というか、アタシばっかり気持ち良くさせられて不公平な気がしてるだけです」
「いや、俺はちゃんと気持ちいいぞ?」
「……」
とうとう朧は膨れっ面を浮かべてそっぽを向いてしまった。
どうも最近の朧、提督を快感まみれにさせたくて仕方がなくなっているようなのだ。しかし経験の差なのか、もしくは朧が敏感すぎるからなのか、彼女が先にオーガズムに達してしまう事が多い。具体的には提督が一回達する間に朧が二回は達する。そしてこの比率を下回る事は余り無い。その言動や態度を鑑みるに、本当なら対等に気持ち良くなるか、一方的に快感を与えてみたいにも関わらず、現実にはその逆なような気がしているらしく、それが悔しいようだ。経験はまだまだ浅いはずなのに既にそれだけの反応が出来るのは彼女に資質があるせいなのかもしれないが、その結果としてどうも変な方向に生来の負けん気が発揮されているように思えてならない。
「『もう無理』って言うくらい気持ち良くなって欲しいのに……」
ふて腐るように寝転がって背中を見せる朧はそんな事を言っていた。十分に良い、と提督にしてみれば言いたいところなのだが、それで納得してくれそうな雰囲気でもなさそうだった。
そんな関係がしばらく続いたある日のことだ。その日、鎮守府の厨房には朧の姿があった。この日は正式にこの鎮守府が発足した記念日という事で、そして自分達がこれまで無事であった事にも感謝するという事と併せて、艦娘達が手作りのお菓子などを作ってお祝いをするのが半ば慣しとなりつつある。
艦娘達の気合の入り方はかなりのもので、朧にしても服装からしてお洒落な喫茶店の店員のような、あるいはお洒落なスイーツのお店のパティシエでもあるかのような服に身を包んだ姿である。元々のルックスも良いし、普段の私服に関しても中々にセンスの良さを感じさせる彼女だが、今の姿も様になっていて実に可憐である。
が、菓子作りに勤しむ彼女自身がどうかというと、いまいちその様子が怪しい。他の艦娘は気付いていないようだが、その顔色は微妙に赤みがさしていて、息もよくよく観察すれば少々乱れている。まれに、ピクリ、とその体が不自然に震える事さえある。
今のところは周囲に気付かれていないが、周りの艦娘達と比べると作業の遅れが次第に目立ち始めていた。
「あれ? 朧が作ってるケーキって、まだ?」
ようやく艦娘の一人が朧の作業の遅れに気付き、声をかけた。
「あ……大丈夫。こういうのにまだ慣れてないだけだと思うから」
そう言う朧の笑顔はぎこちない。しかし、質問を投げかけた艦娘は疑問には感じなかったようだ。
「貴女もお菓子作ったりはするけど、それって結構凝ってるみたいだしね。手伝おうか?」
「いえ、それも大丈夫! 頑張ってみるから!」
朧は悪いと思いつつも、慌てながら断った。
「ん。何かあったら呼んでね? 私は他の場所見てくるから」
その艦娘は朧の熱心さに感心したようだ。そう言って厨房の外へと出て行った。
厨房に残されたのは、朧一人だけである。
「はあ……バレたかと思った」
朧は安堵のため息をつく。
「早く、終わらせないと…………ん」
ケーキ作りに勤しまなければならない彼女の身体が更にもう一度、ピクリと跳ねた。その様子は先程と比べると更に不自然だったが、幸い周りにはもう誰もいない。体に発生している異常に耐えつつ、荒い息を繰り返しながら朧は慎重にケーキ作りを続けた。
「ふ、う。これで、完成……」
朧はそう独りごちた。その眼前にはデコレーションがようやく終わり、後は冷蔵庫で保管するのを待つだけのケーキがあった。
「んぅ……」
またも彼女の身体がピクリと跳ねる。その痙攣は安堵感がもたらしたのかもしれないと感じた彼女は、スカート越しに股間を撫でつつ呟いた。
「やっぱり、失敗だったかな……」
別にケーキの事ではない。むしろ、今彼女が置かれた状況を考えれば、ケーキ作りに失敗してくれていた方がマシだろう。
(あんな嘘、最初についたの誰? 挿れたままならそのうち慣れて何も感じなくなるなんて……)
相変わらずスカート越しに股間を撫でつつ、忌々しい思いと共にそんな事を考える。
