ToLOVEるの猿山が彩南高校ハーレムを築き上げる話 作:マイク・O
「んっ……♡猿山くん……優しくしてね……
そ、その……私、はじめてだから──」
濡羽色の長い黒髪が、窓から差し込む月明かりに反射して、キラキラと光る。
引き締まって禁欲的なウエストとは正反対に、堕落を誘う大きな乳房。彼女が呼吸をする度に、そこがゆっくりと上下する姿。どこか神秘的だなと思いながら、猿山は彼女の頬を撫でてやる。火傷しそうなほどの熱に火照っていて、瞳は、涙に潤んでいる。しかしそれは、不快や屈辱によるものではなく──例えば芸術家が、生涯の目標にしていたコンクールの大賞に選ばれて、会場で自分の作品と相対したときのような──夢の成就による感動の涙で──
猿山ケンイチの目の前には、今、全裸になっている古手川唯がいる。
────
遡るのは、数時間前。
「ちょっと!あなた達、なにしてるのよ!」
同じクラスの古手川唯が──不良達に絡んでいた。
「絡まれていた」と言えないのは、誰もが目を背ける不良グループに声をかけたのが、彼女だから。
どうやら、彼らは猫をいじめて遊んでいたらしい。
品行方正な優等生ではない猿山でも、それをするほど歪んだ精神性を持っているわけではない。それと同時に──「猫をいじめて遊ぶほどやべー奴らに、声をかけて注意するはずもない」という精神で──それが、大多数の一般人の総意だろう。
それでも、古手川唯は見て見ぬ振りが出来なかったらしい。
「わっ……古手川さん、すごいですね……」
猿山の隣で歩いていたモモは、驚嘆の声をあげる。
地球人よりも圧倒的に身体能力に優れていて、酒とタバコとドラッグに犯された不健康な不良など、小指で軽く捻ることが出来るデビルーク星人とは違い──古手川唯は普通の地球人。それも、特別に運動が出来たり、武芸を習っているというわけではなく──「間違っていることは間違っていると言うべき」という正義感の一つのみで、誰もが目を逸らす不良達に立ち向かっているのだ。
「むむっ……猿山様のハーレム計画にはお邪魔虫だと思っていましたけど……あそこまで徹底しているなら、少し、認めなくちゃだめかもですね……」
モモは古手川に、良い感情を持ってはいない。
あるいは猿山がハーレムに否定的であれば、古手川への忌避感も薄かったのかもしれないが──
学校中のどこでも、猿山がムラムラしたら、その場所をラブホテルにする状況下(直接的にはバレていないが)では、古手川の規律を重んじる性格は厄介らしい。
そんなモモでも──思わず、認めてしまう古手川の正義感。
「へぇ、じゃあ猫の代わりに、お姉ちゃんで遊ぼうかな〜」
「ちょ……ちょっと!やめなさいよ!」
不良達はコテコテの常套句で、古手川の手首を掴む。
必死にはねのけようとするが、男女の体格差では、子猫がじゃれているようにしか見えない古手川。あの不良はモモの仕掛けた「やらせ」で、猿山を王子様に仕立てるつもりではないか──と思い、モモの方を見るのだが──彼女も同じ思考を浮かべたのだろう。目をつむりながら「私なら、もっと上手にやります」とでも言わんばかりに、首を横に振る。
なので──あの不良は、本物だということ。
軽率に助けに入れば、簡単に殴り倒されるかもしれない、ということ──
不良達は最初、生意気な女が絡んできただけだと思ったらしいが──古手川の身体が想像以上にどすけべだと気が付いたのだろう。
88センチのGカップ。風紀を乱す一番の存在。こんなどすけべな女がそばにいれば、男子生徒は劣情を催すし、エロ本の一つくらい学校に持ってきたくなるだろう。それでも、彼らは学生であるから、古手川にエロ漫画を没収されても「じゃあお前が代わりになってくれよ」とは口走らないが──しかし、心の片隅では思うはずで──
「おらっ!抵抗すんじゃねえよ!おいっ、車!車連れてくぞ!」
不良達は古手川が助けを呼べないように、羽交い締めにして、口元を塞ぐ。
最初は古手川も、指を噛んで必死に抵抗をしたが──それが不良達を本気にさせた。「てめえ!ふざけんなよ!」と古手川の頬を──それは、女性に決して振るっていい勢いではない暴力で叩いて──彼らは、古手川の制服を脱がせようとする。
胸と秘部を露わにさせれば、助けを求めることが羞恥で難しくなる──というのは猿山にとっては陵辱物AVの知識だが、彼らは実戦で得た経験則なのだろう。愚者は体験に学び、賢者は経験に学ぶとは言うが、この状況下では不適切だな、なんてことを考えながら──
「えっ……猿山くん……?」
猿山は──
彼らの前に、立ち塞がった。
道を行く男が数人、古手川が襲われていることに気が付いたが──不良達に睨まれて、早足で逃げていく状況。この状況下では、猿顔の自分ですら古手川にとっては王子様だろう。
正直──不本意な気がするが──仕方がない。
猿山は──不良達に立ち向かっていった。
────
「もうっ……無茶するからよ……私は、警察を呼んでくれたらそれでよかったのに……あっ……
ここ……痣になってる……」
猿山の頬に出来た痣に、古手川は消毒液を塗る。
それは──猿山にとっても想定外の出来事。
確かに多少の修羅場は積んできた。「宇宙から来た殺し屋」に本気で狙われた経験があれば、地球人の不良程度、少しも怖くはない。あるいは一人なら困ったかもしれないが、猿山の背後にはモモがいた。地球人を圧倒的に凌駕する身体能力。尻尾からビームを吐き出せば、彼らを骨の一片すら残さずに蒸発させられる少女が、文字通り背後にいたのだ。
