リーザス軍、大阪攻略を開始。
8月2日 リーザス城
信長、敦盛を舞い出陣。大阪城にて苛烈な闘いが繰り広げられる。
リーザス軍の第一波を押し戻した信長、お庭番衆に密命を与える。
8月3日 リーザス城
信長、リーザス軍を撃退し続ける。
ランス、五十六と子作りに励む。
8月4日 リーザス城
ランス、JAPANに向かう。
8月5日 大阪
ランス、サテラの助力を得て、信長を討ち取る。織田家滅亡。
ランス、焼け落ちる大阪城から香姫を助け出し、身柄を預かる。
8月6日 大阪
ランス、シィルの居場所を知り、リーザスへ急いで帰還する。
乙女たち、信長の死を知る。
8月7日 リーザス城
佐渡がリーザスへの臣従を拒否。独立勢力として跋扈する。
<LP3年8月1日>
大阪に撤退する信長軍を追いかけるように、リーザスは兵を動かす。
ランスは、JAPAN制圧を短期日に仕上げるために、一気に信長の首を獲る目算をしていた。
そのため、リーザスのほとんどの戦力がJAPANに投入されることになる。
本国の守備は、大量に雇用している傭兵たちを用いることによって維持可能であった。
長崎を発し、山陽道・山陰道を駆け、大阪に向かうリーザス軍。
長崎と大阪の間には、無数の織田方の城や砦が存在する。
しかし、その城の領主や侍たちは、すでにこれまでの戦いで討ち死にを遂げ、守備兵の数は少ない。
それでも、大阪からの援軍を信じて、必死に抵抗しようとする。
だが、援軍は来なかった。
織田軍は、これまでの戦いで多くの将兵を失っている。
最早、織田家には、リーザス軍の大阪侵攻を防ぐだけの余力は残っていない。
大阪の信長は、彼らを見殺しにした。
リーザス軍の進軍経路上にある織田方の城や砦は、次々と攻め落とされていく。
リーザス軍の侵攻の報は、即座に大阪にいる信長の下へと届けられる。
香姫は、父である信長に対して、民のためにリーザスへ降伏することを願う。
だが、信長は、大陸の軍隊はJAPANの民に凄惨な仕打ちを行っていると語り、香姫を騙した。
信長は、戦意高揚のために、嘘を広めていた。
信長の流言では、占領されてしまった長崎の民は、財産は全て没収され、家畜のように扱われていることになっていた。
男は奴隷となり、女は嬲り者にされ、役に立たない老人や子供は殺されてしまっているのである。
近畿以東の民は、この噂を信じ、否が応にもリーザスへの反発を強めていた。
そして、これまで抑圧を受けていた織田家へ、逆に協力するようになっていた。
信長は、香姫の前で、兵に平然と非情な命令を下す。
街道沿いの村の百姓たちに対して、桑や鋤を手に取って侵略軍に立ち向かうように命じたのである。
少しでもリーザス軍の戦力を削ぎ落とし、大阪で迎え撃つための時間を稼ぐためであった。
<LP3年8月2日>
信長の命令どおりに、街道沿いの村々の百姓や民たちはリーザス軍の侵攻を食い止めるべく武装する。
だが、リーザスの大軍の威容を前にするとその意気も霧散する。
怯え、蜘蛛の子を散らすように逃げ散ってしまった。
信長の命令は全く役に立たなかった。
リーザス軍は順調に進軍を続け、山城に入ってJAPANの首都である京を占領する。
リーザス軍入洛の報は即座に信長の下に届けられる。
思っていたよりも早い到着に信長はギラリとその人外の瞳を光らせた。
事ここにいたっては香姫も戦うしかないことを悟る。
信長と兵達の無事を祈る香姫の前で、扇子を取り出して敦盛を舞う信長。
かつて桶狭間の合戦で今川義元を討ち取ったときも、信長は出陣に際して敦盛を舞った。
再び桶狭間の再現をするべく信長は舞踊る。
人間五十年、下天のうちをくらぶれば、夢幻の如くなり・・・。
信長、この年すでに49歳。
奇妙な符合であった。
大阪城はJAPANで一番の難攻不落を誇る巨城である。
もとは本願寺の坊主達の本拠地であった土地である。
信長は坊主達を殺して自分の居城である城を作った。
織田家の権力の象徴とも言える城である。
信長は織田家の有する兵力を全て大阪城に集めていた。
各郭にはそれぞれの主将が篭り、万全の体制でリーザス軍を迎え撃つ。
このときの主だった将は前田のべる・明智大人・多田鷲などであった。
リーザス軍は総大将バレスの下、大阪城を完全に包囲する。
降伏勧告はない。
火の出るような勢いで攻め立て始める。
大阪の合戦はJAPANの全ての民の耳目を集める一大決戦となる。
大阪城まで攻め込まれたとは言え、まだJAPAN東部は織田家の支配下にある。
東国の諸将は大阪を救うべく、大阪を包囲するリーザス軍を背後から襲うべきであった。
しかし、織田家はもともと恐怖政治で各地の大名たちを支配してきた。
そのため東国の大名たちの織田家への忠誠心は低かった。
そしてリーザス軍の物量の多さはJAPANの民を震え上がらせていた。
リーザス軍の軍備の強大さを伝え聞いた東国の諸将たちを様子見に走らせてしまう。
信長は独力でリーザス軍を打ち破らなければならない状況に追い込まれていた。
リーザス軍の攻撃は苛烈を極めた。
初日の戦いで前田のべるが討ち死を遂げた。