実は彼女、ローターを自らの女陰に忍び込ませて駆動させたまま調理を開始し、今現在に至っていたのである。雑誌か何かでたまたまそんな情報に接したのだろう。提督に挿入されるたび、快感によって乱れ狂ってしまう上、それで相手よりも先に絶頂を迎えてしまうのを自らの悪癖とみなしてしまった彼女は、どうにかそれを克服したいと常々思っていたのである。そこで調理中も自分の蜜壺内部に挿れたローターを振動状態にさせてしまえば、快感に慣れてイきづらくなると考えたようだ。発想そのものは突飛であったが、そんな事をしてしまうほどに彼女の悩みは切実だったらしい。
が、その結果はものの見事なまでに逆効果だった。その快感に慣れる事など到底無く、調理中にも関わらず軽い絶頂に到る事もしばしばであった。むしろ、これまで自身の淫道でローターが暴れて続けていた事が仇となり、その感度が上がっているようにさえ感じられた。
「とにかくケーキ、仕舞わなきゃ……」
自分に言い聞かせるように呟き、朧はケーキを皿ごと持ち上げて、冷蔵庫に向かってフラフラと歩き出した。パーティーが開始される時間までは冷蔵庫にケーキを保存しておかなければ傷んでしまう。
「ふ、うう……」
歩んでいる最中も耐えきれずに声が漏れてしまう。ローターを停止させれば済む話だが、今の彼女はその快感に抗えなくなってしまっていたようだ。スイッチを切る事もせずに、ゆっくりと、おぼつかない足取りで何とか前へと進む。歩行の際には左右の太ももが前後するが、それによって発生する股間部の摩擦と蜜肉のうねりさえもが今の彼女には刺激として伝わっているらしい。ただ立っているだけで良かった調理中よりも強い快感が彼女の腰回り全体に発生し、その神経に介入して歩行運動を阻害しようとするばかりか、興奮が全身を巡り始めて股間以外の感度も上がり始めていた。
「はぁー……はぁー……」
息は荒く、交互に動く足の付け根からはいやらしい粘液の音すら聞こえてくるような錯覚さえ覚える。冷蔵庫までの距離はわずかなはずだが、それでも今の朧には遠いものに感じられた。相変わらずローターがその淫らな蜜道を占拠し、無慈悲に暴れ回って彼女の性感をとことん刺激しているせいもあって、いつ絶頂に達してもおかしくない程に彼女の肉体は追い詰められていた。今は辛うじて歩けてはいるが、快感に負けて突然歩行不能になるどころか、いきなりオーガズムを覚えて倒れこんでしまう可能性だってある。そこで物音がすれば不審を覚えた誰かが様子を見にくるかもしれない。
もはや立ち続けられるかどうかも怪しくなっていた朧はどうにか冷蔵庫の前にたどり着いてゆっくりとその扉を開け、慎重にケーキをその空きスペースに仕舞って扉を閉じた。そして、冷蔵庫に背を預け、斜め上を見ながら安堵の表情を浮かべる。万が一自分がオーガズムに達してしまい、ケーキを床に落として壊してしまうという惨事だけはどうしても避けたかった。
「はあ。やっと、終わったあ……」
そう独りごちる。それと同時に自身の下腹部に再び手をやり、提督とのエッチに慣れるのなら別の方法を考えないと、などと思いを巡らせていると、
「朧、大丈夫か?」
と言う声が聞こえた。
ハッとして声のする方向へ目を向けると厨房を覗き込んでいる提督の姿があった。
「え? どうしたんですか?」
「何かお前が調子悪そうだって聞かされてな。様子見に来たんだが……」
実に不安そうな表情の提督。
「い、いいえ。朧は、大丈夫、です……」
内股を擦り合わせながらも、出来る限りの笑顔を浮かべて朧はそう答えた。
「そうか? 立ってるの結構辛そうに見えるんだけど……」
「…………!」
そこで朧はようやく思い出した。彼女は自分の体重を支えるために冷蔵庫に背中を預けたままなのである。何でも無いように装っているが、明らかに挙動不審だ。
「ほ、本当に、大丈夫ですから……んっ!」
慌てて冷蔵庫から離れた朧だが、やはり普通に立っているのも難しかったようだ。股間内部の強烈な疼きに耐えきれずふらりとしてしまい、今度は厨房のテーブルに手をつけて辛うじて立っている状態になってしまった。よくよく思い出せば、ローターのスイッチを切っていない。だから、彼女の蜜肉には相変わらず暴れるローターによって刺激が加えられ続けているのである。