だが──
「わ〜、猿山様、かっこいい〜」
と、彼女は最初、参加せずに傍観を決め込んでいた。
「そうは言っても助けてもらえるだろ」という思惑で首を突っ込むと、カウンターで顔面にパンチを振るわれた。暴力を躊躇しないタイプの人種であるから、人前で堂々と猫を虐待できるのか。しょうがないので、醜く、無様に、必死にあがいた。いざというときの護身術も「私がいれば、いざはあり得ません」と宇宙最強の殺し屋に保証されていたので、習うはずもなく──
だから、記憶にはないが、きっと無様にぐるぐるパンチでもしたのだと思う。
それでも──やはり、宇宙の殺し屋や怪物に狙われるよりはずっと、恐怖も痛みも少なかった。
三分の間に、猿山が殴ったのが当たったのは三発だけ。ボクシングならばとっくにTKOが下されるだろうが、ここはリングではなく──
ゴングの代わりに、通りがかったララが、不良達をボコボコにしてくれた。
だから、今、猿山はドラッグストア前のガードレールに腰掛けながら、古手川と二人きり。
「……ねっ、あの猫、大丈夫かしら?」
虐待されていた猫は、モモが連れて行った。「こういうのは、ナナに任せるべきですよっ!」と駆け足で逃げるように走っていったのは──
あるいは、猿山を古手川と二人きりにさせるためだったのかもしれない。
助けに入らなかったのも、古手川と二人きりにさせるためだったのならば──彼女はきっと、理不尽な暴力を、更に上回る暴力でねじ伏せることを好まない。力のない少女は、正義感だけで悪に立ち向かおうとしている。古手川に惚れられる男とは、同じように、力がなくても彼女の正義感に同調する人間で──そういう意味では、モモの考えは正解だったのかもしれない。
「んっ?どうしたの、猿山くん?
……私の顔に、何かついてる?」
古手川唯は、今──猿山に好意を向けている。
とは言えど、それは性欲が強めなものではない。
彼女にとって、今までの人生の中で一番に好ましい雄が猿山ケンイチである、程度のもの。宇宙人ならば、そのまま押し倒して、無理矢理にでもレイプすれば簡単に心と股を開いてくれるかもしれないが──地球人である古手川に、それをすることは出来ない。
「……痣、残らないといいけど……」
古手川の顔が、鼻息の当たる──十五センチ定規よりも近い距離にある。
途方もない美少女──宇宙の王女様や金髪美少女の殺し屋と比較しても、一切のひけを取らず遜色がない──地球代表の美少女決定戦があれば、優勝候補の一人であるような古手川唯。今までの自分ならば、絶対に、彼女の顔がこの距離にあることはなかったし──宇宙の美少女を抱いて自信をつけていなければ、これをチャンスだと思って、唇をたこのように突き出して、場の空気を壊していただろうが──
「あっ……♡」
今は、じいっと、古手川の瞳をまっすぐに見つめ返す事が出来る。
これが結城リトならば、なにも小細工は必要なかったんだろうと──半分、やっかみを抱きながら、猿山は古手川を見つめる。彼女が視線を逸らせないのは、先ほどの出来事が原因だろう。どれだけ気丈に振る舞ったところで「レイプ寸前まで追いつめられて、誰も助けてくれなかった」というのはトラウマになってもおかしくない。
それが──目の前には、自分の怪我も省みずに助けてくれた王子様。
元々古手川は、他人の容姿の善し悪しに無頓着で、弄光先輩に告白をされてもサラッと断るような少女で──だが、宇宙人レベルの無関心ではなく、地球人としての常識がある以上、猿山の容姿を好ましいと思うこともないはずで──
それが、今では、猿山の顔に夢中になっているという事実。
これを見越しての不参加であれば、後でモモにはご褒美とお仕置きを一緒にやらねばいけないなと猿山は考えていると──
ちゅっ♡
「〜〜〜!!??あっ、ごめっ!ごめんなさいっ!」
引力に従うかのように近づいた二人の唇が、軽く、触れあう。
猿山は古手川に任せるがままにしていたのだが──まさか、古手川が自分の(おそらく)ファーストキスを喪失することにも気が付かない距離にいたとは。古手川は自分のはじめてをなくしたことに、想像以上に動揺と狼狽を示していたが──「今のは事故であり、ファーストキスというものは、自分が捧げたいと思う相手じゃなければ、ノーカウントである──それを言えば、幼子の記憶もない頃や、保育園児、幼稚園児の頃から遡らなければいけない」という猿山の説得に、最後は納得してくれた。
そうして──
「っ……♡」
猿山と古手川の間には、無言の静寂が響きわたる。
古手川唯のこのどすけべでハレンチな身体を──風紀委員として規則を守るよりも、籾岡のように性に奔放に生きたほうが幸せそうな身体つきをしているそれを、貪りたくないと言えば嘘になる。
あの風紀委員をハレンチな性格に作り替えて「これはあなたの激しい性欲から、他の生徒を守るためなんだからねっ!」と言わせて、男子トイレで肉棒をしゃぶってもらいたいという欲望はある。
だが──
それと同時に、地球人の同級生である彼女に、無理矢理というのはいかがなものかとも考えてしまう。
その静寂は心地が良いが、いつまでも、そうしているわけにはいかない。あるいはここで「ちょっとうちまで来ない?」と言えれば、ララに出会う前から彼女がいて、ヤリチンになれたのかもしれないが、猿山にはそうすることが出来ず──
「んっ……もう、大丈夫?そっか……私も、帰ろうかしら……
今日は、ありがとうね……猿山くん……
ちょっと、ちょっとよ?
