着脱可能な相棒と共に、イキ抜け!女尊男卑世界 作:コメディ希望
それはある日のこと。
ホームルームを終えて雑談を始めようとした時、僕達のクラスそのものがとある場所へと接続された。
最初こそはただの違和感。
一瞬頭がくらっとして、その直後に普段聴くことのない集団の足音を聞く。ガシャガシャと何か鉄が廊下を踏み鳴らす様に、それでいて確かに教室の向こう側に人の気配を感じた。
担任は居ない。ついさっき出て行ったばかり。
だからその集団の正体が担任と言うことはない。しかし一限の講師である可能性は限りなく低い。だってまだホームルームを終えて1分も経ってないのだ。
教室が勢いよく開かれる。
そして僕達の日常はその日をもって終わりを告げた。
「女性はこちらへ! 男は向こうに持っていけ!」
男子は猿轡を噛まされ、女子達は丁重に介抱された。
なんだこれは。なんだこれは。
一体自分たちの身になにが起きたのか分からない。
ただ一つわかること。それは明らかな待遇の違いだ。
男子達に対する待遇は悪人に対する処置。
だが女子に対してはまるで悪人から救出する様な、そんな感じすら受け取れた。
僕達はこれからどうなっちゃうんだろう?
周囲に目配せしても、突然のことにパニックを起こして誰も僕の視線に気づいてくれない。
いいや、気づいてくれたとしても別に僕の言葉に耳を傾けてくれる人なんて居やしないんだけどね。
なんだか悲しくなってくるけど仕方ない。
それを選んだのは僕で、悪いのはクラスの男子ってわけでもないから。
「卑劣な男どもめ、女性に手をあげてこの世界で生きていけると思っていたか? 恥を知れ!」
その集団のリーダーと思われる見目麗しい女性が、腰から引き抜いた棒を……いや、違う。
そこにあるのはどう見たって剣だ。
棒かと思うほどに細く、しかし形状としては剣。俗に言う細剣と呼ばれる、それを引き抜いて僕達に向けた。
話しかけるのも汚らわしいと言わんばかりの視線で。
何故こうも嫌われているのかも分からない。
なんせ今日初めて出会ったばかりなのだから。
誰もが思った。ここに居たら殺されると、それほどの眼力を目の前の女性剣士は持っていた。
そんな緊張の最中、一人のクラスメイトが猿轡の内側からくぐもった声を上げた。
「ウッ!」
最初はなにが起きたか分からない。
しかしその後の匂いですぐになにが起きたか判明する。
匂ってきた栗の花の香りで、思春期の男子からは「仕方ないやつだな、拗らせやがって」と言う視線がそのクラスメイトに向けられる。
そう、彼は見目麗しい女性からの罵倒で達したのだ。
きっと自分の都合のいい様に解釈して。その後も身体をビクンビクンと震わせ、栗の花の香りをより強くする。
「これだから男は救いようがない」
そこにはなんの感情も込められていなかった。
ただ片手を振り払う。握られた細剣を持った手を。
それだけでさっきまで至福の最中にあったクラスメイトは物言わぬ屍となった。周囲に広がる夥しいまでの血液。
流石に助からないだろうとわかる量に、胃液が口元へと戻ってくる。それを必死に耐えながら、情況を見守る。
「お前らはここで処す。いつどこで我ら女性に危害を加えるとも分からんからな」
その目は本気だった。僕達を殺すのになんの躊躇もない、そんな真剣な目を注がれて、僕達は蜘蛛の子を散らす様に逃げ出した。
「追え、逃すな! 必ず処理しろ!」
『「ハッ」』
女性剣士の言葉に、同様に高い声が重なった。
どう聞いても女性の声。それが僕達を追いかけ回すハンターとなった。
◆
猿轡を噛まされているお陰で上手く呼吸ができない。
手は両手を背中に回されて一つに縛り上げられている。
脚は自由だが、逆にそれはわざとかの様に思えた。
なにせ追いかけてきた女性騎士達が異様な興奮度でもって僕達を追撃してくるのだ。
まるで痛ぶるのが目的の様に、わざと足を自由にさせてこの情況を作り上げているかの様に思えた。
何かないかと頭の中で思考を巡らせる。
そこで思い至ったのがステータスと言うワードだった。
明らかに異世界。そう思うのが一番手っ取り早い。
僕は思考を切り替えると、足を止めて追手に対して振り返る。
「フン、鬼ごっこはもう終わりか、つまらん」
まず言葉が通じるのは良い。これはむしろありがたい。
けれど問題はここからだ。降伏の意を示す両手を上げるポーズは取れない。つまりはそれをさせない為に両手を縛った?