「朧、やっぱダメっぽいぞお前」
いよいよ心配した提督が厨房へと入り、朧に近づいてくる。向こうには悪意が無い事くらい分かっているものの、今の状態で彼に近づかれるのは非常に不味い。
「だ、大丈夫。大丈夫、です……」
片手を厨房のテーブルに置く事で自身の体を支えつつ、焦りながらもふらつく足取りで提督と距離を置くべく後退していく朧。だが、そんな彼女の挙動は側から見てもいかにも怪しかった。
「そんな訳ないだろ」
と言った提督にとうとう追いつかれてしまった。彼は心配そうにその片手を朧の肩に乗せ、顔を近づけて熱でもないかともう一方の手を彼女の額にそっとあてた。
途端、
「あああああああああっ!!」
と、雄叫びのような声を上げて朧の全身が跳ねた。流石に驚いた提督も少しばかり彼女と距離を置く。
提督に触れられるというのは実のところ、朧にとっては大好物と言って良かった。そんな彼女が女陰にローターを仕込んで刺激を受けたままという状態が今まで続いていたのだから、その肉体は発情というレベルなど既に通り越している。そこで提督に接近され、いきなり触れられたらそれは破裂寸前の風船に針を刺すようなものであった。
「ふうう……! くうう……!」
とうとう彼女はそんな甘ったるい声を上げながら、突然訪れた絶頂に耐えるためか、自分の体を両腕で抱きしめるようにして背を思いきりのけぞらせ、蹲踞のように太ももを大きく開きながら座り込んでしまった。
「うっ!! あううっ!!」
腰回りが前後にビクビクと痙攣している。短いスカートからは開かれた太ももの付け根とショーツが覗くが、何故かそのショーツのクロッチ部がベットリと濡れていた。ただし、彼女がこうなってしまった理由は提督にも何となく理解出来た。ショーツの端から何やらコードらしき物が伸びていたのも目で見て分かったからだ。
しばらくして最も強烈な状態こそ脱したようではあるが、今だにオーガズムの余韻は朧の肉体を支配し続けているようだ。彼女は震えて歯を食いしばりながら遠い眼差しでヒイヒイと喘ぐような呼吸を繰り返していた。
「うう……ううう……」
相変わらず足を開き、自分の体を抱きしめるようにしながらひくついて呻き声を漏らし続ける朧に対して提督は聞いた。
「もしかして、ローターとかそういうの仕込んでたりしてたのか?」
ゼエゼエと荒い息を繰り返していた朧は少しの間を置いて、提督の質問に答える。
「は、はい。これで慣れておけば、耐えられるようになるのかなって……」
「努力の方向性完全に間違ってるだろ……」
呆れたように提督は言う。慣れるどころかかえって敏感になっているのが今の彼女の身体だ。それに、例え実践するにしても場所くらいは選んだ方が良さそうなものである。
「とりあえず、それは止めろ?」
「あ、は、はいぃ……」
朧は提督の指示に従って服の中に仕込んでいたコントローラーをおずおずと取り出し、ローターを停止させた。
「はあぁ……はあああぁ……」
大きく開いて膝をついたままの足をそのままに、両手も床につけてすっかりうつむいた朧は肩を上下させて深呼吸を繰り返していた。ローターのもたらす無機質で無慈悲な快感から解放された事で全身の力が抜けてしまったようだ。
「ええと、鍛えてたって事だよな、朧的には」
提督はそう質問する。それに対して朧は、
「は、はい……」
と答えるしかない。
「でも俺的にはやりすぎだと思うんだよな、いくら何でも」
そう提督は言うが、それで朧が納得する訳でもなかった。
「そんな事、ありません……。これだけは提督相手でも、譲れないと言うか」
「俺にエロ方面で負けてる気がするから?」
「はい」
提督にもっと快感を与えたいのだ。その為には提督の与えてくれる快感に応じられるだけの耐性を身につけなくては。そんな朧の様子を眺めていた提督が、
「一つ聞いていいか?」
とだけ、まずは言った。
「はい……」
こんな事をやらかしている艦娘に対して嫌気がさしたとか言い出すのだろうか。朧にはそんな恐怖感が一瞬ながら走った。
「俺はお前に毎回負けてる気がしてるんだけど、それについてはどう思う?」
「えっ!?」
朧は勢い良く俯いた顔をあげた。その表情にあるのは驚愕である。
