リア、ランスを心配して手紙を書くも、結局破り捨てる。
10月24日 シャングリラ
ランスとホーネット、互いに心を許しあう。
10月25日 シャングリラ
ホーネット、抱かれつつランスの弱さを憂慮。
10月26日 シャングリラ
ホーネット、ランスの精を浴びてレベルアップしている自分に気づく。
10月27日 シャングリラ
ホーネット、肌を合わせることでランスが段々強くなってきていることを知覚。
10月28日 シャングリラ
ホーネット、一番良いポイントを探すために努力し始める。
10月29日 シャングリラ
ホーネット、完璧にコツを掴む。
10月30日 シャングリラ
ホーネット、羽化登仙の境に至る。
10月31日 シャングリラ
リーザス帝国軍とヘルマン帝国軍の睨み合いが続く。
<LP3年10月23日>
シャングリラからの帰りが遅いランスのことをリアはすごく心配していた。
部下に命じて、ランスの安否を確かめようとするリア。
しかし、マリスが不在なこともあって一向に事態は進展しない。
ランスがシャングリラに赴いてからしばらくして、国内の砂漠案内人が一斉に失踪してしまっていたのである。
リアはランス宛てにすぐに帰ってくるように求める手紙をしたためようとする。
マリスに後を頼まれたバレスはリアに添削を頼まれ、その手紙を読んで眩暈を起こす。
手紙の書き方についてバレスに説教され、リアは癇癪を爆発させる。
バレスの添削のせいで全面真っ赤になってしまった手紙を破り捨て、自分の部屋に引っ込んでしまう。
不貞寝するリア。
マリスの不在が痛かった。
<LP3年10月24日>
情事の後の気だるく甘い雰囲気の中、ホーネットはランスの腕の中で夢うつつの状態にあった。
そんな無防備なホーネットの顔をランスは優しい目で見つめていた。
そして、とつとつと自分の成すべきことを語り始めた。
ランスはホーネットに対して彼女が望んでいたことを全て話した。
そのランスの言葉はホーネットの想像を遥かに超えていた。
いつの間にかランスは誰にも(シィルにさえも)見せたことのない真っ直ぐな表情を浮かべていた。
シィルという大事な女を救うためだけのために、ランスはこの大陸に平和をもたらそうとしていた。
この世界を律する創造神ルドラサウムは平和が大嫌いである。
ランスは世界平和を実現してしまうことによって、ルドラサウムを世界の表舞台に引きずり出そうと目論んでいた。
ランスがシィルに対する己の感情を他人に語ったのは、このときが最初で最後であった。
その瞬間ホーネットは、常に自分に向けられていた圧倒的なまでのランスの強制力がとても遠いものに感じられてしまう。
ホーネットが一番知りたかったこと、ランスが世界平和の確立と創造神の打倒を望む理由がやっと明かされた。
その"一人の女性を救うため"というとてもシンプルな答えは、ホーネットにとって衝撃的なはずであった。
崇高な理想をランスに期待していたホーネットにしてみれば、とんだ肩透かしである。
だが、その答えを聞いたときにホーネットが感じたことは狂おしいまでのせつない感情であった。
どうすればいいのかわからなくて、表情を消そうとするホーネット。
しかし、しっかりとランスにはホーネットの悲しみが伝わってきた。
そんなホーネットに対して、困った顔をしながら自分とシィルの関係についてなんとか説明しようとするランス。
そのときランスは自分のホーネットへの思いを否定することはしなかった。
再び暖かい強制力に包まれるホーネット。
必死に取り繕おうとするランスの様子に能面のようであったホーネットの表情も、次第に強張りを解いていく。
よく考えてみれば、魔人の自分が魔王であるランスの心を独占しようとするのは、不遜な行為である。
魔王であるランスがただの魔人である自分の感情など無視すればよいのに、大切に扱ってくれている。
それだけでも感謝すべきであった。
ランスに対して微笑み、納得した旨を伝えるホーネット。
ただ一人の女性としてホーネットの胸の奥に少しだけもやもやしたものが残っていた。
