ランス、ヘルマン東北部にてレス一家を乗っ取る。
<LP3年2月>
玄武城の一件から幾ばくかの月日が経った。
ランスは相変わらず奴隷のシィルを従えて気ままに冒険者家業を続けていた。
基本的にランスは滅多にやる気を見せることがない。
そのため苦しい家計をシィルが献身的に支え続けることになる。
そんなある日ランスの所属するキースギルドに一つの依頼が舞い込んだ。
依頼主はヘルマンの東北部の寒村であった。
"村の周辺を跋扈する盗賊たちを退治して欲しい"という依頼である。
ヘルマンは政府の失政によって失業者と犯罪者が増加し、地方の治安が急速に悪化していた。
その村も例に漏れず長い間盗賊による被害に苦しんでいた。
しかし村人達がヘルマン政府の役人に届け出ても一向に相手にしてもらえない。
被害が広がるばかりなのに税は容赦なく取り立てていくのである。
自腹で乏しい蓄えを出し合って冒険者を雇うしかなかった。
ただヘルマンはもともと冒険者のほとんどいない国である。
隣国のリーザスには冒険者が少なからず居るが、敵国の冒険者では間諜である事を疑われる為に入国はまず不可能である。
そこで多数の冒険者が活動している自由都市国家郡に出向くしかない状況であった。
こうしてアイスの街の冒険者ギルドに依頼がやってきたのである。
ヘルマンの寒村からの依頼であって報酬も少ない。
アイスの街からは遠く、しかも季節は冬である。
誰も依頼を受けたがらずキースも困ってしまう。
キースは迷惑をかけてばかりのランスにこの仕事を押し付けることに決めた。
借金の返済とギルドからの排除をちらつかせてランスに無理強いするキース。
当然のことながらランスは話を聞こうともしない。
ランスは寒いのが嫌いだった。
しかしシィルを差し押さえると脅されてしまい、ランスも渋々承諾するしかなくなってしまう。
乗り気でないランスであったがシィルに促されて寒いヘルマンに向けて旅立つことになる。
ヘルマンに到着したランスは瞬く間に依頼を果たしてしまった。
依頼者の村に滞在していたランスは襲い掛かってきた盗賊たちを単身防ぎ止め、逆に全滅させてしまう。
盗賊たちの中で生き残ったのは後にランスの妾妃になるソウル・レスだけであった。
ソウルだけは拿捕するために峰撃ちだった。
もちろんソウルがランスの目に適うほどの野性的な美少女であったからである。
ソウルは強い男が好きであった。
ランスはこれまでソウルが出会ってきた男の中でも飛びぬけて強い。
ソウルにとってランスは理想の男性である。
ソウルはランスに抱かれつつランスを盗賊団に誘おうとする。
ランスが渋るとソウルは自分たちのボスになって欲しいと頼み込む。
ソウルの父がボスであったがソウルは父に強い嫌悪感を抱いており、殺したいほど憎んでいたのである。
盗賊団のボスになるメリットをランスの耳に吹き込んでいくソウル。
だんだんランスもその気になっていった。
ソウルの躰を堪能したランスはソウルの説得を受け入れ、盗賊本体を乗っ取ることを決意する。
シィルとソウルを率いて盗賊のアジトに乗り込むランス。
ランスはシィルの容姿に誘われて現れたボスをいきなりのランスアタックで真っ二つにしてしまう。
あまりのランスの豪快さにソウルの兄であるバウンドも含め唖然として声も出ない盗賊たち。
ソウルが次のボスはランスであることを触れて周ると皆が従ってしまう。
ソウルとバウンドの父親は致命的なまでに人望がなかった。
こうしてランスはヘルマン東北部を活動範囲とするレス一家の盗賊団を乗っ取ってしまった。
アイスの街に戻っても借金とつまらない依頼をこなす日々しかない。
ランスは刺激的な日常を求め始めていた。
状況に流されていた面もあるが、ランスは盗賊団のボスというシチュエーションを嬉々として楽しみだしていた。