「いい加減自重しないとなあ、なんて思ってるんだけど、結局はお前が欲しくなる訳。セックス自体の我慢が効かなくなるって時点である意味俺も負けてると思わないか?」
「えっと、気持ち良くなってるのは私ばっかり……」
「俺も気持ち良くなってるぞ。朧相手だからなんだけど」
「え……? え……?」
朧は混乱していた。射精も無しに提督が快感を覚えていたと言うのだ。そんな現象は彼女の想定にはほとんどなかった。
「つー事だからあんまり鍛えられても困る。それでいちいち出すようになったら流石に体が持たねえよ」
苦笑いしながら提督は言う。相手の身体にここまで夢中になるのは朧が初めてなのだとも付け加えた。
「大体、何で自分が先にイったからって負けたって話になるんだよ?」
ここで、提督は以前から抱いていた疑問を口にする。すると、朧は気まずそうに提督から目を逸らした。
「提督が気持ち良くなる時って、出してくれる時だって思ってて。それが出来ないアタシって、気持ち良くないんじゃないかって……」
「こっちも最中が気持ち良いって考えたりはしなかったのか?」
「してなかったんですけど……ええと、それが違うって事なんですか?」
朧が不安そうに聞き返してくる。それに対して提督は苦笑しながら手を横に振り、
「違う違う。もう、そこが違うんだって」
と答えてから、こう続けた。
「イク事だけが気持ち良いんじゃない事くらいお前だって自分の経験で分かってるだろ? それは男も同じなの!」
むしろ、前戯もそこそこな状態なのに、かなり強引な形でいきなり馬乗りになって提督の上で腰を振り始める最近の朧は、色々とないがしろにしているような気がして流石の提督も一言言いたくなってきていたそうだ。
「終わったら終わったで何かつまんなそうにしてるから今まで聞きづらかったんだけどな。いい加減聞いとかないとまずいなとか思ってたらこんな事しててさあ」
既に表情に出す事はやめていたものの、やはり朧の思い込みには呆れていたらしい。
「その、あの、すいませんでした……」
視線を下げた朧はそんな言葉を口にして、提督の顔を見る事が出来なくなっていた。自分勝手な彼女自身の行動の結果として今があるから、ごく自然な反応とは言える。
本当に嫌われたのかも、そんな風に暗い気分でそう思い始めた次の瞬間、提督からは、
「で、お前の言う勝ち負けの話なんだけどさ、俺、もう負けそうなんだけど」
という意外な発言が飛び出した。
「……っ!?」
反射的に、朧は意外さを隠せないといった表情で提督を見つめ返した。
「あー、今ここでヤリたくなってきててな? 本当はまずいんだけど、今のお前見てたら耐えられそうになくってだな……」
提督は照れたような表情を浮かべていた。性欲をこらえきる事を勝ちとすれば、今の提督は確かに負け寸前である。
「朧の事、気持ち悪くないんですか?」
朧にしても提督が欲しいのは山々だが、ここまでの行動に後ろめたさを感じていたのか、そんな言葉を口にする。
「いや? 可愛いとは思うけど」
朧の不安は即座に否定されてしまった。よく見れば、提督の股間が膨らみ切っていて興奮しているらしい事が分かる。どうやら自分の姿を見てこうなってしまったようだ。
場所が場所だけに良くはないが、しかしそれも提督にとっては自然な事なのかもしれない。今、彼の目の前にあるのはあどけなさを残した一人の可憐な女の子の姿だ。ただし、可愛らしい服で隠されてはいるものの、その下に備えているのは性というものに目覚めるだけでは飽き足らず、それに対して極めて貪欲になってしまった極めて蠱惑的な肉体である。そんな肉体はつい先程、不本意とは言え彼に対して極めて淫らで劣情を刺激するような反応を晒した挙句、それによって男を受け入れる準備を既に整えている。
朧の心拍数は一気に上昇してしまった。彼女は提督に挿入される心地良さを十分と言って良い程知っている。とっくにローターは止まっているはずなのに、股間からは新たな粘液が湧き出し始めていた。これからすぐに始まるであろう悦楽を想い、朧は生唾をゴクリと飲み込んだ。
