デトオクは、サンセットリゾートでは名物だったみたい。
会場は、かなりにぎわってる。小さいステージがあっちこっちにあって、ほとんど裸のダンサーとかがいて、給仕してるスタッフも、ほとんど紐みたいな水着で、えっちなかっこ。
なんか今までの高級リゾート感にはそぐわない、異様な空気。お客さんの興奮を、あおってる感じ……かと言って、そんなに下品じゃなくて、どこか高級感があるし、お客さんも余裕がある感じなのは、さすがかも。
楽屋では、いろんなひとに声をかけられた。
みんな、オンエアを見てたって、言ってた。あんたがでるなら、あたしが買いたかったのに、って。耳まで真っ赤になるのが、わかった。
それって……面と向かって、せっくすしたいって、言ってるようなものじゃないの……?
どきどきする。はずかしいけど――うれしさの方が、つよい。
ほんとに、あたし、魅力あるの、かな――。
スタッフに、えっちなランジェリーを着させられる。胸もあそこも丸見えで、着てる意味があるのか、わかんないようなやつ。
りん……っ♥
楽屋で鈴が鳴ってるのは、あたしだけだった。ほかの子ににやにやされた。
えっちすぎって、わらわれた。ふつう、そんなかんたんに鳴らない、って。
待ち時間のあいだ、気づいたら、ほかの子たちに詰め寄られて、かこまれてた。
部屋の隅に追いやられて、肌がすべすべとか、おっぱいきれいとか、いろいろ言われて、からだにさわられた。
りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥
「んっ♥ あのっ♥ あ♥ そんなとこ♥ んっ♥ んっ♥ んっ♥ やぁ……♥」
耳とか、髪の毛とか、首筋とか、腋とか、おなかとか、太ももとか――ペッティングとも言えないような、軽いじゃれつきだけで、ほとんど腰砕け。
ひとりで、りんりん鈴を鳴らしてた。
「あーん、やばい、かわいすぎ」
「ペットにしたい」
「性奴隷にしたい」
「飼育したい」
「しつけたい」
「というか普通にこわしたくないですか?」
「眼球舐めていい?」
「おへそ性器化改造しましょう」
「エッグい舌ピとか似合いそう」
「ばしばし抜歯」
「タトゥーいれようよ、えっちなの」
「達磨にして抱き枕にしたくなっちゃいます」
「あれ、なんかさっきからひとりだけヤバいの混じってない?」
「ぜったいエルマさんだろ……」
スタッフに呼ばれる。ようやく、自分の番。
ふらつきながら楽屋を出て、会場に入る。ステージに上がる。
すさまじい熱気と、けたたましい歓声。前の番までとはおおちがい。圧倒される。足がすくむ。
オンエアを見てたって、やっぱり言われる。みんなに。何十人に。
くらくらする。ぞくぞくする。汗がにじむ。
「さーあ、お待たせしました、今夜の目玉! さながら妖精がごとき可憐さ! ただよう犯罪臭! いいえ、合法です! 先日、わが社のリラクゼーションマシンで最高のショーを披露してくれた、あのドスケベ鼠ちゃんの登場です!」
司会の鴉のおねえさんがあおる。会場が、さらにヒートアップする。ねっとりした何百もの視線が、つま先から、あたまのてっぺんまで、からみつく。
びりびりする。ぞくぞくする。おなかの奥が、濡れてくる。
みんな――あたしを待ってたんだ――あたしと、せっくすしたくて――。
りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥
「おやおや、どうやらみなさまよりも、鼠ちゃんの方が待ちきれない様子です。あのショーがヤラセではなかったことが、はやくも証明されてしまいましたね! では前置きはこの辺にして、さっそくはじめましょう! 十万から!」
いっせいに、みんなの手があがる。すごい勢いで、値段が上がっていく。あたしの月収なんか、まばたきする間に超えちゃう。
……え、なにこれ――。
現実感が、なくなる。お金の価値観をうしなう。
あたしなんかと、たった一日デートするだけで、みんなそんなに払うの……?
