※この作品はR-18です。

ランス皆中伝(アーカイブ)   作:夜叉五郎

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8月17日 リーザス城
 ジーク、カミーラに着任の挨拶をする。
 ジーク、セルから魔剣カオスを強奪。

8月18日 リーザス城
 ヘルマン王子パットン、現政権打倒を目的として挙兵。スードリ17を占拠。

8月19日 リーザス城
 ステッセル、ヘルマン第二軍に対してパットンの追討命令を下す。
 パットン、極秘裏にリーザスの赤い死神リック・アディスンと接触。

8月20日 レッド
 セル、ならず者たちを雇って魔剣カオス奪還の旅に出発。
 ランス、セルをならず者たちの手から救う。

8月21日 リーザス城
 ステッセル、ヘルマン第一軍に対して、ローゼスグラードでのリーザス軍迎撃命令を下す。

8月22日 ボルゴZ
 ヘルマン第一軍主将レリューコフ・バーコフ、娘アミランの願いを叶えるため、単身アークグラードに残る。

8月23日 ボルゴZ
 リーザス帝国軍、ボルゴZを占領。ランス、シィルとソウルを救出。
 アミラン、アークグラードの教会で結婚式を挙げる


LP3年8月3週 ボルゴZ攻略 & シィル救出

<LP3年8月17日>

 

 レイの代わりとしてカミーラの前に現れた魔人ジーク。

 カミーラに対して礼儀正しく挨拶をする。

 

 しかし、その紳士臭さは決してカミーラの好意を得るものではなかった。

 つれなく応対するカミーラ。

 ジークはカミーラの邪険な態度も紳士的に受け流してしまう。

 

 出自が"まねした"ということからもわかるとおり、変化の術を得意とする。

 誠実な性格による人当たりの良さと、情報収集もかかさないその謙虚さを持つ。

 第一級品ともいえる諜報活動を生まれながらにして実行できる魔人である。

 

 ただあまりにもダンディーで紳士臭すぎる。

 ジークが姿を消した後、ラインコックに命じて消臭剤を撒かせたほどであった。

 

 

 

 魔人ジークはまず最初に得意の情報収集に着手する。

 敵対している人間の王について入念に調べ上げようとする。

 

 ランスがレッドの街に度々現れては教会を訪れているという噂は、思いのほか広まっており有名な話であった。

 ジークは持ち前の変化の術を用いて、さっそくランスがレッドの街の教会を訪れる理由を突き止める。

 魔剣カオスは魔人であるジークにとっても強力な武器であった。

 かつて魔王となったガイは魔剣カオスを用いて、前魔王ジルを打ち破ったほどである。

 

 ランスに化けてセルを尋ねるジーク。

 王たるもののあるべき姿をイメージし、礼儀正しくセルに接する。

 セルは感動し、今のランスならば魔剣カオスを持っても大丈夫と考えてカオスの封印を解く。

 そしてランスに化けたジークに対して、セルは喜んでカオスを渡してしまう。

 

 首尾よくカオスをセルから入手したジークはその場で変化を解いた。

 たとえ相手が人間であろうとも、礼儀を重視するのがジークの生き方であった。

 ジークは騙してしまったセルに対して礼儀正しく詫びを述べた後、その場を立ち去っていった。

 

 

 

 

 

<LP3年8月18日>

 

 リーザスのヘルマン領侵攻を受けてヘルマン国内で潜伏していたパットン王子派が蠢動する。

 

 先年のリーザス制圧作戦で失敗し、強力な後ろ盾であったトーマ・リプトンを失ったパットン王子。

 リーザスから逃げ帰ったパットンはその後シーラ派のミネバに追われて生死不明となっていた。

 しかし、パットンは、ハンティ・カラーの手引きでカラーの森の近辺に身を潜めていたのである。

 

 そのパットンがヘルマン政府打倒に立ち上がった。

 宰相ステッセルの横暴により政府を追われた者たちや、重税に苦しんで流民となった者たちが彼の下には集まっていた。

 この無謀とも思える決起の核となったのは以下の四人であった。

 

