着脱可能な相棒と共に、イキ抜け!女尊男卑世界 作:コメディ希望
村への移動は昼食後。
シャラさんの直接訪問によってそれを知った僕たちは、借りて来た猫のように居心地を悪くしながら馬車に揺られた。
「結局男子を探す暇もくれなかったわね」
「うん」
男子、と一括りにしているが、探したい相手は一人だけの遠野さん。
別にそれが誰でも責めやしないのに、彼女は頑なにそれを否定する。
何が彼女をそこまでさせるのかわからないけど、さっさと素直になればいいのにと思う。
「仕方ねーよ、テントの外は見張りがうじゃうじゃいたし、どうもこの部隊は男そのものが嫌いなようだし」
「そうね」
彼女には彼氏がいて、それがクラスメイトの御手洗敦史。
僕と同じく猿轡を噛まされて腕を拘束され、逃げ出した一人である。
命が助かった今となれば気にかける暇はできたが、だからといって自分の身を危険にさらしてまで探しに行こうとするものはこの中には居なかった。せめて無駄死にしない様にお互いに牽制し合うのがやっとだ。
「でも結局、ここを乗り越えても大変かもな、あいつら」
「どういう意味よ」
「ん、いや……」
井上のぼやきに遠野さんが食ってかかる。
クラスで見かける見慣れた風景。
でも、今日の遠野さんはやけに食い下がった。
「だってよ、あの隊長さんはお前らになんて言った?」
「女性同士で愛し合う施設があるって話?」
「ああ、それもたくさんあるとな。それが全てを物語っていないか?」
「はぁ? それはあまりにも飛躍させすぎじゃない?」
やっぱりそこだよね。女性上位的思想でもなければ罷り通らない反響具合。女性同士のお付き合いというのも現実にはあるにはあった。
けれどそれは禁断の恋、何ら生産性のない付き合いとして好まれてはいない。なのにこの世界の人たちときたら、食事中でもお誘いしてくる気軽さがある。
それも大勢の目の前で、何ら恥じる事なくしてくるんだ。
だから遠野さんが認めたくない気持ちも分かるよ。
男に用はないなんて言い切れる女はいないもん。
彼氏持ちの彼女にとっても、この世界の繁殖事情にとっても、どちらが欠けてもダメなんだ。
だから遠野さんは男女が愛し合える場所もあるはずだと望みを捨てきれない。
実際に男子を殺す場所を見てないから、そんなことが言える。
もしも僕のスキルがあの時目覚めてなかったら、僕はこの場にいなかったと言い切れるから。
だから僕はこの会話には混ざらなかった。
どこまで言い争っても平行線だと知っているもの。
「ついたぞ。今日はここを宿泊所とする。ここなら風呂もあるし、食事も先程よりもマシになる」
シャラさんの声にみんなが声を上げる。
眼前に広がっているのはとても村と呼んでいいのか憚れる空間が広がっていた。
「すごい」
「この規模で村って、この世界の文明レベルはどうなっているの?」
「ね、あそこにあるの喫茶店じゃない?」
「僕たちの住んでた街と大差ないなんて」
もしかしてここは剣と魔法のある世界かと思っていた。
なんせステータスなんてものがあるから。
でもシャラさんの口ぶりからすれば、これでも満足いかないレベルらしい。一体どんな豪邸に住んでるんだろうか、この人は。
僕たちの興奮具合に、シャラさんも釣られて微笑む。
「ここからは自由時間としようか? 宿の手配は済ませておく。その前にこれを配っておこう」
本条さん、渡合さん、遠野さんに手渡されたのは黄金の腕輪。
蛇がとぐろを巻いた形で、口に赤い宝石がはめ込まれている。
僕と井上には色の違う宝石のハマった腕輪を渡された。
「あたしらだけ別ってなーんか、怪しいな」
「だね」
「ふふふ、変に勘ぐらずに楽しんできなさい」
シャラさんはそれが身分を示す証となると言ってくれたので、仕方なく納得して街へ繰り出す。
「取り敢えずどこ行く?」
「そうだねー、食事は後回しにして服を見て回りたいかも」
「えー、似合うじゃんそれ?」
「いや、布面積が心許なくてさ」
「んだよ、お前らオタクがよく好む格好だろう?」
「それを着させられた僕の身にもなれ!」
「だはは! そりゃそうだ!」
すっかりマブダチの様に声を掛け合う僕と井上。
けどそこへ遠野さんが立ちはだかる。
「待ちなさいよ、ここからは協力してもらうからね?」
遠野さんはどうしても彼氏の探索を諦めきれない様だ。
◆
結局なんの手がかりも見つからずに宿へと戻ることになった。
最初こそは文明の高さに驚いたものだが、見慣れてしまえばどうということはない。それよりも女性同士のカップル率の高さや、女子専用のケア用品の多さに度肝を抜かされた。
女が女を誘う習慣でもあるように街の作りに、僕達は否が応でも知らしめられる。
この街に一欠片すら男の存在がないことに。
「これで満足したか?」
「まだ、満足できるもんですか」
「遠野はそんなに御手洗のちんこが欲しいのか?」
「なっ、ななな……!?」
遠野さんは何を言われたのか分からない素振り。
しかし頭の中ではしっかりと想像していて……太腿を擦り合わせている。
まるで下着が台無しになった様な気持ち悪さを表している様で、彼女もまた僕と同じなんだと知ると、微笑ましくなった。
「ビンゴ。こいつ中身は相当ドスケベだぜ? 木城。お前のデカチンで貫いてやれよ?」
「井上、あんまり遠野さんを揶揄うなよ。本気にしないでね、遠野さん。僕にそんな気はないから」
「つっても木城、あのお堅い遠野がこのザマだぜ? メスレベルは相当高いとみるべきだ」
「あー……それは確かに」
さっきチラッと見た僕のレベルは15あった。
全く身に覚えはないが、一日経たずにここまで上がれるのも凄いと思う。それだけ井上が上手だったと言うのもあるんだけどさ。
遠野さんは僕と同じで想像力特化型かな?
