りん、りん、りん――♥
「うはぁあ、はああぁあ……♥♥♥」
ふかい、ふかい、今まででいちばんあまったるい、とろける絶頂。
まひるさんが、ひくついてるあたしのなかを中指で掻きまぜながら言った。
「そうそう、そうやって脚をぴんと伸ばして全身でイクと、とってもふかくなるんですよ」
膣のなかでもイケるようになってからは、ずっとなかを指で掻きまわされてる。
登りつめてる間、あたしはまひるさんにしがみついて、きもちよくなっちゃってるからだを、必死に押しつける。
濃厚な口づけを交わす。唾液をすすられて、飲まされる。けだるい余韻の沼に、ずぶずぶ沈められる。
時間なんて、もうわかんなかった。もう何十時間も、何日も、やさしいエクスタシーのなかで、まどろんでる気がする。
身もこころも全部預けて、ただされるがままになってる。
あたしのからだが、あたしのものじゃなくなったみたい。まひるさんのものに、なったみたい。
でもそれが、なんとも言えない心地よさと、やすらぎをもたらしてて――。
「今ので、三回目かな?」
「もぉ……わかんにゃ……ぃい……♥」
「昨日までイッたこともなかったのに、膣イキ三回目でそんなによくなれる子ははじめてですよ? やっぱり素質がありますね、メイさん」
いやらしいところを褒められて、たまらなく恥ずかしくなってくる。もごもごと言いつくろおうとしてみる。
「そんな……っ、こと、ない……♥」
「ここじゃ、恥ずかしいことじゃないですよ。むしろ、えっちなほうが、みなさん受けいれてくれますから」
「~~~っ!♥」
恥ずかしくて、いてもいられなくなって、枕に顔をうずめる。
でも――はじめてだれかに褒められたのは、ちょっと……ううん、かなりうれしい、かも。なんだか、ほんとうにいいことのように、おもえてくる。
唐突に、まひるさんのCPが鳴った。まひるさんがからだを起こして、申し訳なさそうな表情になった。
「あら……、わたしがご案内できるのはここまでです。あんまり紹介できなくて、すみません」
「ぁ――、はい……」
途端に、さっきまであんなに温かったのに、急に冷えきって、こころぼそくなる。
てきぱきと後始末を済ませるまひるさんを見ながら、あたしはしあわせだったきもちがしぼんでいくのを感じた。
まひるさんは最後にひとこと言いのこして、部屋を出て行った。
「ここの温泉、いろんなお湯があってほんとうにすばらしいですから、おすすめですよ。ひとりでも楽しめますし、一度は行ってみてくださいね。わたしのお気に入りのスポットのひとつなんです」
お湯の衛生管理はナノマシンでされてるみたいだけど、さすがに、湯船のなかでしちゃうのは禁止らしい。
そういう体液を感知したら、警告があるんだとか。だれかがしたあとのお湯に入るのは気が引けてたから、安心する。
温泉は、露天風呂だった。まひるさんの言ったとおり、何十種類もお風呂があって、どれに浸かろうか悩んじゃう。
あっちこっちと湯めぐりしてから、にごり湯でほっと一息。
まひるさんと別れて引きずってたさみしさも、からだに染みわたる温泉のあたたかさで、徐々にうすまっていく。
こんなにリラックスしたの、ひさしぶり、かも――。
温泉に入っただけで、ここまで晴やかで、すがすがしくなるなんて。地元でも、いいとこないか、さがしてみようかな。
「あ、とうこ、あれって昨日の鼠ちゃんじゃない?」
聞き覚えのある声。
振りむくと、岩盤浴で会った、兎の二人組がいた。垂れ耳さんと、欠け耳さん。
手を振りながら、こっちにやってくる。
「昨日はありがとね~」
「いきなり巻きこんでごめんね~?」
あのときの姿が、フラッシュバックする。どきりとする。ぱっと目をそむける。
たしかに第一印象があれだったけど……なんですぐ、そんなこと考えちゃうんだろ――。
「ぁ……あの……いえ……」
たどたどしい返事をしてしまったからか、垂れ耳さんがあわてた。
「あ、ごめん、本気でやだった?」
「もー、なつのねえ、だからやめよって言ったのに。ほんとにごめんね?」
欠け耳さんも、心配そうにあやまってくれる。
「あ……いえ、その……びっくりした、だけですから――」