朧が提督の誘導の下にフラフラと立ち上がる。人目につく場所だから脱ぐのはあくまでショーツのみだが、今までの刺激がかなり強烈だったようで、それを脱ぐのもよろめきながらである。その過程で、役目を終えたローターが朧の割れ目から抜け落ち、床に転がった。それにまとわりつく粘液は透明という段階を既に通り越し、白味をおび始めていた。
「もう挿れて良いか? こんなになってるんだしさ」
提督の口調からそこには焦りさえも感じられた。本当に朧が欲しくて仕方が無いようだ。そんな彼を見て無性に嬉しくなった朧は、今だふらつく足取りで少しばかり移動し、業務用食器棚の金属製の扉に両手をあて、両足を少々広げてそのお尻を突き出した。
「その、後ろから、来て欲しいかなって……」
振り向きながら恥ずかしそうに微笑みを浮かべる朧。そんな彼女の姿にいよいよたまらなくなったらしい。提督はズボンのチャックを焦るように下ろして自身のペニスを取り出し、朧のスカートをめくり上げて陰部にその先端を当て次第、一気に奥まで挿入してしまった。
「あああああああっ!!」
朧はその余りにも甘美な感覚に思い切り震え、思わず天を仰いで甲高い声が出てしまう。
「悪りい、いきなりで。あと、声は流石に抑えてくれよな」
「くふ、うう……は、はい……」
しかし、貫かれるだけでこれだけ気持ちが良いのだ。動かれたりしたら場所をわきまえずに乱れまくってしまいそうだ。
「提督……?」
背後から密着したまま動こうとしない提督の事が気になった朧は再び後ろを振り返る。その途端、彼の唇が朧のそれに優しく重なった。
「あ、ん。ん、ん……」
立ちバックで貫かれ、その上半身を強く抱きしめられた朧は提督とのキスを味わう。唇だけでは足りなくなり、次第に舌をも絡ませ始める。
チュル、チュルという音がすると共に、相手の剛直を咥え込む蜜肉は興奮の度合いを増しているようだ。挿入されたそれを締め付ける動きも次第に激しくなり始める。
朧がそんな感覚に酔っていると、今度は下腹部からも新たな感覚が生じ始めた。提督が挿入した肉棒をゆっくりと抜き差しし始めたのだ。
「……ん。はっ。はあぁ……」
淫らな肉壺の内部が緩やかにではあるがこねられてしまう感覚が心地良く、朧は前方の斜め上を向いて、声を抑えるべく片手で自らの口を押さえる。熱塊が内部への侵入を繰り返すペースは控えめながら、それでも朧の性感は一気に上昇していく。
(んん、熱い! 火傷しちゃいそう!)
提督のペニスは朧にとって凶器そのものだ。そんな代物が自身のメスをとしての弱点であるヴァギナに入り込んでその内側をこそいで回るように動き回っている。しかも、その動きは次第にではあるものの激しくなり始めていた。既に十分と言って良い程敏感になってしまっていた朧の胎内はそれからさほど時間を置かずにオーガズムに達してしまった。
「あうううっ! うっ! んううっ!!」
全身を痙攣させる朧。その蜜肉も提督の剛直をまるで咀嚼するように締め付けていた。愛する男の逞しい体に下半身を貫かれたまま、その快感が全身へと広がっていく。
しばらくして絶頂が落ち着くと、朧は再び背後にいる提督の方へと振り返る。ただし、その表情は少女とは思えない程に艶やかで蕩けたようなそれであった。
「また、先にイっちゃいましたあ……」
「まず、そこが嬉しいよな。男って女がイってくれただけで喜ぶ単純な生き物だからさ」
更に、お前がイってる最中はチンコの気持ち良さかなりすごいんだぞ、と提督は付け加えた。
「普通に挿れてる時は?」
息を乱しながらも、朧は提督に問う。
「それも危ないよな。ずっと挿れるだけで楽しんでたいくらいだ」
提督はまだまだ硬い逸物をグッと朧の奥に押し付けた。
「あっ!! んんっ!!」
全身をビクリと反応させ、目と口をきつく閉じ、その快感に耐える。
「そういえば、挿れてくれてるのって、好きです……」
吐息と共に朧は言う。いきり立った相手の欲望に圧迫されている彼女の蜜肉からは疼くような快感が生じ続けている。
「俺も朧に挿れるのは好きだけどな。ま、ここじゃゆっくりしてる余裕はないけど」
そう言って提督は一度自分の剛直を朧の入り口付近まで後退させ、そしてそれを力強く、ズン、と彼女の最奥部に突き込んだ。
「んあぅっ!!」
朧の全身に強い快感が走り、玉突き現象のごとく思わずその口から甘い悲鳴が飛び出た。