一瞬、冗談かとおもう。でも、みんなの、ぎらぎらした目を見て、さとらされる。
本気だ……、本気でみんな、そんな大金払ってまで――あたしとデートしたいんだ――。
「五十万! 五十三万につづいて、五十五万が出ました! 六十万!」
りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥
どっどっどっどっどっ――。
値上がりするたびに、鈴が鳴る。鈴が鳴るたびに、心臓が、あぶない脈打ち方をする。
「百八十万! おっと、百九十五万だ! 異様な事態です。こんな伸び方はわたくしもはじめてで――なんと二百三十万です!」
ついに、あたしの年収を上回る。
その額は、みんなの欲望が、数字になったもので――、あたしのたった一晩の価値で――、みんなをそんなにさせてるのは、あたし自身で。
……あ、これ、だめなやつかも――、だめに、なるやつ、かも……。
膝がわらう。がくがく。へたりこみそうになる。太ももは、べとべとになってる。くるぶしが、冷たい。
……今せっくすされちゃったら、きっと狂ったように、イッちゃう――。
りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥
りんりん鳴るたび、みんなが酔ったみたいになる。陶酔する。熱狂する。
倒れるひとも出てくる。お酒を呑みすぎたの、かな……。
「四百万! ついに四百万です! どうですか? ほかにいませんか? 四百二十五万! 四百五十万!」
競りあってるのが、ついにふたりだけになる。
屈強そうな虎のひとと、仮面をつけてフードをかぶったひと。
虎のひとと目が合う。舌なめずりされる。背が高くて、鍛えあげられた、がっしりしたからだつき。普通の男のひとよりも、よっぽどたくましい。
ステージの下から、話し声が聞こえる。
「ねえ、あれマキじゃない?」
「あのボクサーの?」
「そうそう、公爵フーリの腰ぎんちゃくの」
「え、やばくない? あの子、ぶっこわされちゃうんじゃない?」
虎のひとなら、きっと一晩中自分を犯すにちがいない。妄想がふくらむ。期待にうずく。すわりこみかける。
りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥
うそ、もう、イキそ――。
ざわつく。急に静かになる。その瞬間が来る。
「五百五十万です! 五百五十五万が出ました! もういませんか? いいんですか? 史上最高価格です! 五百五十五万で落札です――!」
りん――っ♥
ああ――。
会場が沸く。拍手がはじける。
たった一晩で、年収の倍以上だなんて。
触れてもいないのに、足元には、水たまりができてる。おなかの奥が、うずまいてる。
落札したのは――フードのひと。頭のなかが真っ白になったまま――、ちょっとがっかり。
ふらつきながら、スタッフの案内で、ペントハウスの最上級スイートルームに行く。
広いお部屋。瀟洒なのに派手すぎず、しっとりしたやすらぎのある内装。
フードのひとが立ってる。スタッフが退出する。
フードのひとが、仮面をはずす。
心臓が止まる。
「……まひるさん」
「どうして――」
いたずらっぽくウインクするまひるさん。
「うふふっ、スタッフが参加してると吊りあげにおもわれちゃうでしょ? だからこんなかっこしてたの」
まひるさんが、フードを脱いで、仮面を置く。
「史上最高落札価格、おめでとう、まさかわたしの記録を破られるだなんて、おもいもよらなかった。あなたは今、世界でいちばんえっちしたい娘って、おもわれてるのよ」
「あ、あたしが、そんな――なにかの、まちがい、です……」
最初に会ったときとはちがって、敬語もつかってない。今はスタッフじゃない、ってこと――?
まひるさんが、目をほそめた。
「……そうね、たぶん、ネット上でのデートオークションなら、きっと今日の一〇〇分の一、ううん、一〇〇〇分の一の値も付けてもらえなかったとおもう。でもみんな、発情したナマのあなたを目の当たりにして、おなじ部屋で、おなじ空気を吸っちゃったから、暴走して、歯止めが利かなくなっちゃったの」
「……??? どういう、意味ですか……」
「昨日、あなたとデートしてるときにたおれた子ね、表向きはなにも検出されなかったって言ってるけど、実は異様なほど脳内麻薬を分泌した痕跡がのこってたの。たおれた原因は、まちがいなくオーバードーズね」
「そんな……くすりとか、つかってるようには、見えなかったです」
「あの子が自らの意思で摂取したわけじゃないから。投与したのは……あなたなのよ、メイ」