それでも織田軍はなんとかリーザス軍の第一陣を押し戻すことに成功する。
夜となり、一時的に戦闘を停止する両軍。
戦場で指揮を取っていた信長は本丸に戻り酒を飲み続けていた。
香姫は激しい戦いであったことを聞き、父の無事に安堵する。
毛唐の兵に自分がやられるわけはないと、娘を安心させようと剛毅に笑う信長。
しかし、歯向かう敵を全て返り討ちにすると嘯く信長に対して香姫の胸中は複雑であった。
信長を守るために何十人もの家臣が命を落としていることを考えれば、素直に喜べるものではなかった。
すでに夜も更けており、香姫を休ませようとする信長。
香姫も素直にその言葉に従った。
部屋から退出し、襖を閉める香姫。
一人となった信長は杯を空け、天井に向かって声をかける。
このときすでに信長の顔は香姫の父ではなく魔人として恐れられる武将のそれとなっていた。
リーザスの攻勢の第一波を跳ね返した信長ではあったが、同時にリーザス軍の覚悟を知るところとなる。
リーザス軍は大量の兵を投入し、何が何でも短期日に大阪城を落とそうとしている。
信長としても、の窮地を脱するために非常の手段を採らざるを得ない。
信長は影供を呼び寄せ、ランスの暗殺を命じた。
信長の忍者嫌いは有名であったが、実のところ非常に優秀な影供を抱えていた。
信長は影供たちを巧みに使い、敵対する大名や武将達を効果的に殺してきた。
JAPANで誰よりも忍者の重要性を把握していたと言ってもよい。
自分以外の大名が忍者を雇わぬように、忍者の里である伊賀を自ら滅ぼしてしまったほどである。
信長の呼びかけに対して姿も現さずに挨拶をする影供。
その陰気臭さに酒が不味くなると信長は埒もないことを言う。
影供は、大陸にいるランス王の首を必ず信長に捧げることを誓う。
信長はただ急げと命じ、徳利にて酒を渇食らうのみであった。
朝日が昇る手前の薄闇の中、リーザスの占領する長崎の天満橋のほとりに二つの人影があった。
信長直属の忍びである月光とクノイチのしのぶである。
二人の間で二言三言の簡単なやり取りが行われ、それぞれの標的が決められる。
しのぶはランスを、月光はリーザスの武将を殺す。
クノイチの術を習得しているしのぶは、女好きと名高いランスを殺すのに打ってつけの人材のはずであった。
二つの影が風に消え、誰にも見咎められることなく天満橋を渡り、リーザスを目指す。
ランスがロリコンではないという事実は、いまだ織田方には伝わっていなかった。
<LP3年8月3日>
大阪攻めの第一波を防ぎ止められたリーザス軍は、大将軍バレスの指揮の下で、さらなる攻撃を仕掛ける。
波状攻撃を続け、大阪城に篭る織田方を疲弊させていく。
大阪城内の兵力は次第に削ぎ落とされていき、ついに大将である信長が前線に出て戦いに参加するようになる。
大阪城の陥落も間近と思われた。
しかし、信長が前線に姿を現したことが逆にリーザスの苦戦する契機になる。
信長を倒せば城は落ちる。
大将首を狙って信長に襲い掛かるリーザス兵たち。
だが悉く返り討ちにあってしまう。
信長の技量が隔絶していることも勿論ある。
だが、刀で切りつけても、魔法で攻撃しても、かすり傷一つ与えることができないのである。
明らかに異様であった。
その強さは、リーザス陣営に強烈な畏怖を与えた。
次第に押されていくリーザス軍。
それでも、信長のいない戦場に重点的に戦力を集中し、戦局を優位に進めていく。
ついに本丸に信長を追い詰めることに成功した。
しかし、将兵の顔は晴れなかった。
信長の凶悪さに突き動かされるように、降伏を拒否して死に物狂いで抵抗を続ける織田家の将兵たち。
無駄に歯向かってきたJAPANの兵たちの屍が、大阪城内に累々と積み重ねられていく。
その凄惨な風景の中、信長一人が魔人のごとき強さで、リーザス兵を殺しまくっていたのである。
日が沈んだ後、リーザス陣営にて緊急の会議が開かれ、信長への対策が練られることになる。
そこで、信長の異常な強さに対して、一つの答えが出される。
その答えとは、JAPANにて魔人と恐れられている信長が、実は本物の魔人なのではないかというものであった。
リックの放ったバイラ・ウェイを完璧に喰らいながらも、信長が傷一つ負わなかったという事実が決定打となる。
この戦いでリックは、信長の槍攻撃の凄まじい三段突きの反撃を受け、手負いとなってしまっていた。
すでにバレスら将軍達の手に余る事態となっていた。
魔人に対抗するには、同じ魔人か、聖刀使いであるランスの力が必要である。
このままではいつまで経っても大阪城を陥落させることなど出来ない。
バレスはランスに対して出馬要請を行った。
このときランスは、リーザス城のハーレムにて、五十六との子作りに励んでいる最中であった。
この時期すでに、ランスの五十六に対する寵愛振りは、特筆に価するものになっていた。
五十六は、ランスに抱かれるまで生粋の処女であった。
だが、ランスに男を教えられてから数日のうちに、ランスにエクスタシーの感覚を教え込まされてしまう。
五十六の傷一つない美しい躰が、ランスの執着と熱烈な愛撫を誘発してしまったのである。