どうやら提督が本格的に朧を貪りたくなったらしい。先程までの緩やかなピストン運動ではなく、その剛直をひたすら朧の潤んだ肉壁でこすり、彼女の奥へと体当たりを繰り返すような乱暴なものに変わっていた。
「あ゛っ!! あ゛っ!! あ゛あ゛う゛っ!!」
普段以上に身体が敏感になってしまっている今の朧には、提督の猛烈な攻撃を受けて声を抑えろと言われても無理と言うものだ。どうにか声を抑えようと歯を食いしばろうとするが、それもままならず、鋭い喘ぎ声がこぼれ出る。厨房の食器棚に備えられた金属製の扉も二人の動きに合わせてガタガタと音を立てた。
提督もそんな朧を注意するでもなく、息を荒げながらひたすらに無言で腰を振り続けていた。彼女の身体に夢中で他に意識が向いていないのかもしれない。
食器棚と提督に挟まれる形で、爪先立ちのままロクに身動きも取れない朧。今の彼女に出来る事は極めて熾烈で甘美な刺激を受け止めて悶え続ける事だけだ。提督がもたらす、朧の全身を上方へと突き上げるかのような、激しい攻撃を食らい続ける彼女の女陰はますます悦んでいるようで、ひくつきと共に粘液の分泌さえも増し始めていた。そのいやらしい液体はとうとう朧の蜜壺が蓄える事の出来る許容量を超えて溢れ出し、一部は糸を引いて垂れるように落下を始め、また一部は水滴となって飛び散って行く。
「ぁ゛ぁ゛ーーっ!! あ゛あ゛っ゛!! あ゛ぁ゛ーーーっ゛!!」
朧の声はいよいよ悲痛さのこもったものとなり始めた。絶頂が近いのは自分でも分かったし、今までよりも強烈なものがこの肉体を襲うだろうという確信に近い予感もあって少々怖くもあるが、それで何が出来る訳でもない。狂いそうになる程の快感をただただ受け止め続ける。
すると、突如として朧の全神経は何かが急激に膨らんでいくような感覚を捉え、次の瞬間にはそれが一気に弾けた。
「あああああああっ!! あああああああああああっ!! ああああああああああっ!!」
とうとう強烈なエクスタシーが朧の身体中を駆け巡り始めた。提督の剛直を淫裂で咥え込んだまま、全身を激しく痙攣させる。あまりに朧の動きが激しいからだろう、食器棚がガタつく音も今まで以上に大きくなってしまっていた。
錯乱状態と言っていい朧だが、快楽に酔って激しく狂喜乱舞する自身の生殖器から別の感覚が発生している事にだけは気付いた。明らかに自分のものではない、熱い液体がその奥深い部分に注入され、浸潤するように広がっていたのである。
「ああー……。ぅん。うあぁぁ……」
一度頂点に到達した朧の快感がゆっくりと下降して来る。たどたどしい深呼吸を繰り返しながら、朧は再び提督の方へと顔を向けた。
「今、一緒にイきました?」
「うん、そうみたいだな」
「えへへ、良かった」
提督と同時に絶頂に達するなど初めての経験である。それが朧に喜びと暖かい気持ちをもたらした。
朧が落ち着くのを待って、二人は結合を解いた。衣服も整えるが、愛液まみれになってしまっていたショーツだけはどうしても再び履く気になどなれなかった。冷えた粘液でベトベトな下着など履いたら気持ち悪いに決まっている。厨房に不透明のビニール袋があったのを見つけたから、ローターと共にショーツもそこに仕舞う。
「ほら、パーティー始まるまでに着直して来い」
そう提督は言った。下着を脱ぎ捨てた状態でそんなものに参加するのはいかにもまずい。
「はい。でもそれが終わったら……またお願い出来ますか?」
実に照れ臭そうに朧は言う。何やら物足りないようだ。
「ん、まあ良いけどな」
提督の身体を覚えたおかげですっかり欲しがりな女の子に変貌してしまった朧に対して、提督は苦笑いしながらそう答えた。
「約束ですよ! 提督が気持ち良いのがいけないんですからね?」
楽しそうにそう言って朧は厨房を飛び出していった。一人残された提督は、
「俺も毒されてるよなあ……」
と、独りごちた。今日はパーティーがある日だが、パーティーその物よりも、その後に控えている朧との一晩の方が楽しみになってしまっていたのである。
「うう、垂れてきそう……」
