長男だからと高校卒業と同時に社会に出ていた主人公はブラックな経営者に扱き使われていた。そこで連勤が仇になり、下半身不随になってしまう! 家族に見守られながら息を引き取った主人公は、気がつけば家出途中の猫娘のシルクとして覚醒していた。
シルクは生まれ育った集落でオスとソリが合わずに反発するようにして出てきてしまったのだ。しかし集落の悪習『メスは生まれた時から肉便器調教』によって、すっかりメスのなんたるかを叩き込まれているシルク。そんな彼女が運命の番と出会うまでのお話。



1 / 1
発情期には勝てなかったよ

 僕はブラックな経営姿勢を強行するコンサル会社の従業員。

 今月に入って30連勤目を数えているところで意識を失った。

 今までにこれくらいの連勤業務は乗り越えられていた過信と、上司からのプレッシャーは、自分が思っている以上に肉体にダメージを与え、そして死に瀕するレベルだったということらしい。

 

 再び目を覚ましたのは病院で、周囲には久しぶりに出会う家族と、驚きを隠せないとばかりに喜んでいる医者の姿だった。

 

 あれ? 僕はあれからどうなったんだろうか?

 ああ、やばい。会社に行かなきゃ。

 今頃きっと部長が僕が抜け出した事に対してお冠になっている事だろう。

 よろよろと起き上がろうとしたところで、僕の肩を掴んで寝かせるようにベッドへと押しつけられる。

 

 何するんだよ。僕が行かなきゃ、あいつらが無駄な苦労を背負うだろう? 入社して五年目。ようやく手に入れた課長の席。

 上には上の立場があると平社員だった僕は当時この圧力に耐えていたのかと、専任課長を褒め称えたい気持ちに陥っていた。

 

 

「明、良いのよ。もう働かなくても」

 

 

 意外なことを家族から申告される。

 働かなくて良い? なんだそれは。

 お前達が追い出しておいてそれはないだろう。

 自立する為に働きに出た僕に対してあんまりにも失礼な言葉だ。

 

 憤慨する気持ちとは裏腹に、思ったほど言葉が出ない。

 

 

「兄さん。いえ、もう兄さんて呼んで良いのかもわからないけど……」

 

 

 4つ年下の妹がおかしな言葉を放つ。

 兄とは呼べない?

 つまりそれは僕が男としての役目すら果たせないということか?

 舐めてもらっては困るな。

 今はまだ安定期に入っていないだけ。

 部長の席につければもっと変わるはずだ。

 あの会社は僕が采配を取れば、もっとうまく行くはずなんだ。

 そうすれば、僕を信用してついてきてくれた部下達も……

 

 病室にはなんとも言えない空気が漂う。

 

 ああ、なんとなくはわかっていたさ。

 自分が死に損ないって事には。

 さっき体を動かした限りでは下半身から下が全く動かなかった事も、たとえ社会復帰できたとしても前までのようには働けないって事も。

 

 医者の姿はもう見当たらない。薄情なものだ、結局僕にこれ以上手の施しようがないからと捨て置かれたのだ。

 喉を通る管と、頭の上にぶら下げられた点滴の数がそれを物語っている。

 

 ピッ、ピッ、と脈拍が安定している電子音を弾き出す機械の音が鳴り響く病室で、僕は死を悟った。

 

 なんだか色々考えすぎて眠くなってきた。

 僕はもう寝るぞ、おやすみ。

 一方的にそれだけを伝え、僕は家族と、

 

 現世に別れを告げた。

 

 ピーーーーーーー……

 病室には脈が完全に止まったことを示す電子音が鳴り響く。

 僕の魂は、ようやく身勝手な奴らの束縛から抜け出せる。

 

 もしも僕に来世があるのなら、動物になりたい。

 人間のように働き詰めで体を壊すなんてことのない、自由で気ままなネコもいいなぁ。

 

 

 ああ、意識が白んでいく……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハッ!」

 

 

 不意に意識が覚醒する。

 どうも僕は長い間夢を見ていたようだ。

 突然声を上げた事によって、周囲から変な目で見られた。

 

 うわぁ恥ずかしい。やっちゃった。

 生まれ育った集落から旅立って三日目。

 自由気ままな旅を堪能しに一人旅を敢行していた。

 けれど滞在初日から変な子だと思われたに違いない。

 僕は顔を両手で覆い隠した。

 尻尾もきっとピン、と張っているに違いない。

 

 ん? 尻尾?