側室としての己の立場を考え、ランスの動きを黙ってに耐えようとする五十六。
しかし、ランスに説得されて腰を合わせる行為を覚え始める。
ランスは五十六へ快楽を注ぎ込み、五十六が耐え切れずに何度も果ててからその熱い子種を注ぎ込んでいった。
五十六は必死に感じまいと身を硬くするも、確かに五十六は絶頂に至ってしまっていた。
五十六の快楽を第一に考える濃厚な腰使いが、容易く五十六を絶頂に導いたのである。
ここ数日のランスの生活は次のようなものであった。
五十六と供に食事をし、五十六と供に閨の時間を夜遅くまで過ごし、昼過ぎまで五十六と供に睡眠を貪る。
寝起きに五十六と一発かましてから、五十六と供にシャワーを浴びる。
つまりほとんど政務をほったらかしで五十六との濃密な愛の時間を過ごしていたのである。
この一週間の間ランスの豊富な子種は一滴残らず五十六の胎内の深奥に注ぎ込まれたことになる。
余りのランスの五十六に対する執着ぶりは、リーザス宮廷でも話題となり、五十六は一躍話題の人となる。
正妃リアの憤激と、宮廷人たちの派閥争いに新たな変化を齎した。
しかし当の五十六はランスによって与えられる濃密な愛の行為に翻弄されるだけで、宮廷の権勢争いや噂をまったく知らなかった。
このところ毎日のように閨房に呼ばれていたため、大分セックスに慣れ始めていた五十六。
それでも五十六は儀式を執り行うような神妙な面持ちを崩さなかった。
ランスとの性交はけっして愛し合うためではなく、あくまで子を成すためだけの行為である。
ランスの臥所を訪れる五十六は、内心どうあれ律儀にそのスタンスを崩さなかった。
五十六の拘るそのような建前など、ランスにとってどうでもよかった。
すぐに五十六を抱き寄せて、その可憐な唇にむしゃぶりついていく。
ランスの強引さを前に、五十六も仕方なく深く唇を合わせていく。
互いに舌を絡め、情熱的なディープキスに応じることになる。
正上位で子作りに励むランスと五十六。
ランスのテクニックの巧みさの前に、五十六は快楽に耐えるのに苦労していた。
必死にあえぎ声を堪える五十六に対して、ランスはより深く中へ突きこむようにしていく。
ランスの偶には外に出そうかと冗談に、五十六は慌ててしまう。
堪えきれずあえぎ声を漏らしてしまう五十六。
その五十六の可憐な慌てぶりに満足し、嘘であることを告げて、より激しく腰を振るランス。
五十六は安堵し、喘ぎながらお願いしますと言葉を紡いで、無意識にランスの動きに腰を合わせる。
ランスは、そのまま最も深く腰を沈めて中出しを敢行する。
ランスが腰を震わして注ぎ込んでくるのに合わせて、五十六は密かに絶頂に駆け上がり、躰を震わせて悶えてしまう。
ランスは五十六の中からハイパー兵器を引き抜きながらも、何故感じることを我慢するのかと五十六に問いかけた。
ランスに処女を奪われて以降、毎日のように抱かれ、ランスのテクニックの前に、五十六の性感は花開いていた。
しかし、五十六はいつも快楽に耐えようとし、喘ぎ声も抑え、出来るだけ反応しないようにしていた。
その五十六の振る舞いは、明らかに恥じらいのためではなく、ランスも次第に不満を抱き始めていた。
五十六は、子供のために抱かれていることを忘れないためと、自分の気持ちを明かす。
初めてのときに安産のお守りを持っていた五十六であったが、今はちゃんと子宝を授かるお守りを持って事に臨んでいた。
ランスは、強情な五十六をひぃひぃ言わせるために、より激しく子作りに励もうとする。
それも神頼みではなく科学的にである。
先ほどの激しい交わりでまだ力の抜けている五十六の躰を、ひっくり返してうつぶせにして、後背位で犯そうとする。
後ろで交わった方が男子の子供が出来やすいという嘘を、平然と口にするランス。
交わったばかりの秘唇をまともに見られて、さすがの五十六も女の子らしい恥じらいの声を上げ、身を逸らそうとする。
だが、まだ腰に力が入らず、あっさりとランスに腰を引き付けられ、すでにギンギンに回復済みのハイパー兵器を宛がわれてしまう。
あまりの羞恥と突然の出来事に、身分や建前を忘れ、素の女の子に戻ってしまう五十六。
まだ無理と慌てる五十六に対して、ランスは容赦なくハイパー兵器をぶち込み、大いに五十六を啼かせることに成功する。
後背位の方がばっちり奥まで入ると、ランスはご機嫌であった。
しっかりと種付けをすべく、最初から腰を全開にしていく。
武芸で鍛えて引き締まっている五十六の尻を、しっかりと掴んで固定し、腰をぶつけていく。
閨房に、パンパンと恥ずかしい音が響き渡る。
その都度、垂れ下がってボリューム感の増した五十六の乳が、たふたふと豊かに揺れる。
美しい五十六の背中越しに、その乳房が揺れる様がちらちらと見え、ランスの目を楽しませた。
五十六は歯を食いしばり、襲ってくる快楽に耐えようとする。
ランスは、意固地な五十六を負かすために、より強力な快楽を与えようと、テクニックを全開にする。
腰の位置を調節し、もっと側面に擦り付けるように腰を動かしていくランス。