 先のヘルマン王の庶子であり、次期王として王位継承権第一位にあったパットン・ミスナルジ。

 先のヘルマン第三軍主将であり、ヘルマン最強の戦士であったトーマの息子、ヒューバート・リプトン。

 パットン王子の乳母であり、姉であり、恋人とも目されている元ヘルマン国評議委員の黒髪のカラー、ハンティ・カラー。

 元ヘルマン国評議委員であり、聖魔戦争の生き残りと噂され、青銅の体を持つこの世でただ一人の魔鉄匠、フリーク・パラフィン。

 皆が一騎当千の強者たちである。

 

 

 

 挙兵したパットン軍は帝都進撃を目論んでスードリ17を占拠した。

 

 スードリ17は元々パットンの母方のミスナルジ家が収めていた都市である。

 パットン王子が幼少のみぎりによく遊びに来ていた土地でもあったので、パットン軍を暖かく迎え入れた。

 

 

 

 

 

<LP3年8月19日>

 

 パットン挙兵の報を受け取り、パットンを仕留め損なっていたミネバに対して怒りを抱くヘルマン宰相ステッセル。

 ミネバのパットン殺害の報告が嘘であったことを知って怒るステッセルであったが、どうしようもなかった。

 すでにミネバは第三軍の将軍となっており、貴重な自分の陣営の戦力なのである。

 ステッセルはミネバを罰することを一時諦め、当面の対応策を考えた。

 

 地理的に今回の反乱はヘルマン第二軍の管区で起こっている。

 アリストレスにパットンを討たせるように仕向けるのが自然である。

 アリストレスがパットンの大の親友であることはヘルマン国内でも有名な話であった。

 親友を殺した男など誰にも信頼されることはないであろう。

 自分の政敵であるアリストレスの名声を貶めるためにも、是非とも彼にパットンを討たせなければならない。

 

 アリストレスを動かすためには皇帝シーラの勅命が必要である。

 だがシーラ自身も実は兄であるパットンを慕っている。

 そのため上手く操縦してやらなければならない。

 ステッセルはいつもの手管でパメラ皇妃を嬲った。

 そして母親であるパメラにパットン討伐についてシーラを説得させた。

 

 

 

 ヘルマン政府の公式発表ではすでにパットン王子は死亡していることになっている。

 そのため女皇帝シーラはスードリ17で挙兵したパットンを偽者と弾劾した。

 シーラを信じて疑わないヘルマン軍の兵士たちはその素直に言葉を信じた。

 パットン派の挙兵に対してヘルマン軍が士気を落とすことはなかった。

 

 帝都からやってきた使者から勅命を受け取るアリストレス。

 アリストレスはパットン討伐の命令が自分に回ってきたことに対して宰相ステッセルの思惑を正確に読み取る。

 そのため軽々しく動こうとはせず、時を稼ぐ作戦に出る。

 

 

 

 

 

 アリストレスが勅命を受け取った同時刻、パットン派の面々はスードリ17を占拠して今後の展望について語らっていた。

 基本路線はヘルマンに侵攻してきたリーザスと手を組むことで一致している。

 現有の戦力ではゲリラ戦は可能でも、帝都への進撃など夢のまた夢だったからである。

 

 早急にリーザスと繋ぎを持つ必要性があった。

 そして、繋ぎをとる相手についてはヒューバートに思い当たる節があった。

 先のイラーピュでの戦いにおいてヒューバートはリーザスの赤い死神リックと面識を持っていた。

 

 騎士同士が面識を持ったという意味は当然のことながら剣を合わせたということでなる。

 リックの太刀筋はまっすぐであり、信頼できる人物であることをヒューバードは感じ取っていた。

 リックならば適当と言えるはずであった。

 

 ハンティの移動魔法によりリーザスに赴いた四人は赤の軍司令部を訪ねた。

 かつて剣を交えたヒューバートの突然の訪問に驚くリックであったが、取り乱すことなく応対する。

 リックはパットンの申し出を吟味する。

 そしてパットンと組むことのメリットを鑑み、主君ランスとの会談の席を用意することを約した。

 

 

 

 

 

<LP3年8月20日>

 

 魔人ジークに騙されて魔剣カオスを渡してしまったレッドの神官セル。

 自分のしでかしたことを一人悩むセルであったが、魔剣を取り返すためには行動しかないと決意する。

 ランスに魔剣を盗まれたことを伝えるのは、惨め過ぎた。

 

 いつかランスが善なる人物に成長することを願って、セルは魔剣カオスを封印し続けてきた。

 そのランスに魔剣カオスの奪還を依頼するなど本末転倒であり、セルは独力で取り返さなければならなかった。

 