 

 えーとちょっと待て。どうも認識がおかしい。

 人間に尻尾なんてないはずだ。

 でも僕はあって当たり前のような感覚で捉えている。

 そーっとお尻の方に手をやると、身勝手に動く物体がある。

 あれ?

 気になってそれを掴んだ。

 ──瞬間、

 

「にぎゃっ!?!」

 

 再び周囲から奇異の視線を浴びた。

 僕は知らないフリをしながら顔を逸らす。

 口笛でも吹きながら他人のフリをし……あ、口笛無理だわ。

 あれー? 前まではできたのに。

 

 あー、まだ握ったところが痛い。

 触れば痛いなんて当たり前の事なのに、僕はなんでまた触りたいなんて思ったんだろうか?

 不思議な事もあるもんだ。

 はー恥ずかしい目にあった。

 こういう時は物作りでもして気を散らすしかないだろう。

 周囲ももう僕には興味をなくしたように、それぞれ好き勝手に生きている。

 だから僕も自由に生きるんだ。

 

 ゴリゴリゴリ……

 チャポチャポ……

 ジャバーッ

 ボウッ!

 カチャカチャ……

 

 僕は無心で機材を順番通りに動かしていく。

 今やっているのは僕が集落で一番の腕前を見せた薬液作りだ。

 世間一般的なネーミングで言えば簡易エリクサーなんて呼ばれている。僕の故郷では病気の時になると飲まされる解熱剤の類である。

 本物のエリクサーに比べるまでもない。でもポーションよりはずっと効果が高いこの薬液を、僕の集落では簡易エリクサーと呼んだ。

 今僕はそれを丁寧な工程を持って作っているのだが、これを作るにあたっての一番のデメリットと言えば……

 

「嬢ちゃん、嬢ちゃん」

 嬢ちゃん? なら僕じゃないな。僕は男だし、薬液作りの手も止めずに誰かにかけられた言葉を聞き流す。

「おい、そこのケットシー!」

「んにゃ!?」

 

 痛いじゃないか。肩を掴む事ないだろうに。

 変な声出ちゃったじゃないか。

 僕は振り返りながら半眼で声の出どころを睨みつける。

 

「店じまいだ。とっととその胡散臭い汁を持って出ていきな。俺も客も迷惑だ」

「失礼な、僕の憩いの時間だぞ?」

「あんたに憩いでも、こっちにとっちゃ鼻が曲がるほどに強烈な匂いだ。なんだったら営業妨害で憲兵に突き出したっていいんだぜ?」

「それは困る……」

「だろ? だから声をかけた。優しい俺としてはお捻りの一つでも欲しいところだが、見たところ文無しだろう?」

「うぐ、その通りだ」

「泊まる場所がなけりゃ軒先かしてやるから、ひとまずでてってくれないか?」

 

 ありがたい提案だ。でも、僕には男の意見を拒む事が出来ないよう躾がされている。

 さっきからお腹の奥がキューッと疼いている。まさかもう発情期に入ってしまったのか?

 おかしいな。平気だと思ったのに。

 

「イヤだと言ったら?」

「強硬手段をとってもいいんだぜ?」

 

 店主の顔つきが、いやらしく歪む。

 思った通り、僕なんかで発情してくれてる。こんなに貧相な体なのに、あんなに大きく股間を膨らませて……って流石に大きすぎない?

 僕……早まっちゃったかな?