メンタル面は強いけど、相手の安否を気にしすぎて満足なオナニーも出来ないのかもしれないね。何か僕に協力できることがあればいいんだけど……
宿に戻るとシャラさんから夕食の招待を受けて僕達五人は席についた。
出てきたご飯はすごく美味しくて、マナーも忘れてたくさん頂いてしまった。他の4人も空腹を満たす様に食べ進めている。
案内された部屋は大部屋で、中央には五人で寝れるベッドの他に、何やら怪しげな仕掛けも満載していた。
どう見たってラブホのそれだ。
五人部屋というのは流石に見ないが、渡合さんの情操教育に悪いのは確かだ。
「おい木城、ここってあれだよな?」
「なんで僕に聞くんだよ」
「いや、そういうのって男子詳しいだろ?」
「まぁ、お前の考えてる通りだと思うよ。流石にこんな大部屋は知らないけどな」
「なるほどな」
どこか楽しむ様な足取りで、井上は早速部屋内を物色し始める。
「おー、ディルド発見!」
どう見たって男性器の形をしたソレを引っ張り上げる井上。
しかも部屋からはそれが5本出てきた。
つまりそれを使って楽しめと宿からのお達しだ。
まぐわいを楽しむ施設が充実していると聞いてはいたが、宿泊先がその場所だとは思いもしない。
「でも、木城君のよりは小さいね」
その第一声を放ったのは信じられないことに渡合さんだった。
なんの躊躇もなく、程よくしなったディルドを握り込み、微笑む。
触り方から滲み出る“慣れてます”感。
こんなの嘘だ……何かの間違いだ……
「夏燈はスケベだなー」
「そうかな? 女子だったら相手の大きさは気になることだよ。あれ、私変なこと言った?」
「まぁ、お前の体は小っさいもんな。木城のデカチン咥え込むのはまだ早いか!」
「興味はあるんだけどね? それより秋葉ちゃん、今朝木城君の使っていたよね。後で色々教えて欲しいなって」
「おう、いいぜ。たっぷり可愛がってやる」
「やーん、秋葉ちゃんに襲われるー」
一見じゃれてるだけに見えるそのやり取り。
しかし会話を切り抜けば、僕には信じられない内容が混ざっている。
「あれ、渡合さんって結構……」
「おうおう、どうした元少年? 男心が砕かれたみたいな顔してんぜー?」
井上が背後から肩に手をかけて胸を押し付けてくる。
相棒がいたら押し上げていたに違いない場所は、いまだに沈黙を貫いている。って、そうじゃなくて!
「いやぁ、結構進んでるなーって」
「夏燈は年相応にエロいぞ? 見た目で庇護欲全開なのが不満だって本人も言ってるくらいにはな?」
「それはショック」
「つって、お前も夏燈で抜いたことあるんだろ?」
「黙秘権を使わせていただく」
それはもう認めてるもんだぜって言われながら肩をバシバシと叩かれる。
そして脇差の様に腰紐に括り付けた相棒を、僕の許可なく勝手に抜き取ると、それをマイクみたいに持って口付けした。
挑発するようなすげーエロい顔付きに、僕の相棒はビクっと震えた。
「あたしでも抜いたよな?」
「ああ」
「そこは否定しないのかよ」
「いやぁ、お前とは今更隠す必要もないと思って」
「言ってくれるじゃねーか」
そこから始まるのは蹂躙劇。
僕のおちんちんを徹底的にいじめ抜く、女子達の本気責めがスタートするなんて、この時は思いもしなかった。
探すとは言ってない。