一方、厨房を出て廊下を早足で歩く朧は焦り気味にこう呟いていた。垂れそうなのは当然、彼女の股間内部を満たす粘液である。自らの愛液と提督の精液をたっぷりと蓄える彼女の膣は容量的にほぼ限界と言えた。ノーパンなのだから万が一液体がこぼれ出たら自分達の劣情の証拠が床に垂れ流しになってしまう。本当なら垂れ流し前提でも良いからもう一度、と思ってしまったのだが、生憎ながら今日はもう時間も無い。一刻も早く着替えるために、スカートを抑えながら朧は大慌てで自室に向かうのであった。
パーティーそのものは大いに盛り上がり、鎮守府内に設置されたその会場は実ににぎやかであった。朧自身は他の艦娘達にケーキを切り分けるなどして忙しく動き回っていたが、その最中であってもついその視線を提督に一瞬だけ向けるという行動を抑える事が出来なかった。まるで盗み見るようでもあったが、その際に朧の目が捉える提督は落ち着きを保ちつつ穏やかな笑顔を浮かべて艦娘達と談笑している姿ばかりで、厨房で彼女に見せた欲望の塊のようなそれとは程遠い。
あの時の提督は自分が相手だったからああなってしまっていたのだろうか。そこに思い至った朧の意識は甘酸っぱいような気持ちで満たされ、自然と微笑みが浮かんでしまう。
その一方で朧には反省もある。とにかく自分の身体で射精させてあげれば向こうは満足してくれる。そんな考えが誤解そのものだったのだ。そんな彼女の思考を知った時の提督の呆れ顔を思い出し、朧は内心で苦笑した。
とりあえず、自分と繋がっている時点で提督にとっては十分に心地の良いものらしい。朧はその事を今日の行為で初めて知ったのである。焦って相手の精を搾り取ろうとしなくても良いのは、敏感らしい自分の体質を考えれば安心材料ではある。が、今まではそれ以外の発想など無かったのだから、選択肢そのものは迷いを覚える程に増えているように感じた。
(次は何をしてあげれば……)
とにかく、ただ射精させるだけではダメだ。他の手段も講じなければならない。
そんな事を考えていてふと思い浮かんだのは、今までとは逆に時間をかけて繋がれば、提督はどう感じるかという事だった。朧自身はその事に抵抗など無い。むしろ時間さえ許せばいつまでも触れていたいと思わせる相手が提督である。
そんな思考がどんどんと進んでいき、いつの間にか朧は一日中まぐわい続けてのんびりと過ごす生活を夢想するようになった。
(そういうのって大丈夫、かな……)
そう心の中で呟きながら再度提督を見つめる。そんな朧の眼差しには妖しさが備わっていた。
それから数日が経つ。屋外ではシトシトと降り続く雨がやむ気配も一向に見せず、鬱陶しい程に降り続いていて昼間にもかかわらず薄暗い。そんな中、室内では提督と朧という二人が身体を重ねてダラダラと過ごしているのだから実に怠惰そのものの休日であった。
「何だろうな。お前相手だとすぐに反応するのは」
自分の胸板の上に寝そべる朧に向かって提督は言う。ただ寝そべらせるのではなく、彼女の淫裂にはすっかり硬くなった彼の逞しい男根が根元まで埋まっていた。
「朧以外だとそうじゃなかったんですか?」
「んー、なかったような……。もしかしたら、お前に仕込まれたのかもな」
「ふふ、それって結構嬉しいかも」
そう言いながら朧は提督の裸体を愛おしそうに撫でる。
「さっき思ったんですけど、とりあえず、今の所はこれで良しって事にしようかなあって」
提督にとっては意外な朧の発言。その理由が一向に見えてこない彼は不思議そうに聞く。
「おい、まだ勝ち負けにこだわるのか?」
「そうですよ?」
そう答える朧はフワリとした笑顔でアッサリと答えた。
「何でよ?」
相手の意図が分からない提督は更に聞いた。
「アタシが勝てるようになったら、提督がアタシ自身に夢中になってくれる可能性が上がると思うんです」
「いや、もう十分な気がするんだけど」
実際、提督は既に朧という女の子に魅了されてしまっている。彼女はそんな自分のどこかに不満でも見出しているのだろうか。
「えっと、それについてはまず謝らないといけないですね」
「ん?」
「多分アタシ、提督のこと束縛しまくっちゃいます。提督はそういうの嫌だと思うんですけど、何だかそんな気持ちがどうしても止められなくって……」