 自分の僅かな財産を報酬とし、護衛を雇うために冒険者ギルドに依頼を行うセル。

 純真なセルは、ことの仔細を詳細に述べて、冒険者を募った。

 まともな冒険者ならば魔人を倒すための手伝いの依頼など受けるはずもなく、当然人も集まらない。

 

 いつも教会に礼拝にきてくれる人たちは、セルのことを心配する。

 そして、セルのしようとしていることを聞きつけて教会を訪れ、こぞって魔人を追おうとするセルを止めようとする。

 しかし、セルの決意は固かった。

 ランスの与えてくる過度の快楽にも負けなかった彼女である。

 一般人の説得などなしの礫であった。

 

 

 

 セルが冒険者の募集を行ってから数日が経った頃、数多くの男達がその募集に応じてくれた。

 街の住民からならず者として常日頃から恐れられている者たちであった。

 セルの依頼を聞きつけて協力を申し出てくれたわけではない。

 当然、初心な神官セルの美しすぎる容貌に目が眩み、邪な企みを抱いていた。

 

 最近のセルは持ち前の清純さな雰囲気にの中にも恐ろしいまでの色気を放つようになっていた。

 ランスによって散々に躰を開発されてしまっていたためである。

 ランスの体罰を何度も受けるうちに、胸やその腰周りがぐっと充実してきていた。

 ランスの熱い精をその胎内にふんだんに受けて、セルは女性としての美しさを一気に開花させてしまったのである。

 

 その悩ましいフェロモンは粗末な神官衣では隠しきれるものではない。

 逆に簡素な神官衣がセルの女らしさを余計に際出せてしまっていた。

 週末の礼拝では、隣近所の枯れかかったおじいさんや、健全な青少年達の煩悩を強烈に刺激するほどである。

 ランスに犯されるようになってから礼拝に訪れる男子の数は激増しており、統計学的にもセルが色気付いた事実を証明することが可能だった。

 ならず者たちが今回のセルの依頼に応じたのも、そのセルの色気に当てられたからであった。

 

 

 

 だがセルは疑うこともなく彼らの優しさに打たれ、神に感謝した。

 いつも教会に礼拝にきてくれる人たちは、こぞってならず者たちの不純さをセルに訴えた。

 しかしセルの決意は固かった。

 

 またならず者たちの方も、セルの言い分を利用して邪魔な住民たちを追い払おうとする。

 ならず者たちの弁護まで始めるセルの必死な態度に皆黙るしかなかった。

 

 魔人ジークを討つためにレッドの街を出るセルとならず者たち。

 やる気満々で先頭に立つセルとにやけ顔でセルの尻を眺めるならず者たちの一行。

 街の住民たちは皆、その様子を悲しげに見つめるしかなかった。

 彼らは街のアイドルであるセルを見捨てたのである。

 

 

 

 

 

 セルの一行が旅立ってから数十分後に、幸運なことにちょうど皇帝ランスがレッドの街に訪れた。

 ここ数週間ほどJAPAN遠征やらヘルマン出征の準備やらで、セルの調教がご無沙汰になっていた。

 ランスは久しぶりに味わうセルの肢体を思い浮かべ、今日は何発やろうかと頭の中で妄想しながら教会にたどり着いた。

 

 珍しくセルが不在であったが、同行したマリスがセルの行き先を聞き付けてきた。

 住民たちがリーザス帝国軍の一行を見つけ、セルの保護を願い出てきたのである。

 ランスはセルの一途さに呆れながらも急いで彼女のあとを追った。

 

 

 

 セルはこのときレッドの街の北にある山脈を目指していた。

 協力を申し出てくれたならず者たちが、魔人が北の山脈で目撃されたという情報を持ってきてくれたからであった。

 セルは素直にその言葉を信用してしまっていた。

 

 皆の体力を気遣いながら、山歩きに向かない神官服で懸命に山道を進むセル。

 ならず者たちは文句も言わずセルに従ってくれる。

 逆にセルを気遣うほどであり、セルは感謝の気持ちでいっぱいになる。。

 しかし、ならず者たちは先頭に立つセルが艶かしくクネらせるその見事な尻を眺め、欲情していただけであった。

 粗末な神官服の裾からときおり見えるセルの白い脚が、ならず者達には堪らなかった。

 

