お相手は白崎さんに妄執を向けていたあの人です。
白崎香織はとある男子に恋をする普通の女子学生だった。
日本にいたときのあることを切っ掛けにその男子のことが気になりはじめた。
最初は小さな恋心だったが、中学時代にはその男子の通う学校を特定し、高校生となり彼と同じ学年になれた時は彼の趣味を理解しようと彼女の親友と共に駆け巡ることになった。
控えめにいってストーカーも同然である。まだ彼の家を特定していないことは、彼女の良心が働いたといえるのか……
そんな香織は自分の恋心をまるで自覚しておらず、なぜこんなにも彼のことが気になるのかなど、わかっているはずもなかった。
彼女の天然な性格も合わさり、意中の彼との会話は上手くいかず、幼馴染である
もちろん彼女は天然であるため、なぜ光輝が────龍太郎は光輝に付き添ってるだけだろう────彼との会話を邪魔するのかわかっていない。
因みにそれは鈍い光輝にもわかっていないことだが、それは置いておく。
そうして高校生になってから一年が過ぎ、白崎香織は17歳となった。
このままいけば意中の彼、
多少の困難はあれど、普通の幸せな日々を送ることが出来ただろう。
しかし、そんな彼女に────否、クラス全体に転機が訪れた。
白崎香織を含めたクラス全員が、異世界の王国に喚び出されたのだ。
自分達を喚び出したのはエヒト神であり、そのエヒト神の力がなければ元の世界に帰ることはできない───彼女たちに状況を説明したものは、そう言った。
もちろん最初は誰もが反発した。特に担任である畑山愛子は、生徒を守ろうと声音を上げて否定した。
しかし、クラスのリーダーである光輝は話を聞き、人々の危機であると察し、戦うことを宣言した。
そんな光輝の表明にクラスメイトは流され、幼馴染である龍太郎、雫、そして香織も光輝に付き合うことを決めたのだ。
それから数週間は王国で訓練を行い、実践訓練へと挑むためクラス全員が────国にとって貴重な天職を保有する愛子はいない────騎士団の力を借りてオルクス大迷宮を攻略しようとしていた。
もちろんその中には、彼女の想い人たるハジメもいた。
彼女は前日見た夢の光景を、今もなお忘れずにいる。大切な人であるハジメが、何処かに消えたしまうという悪夢を。
それが正夢となるのではないかと、香織は不安になった。そして、それを裏付ける理由もあった。
彼女たち喚び出された者全員が大小あれど力を得た。それも戦闘系の天職という形で。
しかし、ハジメだけが生産系の天職であり、戦いには向かない天職であったのだ。
いわゆる、落ちこぼれというやつだった。
だから香織はハジメを大迷宮に行かないでほしいと説得した。あの悪夢が正夢になってほしくないから。
しかし、ハジメは自分が弱いことを知りながらも、それでもクラスメイトと共に行くことを決めていた。説得するはずの香織が逆に説得されてしまうことになった。
ハジメは『自分は弱いから、だから守ってほしい』と、香織に告げた。
香織はその言葉を受け止め、自分がハジメを守るのだと決心した。
オルクス大迷宮の攻略は、途中までは上手くいっていた。多少の苦難はあったが、問題とするほどのことではなく、順調に進んでいった。
ここまでは良かった。ここまでは。
順調だった迷宮攻略はしかし、一人のクラスメイトの犯したミスによって崩落した。
そこで彼女は──────ハジメが奈落の底に落ちていく光景を、目の当たりにしてしまったのだ。
彼女の見た悪夢が、最悪の形で実ったのだ。
しかし、彼女の悪夢は終わらない。
彼女のもとに、醜悪な悪意が迫ってきていた─────
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檜山大介に転機が訪れたのは、大迷宮初攻略が終わってすぐのことだった。