 男のゴツゴツとした手が僕の柔肌に触れると、背筋をゾクゾクとしたものが走った。

 

「にゃ、ぁん♡」

「随分と感じやすいんだな? メスガキ。やはり発情期と言うのもあるのか? 俺もそうだが、流石に異種族のガキを相手に抜けはしない」

 

 嘘だー。だってあんなに大きくして、いやらしい手付きで僕をその気にさせようとしてたのに。上の口は随分と嘘つきなんだね。もしかしておじさんもそうやって僕を突き放すの?

 孕みやすい僕じゃ、すぐにお腹を大きくしちゃう僕じゃ楽しめないからって放置するんだ。

 だったら、僕がその気を見せたらどうする?

 メスの発情期がどれほど辛いかおじさん知らないでしょ?

 

「おじさん、僕じゃ無理?」

「ガキ、誘うならもう少し肉付きよくしてから出直してこい」

「それ、ケットシーへの暴言と受け取ってもいい?」

 

 ケットシーとは、肉付きよりも毛並みと尻尾の美しさでメスの価値が決まる。僕は種族的に見ても綺麗な方だ。自称、ではある。なんせ僕を産んでくれた母はもうこの世に亡く、集落は多種多様な種族に囲まれてたから。

 それを前に勃たない。言われてしまえばメスの名折れだ。

 

 仕方ない。ここは無理やりにでも勃たせてみせる。

 そして僕の大好きなミルクをたくさんペロペロしてやるんだ。

 僕の後ろの穴はまだ小さすぎて使えないけど、口の方は結構自信あるんだぞ?

 薬液の飲み過ぎで舌がバカになってる僕には、ミルクの味に忌避感はない。なんなら美味しく思えるくらいだ。

 それくらい不味くてえぐみが強い薬液。

 僕を追い出したいんなら、無理せず強硬手段を使ったほうがいいんじゃない?

 

「こら、ガキ! 冗談はよせ、そんな風に触ったって……ぐぁ! このガキ、オスのを触り慣れてやがる」

「んへへへへ。諦めたほうがいいよ? 僕ってすごく諦めが悪いの。おじさんも諦めて気持ちよくなろ? それで僕の価値を決めて。ね?」

「チッ、面倒なもんを拾っちまったぜ」

 

 ぺろれろ。ぴちゃぴちゃ♡

 ちゅっちゅ。にゅぷ、ぐぷ♡

 ねろ、ちゅう。にゅるん、ちゅぷ♡

 んふふふふふ。美味しいなぁ。オスのおちんちん♡

 僕を夢中にさせてくれる味がする。

 苦くてしょっぱくて、少しだけ甘い。

 簡易エリクサーもこれくらいちょうどいい美味しさだったらいいのに。

 

「ダメだ、出る。このまま出すぞ!」

 

 僕の頭を掴んで、モノのように扱うおじさん。

 息苦しくて、そして喉の奥が熱くなった。

 びゅるるっって、力強く僕の喉奥に美味しいミルクを注いでくれていた。

 

「んっ♡ うむっ♡ ゴキュ、ごく♡ ごく♡」

「このガキ、なんて美味そうな顔でザーメンを飲みやがるんだ。とんだメスガキだぜ。こんな幸せそうな顔でフェラするメス、初めて見た」

「ぷは♡ はーーー♡ おじさんのミルク、すごーく美味しかったよ♡ ごちそうさま!」

「そうかい。じゃあさっさと出てって……」

「それを生殺しって言うって知ってる?」

 

 僕は小さくて、狭くて、吸いつきの激しい自らに穿たれた秘所に指を添え、物欲しそうにおねだりする。

 お尻を振りながら尻尾を揺らして、オスを誘うダンスを披露する。

 

「ガキ……お前の種族と俺の種族じゃサイズ差がある。興味があるからって簡単に捨てていいもんじゃないぜ?」

「いつ僕が初めてって言ったの?」

「え?」

「僕はとっくに成人してるよ? 勿論、集落を出ていく時に子も残してきているの。それがメスの務めだもの。妊娠くらい朝飯前だよ? 僕、おじさんのおちんちん欲しいなぁ。おじさんの子供欲しいの。それくらいおじさんに夢中だよ? 発情期ってそれくらいに厄介なの。それを知ってて手をつけてくれたんじゃないの? その気にさせてくれたんじゃないの? ねーねー、しようよ。おじさぁん♡」

「くそっ」

 

 そう言いながらも大きくしてくれるのは、僕に気があるからって認識でいいよね?