しかし、そのホーネットの反応にランスの方がなんとなく納得いかなかった。
自分がいかにホーネットに対して熱い思いを抱いているかを証明するために、ホーネットに襲い掛かるランス。
すっかり元のペースに戻ってしまったランスは、ホーネットに対してその性欲を存分に発揮した。
ランスの壮絶なテクニックとハイパー兵器の逞しさを前にホーネットは限界まで乱れに乱れることになるのであった。
<LP3年10月25日>
ランスとホーネットは愛欲の日々を送っていた。
日がな一日二人は肌を重ねあい、互いの体温に安らぎを求め続ける。
ランスのホーネットに対する愛情と欲望は無尽蔵だった。
ホーネットはランスの力強さに翻弄され続けた。
躰を合わせていないときでさえも、ランスはホーネットを己の側から片時も離さなかった。
シャングリラに留まっている間、ホーネットは常にランスの側に侍っていることを約束させられていた。
ホーネットがそのランスの要望に答えてシャングリラへの長期の滞在を決意したのにはある事情があった。
既にホーネットは数える事が愚かしいほどランスに抱かれてしまっている。
ランスと肌を重ね続ける時間が長かったために、彼女は一つの事実に気づいてしまうことになる。
それはランスが魔王と呼べるほどには強くないという事実であった。
純粋な戦闘力の面から見ると、ランスは明らかにホーネットよりも弱かったのである。
攻撃力・防御力・忍耐力・敏捷度・器用度・戦術習熟度・魔術習熟度。
ありとあらゆる全ての面でランスはホーネットよりも大きく劣っていた。
魔王であるはずのランスがホーネットに対して勝っているのは、無限の体力と魔力の二点だけであった。
そしてその二点でさえもランスはまるきり使いこなせていない。
まさに宝の持ち腐れであった。
ランスは既に人間だった時点で、魔剣カオスや聖刀日光の加護を得て魔人並の強さを手に入れている。
その強さは元魔王一名と魔人五名を倒すことに成功しているほどである。
確かに魔王となり大幅に強化された聖刀日光を得た今のランスならば、ほとんどの魔人には勝てる力を得ていたと言える。
しかし、魔人の間でも最強の座を争うホーネットとケイブリスの二者だけは話が別であった。
ランスの天敵であるハニーの魔人"ますぞえ"も、その例外に該当する可能性が高い。
確かに魔王であるランスは、対魔人戦において絶対的な有利さを誇るはずの強制力を持っている。
しかし、ランスは相手と接触した状態でしかその強制力を発揮できない。
敵対する魔人が接触をさける作戦を取った場合、あっという間にその有利さを発揮することができなくなる。
さらに突き詰めると、ランスの強制力の方向性はとても曖昧なものであった。
ランスの注意力を逸らせばいくらでも逃れるチャンスが生まれてしまう。
現にホーネットは、ランスに密着されてはいたがランスを攻撃することは可能であった。
ランスがホーネットに対して完全に心を許してしまっていたためである。
その強制力を己の身の安全のためには使われてはおらず、ホーネットにとってみればあって無きが如しであった。
今ならばホーネットが本気を出せば、どんなに密着していたとしても簡単にランスの間合いから離脱は可能である。
魔法戦に秀でた自分の力量であれば、一旦距離をとってしまえばランスを完全に押さえ込めるという確たる自信がホーネットにはあった。
いかにランスに無限の体力があるとはいえ、その回復力は人間並であり、痛みを堪えるための精神力も人並みである。
彼我の攻防の能力に圧倒的な差があるため、一方的に攻撃を喰らわせ続ければランスがいずれは敗北してしまうことになる。
そしてそれは、ランスの相手がホーネットではなく、ケイブリスであったとしても同じ事であった。
肌を合わせることで、なんとなくランスの強さを把握してしまったホーネット。
今の時点でランスを魔人領に誘うのはリスクがかなり高いと考えるようになる。
ランスが魔王であることを主張しても、ケイブリスが自分よりも弱い人間に従うはずもない。