これには五十六も耐えられず、一突きごとに小さく喘ぎ声を漏らし、ランスのハイパー兵器をきゅんきゅんと締め付けてしまう。
絡み付いてくる五十六の秘所の気持ちよさに、ランスはまた出そうになり、腰の動きを加速させる。
次々と注ぎ込まれてくる快楽に悶えながら、射精に至りそうなランスの様子を、なんとか察する五十六。
何度でもお注ぎ下さいませ!と聞きようによっては酷く卑猥な言葉を紡ぐ。
そして、ランスの動きをより深く受け入れるべく、腰をしならせて尻を高く上げる。
その体勢のまま、ついには耐え切れずに大いに喉を鳴らし、絶頂に至ってしまう。
その五十六の甘い鳴き声と、一際強い締め付けに触発され、ランスは腰を大いに振るわせた。
どくっどくっと五十六の最深部に、もの凄い勢いで注ぎ込まれていくランスの種。
五十六は、絶頂に至って全身を強張らせたまま、枕に顔をうずめながら、ランスの種を受け入れていった。
本日二回目の発射となり、今度はじっくりと中出しの余韻を楽しむランス。
ゆっくりと五十六の硬直が解けていく。
その弛緩に合わせて繋がったまま躰を倒し、しっとりと汗ばんだ五十六の傷一つ無い背中に頬擦りする。
これほど満足できる中出しはそうない。
ランスは、五十六と子作りに励むときは、後ろが基本だなと一人ごちた。
ランスは、脇から手を差し入れ、敏感になっている五十六の形の良い乳房をムニムニと捏ね回し、後戯に興じる。
JAPAN女性の典型的な美しさの象徴とも言える絹のような五十六の肌は、いくら触っていても飽きることが無かった。
消耗してしまっている五十六は、そのランスの愛撫を避けることが出来ず、ひくひくと身もだえするのみである。
五十六が自我を取り戻すまで、しばし閨房には甘やかな時間が流れることになる。
五十六にとって、ランスとの関係は、建前上、子種を貰っているだけの間柄である。
他の寵愛を受けている妾妃たちとも、自分の場合は立場が異なると五十六は考えていた。
抱かれる度に、そのままランスの傍らで眠りにつく誘惑に駆られてしまっていた五十六であったが、けじめは大事であった。
この日も、しばらくの時が経って大分落ち着いてから、身づくろいを始める五十六。
再三に亘って、五十六に対して側で寝ていくようにと命じていたランスであったが、五十六の頑なさに今では諦めていた。
五十六が辞去しようとする直前に、最後はかなり感じただろうと問いかけるランス。
五十六は必死に否定するが、顔を赤らめて下を向き、全身を強張らせて拳をきゅっと握ってしまう。
その五十六の様子が、全てを物語っていた。
気持ちよくなることは悪い事ではないだろうと、素朴な疑問を呈するランス。
感じまくって子供が出来るのが一番良いというのは、通常の夫婦の間では、とても普通の事である。
だが、ランスと五十六の関係は、普通ではない。
ランスにはすでにリアという正室がおり、五十六は側室の身分となる。
JAPANでは、側室は正室を立てなければならないものとされていた。
それも自分から子種を請うて側室に入った身である。
何度も肌を重ねて、ランスという人間を次第に理解していくうちに、ランスに情が移り始めていた。
それ故余計に、寵愛までも望んではリアに申し訳ないと考えるようになり、五十六は強く自分を律していたのである。
どこまでも五十六は生真面目であった。
これ以上、自分の心を見透かされたくない五十六は、今日ので子供が出来たかどうかをランスに相談する。
なんといっても、今回の子作りは、ランスの言うとおりバックで行われた。
ランスの言を信じれば、中る確率は高いはずである。
あとで確認のために医者に行くようにというランスの言葉に従い、五十六は閨房を辞去していく。
実際のところ、この日の中出しでも、子供は出来なかった。
そのため、この日以降、より子作りが激しくなり、ランスと五十六は大いに後背位で交わるようになる。
五十六の透き通るように白い背中には、ランスのつけたキスマークの花が毎日のように咲くことになるのであった。
<LP3年8月4日>
リーザスは、魔法研究所の建造とともに、魔法技術の積極的な軍事利用に乗り出していた。
魔法使いたちの念波を利用した高速連絡網もその一つである。
JAPAN遠征軍とリーザス城の間にも、ホットラインが形成されており、逐次情報が伝えられていた。
今回のランスへの出馬要請も、即座にリーザス城に送られていた。
信長が魔人の可能性有りという前線の報告を聞いたマリスも、ランスの出馬が妥当と考え、急ぎランスの寝室に向かう。
だが、ランスは五十六との子作りの真っ最中であった。
最近ランスは、五十六ばかりを寝室に呼んでいる。
ランスの偏愛振りは宮中でも話題になっており、正妻のリアは蔑ろにされていると怒り心頭であった。
マリスも頭の痛いところである。
しかし、山本家を傀儡としてJAPANを支配するというランスのプランは、非常に有効である。
五十六に子を成させることは、マリスも受け入れた事項であったために、ランスに対して強くは出れなかった。
逆に、最近はマリスがリアの宥め役になっていたくらいである。
