なんか、主人公の出番を希望する人が多かったのですが……ちょっと予想外。
お察しかもしれませんが、エロはありません。次回はあります。
俺がこの世界に来てからしばらくして、俺は様々な形で世界に介入した。
戦争を起こすように唆すためにエヒトの人形、使徒を向かわせたり、魔物をより強くしたり、だ。
エヒトも、この世界を自分の好きなように変えていったのだろう。
俺と同じように他の世界からやってきたエヒトは、本当に好き勝手やっていたようだ。
まぁ、そのエヒトと同じ事を仕出かしている俺が言えることではないがな。
自分を信仰させ、その信仰を自分の力に変えるなど中々面倒なこともしていたが、面白くもあった。
あぁそれと、俺が地上で見つけ気に入った女は、神界に招き入れ存分に愛でた。
美しきモノは、俺が愛でるに値するものだ。時に犯し、時により美しさを引き出した。
しかし、その美しさを汚してみたく思うのも男の性で、気に入った女はしばらく愛でたあとは、シチュエーションを変えて他の男に犯させたりした。
これだけでも、かなり楽しめた。特に、俺に目をつけられなければ華やかな生を送っていた可能性の高い者を汚すのは、特に。
これだけでも十分に俺の心を満たしているが、上を知ってしまえばさらに上に目指したくなってくるのが欲というもの。
俺は魔物を強くさせるだけでなく、目を付けた存在により強大な力を与えた。
命が途絶える瞬間であった寄生虫を癒し、魂魄魔法を授けた。
自我もなく、前にあるものを溶かし突き進む粘体生物には変成魔法を授けた。
魂だけとなっても怨念を抱き、復讐心に身を焦がす亡霊には肉体を与え、再生魔法を与えた。
世界の叡智を獲得せんと旅をする狂った竜人には、人の身体を失う代わりにより強大な龍の肉体を与え、昇華魔法を与えた。
忘れ去られた過去を守り続ける意思なきゴーレムには魂を与え、生成魔法を授けた。
群れから離されたはぐれの子狼には、強くなれる肉体に変異させてやり、空間魔法を与えた。
どこにでもいる鳥の魔物の一匹には重力魔法が芽生える種を植え付け、そして自力で獲得させた。
これら七匹の生命を、俺の眷属とした。そして、それに相応しい力と、それぞれに足りないものを与えた。
……最後の鳥に関しては、完全なイレギュラーだが。
どこにでもいる普通の魔物たちに、重力魔法の種を植え付けて、蠱毒の要領で獲得させようとした。
最初は最後に生き残った魔物を俺の眷属とするつもりだった。
しかしあろうことか、鳥は種を植え付けてからすぐに自力で獲得し、残った種を持つ魔物たちを配下としたのだ。
俺にとって、それは完全に想定外の存在だった。しかし、その存在は俺の心を震わせた。
「あぁ、この世界は俺の心をもっと満たしてくれるのか、もっと楽しませてくれるのか」と、そう思った。
嬉しさのあまりか、この鳥に関しては他の六匹よりもより多くのものを与えた。
膨大な魔力、強い肉体、全てを感じ取る感覚気管、大抵の攻撃を弾く羽毛、等々だ。
正直、俺もどれだけのものを与えたのかは覚えていない。だが、間違いなくこの鳥は俺の知る中でも最強の存在になったのは確かだろう。
この鳥を含めた七匹は引き続き地上に放し、好きなようにやらせてみた。
その結果、眷属七匹は七王などと呼ばれ、人間たちに畏れを抱かせた。
そしてせっかく眷属を作ったのだからと、俺はすっかり忘れていた名前を七王に付けていった。
蟲の王アディゲーター
スライムの王レト
不死者の王ジュヴァン
龍の王ロギア
ゴーレムの王オティヌス
狼の王メルム
鳥の王ニィール
今ではそんな風に呼ばれる存在となり、この世界の強者となった。
しかし、そのように呼ばれるようになっても、七王は俺の眷属であることには変わりない。
故に俺の命令には従うし、俺に逆らうこともない。そして逆に、俺も七王がやりたくないようなことは押し付けたりはしない。
俺の眷属となったのだから、こいつらには好きなことを好きなようにやらせたいのだ。
互いが互いに過度な干渉をしないように縛りはつけているが、それもあくまで軽いもの。破ろうと思えばいつでも破れる程度のものでしかない。