ちょっとだけ……すごく、きゅんってした」
──「ドキッ」ではなく「きゅんっ」だ。
これは押せばヤれる──だが、押していいものか──と優柔不断を発揮するのは、彼女が、地球人では初めて落とせそうな異性だから。宇宙の美少女の媚肉を本能のままに貪るのとは、圧倒的に違った興奮が存在して──
そのまま──古手川を誘う一言を必死に喉から出そうとしていると──
ボツッ──
「あっ……雨?」
重たい雨粒が、一粒、降ってきた。
「徐々に」ではなく「一気に」が豪雨特有の性質。最初の一粒が降りてから、前が見えなくなるほどの大雨になるのは一瞬。雨粒自体が質量を持って、突き刺すような痛み。ゲリラ豪雨は果たして、モモの仕業なのか──それとも偶然なのか。考えることも出来ないが──
「きゃっ!さ、猿山くん!?」
猿山はとにかく、古手川の手を掴んで走り出す。
ここから近いのは自分の家。ハレンチを嫌うくせに、肩と腋を露出した薄着の古手川は、すぐに風邪を引いてしまいそうなので──という考えであり、断言するが──古手川の手を引いて、とにかく、避難しなければと思っている瞬間は──ほんの僅かも、よこしまな感情は抱いていなかった。
────
そして、よこしまな感情が湧き出てきたのは、自宅に避難してからだ。
ボロアパートの一室に済んでいるのは、ララやヤミのトラブルに巻き込まれる事が多いから。
家族を危険に晒すくらいならば、自分が一人で生活をしていた方がいい。生活能力に多少欠けていても、宇宙の美少女達が誰かしらか通い妻をしてくれる。なので、カビやキノコが生えることはないのだが──それでも、油断をしているとゴミで散乱してしまう。
しゃーっ、と、シャワーの音が鳴り響いている。
猿山はとりあえず近くのゴミを、適当にゴミ袋に放り込んでいく。女性を招き入れる部屋ではないことは知っている。世話好きのモモならば、部屋を綺麗にして、洗い物や洗濯を済ませてから、万年床の煎餅布団で身体を重ね合わせてくれるが──まだ、恋人ですらない──「ファーストキス」すら済ませていない古手川を相手に、それをすることは出来ない。
改めて考えるととんでもないことをしたな──と、猿山の鼓動はバクバクと弾む。
優秀な雄であれば強引にレイプしたとしても「気持ちよかったから許してあげる」と言う宇宙人の雌とは異なり、古手川唯は地球人だ。このまま押し倒せば、彼女は警察に躊躇なく訴えるだろうし、そうすれば自分はデビルーク星に亡命をしなければならない。いや──モモの提案通りに、デビルーク星の王となって酒池肉林の日々を過ごすのも魅力的ではあるのだが、そこまでの責任を負いたくもない。
ただ──自分は美少女達と、好きなときに好きなだけセックスを出来る気楽な人生がいいのだ、と。
そんなことを考えていると──
きゅっ、と、シャワーの止まる音が狭い部屋に響いて──
「あっ……猿山くん、着替え用意してくれてあり──ひゃっ!……こ、これに……着替えるの?」
狭い風呂場から顔だけを出した古手川が、猿山に尋ねる。
視線を合わせてはいけないと思ったので、一瞬で背中を向けて彼女に答える。「男の子の一人暮らし。清潔で潔癖な古手川には受け入れられないかもしれないが、自分の部屋で今、一番綺麗なのがそれ。この前洗濯したばかりだし、古手川の制服がとりあえず乾くまでは、それを着てもらう他にない──」と、つらつらと述べられる言葉は、そこに、一切のやましさがないからだ。
「そっ、そう……わ、わかったわ……だって……これしか、ないんだもんね……?」
古手川の声色には、どこか、含みが感じられる。
──そんなに、自分の学校指定ジャージが嫌なのか──
少しだけ思うところがあるが、すぐに思考をかき消す。古手川唯は他の凡百の女子と違って、人を容姿で判断しない。「猿山のジャージってなんか精液とか染みついてそう」という偏見で嫌がる頭の悪い女子ではなく──単純に男子の体操着に袖を通す行為への背徳感で、躊躇しているだけだろう。
なので、少しだけ心をじくじくと痛ませながら、特に気にすることもなかったのだが──
「んっ……お次、どうぞ……猿山くん……」
シャワーから出てきた古手川は──
「──!?」
「だ、だって……これしかないんでしょ……?」
──猿山のワイシャツを一枚、羽織っただけの格好だ。
古手川の腕にサイズがぴったりなのは、それがきっと、猿山が中学時代に着用していたものだからだ。確かに押入の片隅には置いていたが、それは捨てそびれただけの代物で──その前に、自分は確かに学校指定ジャージを扉の前に置いたはずで──
だから──モモが暗躍をしたのだと一瞬で理解をする。
「は、恥ずかしいから……あんまり、ジロジロ見ないでくれる……?」