「え? え? あっ、あたしっ、麻薬なんて、持ってないし、つかったことも、ないです……っ」
「あなたのNEMESIS、包括的に生命の均衡を取るものでしょ? わたしのNEMESISも肉体操作系だから、はじめてしたときからなんとなくわかってたの。これは仮説だけど、あなたの精神均衡をたもつために、NEMESISが麻薬成分を生成するよう特化されたのよ。しかもそれは人体からつくられるから人体ととても親和性が高くて、すぐ分解され、検出されないし、あとにのこるような副作用はほぼなし。まさに理想的すぎるドラッグ――まるで神がつくったかのような、っていうと不謹慎かな。だからさしずめ、おとぎ話にでてくる、妖精の粉……あなたは電子の妖精ならぬ――芥子の妖精ってとこかしら」
「……」
むずかしいことはわからないけど……、突然、自分がほかのひととはちがう体質なんだって、言われて、ぽかんと放心する。
でもちょっと――わかる気がする。
……あたしは、こころが弱いから。こころがこわれないように、NEMESISがそんなふうに、なっちゃったんだ――。
「えっと、つまりね? この世で、メイほどえっちで相手を悦ばせられる子はいないって意味。まさに天性の肉体よ」
あたかも世界でいちばん淫乱だと断言されたみたいで、すごく――あつい。
あつい。あつい、あつい――。
どきどきする。ぞくぞくする。りんりんする。
「どうやら、性の目覚めを受けて薬効がどんどん高まってるみたいなんだけど……、今の濃度は、最初とくらべものにならないぐらいなの。この三日間でずいぶんえっちなことしてきたのね? よかったら……聞かせてくれない?」
まひるさんがベッドの淵に腰かけて、膝の上をぽんぽんって、叩いた。
「……わかり、ました」
おそるおそる背を向けて太ももに乗ると、後ろから抱きすくめられるかたちに。
耳元で、ささやかれる。
「まず、三日目は、わかれてからどうしてたの?」
「えと……お風呂に行って、英姉妹に出会って……、食事に、さそわれました」
「それで?」
「そのときは……、ほんとにご飯だけだとおもって、でも、するのをまた見ててほしいって言われて、それで――」
「ついてっちゃったんだ?」
「はい……」
「期待してた?」
「わ、わかりません……でも、その……たぶん」
「えっちおぼえたばっかりで、それも、わたしと一晩中してたのに、また犯してほしかったの?」
「~~~っ!♥」
りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥
「どんなことしたの?」
「は、はじめは……見てるだけ、だったんですけど……、見ながら、じ、自分でしてていいって、言われて――、でもやり方……、わかんなくて、そしたら、同期するスライム? で、一緒にしてあげるって、言われて――、その……、いっぱい、きもちよく、してもらいました……」
「どこを、どんなふうに?」
「お、おまんこ、を――ひゃんっ!?」
「おつゆだらけの、ここを?」
「あっ♥ あ♥ あ……♥♥ すらいむで……っ♥ たくさんっ♥ ぐちゃぐちゃに♥ かきまわされて……っ♥ ひあっ♥ あ、っくぅうっ♥」
「どうなったの?」
「いっ♥ イッ♥ イキました……♥ っく♥ いっく♥ イクっ♥ イクっ♥ イクっ♥」
なに、これ――っ!
入口をふんわりほぐされただけなのに、もうイク。しかも、あのときの絶頂が脳裏によみがえって、今イカされたのと合わせて、同時に、二重にイク。
「ふーっ♥ ふーっ♥ ふーっ♥」
歯の根が、合わない……。
ちかちかする。がくがくする。どきどきする。
やっぱり、まひるさんの指は格別、かも。
すごいゆっくりでやさしい指使いなのに、一発で、腰砕けになるとこまで、連れてかれた――。
「それだけ?」
まひるさんの責めが、再開する。
「あ゙♥ あ゙♥ あ゙♥ ほかにも……♥ 全身っ、舐められて……っ♥ ディルドとか♥ バイブとかつかって……っ♥ ふたりがかりで、めちゃくちゃにっ、してもらいましたぁ……っ♥」
「そこで、ふたりにいっぱい開発されちゃったのね」
「そぉ……♥ ですぅ……っ♥」
「四日目は?」
「マ、マッサージマシンに、はいってましたぁ……♥」
「どんなマッサージ?」
「さ、さいしょは、ふつうのマッサージ、だったんですけど……っ♥ どんどん、えっちなのに、なっちゃって……っ♥ っく♥ いくいくいく……♥」
「なっちゃって? へんね。サンは勝手にそんなことしないはずよ?」
「は……っ♥ は……っ♥ はぁ……っ♥ ほんと、は……っ♥ 自分から……っ♥ お願いしました……ぁ♥♥♥」