反逆を続けることは明白であった。
ランスに魔王の力を取り戻してもらうためには、いったいどうしたらいいのか。
ホーネットはランスに抱かれつつも、次第にそのことだけを考え続けるようになっていた。
<LP3年10月26日>
すでにホーネットはランスに絶頂の味を教え込まされていた。
共に絶頂に至り、抱きしめあったまま目も眩む悦楽の境地を味わう二人。
この日も既に幾度と無く共に果てていた。
また互いに呼応して昇り詰めていくランスとホーネット。
再び絶頂が訪れる。
その瞬間に躰の一番奥に勢い良く注がれる、ランスの熱いエナジー。
いつもの様に膨大なパワーがホーネットの躰を駆け巡っていく。
さらなる快楽に蕩けていくホーネット。
だがその瞬間ホーネットはある事実に気付いてしまう。
ホーネットはやっとランスとのセックスに慣れ始めていた。
ランスと合歓を楽しむ余裕が次第に出来てきたためもあっただろう。
自分の躰がその瞬間にいったいどのような状態になってしまったのか。
ホーネットはその聡明な頭脳で隅々まで理解する。
ランスの精を受けた瞬間、ホーネットの躰に力が満ち溢れていく。
明らかに自分がパワーアップをしていることにホーネットは気づいてしまった。
そのパワーアップの量は尋常ではなかった。
理由は定かではないが、ランスの中出しには一時的に魔人を大幅に強化する力があるらしい。
魔人が他者の魔血魂を吸収したときに生じるパワーアップと状況が良く似ていた。
魔血魂を飲むと普通は苦痛にのたうつことになるのだが、ランスの精は親和性が高いらしく全く負担にならなかった。
さらに、ランスとのセックスは一時的な効果をもたらすだけではなかった。
ここ数日で基礎的なレベルで己がどんどん強くなってしまっていることにホーネットは気づいてしまったのである。
ランスとセックスで絶頂する回数が多い日ほどその傾向は顕著に現れていた。
<LP3年10月27日>
いずれは魔王となるべく、父ガイの下で幼いときから厳しい英才教育を施されていたホーネット。
この世のあらゆる知識を可能な限りその身に蓄えていた。
当然この世界の理の一端である、性交で経験値が得られるというルールもその知識の中にあった。
男の子モンスターたちはパワーアップのために強い女の子モンスターとの性交を好む。
魔人領では常識である。
ランスに抱かれる度に強くなっていくホーネットに合わせて、相対的にランスの方も随分と強くなっていた。
ともすればホーネットの強くなるスピードよりも、ランスのレベルアップのスピードの方がテンポが良かったと言える。
聡明なホーネットがその事実に気づくのは速かった。
ほれ薬の効果により、ランスは結合中の美樹から魔王の力を奪取してしまった。
巨大な魔王の力がハイパー兵器を通して美樹からランスに移行されたのである。
その結果、ランスは、女の子とセックスするときに最大限の広さでバイパスを形成する能力を自ずと手に入れてしまったのである。
魔王となったランスがセックスによって得られる経験値は、これまでのそれとは桁が違う大きさとなっていた。
それはランスの相手をする女の子側にも言えることである。
ランスの妾妃たちは当然ながらランスとたくさんセックスすることになる。
下級使徒化だけでなく多量の経験値が注ぎ込まれることにより、彼女たちはあっという間に強くなっていく。
またその才能限界までもが、ランスによって強引に引き上げられてしまうことになる。
魔人は女の子モンスターに近い属性を持っている。
人間であった当時は、サテラとのセックスではあまり経験を得ることはできなかった。
しかし、今のランスは違う。
相手がどんな種族であろうと関係なくなっていたのである。
そのため得られる力の大きさで言うと、最強の存在である魔人とのセックスがランスにとって一番有益であった。
魔人たちの中でも才女として名高いホーネットは断トツの存在であった。
<LP3年10月28日>
しばらくの間シャングリラに滞在することを決意したホーネット。