初めての迷宮攻略は、彼に死というものを実感させた。人は些細な切っ掛けにすぐに死んでしまう。例えそれが、いけすかない落ちこぼれであろうと。
檜山大介は、異世界に来て初めて人を殺した。
クラスメイトの死は魔法の暴発による事故だと片付けられたが、なんてことはない、あれは檜山がやったことなのだ。
彼は、想い人である白崎香織と落ちこぼれである南雲ハジメが仲良くあることを気にくわないと思っていた。そんなのは間違っていると。
そんな思いを異世界に来る前から抱いており、だからハジメのことを虐め罵っていたのも、お前が悪いのだと思っていたからだ。
そして、それはハジメを殺した今でも変わらない。全てはあいつが悪いのだと、そう思い込もうとしている。
それが嫉妬から来るものだと檜山は気付かない。『なんでお前が』という醜い妬みが、彼の衝動を突き動かしたのだ。
しかし話はそれで終わらない。自己弁護で自分を守ろうとする彼に、悪魔の囁きが紡がれた。
「人を、同胞を殺したのでしょう?ならば、もう止まることは出来ません。
あなたは許されないことをした。ならば、もうなにをやっても構わないでしょう?」
────そうだ。俺はしてはならないことをした。衝動に任せて、嫌っていたとはいえクラスメイトを殺した。
ならもう、何をやっても構わない。そうだ、そうにちがいない─────
悪魔の囁きを、檜山は受け入れた。抗うことなく、心を闇に染めた。
檜山は自分の心が誘導されていることに気付かない。精神的に追い詰められていたからでもあるだろうが……なによりも、その醜き心こそが、檜山の未来を決めた。
「あなたにこれを与えましょう。好きに使いなさい。それを咎めるものは、誰もいません」
銀色の悪魔はそう囁き、姿を消した。
檜山は黒い衝動に突き動かされるまま、行動を開始した。
彼の
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「香織っ!香織ぃ!」
「もう、大介くんったら。甘えん坊さんだなぁ」
とある一室。一組の男女が抱き合いながら睦みあっていた。
一人は白崎香織。もう一人は檜山大介。
恋人でもなければ睦み合うような関係でもないこの二人が、なぜ密室の中で二人っきりになっているのか。
それは、檜山の懐で妖しく光る宝玉によるものだった。
その力は記憶の改変。檜山は、あの銀色の悪魔のもたらした宝玉を使い、香織の記憶を改変したのだ。
それも、南雲ハジメという初恋の相手を忘れさせた上で、自分と香織は恋人であるという記憶に変えたのだ。
香織はその違和感に気付かない。何か大切なことを忘れているのではないのか────そんなことすら思い付かない。
彼女に与えられたのは『自分は檜山大介と恋人であり好きあっている』という記憶だけだった。
「な、香織。服脱いでくれよ。香織の裸が見たい」
「もう、大介くんったら……いいけど、ちょっと離れて?」
自分がおかしなことを命令されていると、香織は気付かない。それが当たり前のことだと思い込まされているからだ。
香織はすぐに着ていた服を脱ぎ始める。シュルシュルと真夜中の静かな空間に布が擦れる音が響く。
檜山はそれに興奮しながらじっと香織を見つめている。
「ん……はい、脱いだよ」
「う、わ……すげぇ。綺麗だよ、香織」
「そ、そう言われると、恥ずかしいな……」
香織は全ての服を脱ぎ終わると、檜山に見られるようにしながらも恥ずかしそうに身を捩る。
その姿に興奮した檜山は、自らの肉棒が勃起したことを自覚し、次の段階に移行した。
「なぁ香織ぃ。俺のここが興奮しててよぉ……慰めてくれよ香織ぃ」
「え?あ、ほんとだ……えっと、初めてだけど、がんばるねっ」
香織は檜山の勃起でテントを張った部分を見て少し驚きながらも、檜山の言われる通りに慰めようとズボンを脱がしていく。
「んしょっとっ、わ、大きい……これが大介くんの……えっと、じゃあ入れるね?」
「えっ?」