頬を真っ赤に染めた古手川に言われて、猿山は慌てて視線を逸らす。「あっ……」と、古手川の唇の端から漏れた声はなんなのか。ただの呼吸のタイミングなのか──それとも「見て欲しかった」「そんなに嫌がらなくてもいいのに」という許容なのか。
違う──だめだ──と、猿山は自分に言い聞かせながら風呂場へと駆け込む。
何度も──何度も繰り返すが、古手川唯は地球人。性欲の赴くままに彼女を押し倒せば、その後に待ち受けているのはデビルーク星の王という自由も何もない立場だ。
それでも──
浴室に入ると、身体が火照ってしまう。
つい数十秒前まで──全裸の古手川唯が入っていた空間。普段自分が使っている安物のボディソープとリンスインシャンプーで、彼女が身体を洗ったという事実。もしや──と思って、ボディタオルを触ると──
それはぐっしょりと、濡れている。
身体を洗うためのタオルはそれしか存在しない──先ほどまで、古手川がこのタオルで自分の身体を擦っていたのだとしたら。普段は男子高校生の健全な汗や皮脂や、お尻の谷間やチンカスを綺麗に拭き取るそれで──古手川自身の豊満な乳房を持ち上げて、その下側を洗ったり──あるいは自身の秘部へとタオルを突っ込んで、カスを綺麗にしたり──いやっ、考えにくいが、古手川がボディタオルを細く縒って、自身の肛門をごしごしと擦った可能性がある。
それは──最早、セックスとどう違うのか。
自身の小さな器から溢れる興奮で──ぽたっ、と、床に真っ赤な滴が落ちる。
それが自分の鼻血であることに気が付いたのは、少し遅れてからで──猿山はシャワーを流しながら、鼻を摘む。洗い流すことが容易で、古手川に見られていない場所であったのは良かったなと、ほっと一息を吐く。
──自分は、既に、大勢の美少女と肉体関係を持っている。
童貞だった中学時代ならば、そのボディタオルで半年、500回の自慰行為は容易だろう。古手川唯による、ボディタオルを使った間接泡踊りだ。世界の天地がひっくり返ってもソープ落ちすることがなさそうな女が、絶対にすることがない泡踊りを間接的に堪能できる世界で唯一の雄になって、そのボディタオルについていた一本の陰毛を、勝率が限りなく低い賭けであると理解しながら、お守りの中に入れて毎日持ち歩くことだろう。
多少の女性経験で、自分もヤリチンの仲間入りを出来たと、猿山は思っていたのだが──根っこにある童貞根性は払拭されないらしい。宇宙人の雌をどれだけ屈服させたとしても、それは自分の股間から突き出た、三十センチ定規には永遠に満たない一本の棒のおかげ。
鏡がシャワーの水滴で、自分の顔を映さないのは良かったなと猿山は思う。猿顔の自分が、古手川唯とめくるめくラブロマンスを送れるはずもない──と思いながらも、ワンチャン狙いで身体から血が出そうなほどに擦って、綺麗に洗ってしまう自分自身に嫌気がさすが──
──そうした諸々の事情があって、だから、古手川よりも長いシャワー時間を取った。
宇宙人の雌が、地球人の雄の濃い体臭に興奮するというのもあるが──普段は大ざっぱに身体を洗っていた。整理整頓が出来ない部屋からも、古手川は推測することが出来ただろう。猿山がいつ、シャワーを浴び終わるのか──彼女はきっと、すぐに終わると待っていたはずだ。だが、一向に終わる気配がない。シャワーが止まり、バスタオルで身体を拭いて、着替えをして、ようやく出てくるまでの間に──気が付かないはずがないし──
ならば、少しくらいは大丈夫だと思ったのだろう。
「んっ……♡あっ……んふっ♡……すんすんっ……はぁ〜……♡ほんと……くっさ……♡すんすんっ……♡」
古手川唯は──
「んっ♡ふぅ♡…………!!???さ、猿山くん!!?」
猿山の枕を抱きしめながら──自慰行為に耽っていた。
汗くさい自分の枕。頭皮の臭いがしっかりと染み込んだそれは、決して、良質な臭いであるはずもない。それなのに──古手川は枕を嗅ぎながら、自身の秘部をいじり、布団の上にはシミまで作っているのだ。
「ちっ!違うのよっ!こ、これは……そ、その……ちゃんと、洗ってないのかなと思って……か、嗅いだだけで……」
苦しい言い訳であることは、古手川自身が一番よく理解しているのだろう。
無理もない話だ。自分が逆の立場で、古手川の家に招待をされて、誰も見ていない時間帯があれば──彼女のタンスから下着の一枚くらいは拝借するだろうし、それを嗅ぎながら自慰行為に浸っていたことだろう。異性の体臭というものに興奮をするのは、生理的現象。先ほどまで、古手川がシャワーを浴びた浴室で興奮をしていた自分が、まさか、否定できるわけもないのだが──
一番、大事なことは──
──古手川って、俺のこと好きなの?