ならばそれなりに近い価値観の世界に僕達は飛ばされた可能性がある。
だってこんな世界、あまりにも異常だ。
男女平等で僕達の世界はそれなりにやれてきた。
けどここは違う、あまりにも違う。
女性優位の世界。そう思って差し支えない。なんだったら男の価値なんて家畜と同じ。そんな態度が追撃する彼女の表情から見て取れた。
「もう少し楽しめると思ったが、作戦変更だな。あのお堅い隊長殿はこういった遊びも許してくれなんだが、黙っていれば構わんだろう」
何やらぶつぶつと独り言を唱える女性騎士。逃げるならばこの時を置いて他はない。僕はじりじりと距離を取り……
「おっと、逃げられると思うなよ。お前達男は必ず処理する。それは決定事項だ。だがその前に少しくらい楽しむ時間があっても良いだろう? ここ最近男との遊びに飢えていてな」
女性騎士は徐に自らの秘部を弄り出し、女陰を露わにした。
知識だけで知ってるその場所は、てらてらと光っては蠢いている。
今から何をされるかなんて分かり切っている。
それは結合。女は僕を睨みつけると上気した肌を晒し始めて僕の制服を嗜虐的に手に持った細剣で切り裂き始めた。
最初こそは上半身を。
しかし筋肉のつきにくい僕の体は不健康なまでに白くて、すぐに興味を失って下腹部へ。
しかし露わになった僕の相棒は、女性騎士を威嚇する様に勃ち上がった。
「へぇ、見た目の割りにご立派なものを持っているじゃないか。これは楽しみだ」
感嘆とした声を上げて舌舐めずり。唾を飲み込み、鉄の甲冑を纏ったまま、その場所を握り込んだ。
「ングッ!」
声にならない声。決して気持ちいいわけではない。握り込まれた場所は根元で、そこを押さえ込まれると途端に切なくなった。
「そう緊張するな、死出の旅路の前に少し気持ち良くしてやろうと言うだけじゃないか」
嗜虐的に、それでいて妖艶な女性の声が、やがて僕の相棒に吸い込まれる様にして着地した。
まず最初に感じたのは暖かさ。そしてこねくり回す様な巧みな動きと吸い付く様な感覚だった。
薄皮を剥かれ、内側に隠されたものを無理やり引き出される感覚ときたら、もう何物にも変えがたい快楽が湧き上がる。
不思議な光景だった。
先ほどまで追いかけ回していた女性騎士が、今は僕の相棒(おちんちん)に夢中になってキスをしているんだもの。
言ってはなんだが僕は童貞だ。勿論映像記録で自己鍛錬をしてきてはいたが、実戦は初めてである。
本番はもっと緊張すると思っていた。
けれど不思議と冷静でいられた。
本番が終われば殺されるのに、僕の相棒に夢中になる彼女を可愛いとさえ思ってしまった。
不意に脳内にアナウンスが鳴り響く。
<オスレベルが上昇しました>
意味が分からない。
レベルと言ったか?
ならばステータスもあるのだろうかと脳内で呼び出そうと努力するが、まるでそれらしいものが見つからない。
ただ言葉として聞こえてきたにしてはやけに明瞭だった。
ならばと違う言葉を脳内で模索する。
そこでようやくたどり着いた言葉。それが『閲覧』。
開示された情報群に思わず苦笑いが沸き上がった。
だってそこには本来の僕にはあるはずのないものがあったんだもの。
ステータスを表で表してみるテスト