「うふふ、正直に言えて、えらいえらい。それで、どんなえっちなマッサージだったの?」
「いろいろされすぎて……っ♥ いっぱいイキすぎて……っ♥ ばかになっちゃって……っ♥ も、わかんな……♥」
「そうなの? それじゃあ――、一緒に、どんなだったか見てみましょうか」
まひるさんがかるく手を持ちあげると、お部屋の壁に、でかでかと映像が映しだされる。
『あ゙ーっ♥ あ゙ーっ♥ ん゙はあ゙ぁああぁあっ♥』
サンのなかで、全身をいじくりたおされて、あられもない姿をした、あのときのあたしが。
「――っ!? こっ、これっ♥ やだやだやだ……ぁ♥」
りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥
ぞくぞくする。半泣きになっちゃう。
「どうして? すっごくよさそうなのに」
「はっ、はずかしっ♥ なんで、こんなの、撮って……っ♥ いやあああ……っ♥♥」
「ね、見て? 乳首はあんなにこねくりまわされて」
乳首をきゅ、ってつねられる。びりびり、まったくおなじ感覚が、再生される。
『んひぃいっ♥ いぃいぃっ♥ んぎぃっ♥♥』「んひぃいっ♥ いぃいぃっ♥ んぎぃっ♥♥」
「おへそは、こんなふう?」
さわさわ、っておへそのふちを撫でられる。ぞくぞくとむずむずが、内臓を駆けめぐる。
『ひゃわあっ♥ はふっ♥ んわっ♥ はぁああうっ♥♥』「ひゃわあっ♥ はふっ♥ んわっ♥ はぁああうっ♥♥」
「あら、おしりまで入れられちゃってるのね」
にゅるん、って指がすべりこんでくる。関節が、ひっきりなしに出たり入ったり。
『おっほぉおおぉ♥♥ お゙っ♥ お゙っ♥ んお゙ぉお゙っ♥』「おっほぉおおぉ♥♥ お゙っ♥ お゙っ♥ んお゙ぉお゙っ♥」
「尿道はさすがにむりだけど、クリトリスはこうかな?」
ぴんっ、ぴんっ、って指先で弾かれる。あそこに稲妻が落ちたみたいに、がっくんがっくん跳ねる。
『んっぎぃいいっ♥ あがぁっ♥ にひぃいいぃっ♥♥』「んっぎぃいいっ♥ あがぁっ♥ にひぃいいぃっ♥♥」
「おまんこは、わたしの指だと、三本分ぐらいかしら」
ずるり、って一気に人差し指と中指と薬指が侵入してくる。その三本が別々にうごいて、愛液をどんどん掻きだす。
『い゙ぎだい゙い゙ぎだい゙い゙ぎだい゙い゙がぜでい゙がぜでい゙がぜでぇえええっっっ♥♥♥』「いくいくいくいく♥ いっでるいっでるいっでるいっでる♥♥ もお゙いぎだぐないぃぃい゙っ♥♥♥」
録画されたあたしが、サンにめちゃくちゃにイカされはじめる。まひるさんの指で、どうにかなりそうなぐらいイッてるのに、あたしがイクのに合わせて、さらにイク。
りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥ りん――っ♥
「っとと、リフレインするとこだったかしら。わたしはさすがに発狂抑制はできないから、いったんここまでね」
「あー……♥ あー……♥ あー……♥」
すごい……、なんで、こんなに――。
腰のかくつきが、止まらない。完全に体重を預けて、指一本、自分のちからでうごかせない。
途方もない、充足感。多幸感。
すでに余韻イキのレベルまで、なっちゃってる。
「それで、五日目は、どうだった?」
「はー……、はー……、はー……、んく……、ぺるせっていう、ひとに……、おちんちんの……なめかたぁ……、おしえて、もらってぇ……、せっくしゅ……してもらいまひたぁ……」
「ふぅん、これで?」
股下から、押しつけてくる、すさまじい熱と、硬さ。
ペルセ以上のものが、あたしのおしりの下から、のぞいてた。
ぞくぞくぞくぅ――!
「あ、あ、あ……♥」
りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥
唾液が、どばぁ、ってあふれてくる。
「それで、はじめてのせっくすはどうだった?」
「い、いっぱい、めいれいされて……っ♥ いうこと、きかされて……っ♥ くっぷく、させられて……っ♥ さ、さいこぉ……♥ でしたぁ……♥」
「うふふっ♥ めいっぱいたのしんでもらえたみたいで、なによりね♥」
おもむろに、あたまを撫でられる。やわらかいからだで、そっと抱きしめられる。
「ぁ……♥♥♥」
余韻でたゆたってたときだったから、至福の多幸感につつまれる。涙が、出そうなぐらい。
「ねぇ、メイ、もっとここに、いたくない?」
「……いたい……、でしゅぅ……っ♥」
「じゃあ、ね、スタッフにならない?」
EX-Count:1041