「……ふぇっ!?えっ、す、好き……って……っ!」
古手川は顔を真っ赤にして狼狽するが──
しかし、決して、否定をすることはない。
「押せばヤれる」というのはこういうことなのかと、猿山は考える。自分の考え過ぎか。ここで手を出そうとすれば、挿入寸前で拒絶をするタイプにも思える。あるいは今日のきっかけのように、最後まで古手川を受け入れないことが、彼女を落とすための選択肢なのか──と、ぐだぐだ考えるが答えは出てこない。どれだけセックスをしても、恋愛経験はほとんどないのだ。
だから──猿山は古手川に告げる。
──俺は、古手川のことがすごく好きだ──
正義感に満ちあふれたところも、その正義感が根っからのものじゃなくて、自分を奮い立たせながら発揮しているところも──男子生徒からは厄介がられているけど、それに傷ついている繊細なところも──それでも、風紀のためにちゃんと取り締まっているところも──もちろん、その容姿も好きだ。少し厳しそうな顔立ちだけど、気を抜いていい場面では柔らかな笑顔になるところも──さらさらでつやつやな黒髪も──思わずキスをしたくなる、艶やかな唇も──ここまで来たら隠し事は出来ないけど、その大きな胸を揉みしだいて、舐めしゃぶりたいし──大きな臀部に顔を埋めて、肺一杯に届くまで深呼吸をしたい。ハレンチなことに怒るけど、ハレンチなことは嫌いじゃない古手川と──古手川が想像もしたことないようなどすけべなことをしたいと思っている──
と──
それは、彼女の肩を掴みながら、瞳をまっすぐに見つめた──心の底からの言葉。
ふと──親友の結城リトが脳裏に浮かぶ。
彼のように整った容姿があれば、この告白ももう少し格好がついたのか。今の自分では、猿顔の三枚目が、性欲と衝動に身を任せてヤりたがっているだけで──少女漫画の告白シーンと、AVの導入くらいの落差があるな、と思いながらも──
「あっ……えっ……♡」
──ハレンチな古手川は、AVの導入の方がお好みのようだ。
顔を真っ赤に染めた彼女は、もう、一切の拒絶をしない。両手を自分の身体の横に置いて、大きな乳房も、ボタンの隙間から見えるお臍も──下着の一枚も履いていない、丈がぎりぎり隠すだけの秘部も──その全てが無防備。
結城リトよりも、猿顔の自分が唯一勝っている点が性欲──
猿山は、古手川の肩を軽く押す。
ほとんど力を込めていないのに──ぽすっ、と、古手川は猿山の万年床に背中をつける。「男の子の乱暴には勝てないから」と自分自身に言い訳をするようなもの。古手川は、両腕をあげている。無防備な態勢。不良に絡まれて「本気で襲われれば、男の子には勝てない」と理解したかもしれないが──だからと言って、抵抗しない理由はないのに──
古手川は、今、自分にレイプをされて純潔を失うことを待ち望んでいる。
だから──
猿山は、彼女に告げた。
──自分には既に宇宙人の恋人がいる。
その恋人は、真面目な古手川からすれば信じられないかもしれないが──性に奔放な価値観で、ハーレムを許容している──と。
「……なに、それ……信じられないんだけど……」
古手川は、猿山に懐疑的な視線を向ける。
宇宙人の存在を知っていても、その価値観まで受け入れるのは難しい話。同じ地球に済んでいても、住んでいる国と宗教が違えば、戦争が起きる種族にとって──それは、簡単に納得できるものではなく──あるいは古手川は、猿山が「彼女がいるのに古手川を抱くことの正当化」として嘘を吐いているのではないか、とまで疑っているのだろう。
だから、猿山は続ける。
──宇宙人の恋人は、ハーレムを許容しても──猿山自身の意志で、誰かを抱くことは許していない。
雌に惚れられて、ハーレムを築くならばいいが──自分から雌を口説き落として抱くことは、宇宙の掟で禁止である──と。
猿山は、それから古手川の身体を抱き起こす。
セックスのために押し倒されるときは、綿のように軽い身体だったのに──セックスをしないために、持ち上げられると──古手川の身体は途端に抵抗して、ずっしりとした重たさを感じさせる。勿論それも、騎乗位で腰を振ってもらうときには心地よいのだが──閑話休題。
猿山は、古手川の瞳をまっすぐに見つめる。
──親友の結城リトならば、絶対に出来ない──女の口説き方。
──俺は古手川とはヤりたいが──古手川は、俺とヤりたいか?