垂れ耳さんが、ほっと肩のちからを抜いた。
「あー、よかった」
「よくないってば。――そうだ、おわびに、ごはんでもおごらせてよ。おいしーお酒のあるお店知ってるんだ」
「お、いーね、それ。……いちお聞くけど、成人してるよね?」
正直なところ、いつもだったらことわる場面だったけど――お酒と言うワードは、聞き逃せなかった。
あたしは、もごもごと、いただきますって、言ってしまった。
「じゃあ、メイって呼ぶね。わたしは
「とうことなつのでいーよ」
「え、でも……」
「あだ名、きらいなんだよね~」
「どーしても、ってんなら、ブサコとブサノ、って呼んでくれてもいーけど?」
「……じゃあ、お名前で」
ふたりを名前で呼ぶのに、不思議とあんまり抵抗感はなかった。あんなものを見せられたからか、ちょっぴり親近感が湧いてたのかも。
……って、また、あのこと考えてる――。
窓の外に視線をやって、あのピンク色の記憶をあたまから追いはらう。
料亭の個室からは、きれいな庭園が見えた。ドラマとかでよく、高級爵位持ちの黒幕が会食してるみたいな、そんな雰囲気の高そうなお店。
海鮮中心のお料理をごちそうになった。海洋槽が近いから、どれも新鮮で、舌つづみを打った。
なにより――とうこさんの言ったとおり、お酒が最高においしかった。
やわらかな甘みと、ふんわりした花の香が、いい感じにお魚の脂と溶けあってて、ついつい呑みすぎちゃう。
普段はまったくと言っていいほど清酒は呑まないけど、味を占めちゃいそう。
「おー、見かけによらずなかなかイケるくちだね、メイ」
「こーら、なつのねえ、失礼でしょ」
「……あの、平気です。CP確認されるのは、慣れてるから」
ふたりの話を、いろいろと聞かされた。
英姉妹は、四姉妹で、運送関連の会社を経営してるんだとか。姉妹でふたりずつデキてて、カップルで休暇を取りあってるんだとか。
ナリアさん以外で、はじめてだれかとのおしゃべりを楽しいって、おもった。
お酒も入ってるし、なにより、旅先での出会いだから、もう会わない相手だし、って割り切れているのかも。
お腹も膨れてきた頃、そういえば、となつのさんが話題を変えた。
「あのあと、まひるちゃんとやったの?」
「っ!? ぇほっ! げほっ!」
おもいっきりむせかえった。完全に、不意打ちだった。顔が火照ってくる。
「……ま、まひるさんのこと、しってるんですか」
「わたしらの担当だったからね~」
「それでなくとも結構有名みたいだし」
「期待の新人だとか」
「かわいーしね、サービスもいーし」
「おしりもおっぱいもおっきーし」
「わたしはあの目が好き」
「あ、とうこもそーおもう? いいよね、あの紅い目」
「ぞくぞくしちゃう」
「若いのにすごい有能だから、そのうちここの女主人になるんじゃないかって言われてるらしーよ?」
「ぇと……あの……、じゃあ、ふたりもまひるさんと……?」
おずおずと聞いてみると、ふたりは顔を見合わせて、にたにたした。
「まー、やったよね」
「やりまくったよね」
「かわいがったよね」
「かわいがられまくったよね」
「あのテクはやばかったなー」
「勉強になったよね、さすがプロ」
「あんなおねえちゃんがいたら毎日誘うのに」
「あ、聞き捨てならないな、今の。こんなおねえちゃんじゃ不満だったの?」
「なつのねえは、あきっぽすぎなんだもん」
「なにおう」
「まったまった、っていうかさ、ふたりも、ってことは、メイもやったんだ?」
「えっ!? ぁ……えと……はい……」
おもわず墓穴を掘っちゃってたらしい。
消えてなくなりたい……。
「そーゆーのあんまし興味なさそーなのに」
「興味なかったら来ないでしょ、ここ」
「あ、いえ、たまたまで……」
「またまたー、隠さなくていーのに」
「一緒にえっちした仲じゃん」
「あ、あ、あたしは、見てた、だけで――」
「そーかな? じゅーぶん参加してたよ?」
「いーよ、って言ってくれたし」
「う……、ふ……ぅ」
あつい――耳が、燃えてるみたい。
どきどきする。どんどんからだがあつくなってくる。くらくらする。
あれ……お酒、呑みすぎた……?