仕方なく、子作りが終わるまで部屋の外で待機することになるマリス。
部屋から出てきた五十六は、ランスとの激しい子作りで腰がふらふらの状態であった。
五十六は、情事の後の気だるい雰囲気を漂わせ、同性の目からも随分と艶かしく見えた。
マリスと顔を合わせた五十六はひどく恐縮する。
五十六もリーザス王国についての知識を大分得ており、目の前の侍女が、王妃リアの側近であることを知っていたのである。
お辞儀をして立ち去ろうとする五十六を、マリスは呼び止める。
ランスの寵愛を得ていることを注意されるかと考え、五十六は顔を強張らせる。
その判りやすい五十六の反応を見て、マリスはふっと微笑んだ。
マリスが五十六を呼び止めた理由。
それは織田家の武将であった五十六に、信長とはどのような人物なのかを聞くためであった。
五十六から信長の残虐性や不死身振りに関する情報を得たマリスは、そのままランスの部屋に入っていく。
情事の後の特有の空気の中、表情を変えることなく、ランスにJAPANの情勢を報告するマリス。
マリスの報告を聞いたランスは、なんで魔人がJAPANにいるんだ?と疑問を呈す。
しかし、リックが信長にやられたと聞き、むーんと腕を組んだ。
JAPANくんだりまで行くのは面倒だが、信長一人のために撤退するのはリーザス王国の面子に関わる。
それに、五十六に対してJAPANの統治権を与えることを約束している手前、信長はなんとしても排除する必要がある。
ランスは、自ら軍を率いてJAPANに赴くことを決めた。
しかし、デンジャラスホールの一件で、緑の軍の動員兵力は3分の1の三百人程度まで下がっていた。
マリスは兵を補充をするように進言するが、ランスは別にいらんと断った。
既に織田家に兵力は無く、相手は信長一人である。
そして、信長が真実魔人であるとするならば、ランスの聖刀日光でしかダメージを与えられない。
兵が多い方が、逆に戦いにくくなるのである。
翌日、リーザス城を出立するランスの傍らに、サテラの姿があった。
昨晩マリスが去った後、ランスはサテラを呼び、JAPANにいる魔人についての情報を得ようとした。
しかし、サテラはそんな魔人は聞いたことがないと言い張る。
魔人ザビエルがJAPANに赴いたのは千年以上前であり、二百年前に魔人となったサテラが知っているはずもなかった。
ランスとサテラの間で、いる・いないの言い合いとなり、結局サテラも付いてくることになる。
実際のところ、サテラがランスの側に居たかったという面が強く、この結果はサテラの乙女心の妙が織り成したものであった。
メガラスは、ケイブリス派の魔人たちから美樹を守るために、リーザス城に居残りである。
メガラスは、実のところ魔人サビエルのことを知っていた。
だが、いつもどおり無口を押し通し、ランスたちに情報を与えようとはしなかった。
ランスは、本国の統治をリアとマリスに任せ、JAPANに向けて出立する。
ランスがJAPANに向かったことは、信長の目論見を見事にすかす結果となる。
すでにリーザス城には、信長配下の忍びである月光やしのぶが潜伏していたのである。
さすがに忍者の本場JAPANの選りすぐりの忍びたちだけあった。
リーザス王国の紛い物の忍者部隊にその動きを一切気取られずに、密かに行動を開始しようとしていた。
しかし、その一番の目標であるランスが、リーザス城を離れてしまった。
そして、そのランスの傍らには、魔人が常に控えているのである。
信長に命じられたランス暗殺は果たせそうもなかった。
<LP3年8月5日>
信長は、一人で戦っていた。
戦い続け、リーザス兵の返り血を浴びるほどに、魔人としての力を取り戻していくかの様であった。
信長は、織田家そのものであり、大阪城そのものである。
信長を討ち取るまで、この戦いは終わらない。
最早リーザス軍は、信長への攻撃は無意味であると悟り、攻撃を控えていた。。
逆に信長が一人大阪城から出てきて、包囲しているリーザス兵を次々と殺していく。
織田家の侍でさえも、その凄惨さに恐れをなし、後に続く者はいない。
次第に包囲の輪が大きくなっていく。
これが魔人信長の篭城であった。
すでに、どちらが攻めているのか、判別がつかない状況になっていた。
瓢箪に入れた酒を飲みつつ、今日何度目かもわからない出撃を行う信長。
信長が出てきたことを知ると、リーザス軍の兵達は慌てて逃げ出していく。
その様を愉快そうに笑い、信長はさらに酒を飲み干した。
信長の目の前に、新手が出現する。
そしてその緑色の軍勢の中から、一人の男が姿を現す。
ランスその人であった。
信長を見つけ不敵に笑うランス。
立ち振る舞いから、その男が大陸の王ランスであることを察する信長。
ギラリとその人外の瞳が光った。
しかし、信長はすぐには仕掛けようとはしなかった。
ランスの傍らに、若い魔人の女の姿があったからである。
どこか変だが、確かに信長が魔人であることをランスに告げるサテラ。
サテラは、賭けに負けた場合、一晩に三発付き合うことを約束してしまっていた。
ランスに突然抱き寄せられ、約束を守るようにと耳元で囁かれたサテラは、顔を真っ赤にしてしまう。