意外な事に、どうやら朧は一度好きになった相手をとことん独り占めしないと気が済まないタイプのようだ。ただ、相手に対する思いやりも深いから、同時にその事に罪悪感を覚えるタイプでもあるのだろう。
「聞くけど、今までそういう相手っていなかったのか?」
「いませんでした。提督が初めてです」
朧の提督を見る眼差しは実に熱い。
「お仕事中の提督は仕方ないですけど、それ以外の提督は全部朧が欲しいんです。だから、謝っちゃいます。ごめんなさい」
朧はそう言った後でこう続ける。
「提督の事、嫌な気分にさせたらもっと嫌ですよね? それなら、朧がどんどん気持ち良くさせてあげないとって思ったんです」
自分以外の異性に提督の劣情を帯びた視線が注がれる危険性を可能な限り消し去りたいのだろう。その為に、何が何でも自分の身体を駆使して提督を籠絡させ、自分から視線を外させないようにする。それが彼女の導き出した結論なのである。
「だから俺の事イカせまくりたい、と」
「はい。それでもっともっと夢中になってくれたら、束縛も辛くなくなるかなって」
だからアタシが勝つことはアタシ自身にとってもすごく大事なんです、と朧は言った。確かに、自分の為だけに充足感を与えてくれる女の子がいれば、それを悪く思う男などまずいないだろう。
「何度こっちがイっても、どんどん朧で出してもらわないと。他の子は禁止ですよ?」
そう言って朧は微笑みながら提督の顔を人差し指でツンツンとつついた。
多分、提督が我慢したり他の子に目移りしそうになったりしたとしても、それに気付いた朧があれこれと工夫して彼の事を快楽のドツボに追い込むつもりなのだろう。とっくのとうに、朧は提督専用の女として、提督の意識を自分のみに向けるべく覚醒してしまっていたらしい。他の男だったら自分の身体なんて許す気になど微塵もならないが、提督相手の場合は例外で、貪りたくさえなる。提督の視点から見れば、そんな朧に絡めとられたとも言えるが、そこには彼自身、全く不満はない。
これから提督の体で生み出される精液はそのほぼ全てが、朧の子宮への放出をはじめとした、彼女との行為で費やされることになりそうだ。
「元気ですし、続き、しましょう?」
「そうだな」
朧の提案に乗った提督は挿入を継続したまま彼女を抱きしめて転がり、ポジションの上下を入れ替えた。当然、朧が下になる。
「ええっ!? これだとアタシ、また負けちゃう!」
正常位だから騎乗位と違って朧が反撃に使える手段は少ない。朧は焦ったような表情を浮かべていた。
「何言ってんだ。勝つまで続けるくせに」
朧の本質を悟った提督の発言に対して、彼女はこう反論する。
「違います! 勝っても、ですよお! ふああっ!!」
提督が早くも腰を振り始め、朧が悶えながら喘ぎ声を放ち始めた。
提督は相手を組み敷きながら考えていた。身体の関係を持ってしばらく経つが、飽きが来る様子を微塵も感じさせないこの朧という女の子は一体何者なのだろうか。少なくとも彼にとって出会ったことのないタイプなのは確かだ。元から相性は良いと感じていたが、それでもなお次第に自分の身体が彼女のそれに馴染んで行っているように感じ、そこに終わりが見えそうもないのは何故か。
一見清楚でありながら、小悪魔的な魅力を備える朧がますます可愛らしくなっている気がして仕方がない。むしろ、提督しかその視界におさめなくなっている彼女は、彼に合わせてその肉体や意識の最適化を行っているのかとさえ思える。大人になり切っていないその体の成長はまだまだ続いているが、提督の好みに合うようなリフレッシュも同時並行で行われているようだ。つまり、提督を逃さないためにその精神も肉体も進化を続けているのである。結果として、彼が見る最近の彼女はますます魅惑的になりつつある。飽きが来るとは考えづらい。
恐らくだが、既に彼女は無意識下で自分が備える武器に気付いている。そして、それを彼女自身がハッキリと自覚した時こそ、提督に対する甘美な束縛が完成した時なのだ。
束縛が完成するタイムリミットは誰がどう見ても刻一刻と迫りつつある。ただし、それは何者をも害さない、うるわしい時が改めて刻み始められるのをひたすらに待つという、誰もが待ち焦がれてやまないタイムリミットなのである。