「なっ────!!!」
酸素を求める金魚のように口をパクパクとさせるが──
古手川は、それを否定しない。
身体目当てのハレンチクソ野郎と、今までならば一蹴しても──すっかりと雌として出来上がって疼いた身体。彼女は今、必死に天秤にかけているのだろう。このまま「風紀の欠片もない肉欲に溺れた性行為」に走るのと──家に帰ってから「猿山に抱かれる妄想で、自慰行為」をして疼きを沈めること──ワイシャツ越しでもわかる、ぷっくりと隆起した乳首や、秘部が触れている箇所が染みになっている布団を見れば、もう、抵抗する方がおかしいのだが──
彼女はそれほどまでに、風紀委員であるという肩書きに縛られているようだ。
古手川は視線を伏せるが、そうすると猿山の股間が視線に入る。ガッチガチに隆起した肉棒を見つめて、身動きができない少女。ハレンチが故にハレンチを嫌うのならば、それはとんだお門違いであり──素直に解放してしまえばいいのに──と、猿山は肛門に力を込めて、肉棒をびくんっ♡と脈動させる。「わっ♡」と小さな声を漏らして、古手川は、殊更に肉棒に釘付けになり──
「さ、猿山くん……」
どうにか──絞り出すようにして、彼女は、言葉を紡ぐ。
「……モモさんから、聞いたの……昔、猿山くんが困っている猫を助けたことがあるって……
それ、ほんと?」
古手川は上目遣いで猿山に尋ねてくる。
彼女の質問の意図は猿山には計りかねる。だが、この正念場。経験豊富なホストであるならともかく、自分に出来ることは誠実に──性欲をぶつけていくしかない。なので、下手な小細工はせずに、脳内を浚っていくと──
二年前に、捨てられていた猫を飼ってくれる人間を、探したことがあった。
それは結城リトが捨てられているところを見つけて、放っておけないということで手伝いをしたようなもの。実際は西蓮寺春菜のコネで猫はもらわれていったが、ビラ配りやビラ貼りに奮闘したし──結果的に自分経由では飼い主が見つからなかったが「猫を助けたか?」と聞かれれば、それは、きっと「はい」と答えるしかない代物。
だから──
猿山は一切の嘘をなく、古手川に答える。
「確かに、昔、助けたことがある──」と。
そこからの古手川の言葉で会話を進めて、事情を理解しようとするのだが──彼女は瞳を猫のように丸めて、肩を大きく弾ませる。映画やドラマでは──「一目惚れで恋に落ちた少女」としてよく見る姿だが──猫の飼い主探しが何になるのか。
「やっぱり……あれ、モモさんの言うとおり……猿山くんだったんだ……んっ……♡……これ、運命なのかな……」
古手川は何か、独り言を呟くが──最終的には自分一人で解決したらしい。その猫の飼い主が古手川だったのかと聞きたくなるが、彼女が話したくないのならば、そこまで掘り下げることでもない。
古手川は、猿山の手を握り──
「猿山くんは……私と、その……
ハレンチなこと……したいの?」
と──潤んだ瞳の上目遣いで、尋ねる。
落ちたな──と、猿山は思いながら──結城リトでは出来ないような、見栄も恥も外聞も何も存在しない──性欲に脳を支配された猿のように、激しく、縦に頷くと──
雌としての承認欲求を刺激された古手川が、悪い感情を抱くはずもなく──
「ねっ……私、その……こう見えて……初めてだから……わ、私からリードとか、出来ないから……
だから……猿山くん、お願いします……
私の処女……もらってください……♡」
と──どこで学んだのか。古手川は裸ワイシャツで三つ指を突いて、長々、都合三十秒ほど──猿山へと頭を下げて、自分の処女を破ってもらうことを懇願した。
────
「ちゅっ♡あむっ♡れろぉ……んみゅ!?♡んん〜〜っ……んんんっ!ぷはぁ!ちょ、ちょっと猿山くん、舌まで入れるなんて……あむっ……んんっ……♡べ……べつに……いやってわけじゃなくて……心の準備というか……女の子への許可というか……えっ?
……は、はいっ……いいですよっ……
んんっ!?♡じゅるるるっ♡れろぉ〜……♡むちゅ〜っ……んっ♡つば?飲ませるの?……ちょっと、待って……んっ♡ぐぶぐぶっ♡じゅぶっ♡……ぐぶっ……んぐっ♡……猿山くん……くひ、あへて……
……れぇ〜〜〜っ…………♡
……どう?……お、美味しいの?……し、信じられないけど……わ、私にも飲ませてくれるの!?そ、それは流石に……え、えっと……ちょっとだけ……なら……んっ♡」
猿山は──古手川唯と濃厚に舌を絡めるディープキスに浸っている。
どれだけハレンチな身体で男を挑発して、性知識は女子小学生レベル。それも「遊んでいない方」のものであり、古手川は猿山に口づけをされながら、ただ、それについていくだけで必死。舌を入れるキスに抵抗されるのは久々だなと考えながらも、同時に──その抵抗に、たまらなく興奮をしたのも事実だ。
古手川は、どうやらキスが大好きらしい。