目の前で、場所もわきまえず、いちゃいちゃし始めたランスとサテラに対して、信長は怒り心頭になる。
例え魔人といえども、このような人間に誑かされている小娘など、自分の敵ではない。
信長はそう確信する。
だが、信長が本当に注意すべきは、ランスの方であった。
聖刀日光を引き抜いたランスは、信長の槍をいとも簡単に弾き返した。
サテラの放つ魔法攻撃を掻い潜り、ランスに向けて炎を纏った槍を繰り出す信長。
ランスは、聖刀日光にて、その全てを裁ききる。
隔絶したレベルで行われたこの死闘に、当事者たち以外は、誰もついていけなかった。
炎の魔人としての力が顕現し、人外の存在であることを隠そうともせず、炎を身に纏ってランスに向かっていく信長。
さすがのランスも、無傷ではいられなくなる。
なによりも暑苦しいのが、ランスには堪えた。
だが、剣と魔法を組み合わせることによって、相乗効果が発生する。
信長の槍に対して、ランスの聖刀日光と、サテラの魔法攻撃。
ランスは、サテラの適切な援護を受けて、次第に戦いを優位に進めていくようになる。
ランスとサテラのペアの戦闘力は、信長のそれを明らかに凌駕し始めていた。
ついにサテラの放った魔法攻撃をまともに喰らい、信長は膝を着く。
真の力さえ取り戻していれば!と憤怒の表情でランスとサテラを睨み付ける信長。
次の瞬間、ごちゃごちゃうるせーっ!という怒号と供に、ドガッという音が戦場に響いた。
ランスの放った渾身の一撃が、信長の首を切り落とした音であった。
膝を着きながら放った信長の最後の一撃は、ランスには届かなかった。
赤い夕日の中、信長の首はゆっくりと宙を舞っていく。
ついに、二人の王の死闘に、幕が降りたのである。
首の無い信長の躰が、ゆっくりと崩れ落ちる。
最後の一撃を放った体勢のままであったランスが、ゆっくりと身を起こし、聖刀日光の血を払った。
ランスが日光を鞘に収めると同時に、歓喜の雄叫びがリーザス軍から一斉に上がる。
戦いが終わった瞬間であった。
もともと、織田家は信長がワンマン体制で築き上げた勢力である。
信長が討死してしまうと、大阪城において、リーザスに抵抗を続ける者は、誰もいなくなる。
大阪城は落城し、JAPANはリーザスに屈したのである。
世に言う「大阪夏の陣」はこうして終結した。
信長の死とともに、どこからともなく大阪城に火の手が上がる。
炎上する城を背に、逃げ惑う大阪の民。
大阪城は、信長の権力の象徴であった。
支配者がいなくなり、虐げられていた民たちは、ただ慌てふためくばかりであった。
予め略奪放火は、厳重に戒めていたはずであった。
しかし、戦勝に昂ぶった兵達が略奪に走り、灯が倒してしまったのかもしれない。
それとも、織田家の滅亡を悟った信長の家臣が、全てを灰にしようと火をかけたのかもしれなかった。
どちらにしても、紙と木で出来ているJAPANの城は火に弱く、大阪城が焼け落ちるのも時間の問題であった。
香姫は、乳母の永常に連れられて天守閣に向かっていた。
天守閣の最上階には隠し部屋があり、城外へと続く抜け道が存在するはずであった。
永常は、自分の命にかけても、この心優しい姫を落ち延びさせようとしていたのである。
大陸の兵の残忍さは、噂に聞いていた。
香姫は信長の一人娘であり、美貌の姫である。
リーザスの兵が血眼になって探しにくるはずであった。
捕まれば、どのような仕打ちを受けることになるかは明らかである。
必死に逃げる香姫と永常であったが、城の一部に火が付き、あっという間に燃え広がっていく。
香姫たちがいる天守閣にも火が移り、最上階まで炎に満たされてしまう。
隠し部屋の道がわからなくなって右往左往しているうちに、柱が倒れ、永常が身動きできなくなってしまう。
自分を見捨てて、逃げるように訴える永常。
だが、香姫には、そんなことは出来なかった。
必死に永常を助け出そうとするも、女の細腕、しかも労働をしたことの無い姫君の腕では無理であった。
そうこうしているうちに下の階から、どかどかと足音が迫り、誰かいないかという声が聞こえてくる。
身動きの出来ない永常であったが、敵兵ですぞと怖い顔で、香姫に姿を隠すように指示を出す。
気丈なその永常の態度に、幼い頃からの癖で従ってしまう香姫。
そうこうするうちに、緑の鎧を身に纏った異国の若い剣士が、倒れた柱の方へとやってきてしまう。
その剣士は、倒れた柱の側まで駆け寄り、永常の姿を確認すると、何事かを呟いて天を仰ぐ。
颯爽としたその身のこなしから、かなりの技量の剣士であることは、香姫にも見て取れた。
いでたちからして、明らかに敵兵であったが、そんなことは今の香姫には関係なかった。
彼ならば倒れた柱を動かせるかもしれないと、永常の制止の声も聞かず、姿を現してしまう。
そして、身を投げ出して永常を助けて下さいと必死に訴えたのである。
なぜか、香姫の呼びかけに動転してしまう剣士。
構わず香姫は、柱をどけて下さいとその青年に頼み続ける。
青年は酷く慌てた様子で、名を尋ねてくる。