ランスの強引さに流されていたこれまでとは異なり、目的意識をしっかり持ってランスとのセックスに臨んで行く。
ランスが自分とのセックスでよりたくさんパワーアップできるように、ホーネットは自分から学ぶ姿勢を打ち出していく。
ランスはそのホーネットの思惑に全く気がついていなかった。
誠実で真面目な性格だけあって、ホーネットは実技での試行錯誤を真剣に繰り返していくことになる。
ホーネットはその完璧振りを次第にベッドの上でも発揮し始める。
一を学んで十を知る勢いであった。
ランスの反応に即座にフィードバックをかけてくるホーネットを前にして、ランスも次第に圧倒されていくことになる。
ホーネットはランスに対してどうして自分がシャングリラに留まることを決めたのかは明かさなかった。
本当のことを喋ったらランスが臍を曲げてしまい、自分とセックスしてくれなくなる。
ランスの性格をこれまでの短い付き合いで、きっちりと理解してしまっていたのである。
しかし他にも理由はある。
ホーネット自身も気づいていなかったが、利己的な目的で躰を重ねてしまっていることをランスに知られたくなかったのである。
ホーネットは無意識に、自分がランスを好きであることをアピールしたかったのである。
普通ならば抱いている女性が心ここにあらずの状態にあったなら、鋭敏なランスであればすぐ気づいていたはずである。
しかしホーネットはランスに対して、自分の意識が他に向いていることを完璧に隠し通すことに成功する。
急に積極性を増したホーネットの態度に、ランスは照れつつも舞い上がってしまい我を忘れてしまう。
そんなランスの単純さにホーネットは少しだけ呆れることになる。
しかし、それだけ自分に執着してくれているのだと思うと、嬉しくて可憐に頬を赤らめてしまうのであった。
ホーネットは内心でランスに対して謝りながら、肌を合わせつつ一番効果的なポイントを探す行為に集中していくことになる。
<LP3年10月29日>
ホーネットはまず体位の基本である正上位でコツを掴むことに成功する。
答えは簡単であった。
どうやら互いの快楽が深まれば深まるほど、得られる経験値も大きくなっていくらしいのである。
また絶頂のタイミングを二人で合わせることも大きく影響していた。
もっと自分を感じさせようとするランスの頑張りに、ホーネットは積極的に協力した。
さらにランスが最大限に感じられるようにホーネット自身も努力を重ねた。
膣の締め付けについても、意のままにコントロールする手法を急速に学んでいく。
また反復練習を繰り返すことで、ランスが噴出するタイミングを頭ではなく躰に叩き込んでいった。
一端コツを掴んでしまったらその後は早い。
ホーネットは正上位だけでなく、ランスの求めてくるあらゆる体位にそのコツを応用する方法を学んでいく。
終いには、ランスの繰り出してくる未経験の体位でも寸分の狂いも無く腰を合わせ、自然に絶頂を合わせてしまうまでに成長してしまう。
ポイントをしっかりと抑えつつ、ランスとのセックスを楽しむことを可能となるホーネット。
それからのランスとホーネットの愛し合う行為は、純粋に性の歓喜を伝えあう恋人同士のセックスのようにラブラブなものになる。
ホーネットが学んだその引き締まった腰の使い方は、ランスを大いに悦ばせることになる。
そしてランスが絶頂に至るたびに、ホーネットの子宮はランスの熱い精液でいっぱいになってしまう。
めくるめく快楽の中で次第にパワーアップという題目を忘れていき、本気でランスと愛し合うようになってしまうホーネット。
ホーネットはランスに出会えたことを感謝し、自分が幸せの絶頂にいることを自覚するのであった。
<LP3年10月30日>
ホーネットはランスの無限の体力と性欲を絶え間なく受け止め続ける。
密かに自分がランスを導く役目を担うと決意をしているホーネット。
そのため使命感に燃えたホーネットは、どんな障害にも決して音を上げることは無かった。
手放しそうになる意識を健気にも奮い立たせ、ホーネットは何度もランスに立ち向かう。