と、そこで檜山の思わぬ行動に出た香織に一瞬虚をつかれて反応が遅れる。
檜山がさせようとしたのはフェラであり、本番はそれが終わったあとにやらせようとしたのだが、ここで香織の天然が働いた。
「ん、くぅ……あっ、おお、きぃ……ん、ふぅ、ふぅ……は、入ったよ大介くん……」
「う、くぅ……すげぇよ香織。香織のが、俺のを締め付けてくる……っ」
フェラではなく、そのまま本番に入ってしまったのだ。もちろんそれは檜山にとって悪いことではない。ただ順番が変わってしまっただけだ。
先に香織の処女を楽しめたと考えれば、気分は良い。
「ん……動く、ね?」
「う、おぉぉっ」
香織は中に入ってきたものに異物感と痛みを感じながら、檜山を気持ちよくさせようと腰を動かす。
それに檜山は初めて与えられる肉棒への感覚に、思わず声をあげ、慣れない感覚に背筋を伸ばした。
「んん、はぁ、んっふぅ……ど、どうかな大介くん、気持ちいい?」
「あ、あぁ……香織の中、とても気持ちいい……あ、ぐっ」
檜山がしてきたオナニーとは比べ物にならないほどの快楽は、瞬く間に檜山を虜にした。
「香織っ!あ、あぁ!もう、出そうだっ」
「んんっ!?あ、や、待って大介くんっ、そんな動かしちゃ……あぅ!」
動かされるだけでは足りないとばかりに檜山も腰を動かしはじめ、更に快楽を得ようと香織の膣内を擦る。
香織から流れる処女の血が潤滑油の役目を果たし、ジュボジュボと円滑に肉棒を動かせていた。
そしてそれによって、今まで異物感と痛みしか感じていなかった香織の中は、明確な快楽を感じられるようになっていた。
「あ、や!ぁぁっ、な、これっ?わたひ、しらな……んぅあぁ!」
「あ、射精るっ!射精すぞ香織ぃ!」
檜山のそんな無責任な宣言と共に、肉棒から大量の精子が解き放たれる。
ビュルビュルと精液が子宮と膣内を埋めつくし、肉棒の隙間から漏れ出てくる。
香織は初めて与えられた快楽とそれによる絶頂に戸惑い、檜山に抱きつきながら燃え盛る快感を静めようと肉棒を中に入れたまま動きを止めていた。
「は、ぁ……ん……どう、だった?大介くん……私、上手く出来たかな……?」
「あぁ、完璧だったよ香織……でも俺、まだやりたい」
「え?あ、待って、少し、休憩……あぁあ!」
だが、与えられた快楽を味わったばかりの檜山は香織の静止を聞くことなく再び抽挿を始める。
そうして、初めてのセックスが終わったのはそれから二時間後のことであった。
その間に注がれた精子が、香織の卵子と結び付いたことを、檜山も、そして香織も知らない。
大切な記憶を失った香織に与えられたのは、檜山の作り出した偽物の記憶と、檜山の行いによって孕んだ新しい命だった。
それに絶望することすらできずに、香織は一生を檜山の奴隷として過ごすことになる。そんな自覚も、ないままに。
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「……任務、完了いたしました」
上空から勇者たち異世界人のいる王国を眺める銀髪の美女────檜山に宝玉を与えた悪魔が、そこにいた。
エヒトの作り出した神の使徒、イルファと名付けられた戦乙女は悪意に満ちた者を唆し、適正のあるものには神代の魔法を、適正のないものには宝玉を与え、好きなようにやらせた。
これで、どのような結末となるのかは創造主たるエヒトにもわからないだろう。
だが、今までにない結末となるのは、間違いない。
「次の指令……了解しました。指令に従い、行動を再開します」
そして、与えられた役目を果たしたイルファは、何処とも知れぬ場所に飛び去った。
あとに残るのは、静寂な夜と───悪意に満ちた、王国だけであった。
世紀末王国。これならむしろ奈落の方がマシなのでは?
次はハジメを書きます。
奈落のバットエンドにしますので、ご注意ください。
あ、シチュエーションならびに御要望あれば活動報告にコメントください。参考にします