香姫は、自分が信長の娘であることを明かし、自分はどうなってもよいから柱をどけて欲しいと必死に訴える。
香姫も、差し迫る炎に動転していた。
倒れた柱に炎が燃え移ってしまい、慌てて柱に駆け寄り、永常にしっかり!と声をかける。
しかし、すでに永常は気を失ってしまっていた。
香姫は、必死に柱を押すが、重い柱はぴくりともしない。
青年は、自分がリーザス王ランスであることを明かしてきた。
その後にもいろいろ言われたが、動転していた香姫は聞き流してしまう。
とにかく、自分の身が求められていることを理解した香姫は、あっさりと自分の身を捧げることを認めてしまう。
それよりも永常を助けて下さいと訴える香姫であった。
自分の言うことを全て受け入れるかと問われ、香姫はこくりと頷いた。
問われるまでも無く、永常を救うためだったら何でもする心算だった。
香姫にとって、乳母の永常は、家族同然の存在であった。
大陸の王は、自らの躰が傷つくことも厭わず、燃える柱を投げ飛ばし、永常を救ってくれた。
永常はぐったりとしていたが、まだ息をしていた。
安堵し、ランスへの感謝の言葉を述べる香姫。
ぶっきら棒だが優しい言葉でさっさと逃げるぞと語りかけてくるランス。
香姫は、そのランスの手が火傷してしまっていることに気づき、慌てて駆け寄って、着物の裾を裂いた。
香姫は、着物を裂いて作った即席の包帯で、ランスの手に応急処置を行う。
そして、応急処置を終えた後、きちんと治療して下さいとランスに語りかけた。
脱出のために永常を抱き上げようとする香姫。
だが香姫は、永常の躰をランスに取り上げられてしまう。
ランスは、ぶつぶつと文句を口にしながらも、香姫の代わりに永常を背負ってくれた。
永常を背負いながらも、しっかりと香姫を誘導していくランス。
ランスがいなければ、永常も香姫も一緒に焼け死んでいたのは確実であった。
脱出すると同時に、燃え盛る大阪城は崩壊していく。
またぶっきら棒に無事かとランスに問われる香姫。
だが香姫は自分の身よりも永常の身の方を心配する。
すでに兵に預けて病院のベッドで寝ている頃だと、香姫を安心させるランス。
香姫は安堵し、ランスに対して深くお礼を述べた。
すでに香姫の中では、父に教えられていた悪逆非道な王というランスのイメージは崩れてしまっていた。
民を虐げることしかしない人物ならば、身を賭して火の海の中から自分達を救ってくれるはずはない。
天守閣からここまでの短い道のりでも、ランスの無骨な優しさは、確かに香姫の心に届いていた。
この方ならば、民に酷いことをしないでいてくれるかもしれないと、香姫は思う。
そして、自分はどうなっても構わないので、父信長のように民を苦しめるのだけはやめて欲しいと訴えた。
占領した以上、JAPANも自分の領土だと、安心するように言うランス。
そして、俺様の為に死ぬ気で働いてもらい、可愛い女の子は全て俺様のものだと笑う。
香姫は、ほっと安堵した。
やはり、占領した土地の民を皆殺しにするという信長の話は、嘘だったでのある。
そして、ランスの言葉の後半は、香姫には本気の言葉には聞こえなかった。
こうして、大阪城は落ちた。
美人であり、尚且つ敵将の娘ということで、例に漏れず香姫は、ランスのハーレムに保護されることになる。
ランスは、JAPANと香姫を手に入れたのである。
尚、香姫と一緒にランスの手で助けられた永常は、火傷の怪我もあり、香姫の乳母役を引退の運びとなった。
<LP3年8月6日>
ランスは、このまま大阪にじっくり腰を据えて、JAPANの統治を万全とすることを考えていた。
しかし、リーザス城よりとある報告が届いたことにより、その構想は白紙となる。
ランスは、リーザス忍者部隊の一部をヘルマンに派遣し、シィルの居場所について探索させていた。
その報告は、調査部隊からのシィルの居場所が判明したという、ランスにとって待望の知らせだったのである。
サテラが速攻でダウンしまったので、隣に陣取っていた紫の軍に押しかけてメルフェイスに夜の相手をさせていたランス。
一勝負終えてメルフェイスと抱き合いながら、甘い雰囲気に浸っていたところで、知らせが届く。
ランスが長い間待ち望んでいた知らせであった。
その報告を受け取ったランスは、欣喜雀躍する。
シィルの行き先は、ヘルマン東部のボルゴZ刑務所であった。
居場所が判明した以上、躊躇している暇はない。
至急、シィル奪還の策を練る必要があった。
ランスは、急ぎリーザスへ引き返すことを決定する。
結局のところ、ランスは信長の首を落としただけで、初めて訪れたJAPANを後にすることになる。
JAPANには一部の将兵と文官を残し、占領政策の維持と、抵抗勢力の掃討を命じる。
この決定の結果、リーザス王国の支配は、JAPANの東国には及ばない形になってしまう。
だが、シィルが見つかった以上、その他の事項はランスにとって格段にプライオリティが下がるのは仕方のないことであった。
天満橋をものすごい勢いで渡っていくランスの緑の軍。
信長の密命を受けてリーザスに赴いていた隠密たちと、街道にてすれ違った。