とても自然な形で互いが最高に感じるポイントに合わせて来る。
そのホーネットの慎ましさはランスに新たな感動を与え、一切の妥協の無い愛撫を誘発していく。
抱かれれば抱かれるほどどんどん馴染んでいく。
ホーネットの躰の感度も瞬く間に上がっていく。
一度のランスとのセックスでホーネットがイってしまう回数は、最初の頃よりも格段に増加していた。
当然のことながら回数だけでなく得られる快楽の深みも増していた。
すでにホーネットがランスに精を注がれた回数は百を優に超えてしまっていた。
ホーネットの肉体はランスのためだけに完全に花開いた状態となる。
ランスに抱かれている間、ホーネットの精神はランスと一つになることだけに特化されていた。
無限に続くかのようなランスとの性宴。
朝になりランスの腕の中で目覚めたホーネットは、さきほどまで抱かれていたのは、夢の中での出来事だったと気づく。
瞳を閉じて意識を落ち着かせ、静かに息を吐く。
現実と夢の境界が曖昧となるほど、ホーネットはランスに抱かれ続けていたのである。
結合中に完全に一体化した幻想を互いに抱くようになるまで、ランスとホーネットは昇り詰めたのであった。
<LP3年10月31日>
ローゼスグラードを拠点とするリーザス帝国軍主力部隊。
スードリ10に配備されたヘルマン帝国軍第五軍。
相も変わらず両軍の睨み合いが続く。
しかし、一見同じに見える両軍の睨み合いにおける双方の取り組み方には、実は大きな違いがあったのである。
皇帝ランスが不在ということもあり、リーサス帝国軍は兵を動かすことができなかった。
これはある意味、皇帝ランスの強大な統率力によって成り立つリーザス帝国軍の唯一の弱点であった。
ランスが全軍を統括している場合は、奇策王道硬軟取り混ぜたあらゆる戦略が駆使されることになる。
ランスに率いられたリーザス帝国軍は縦横無尽の活躍が可能となり、戦争において無敵を誇る。
つまりはランスの器の大きさに頼るところが大きすぎるのである。
リーザス軍の諸将はランスの偉大さをよく理解しており、堅く出撃を戒めるところとなる。
リーザス帝国軍とは逆に、ヘルマン帝国軍には纏まりがなかった。
第一から第五までの軍団が並列に存在することにより、全軍の結束は著しく低く統制が取れていない。
軍団のそれぞれが各個に指揮系統を持っていることから、本来ならば柔軟で臨機応変の対応が可能なはずであった。
だがリーザス帝国軍の前面に立ちふさがっているヘルマン第五軍は、その利点である柔軟性を全く失ってしまっていた。
酒色に溺れている主将ロレックスに習うように、ヘルマン第五軍の部隊の規律は緩みまくっていたのである。
情報を集める努力もせず、ただスードリ10に居座っていただけであった。
リーザス帝国軍の大将軍であるバレスは、ランスの不在を受けてリーザス城に呼び戻されていた。
ランスに代わってリーザス帝国軍全体の実質的な指揮を取るためである。
バレスは自分が皇帝ランスに遠く及ばないことをよく理解していた。
バレスの命令により、リーザス帝国軍主力はランスが戻ってくるまでローゼスグラードを死守する構えを決して崩さなかった。
そして防備を固めつつ、ランスの帰還時に備えてヘルマン帝国軍の情報を可能な限り収集していたのである。
ランスの戴冠により、リーザス帝国軍の質は大きく変わっていた。
その理由は情報戦の重要さをランスが嫌というほどリーザス帝国軍の将兵に見せ付けたからである。
リーザスが誇る諜報部隊・リーザス忍軍を、ランスは自由都市国家群制圧戦や、JAPAN遠征のおり最大限活用した。
そのランスのやり方を間近で見せ付けられた大将軍バレスは、大いに考えを改めたのである。
こうしてただ対峙しているだけのように見えて、リーザス側は影で激しく動いていた。
ヘルマン帝国軍の内実が、リーザス諜報部の手で物凄い勢いで解析されていたのである。
馬鹿面を晒してただたむろっているだけのヘルマン第五軍とは、待機の質が完全に違っていたのである。