ハレンチな少女は、甘えることが苦手な性質。一番親しい兄にすらそれが出来ず、友人はいても、親友はいない。風紀委員として、規律を重んじるその肩書きを捨てて甘える機会がなかった少女が──今は、裸ワイシャツで、男の部屋の汗が染み込んだ薄っぺらい万年床の上で──互いの唾液を交換している。普段は背筋をピンと伸ばしている少女が、今は背中で淫らな曲線美を描いて、猿山に全体重を預けてもたれ掛かっている。彼女の真っ白な背中を見たいと思って、髪をかき分けても、古手川は一切の抵抗をしない。
これほどまでに極上の美少女が──今、積極的に自分の意志でキスをしてくれている状況──
モモやララには悪いが──これはまた、桁違いの破壊力がある。古手川唯は同級生の少女。クラスは違ったし、幼馴染と呼べるほどではないが──彼女の小さな頃を知った上で、その媚肉を貪れるという興奮は、宇宙人にはない代物なのだ。
同級生が古手川唯のことをエロい目で見ているのは知っている。風紀委員として、ハレンチを取り締まる側のくせに、グラビアアイドルよりも大きな乳房をぶら下げているエロ女。アイドルのルンやキョーコの水着姿でも、男子生徒は十分に爆乳だと思えるのに──それを遥かに越えている古手川唯の88センチGカップ。あれを揉みしだくことが出来ればどれほどいいか──古手川唯をレイプ出来ればどれほどいいか──勿論、その全ては「彼女は泣き寝入りせずに警察に通報する」ので、妄想だけで済ませられる代物だが──
今──世界中の雄で、唯一、猿山だけが古手川唯にそれをする権利があるのだ。
古手川は猿山の首に両腕を回して、抱きつくように絡めていく。
どこまですれば嫌がられるのか──と怯えている少女。所作の一つ一つが童貞男子のように、おそるおそると言ったもの。命令をすれば舌を絡めて、唾を飲ませてくれるが──そうしなければ、唇を重ね合わせるだけのバードキスで朝を迎えることだろう。
だから──
むんずっ♡♡♡
「ひゃっ!?」
猿山は──古手川の乳房を、力強く掴んでやる。
ワイシャツ越しに、目の前の果実を収穫するような無遠慮な手つき。豊富な性経験から、女性の乳房に快感を与えるためには力は必要なく、くすぐるような愛撫が大事だとモモから教わってきたのだが──そのセオリーを敢えて無視した、乱暴な乳揉み。
それは──この行為に、互いの遠慮は必要がないという猿山の意思表示──
古手川は乳を揉まれたことに最初は驚いていたようだが──抵抗の言葉は、一切、口にしない。尋ねられれば「舌を絡めるキスで口を塞がれていたから」と逃げるのだろうか。そうはさせるか──と猿山は、反対側の手で古手川の臀部を触ってやる。裸ワイシャツの彼女は当然、下着を履いていない。猿山のブリーフを履くわけにもいかないのだろうが──秘部はぬるぬるに濡れていて、彼女の陰毛もしっとりと湿って──ああっ、そうか──古手川唯にも陰毛は生えているのだな、と思うと、無性に興奮をする。
腋の毛の処理は丁寧にしていても、秘部の毛は誰かに見せることがない場所。モモやララはパイパンにしているので、久々に陰毛を触ったなと思い夢中になっていると──
「あっ、あの……私、ちょっと、毛が濃い方で……い、いつもはもっと処理してるんだけど……
そ、その……嫌いになった?」
今にも泣き出しそうな瞳で、猿山に尋ねてくる古手川。
こんなどすけべな身体つきの雌に、陰毛が生えているだけで嫌いになるはずもないだろうが──雄の性欲バカにしてんのか──と、理不尽な憤りを抱きながら猿山は古手川の乳房と臀部を、乱暴に握りしめる。「んひぃ♡」と悲鳴にも似た嬌声を響かせる古手川の口を──猿山は乱暴に、唇で塞いでやる。
性欲をむき出しにした、童貞男子高校生のような「おっぱいもお尻も揉みたい、キスもしたい」という欲望が──それがそのまま、古手川のハレンチを肯定する行為になる。猿山は古手川の首筋にキスを落としながら、彼女の反応を伺う。どうやら古手川は──今日、最後までいくことに躊躇いを持っていないようだ。指で秘部を触れると、ぬるぬるのそれは、最早挿入するにも滑って難しそうなほど。今すぐ挿入をしても大丈夫だろうが──
「…………えっ?」
猿山は、古手川の耳元で囁く。
「……んっ♡正直、その……ちょっと、怖いかも……クラスメイトから、よく聞くもの……
えっと……はじめてって、すごく痛いんでしょ?確か……鼻からスイカを出すくらいとか……」
古手川はどうやら出産と破瓜を誤解しているようだが──こればかりはどうしようもない。モモやララのような宇宙人は、その破瓜の痛みすらも喜びに感じる節があるが──古手川は地球人の少女。彼女の初体験を最悪な物にしない自信が、猿山にはない。何せ──破瓜の痛みで涙を流して、膣内に残った処女膜のカスをカリ首でこそぎ落とすような乱暴なピストンをしても──膣内射精の後で、間髪入れずに二回戦を要求するデビルーク星人とは違うのが、地球人の古手川唯だ。
だから、猿山は彼女に錠剤を差し出す。
──これは、処女喪失の痛みを快感に変えてくれる薬だ──と。
勿論、非合法な代物ではない。モモが作った薬だ、というと古手川は簡単に信頼をした。
無理もない。「宇宙人なんて存在しない」と言っていた地球人と、王女ですら発明品を幾多も生み出せるデビルーク星人の科学力の違い。その上で、植物の知識に長けているモモならば、それくらいの薬は簡単に、しかも、合法に作り出せると古手川も理解しているのだろう。