月光としのぶは、リーザス城にて主家が滅んだことを知り、JAPANに戻ろうとしていた。
ランスを暗殺しようとするしのぶを、月光は止める。
すでに命を下した信長は死に、最早ランスを殺しても情勢は変わらない。
それよりも次の主を探すのが先決であった。
月光としのぶはJAPANに戻った後、しばらく姿を隠すことになる。
勝家襲撃に失敗し身を潜めた乙女たちはリーダーの安藤を失い途方にくれていた。
そうこうするうちに世の中は大きく動いてしまう。
不遜極まる信長が自らの力を見誤って大陸の王に喧嘩を売り、その怒りを買ってしまったのである。
大陸の王は未曾有の大軍をJAPANへ派遣し、織田家を次々と蹂躙していった。
大陸の軍はとても強く、織田家は本拠地の大阪でもあっという間に打ち破られ、JAPANは大陸の軍に占領されてしまった。
魔神と恐れられた信長本人も大陸の王に討ち取られてしまう。
乙女たちはこの間ひっそりと身を潜めており、織田軍と大陸の軍の戦いを見守っていた。
大陸との戦いにおいて織田家が疲弊するのを待ち、信長を打倒する機会を探っていたのである。
しかし、乙女たちが考えていたよりも圧倒的に大陸の軍は強った。
憎き敵であり強大な力を持つ信長もあっさりと討ち取られてしまい、乙女たちは盛大に肩透かしを喰らってしまう。
大阪陥落と信長討死の知らせを受けても、乙女たちは最初まったく信じなかった。
信長と織田家の強大さは彼女たちが一番身に染みて理解している。
如何に大陸の王と言えど、信長には勝てないというのが乙女たちの一致した見解であった。
散々に苦しめられた相手だけあって、乙女たちの信長最強伝説への思い込みは強かった。
何よりも歴とした証拠として彼女らの手の中にある京姫は、今だ水晶の中に封印されたままなのである。
クロウの迷宮での信長の言葉によれば、信長を倒せば封印は解かれるはずだった。
つまり信長はまだ存命であるということになる。
しかし、時間が経過すると、大阪落城の知らせは正しく織田家滅亡も真実であることが明らかとなる。
JAPANの90%を掌握する織田家をわずか1ヶ月で敗北に追い込んだ大陸の軍事力に、乙女たちは戦慄することになる。
JAPANが一体これからどうなっていくのか心配になる。
大陸の王は鬼畜王という蔑称を持つほど残虐であると言われる。
織田家以上の圧政が行われ、民が苦しむ可能性があった。
織田家滅亡を受けて今後の方針について乙女たちの間でも意見が割れる。
一つは大和の国に戻り、この混乱をついて大和の国の独立を取り戻す意見。
もう一つは大和の国に戻らず、京姫の封印が解かれない理由を探す旅に出る意見。
大激論が展開されるも、安藤から後を任された七緒は京姫解放を優先することを決した。
大陸の王の出方が見えず、下手に大和の国の独立を宣言しても大陸の圧倒的な大軍の前に潰される可能性もある。
やはり正当な後継者である京姫を立てて、大和の国の主権を大陸の王に認めさせることが上策である。
その七緒の意見に反論する者はいなかった。
幸いにしてリーザス王国の新領土の統治方針が織田家の頃よりも寛大だったため、乙女たちがその指針を変える必要はなかった。
乙女たちは大阪で大陸の王に討たれたと言われる信長が影武者だった考え、ホンモノを探し出して倒すために旅立って行く。
波乱万丈の旅となり、乙女たちは信長の真実に近づいていくことになる。
<LP3年8月7日
織田家が滅び、JAPANはリーザスの制圧下に置かれる。
しかし、信長という絶対者が消え、これまで信長に頭を抑えられてきた地方の大名達が息を吹き返し始める。
そして関東以北の大名たちが独立の構えを見せ、リーザスに従わないことを宣言するに至ってしまう。
ランスがリーザスに戻ってしまったことにより、プレッシャーが無くなってしまったことも大きく影響していた。
元々関東以北は数年前まで織田家に歯向かっていた大名たちの支配域であり、織田家の支配力も浅かった。
信長横死の知らせを受けて一斉に蜂起し、信長の部下たちを領地から追い出し、支配権を取り戻したのである。
関東・東北の大名たちが盟を結び、突如現れた秀吉という名の人物を盟主として佐渡に拠ってリーザスに対抗することとなる。
佐渡は世界最大の金山であり、その豊富な資金を下に独自の軍隊を組織し、リーザス王国に対して自治権を要求した。
佐渡側の自治権に関する要求を、ランスはリーザス城の玉座の間でマリスの口から聞くことになる。
馬鹿げた話であり、ランスは聞く心算は全くなかった。
ランスはJAPANに残してきた文官や将兵たちに対して佐渡を制するように命じた。
しかし、ヘルマン攻めをいよいよ実行に移すため、本国からの兵の派遣は見送られることになる。
文化の違う大陸の国家に支配されることを良しとしない多くのJAPANの民が、上方から佐渡に流れていく。
リーザス側の動きが鈍いこともあり、佐渡の制圧はなかなか進まなかった。
佐渡の潤沢な黄金を用いた秀吉の人たらしの工作が、毒のようにじわじわと効き始める。
結局、再びランスがJAPANに赴く翌年まで、佐渡は独立勢力として立ち回り続けることになる。