なつのさんが、目を細める。エモノを見つけた、肉食獣みたいに。ぞくぞくする。
「ねぇ……、今夜もどう? メイに見られてると、背徳感、っての? わたしらもすっごい興奮したし、よかったんだよね。今日も、見てるだけでいいからさ?」
汗がにじむ。太ももが、汗ばむ。
……りんっ♥
鈴の音が、聞こえる。
「……み、見てるだけでいいなら――」
りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥
英姉妹のお部屋。
ベッドの上で絡みあうふたりを、食い入るように見つめる。
「んあっ♥ あっ♥ あんっ♥ あ♥ あ♥ あ♥」
水音と喘ぎ声。そして。
りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥
鈴の音は――あたしの首から。
なつのさんのあそこに指を入れながら、とうこさんがにたにたわらう。
「メイ、すっごい鳴ってるね」
自分の顔が、真っ赤になるのがわかる。でも、ふたりから目を逸らせない。釘付けに、なっちゃってる。
「オナるなら、その辺の道具使っていーよ。あ、この部屋の備えつけので、まだわたしらもつかってないから、ばっちくないよ」
はじめる前に、なつのさんが、リモコンがついた球状のやつとか、あたしの腕ぐらいの太さの長い棒みたいなのとか、いろいろ、サイドテーブルの上にならべてた。
どれも見たこともない道具で、どうやってつかうのか、想像もつかないものばかり。
「あの……つかいかた、わかんなくて……」
「メイ、自分でしたことある?」
首を振ると、とうこさんが困った顔をした。
「そっかぁ。うーん、そうだな、教えるのも手間だし、一緒にかわいがったげよっか」
「え、でも……」
「だいじょーぶ、直接はさわんないから」
とうこさんが、テーブルにあった金筒を手に取る。金筒から、スライムみたいな透明などろっとした液体を手に落として、なつのさんのあそこに塗りこみはじめた。
金筒を手渡されて、おなじようにするよう言われる。
ちょっとためらう。でも、好奇心に負けて、自分のあそこに塗りつけてみる。ひやっとするけど、つめたすぎなくて、火照ったからだにきもちいいかも。
「じゃあ同期するね。再配置するからぞわっとするけど、正常だからね」
とうこさんが金筒のスイッチを入れた。一瞬、静電気みたいなぞわっとしたのが、スライムを塗ったところにまとわりつく。かとおもうと。
「ねえ……っ♥ とうこぉ……っ♥ はやくいじってよぉ……っ♥」
「はいはい、いくよ?」
ぐにゅぐにゅって、ひとりでにうごめいて――あたしのなかに、侵入してきた。
「え、え、え……!? なにこれっ、なんですかこれ……っ!」
「形状が連動してるんだよ。もともとは手術とか狭いとこの工事とか遠隔作業用だったらしいんだけど、3Pするのに便利なんだよねー、これ」
スライムが、ぐりゅんぐりゅんって、なかを掻きまわしてくる。まひるさんよりもちょっと無遠慮な感じだけど、充分濡れてるし、やわらかいし、今見てるなつのさんとおなじようにされてるとおもうと、それだけでどきどきがとまらなくなる。
りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥
なつのさんの鈴が、激しく、鳴いてる。
「んはあぁっ♥ あ゙っ♥ あ゙っ♥ いいっ♥ それそれぇっ♥」
昨日のとうこさんよりも、とろけた、なつのさんの恥ずかしい嬌声。
恥も外聞もなくって、信頼しきった相手にすべて差しだして、全力でかわいがられているような、遠慮のない、よがり声。
ぞくぞくする。どきどきする。
「んっ! んんっ! んふぅうっ!」
「わるくなさそーだね。さきになつのねえイカせて、サカからせちゃうから、ちょっと待っててね」
とうこさんが、なつのさんの喘ぎに合わせて、丹念に、重点的にえぐりはじめた。
「んおぉっ♥♥ お゙っ♥ お゙っ♥ そこいいっ♥♥ もっとっ♥ もっとぉおっ♥♥」
りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥
うるさいぐらいに、りんりん鳴る。なつのさんのおねだりも、クライマックスっぽく。
スライムが、あたしの奥の方を、しつこくぐりぐり圧迫してくる。
ここが、なつのさんの感じるとこなんだ――。
あたしにとって特別感じるところじゃなかったのに、なつのさんが身もだえしているのを見せつけられながら刺激されていると、やたらとそこがあつくなって、痺れてくる。
りんっ♥ りんっ♥ りんっ♥
あたしの鈴も、追いかけるように鳴りたてる。
「はぁああっ♥ っくうぅっ♥ いくぅっ♥ いくっ♥ いくっ♥ いくっ♥」
「ふぅう……っ、ふー……っ、ふぅっ、ふ……っ、ふ……っ、ふ……っ」
釣られたみたいに、なつのさんとおなじペースで、息があらくなる。邪魔しないようにって、必死に声を噛みころす。
急速に、とめどなく、高まっていく実感。
「いっく♥ いっ♥ ――っ♥ ――っ♥ ――っ♥♥」
がくがくがくって、なつのさんがとうこさんの腕のなかで、身ぶるいした。それに連動して、あたしのからだも、かくかく勝手に痙攣する。
「ふぇ――っ!? ――っ、――っ、ぁ――っ!?」
わけがわかんないままイッちゃってるあたしに、とうこさんが解説してくれた。
「おもしろいよねー。これ、目の前でつかって片方をイカせると、ミラーニューロン? ってので、共感かなんかしちゃって、勝手にイッちゃうんだよね」
よくわかんないけど、このスライムのせいらしい。
そして、休む間もなく。
「じゃあ、次はメイの番ね」
EX-Count:008