 一行は人気のまったく無い山の中腹にさしかかる。

 休憩を取ることを申し出るセルに対して、ならず者たちはその本性を現す。

 人を疑うことを知らないセルは突然の急変に事態についていけなかった。

 

 だが、涎を垂らしたならず者達に迫られると、さすがに騙されてしまっていたことを悟らざるを得なくなる。

 悲鳴を上げ、助けを求めるセル。

 だが人気の無い山の中であり、その声を聞いてくれる者など何処にもいそうになかった。

 セルを囲み、言葉で嬲るならず者たちであったがさらにその周囲をリーザスの軍兵が包囲していることに気づかなかった。

 襲い掛かろうとするならず者たちの魔の手からセルを救ったのは、リーザス皇帝ランスであった。

 

 

 

 ならず者達は相手が皇帝であることに気づかない。

 知能指数が低いだけあって、目の前のご馳走をお預けにされた怒りに身を任せてしまう。

 無謀にもランスに対して襲い掛かっていくならず者達。

 あっという間に聖刀日光の露と消えていくことになる。

 

 セルから事の詳細をじっくり聞いたランスは魔剣カオスの奪還をセルに誓った。

 許しを請うセルを抱き上げ、ランスは帰還の途につく。

 気にしないようにセルに言い含めるランス。

 だがレッドの街に帰ったらお仕置きと称してセルを思いっきり抱こうと、邪な考えを抱いていた。

 

 レッドの街の住民はセルが無事に戻ってきたことに皆喜びをあらわにする。

 しかし、住民たちの自分を思いやる言葉を全く聞き入れなかった自分に対して、セルは自己嫌悪するばかりであった。

 その結果セルは皇帝としてのランスの特別なお仕置きを自分から甘んじて受け入れてしまう。

 

 カオスがセルの管理外に置かれたことはランスにとっては逆に都合が良かった。

 ジークから魔剣カオスを奪還するために、同じ魔人メガラスに探索を命じるランス。

 メガラスはリーザス領内を文字通り飛び回ることになる。

 

 

 

 

 

<LP3年8月21日>

 

 ヘルマン第一軍苦戦の報が帝都ラング・バウに届けられる。

 

 ヘルマン第一軍の各隊の配置状況を確認したヘルマン軍司令部は、リーザス帝国軍に各個撃破されることを危惧する。

 そしてヘルマン第一軍の再編成の必要性を宰相ステッセルに上申した。

 ステッセルはこの状況を受けて即座に行動を起こし、ローゼスグラードに物資を搬入する手配を行った。

 さらにアークグラードにレリューコフに向けて、以下の命令書を帝国政府の名で発したのである。

 

 「防戦の準備が整わないアークグラードを即刻放棄し、ローゼスグラードにて軍勢を整えてリーザス軍を迎撃せよ」

 

 この指令自体は軍略的には正しいものであった。

 だが、軍部を統制したがったステッセルの思惑が絡んでおり、不純なモノが入り混じって発行された命令書であった。

 

 

 

 

 

<LP3年8月22日>

 

 アークグラードではレリューコフの一人娘アミラン嬢の結婚式が間近に控えていた。

 相手はアークグラードの名士の息子で礼儀正しい誠実な好青年である。

 その婚約者の人柄は父であるレリューコフも認めていた。

 アークグラードの教会で父と母のように結婚式を挙げることはアミラン嬢の長年の夢であった。

 

 アークグラードの本営に父の世話に訪れていたアミランの前で帝都からの指令がレリューコフに伝えられた。

 心配するアミランに対して安心して結婚式の準備をするように言うレリューコフ。

 レリューコフは最愛の娘のためにある決意を胸に抱く。

 初めて命令違反を犯すことを忠誠を捧げる女皇帝シーラに対して謝罪した。

 

 シーラから預かった軍勢をローゼスグラードに向かわせるレリューコフ。

 そして自分は一人アークグラードに残ることを選択する。

 彼は侵攻してくるリーザス軍からたった一人でアークグラードを守るつもりであった。

 

 

 

 職務に忠実な軍人であったレリューコフが初めて犯した軍令違反。

 そんな彼の前に10人の部下が残った。

 彼らはみんなアミランの幸せを願っていたのである。

 