だから、いずれはこいつらが争う日も、来るのであろう。その時は……
「間違いなく、世界の半分以上は壊れるだろうな」
それだけの力は与えた。あとは、七王次第。
俺は干渉しない。俺は見ているだけだ。お前たちに対しては。
俺の心を満たしてくれよ、我が眷属たちよ。
▲▼▲▼▲▼▲▼
ゴーレムの王オティヌスは、ただの守護者だ。
忘れられた過去を何千年も────それこそ、神代の魔法使いが生まれるよりも前から、守り続けてきた。
地殻変動によって土地が変わろうとも、オティヌスの守るべきものは変わらない。
その障害となりうる者は全て破壊する。
その墓を汚すものは万死に値する。
守るべき者が消え去ろうとも、守るべき物は残る。それを壊そうとするものには、怒りの鉄槌を与えよう。
憤怒の心を有する王は、怒りでもって全てを破壊するのだ。
蟲の王アディゲーターの思考回路は単純だ。
他者を理解する心は持っているが、結局は自身の都合を優先する。
アディゲーターにとって、優先するべきことなど一つしかない。
アディゲーターの目的は子孫の繁栄。だからこそ、より多くの他者がいる。
産めよ増やせよ、地に満ちよ。それこそ世界を覆うほど。
色欲の心を有する王は、自身の本能に従い、全てを覆い尽くさんとするのだ。
スライムの王レトは、自我を得たあとも何も考えることはない。
目の前にあるものは全て喰らい、自身の糧とする。ただそれだけのことだった。
その欲に果てはない。世界が消えてなくなろうとも関係ない。
なくなったのなら、ある場所に向かえばいい。後退など考えない。思い付きもしない。
暴食の心を有する王は、全てがなくなろうとも関係なく食べ続け、いずれ全てを喰らい尽くすのだ。
不死者の王ジュヴァンは復讐のために蘇った。
しかしジュヴァンの復讐相手は、もう既に土に還り、いなくなっていた。
やらなくてはならないことを見失ったジュヴァンを突き動かしたのは、世界を手中にしたいという支配欲だった。
従うものは配下とし、敵は殺して下僕とした。
彼にとって、死とは終わりではなくなった。生と死は、意味をなさなくなった。
これは始まりだ。自身が世界を手にするための始まりなのだと、ジュヴァンは思った。
強欲の心を有する王は、世界の全てを支配するまで止まらず、終わることはないのだ。
龍の王ロギアは周りの全てを妬んでいた。
自分の持たないものを持つものを妬んだ。自分にできないことが出来る者を妬んだ。
何もできない自分にもできることを望んだ。それが、知恵を蓄えることだった。
ロギアは全てを知り、人の肉体を捨てた。ロギアにとっての絶頂ともいえた。
しかしそれでも妬みは終わらない。
嫉妬の心を有する王は、今日も何処かで自身の同胞たちを妬み続けるのだ。
狼の王メルムは常に一人だった。
自身を守れるのは自分しかいない。信用できるのは自分しかいない。自分を信じてくれるのは自分しかいない。
メルムの世界は、常にメルムだけで完結している。メルムの自由を誰も邪魔することはない。
故にメルムは、自分を縛るものや自分を阻むものは許さない。
メルムは境界を侵す者。誰にもメルムを止める権利は持たないからだ。
傲慢の心を有する王は、常に自由で有り続けたいと世界を翔び続けるのだ。
鳥の王ニィールは臆病だ。
他の七王と比べ、ニィールは大した過去を持っているわけではない。
多少他の魔物よりかは怠け者ではあるが、それだけだ。それだけしかない。
ニィールは、自身に優れた部分などないと確信している。自分が特別ではないと思っている。
だからニィールは常に怠ける。自身がやったところで何も出来はしないと、そうおもっているから。
自身に関する他の全てを配下の魔物に任せ、堕落した生を送る。
怠惰の心を有する王は、堕落を貪り終わりが来るまで怠け続けるのだ。
それら全てを、異界の王は許容する。
何をしようと、何が起ころうとも。彼は笑って許す。
その自由こそが、彼の眷属の証であるからだ。
さて。
エロはありません。今日のところは。
次回の内容は最新の活動報告にコメントされたものから選びますので、何かご要望があればそちらに書いてください。