 

 

 

 

 

 

 

「はっ、あぁん♡ そこ、そこぉおおお♡」

 

 ぐちゅ、ぐじゅっ! ぬちゅ、ぬじゅ!

 

「くそっ、くそっ、くそっ、くそっ! なんつーまんこしてやがる。このサイズさでグッポリ咥え込んでおきながら、喘ぐ余裕すら見せるなんて! ああ、ダメだ出るっ、出るっ、出るっ出るっ、出すぞ、ガキッ!!!」

 

 びゅるるっ、ぶぴ、びゅーーー♡

 びゅーーー♡ びゅく、びゅくん♡

 

「あはぁ〜〜♡ きたぁ♡ おじさんの特性熱々ミルク♡ 僕の一番奥のお部屋、びしゃびしゃって、叩いてるよ。赤ちゃんのお部屋、トン、トンってノックしてるぅうう♡」

「もうこうなったら孕むまで種付けしてやるからな? 今になって辞めるなんて言っても遅いからな?」

 

 緩急をつけたグラインド。

 今、おじさんの本気ピストンが僕の内側を満たそうと動き出すところだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 事後。結局あれから日を跨いで昼近くまで種付けは行われた。

 

「あー、すまん。勢いとはいえ、乗せられてやっちまった」

「うーー」

 

 僕は恥ずかしさから布団から半分顔を覗かせ、うーうー唸っていた。

 お腹は現在ぽっこりと膨らんでいる。

 確実に妊娠した。

 その事実だけをヒシヒシと噛み締めている。

 一度出産して孕みやすいとはいえ、おじさんの命中率の高さに自分の愚かさを呪ったぐらいだ。

 

「だ、だいたいにして、誘ってきたのはお前の方だからな?」

「分かってるけど。中途半端にそっちに気持ち持ってったおじさんも悪いよ? ケットシーって基本ツンツンしてるけど、とっても情熱的な種族なの。だからさ、その……一度その気にさせられちゃったら止められなくなるの」

「そんな特性知らねーよ」

「今後僕のような被害者を出さないためにも知っておいてよ」

「正直すまんかった」

「いいよ、僕も楽しかったし。さっきも言ったでしょ? 別に嫌じゃないの。普段はツンツンしてるのがデフォってだけ。覚えておいてね?」

「ああ、今回の責任はきちんと取る。だからその、出来れば産んで欲しい。俺の種族は出産率が悪くてな。それにメスも少ないんだ。こんなにも高い確率で的中するなんて思わなかったのもあるが、それ以上に俺のサイズを難なく受け止めるお前はすごいと思った。だから、な?」

「分かった。じゃあ産んだ後は子育てはしなくてもいい?」

「え?」

「エッチな事して、出産までは責任持つけど、それ以降は流石に面倒見きれないよ? 僕たちケットシーは自由を謳歌する種族だから」

「イヤ、責任を取るって事は夫婦(つがい)にならないかって提案なんだが?」

「流石にそれはごめん被る!」

 

 誰が子供を作る為の孕み袋になんてなるものか♡

 集落を出てきたのはそういう理由もあった。

 唯一仲良くしてくれた友達も、全部あいつらのオナホになってしまった。僕を逃すためにつかまってくれたヨーナ、僕を庇い立ててくれたユノ。みんなの気持ちを繋げるために、目と鼻の先にあるこの町で同じ目になんて絶対にならないからな!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから数年後。

 なんだかんだと言い訳を並べ立てながら、僕はおじさんの子供を10人設け、最後の一人が成人するまで結局その場に居付く事になった。

 だってあの人、全然僕のこと離してくれないんだもん♡

 

 今も僕にじゃれついては、次の子を仕込もうと僕の体に夢中になっている。言葉では嫌々返すけど、心から嫌いではない事はとっくに向こうにバレてるみたいだった。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。