 レリューコフの娘とは思えぬほどのかなりの美人のアミラン。

 アークグラードで断トツ一番の美女という噂が帝都ラング・バウにまで伝えられていたほどである。

 その優しい性格もあって巷では絶大な人気があった。

 部下の信望も厚いレリューコフの娘ということもあり、レリューコフの部下たちに可愛がられ、また慕われていたのである。

 

 隣町のログBにはリーザスの軍勢がひしめいている。

 そんな絶望的な状況においても、レリューコフとその部下10名はアークグラードを守り通す覚悟を決めた。

 極限状態に置かれても笑いあうレリューコフたち。

 熱き絆がそこにあった。

 

 

 

 

 

 リーザス軍司令部は再編成のためにローゼスグラードに向かって撤退したヘルマン第一軍の動きを掴んでいた。

 アークグラードがガラ空きになっている状況を確実に把握していたのである。

 

 アークグラードはヘルマン東部の中心となる都市である。

 純軍事的な見地からすると、この好機を逃さずにアークグラードに兵を進めるのが確実に正解である。

 しかし、ログBに現れたリーザス皇帝ランスは反対にボルゴZへの進撃を主張する。

 ボルゴZはヘルマン国内の政治犯などの重犯罪者が収監される監獄の名称でもあった。

 

 リーザス軍の将軍達はこぞってアークグラード制圧を進言する。

 だが、ランスはこれを全て撥ね付け、単身ボルゴZ攻略に赴いた。

 リーザス軍の将校はランスが何故ボルゴZに拘るか理解に苦しんだ。

 

 

 

 リーザス皇帝ランスの鬼神の如き突撃の前に、ボルゴZの警備兵はあっという間に蹴散らされた。

 市内の制圧は順調に進み、リーザス軍によるボルゴZ占領は迅速に終了する。

 監獄ボルゴZを訪れたランスは、迷わず女性犯罪者が収監されている棟に乗り込んでいく。

 制止する看守たちを殴り倒し、目的の監房を目指す。

 

 目的の監房の前には、不気味な婆が屈強な男たちを引き連れて陣取っていた。

 何やらその婆が喧嘩を売ってきたので、その護衛の男たちもまとめてさっさと殺し、ランスは先を急いだ。

 このときのランスにとって邪魔する者は全て敵であったのである。

 

 こうしてランスは唯一人の奴隷シィルを取り戻すことについに成功する。

 また義賊団時代の女であったソウルも、リーザスに迎え入れることになる。

 

 

 

 尚、リーザス軍のボルゴZ監獄の制圧によって収監されていた政治犯達がリーザス軍の手により開放された。

 開放された政治犯たちはリーザスのヘルマン帝国制圧後のヘルマン統治に協力することになる。

 

 余談だが、監獄でランスに殺された婆の名はロッテンマイヤー・ゴルチ。

 闘神都市でランスと敵対したビッチ・ゴルチの妻であった。

 囚人の女の子を拷問して虐待することを何よりも好む、超変態の有閑未亡人である。

 

 この日、ロッテンマイヤーは新たな獲物を求めてボルゴZを訪れていた。

 ちょうどランスの女であるソウルに目をつけたところであった。

 まさしく、ソウルにとっては危機一髪だったのである。

 

 

 

 

 

 ログBに進駐していたリーザス帝国軍はボルゴZ方面に兵を向けた。

 つまりアミランの結婚式当日、リーザス帝国軍がアークグラードに兵を向けることは無かった。

 平和なアークグラードの教会にてアミランは念願の結婚式を挙げることになる。

 

 たった10名の部下を引き連れてリーザス軍の侵攻からアークグラードを守ろうとしたレリューコフ。

 普通に考えれば、馬鹿げた行動である。

 しかし、彼らは街の住民から大いに感謝されることになる。

 

 

 

 アミランの結婚式は厳かに行われた。

 ヘルマンの宿将とまで讃えられたレリューコフの娘とアークグラードの名士の息子との結婚式である。

 戦時中であったがたくさんの人々が教会に集まった。

 

 大勢の人々が二人の結婚を祝福した。

 アミランは幸せいっぱいで、涙をたくさん流した。

 ウェディングドレスを身に纏ったアミランの美しい姿を見て、レリューコフは父親としての役目が終わったことを悟った。

 

 恙無く結婚式が終わりを告げる。

 アミランに新郎と供に避難するように告げたレリューコフの顔は、戦士のそれだった。

 

 

 

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