だから──後は古手川次第。
「んっ……これ、飲んだほうがいいのかしら?」
古手川は猿山に尋ねるが、猿山は答えない。
出産の際に無痛分娩を選ぶかどうか──という議論と同じ。古手川が処女喪失の痛みをどう捉えているか、が肝心なので、選択肢を提示しただけだ。「痛くないならその方がいい」と言うならば飲めばいいし「その痛みが、自分が、女になった証だと思う」と言うなら捨てればいいという簡単な話なのだが──
古手川は、掌の錠剤を眺めたまま、動かない。
仕方がないので、彼女の乳房や秘部を愛撫して、その灯が消えないようにしてやる。古手川の黒髪に鼻を埋めると、自分と同じリンスインシャンプーを使ったとは思えないほどにいい匂い。耳の裏まで丁寧に洗われている少女は──おかしな言葉遣いになるが、地球人とは思えないほどに美しい。
「……猿山くん、私ね……破瓜の痛みは大切だと思っていたの……
その痛みは、とても辛くても、きっと……耐えなくてはいけないもので……だから、ねっ?この薬は……もらえないわ……」
と──古手川はそれを拒絶する。
が──
「でも……猿山くんのおちんちん、辛いのよね?」
そっ──
と、古手川は猿山の陰茎に手を伸ばす。
ガチガチに屹立した陰茎は、亀頭がパンパンに膨らんでいる。睾丸が腹の奥にせり上がって、張りつめた陰嚢。今すぐの解放を要求しているそれは──
かりっ♡
と、古手川の爪が軽く触れるだけで、びっくんっ♡と激しく脈動してしまうもの。
古手川の優しい愛撫。宝物や硝子細工を扱うような指先。こんなもの、多少は乱暴に扱ってもバチは当たらないぞ──とは自分では言えないが、思いは確かで──
「わっ……あっつ……♡」
それでも古手川は、猿山の陰茎を世界中の何よりも大切に触ってくれるのだ。
興味津々だが、傷つけてしまわないかと──子供がふれあい広場の子兎に接するような態度。彼女は猿山の亀頭の先端に、一度、口付けを落とす。今、あなたに触れているのは敵意のある相手じゃないよ──だから、落ち着いてリラックスして──そんなにびくっ♡びゅくっ♡と脈動しないで大丈夫だから──♡と告げるような、思いのこもった口付け。性行為に不慣れな少女からの亀頭キスは、通常よりも興奮度合いが高まる代物であり──
その最中も、古手川は猿山を上目遣いで見つめている。
それから──彼女は、錠剤を口に含み──
ごくんっ♡
「……ふふっ♡飲んじゃった……♡」
破瓜の痛みを快楽に変える媚薬を、嚥下した。
どういった心変わりがあるのかはわからないが──
「……私ね、自分のはじめての思い出よりも……あなたを喜ばせたいの……♡……はじめてが、痛くて、辛くて、泣きわめいて終わっちゃったなんてことになるくらいなら……女になった自覚なんていらないから……ねっ、猿山くん?
私が女になった自覚は……これから先、一杯、あなたが教えてくれるんでしょ?」
猿山の頬を撫でながら、鼻先に軽くキスをする古手川の──
「──きゃっ!?」
天性の魅力に、猿山は限界を迎える。
万年床の薄布団へと古手川を押し倒す。勃起した陰茎が彼女の臍に触れる。裸ワイシャツのボタンを──乱暴に引きちぎる。自分自身のものだからいいだろう、と思いながら──そのまま古手川の秘部に亀頭を触れさせる。
ぬるぬるな膣肉は、彼女が生まれ持った、天性の雌の才能。初めての愛撫を受けて、これだけ膣をぬるぬるにぬめらせて、雄を受け入れる態勢が出来ている女が──よくもまあ、「風紀委員」だの「ハレンチ」だの主張できたなと、理不尽な怒りが下腹部に湧き上がる。
「あっ……私、彼女がいる男の子と……えっちしちゃうのね♡」
古手川は、猿山の唇にちょんっ♡と人差し指を触れさせるので──
嫌だったか、と、尋ねると──
「……ううんっ♡すごく……興奮する、かも……♡」
──ハレンチの才能を開花するので──
にゅぷぷぷぷ〜〜〜♡
と──腰を前に突き出して、挿入した。
「んんん〜っ…………♡んっ……ふぅ……っ♡……ん、ぐっ……♡だ……大丈夫、よ……♡気に、しないで……♡圧迫感が……お腹の、中が……押し広げられて……不思議な気分だけど……あのお薬のおかげで、痛くは──ないからっ……♡
……でも、代わりに……キスしてほしいわ……♡」
猿山は──古手川の望み通りにキスをしてやる。
正常位での性行為は、上にいる雄が最も格好良く見える──という理屈は古手川にも当てはまるのだろうか。彼女の痴態に、猿山は夢中になってしまう。腹の上から子宮を撫でて、猿山は、舌をべろべろと突き出してやる。第三者の視点から眺めれば「三枚目の猿顔に陵辱されている、黒髪ロングの美少女」なのだろうが──実際には、それは古手川もノリノリなもの。醜悪なはずの猿山の顔にも、彼女はくすっ♡と小さく笑うばかりで──「んれぇ〜〜〜♡♡♡」と舌を絡めてくる。
互いの唾液を再度交換しながら、猿山は夢中になって古手川の膣を穿っていく。
地球人の雌──同級生──風紀委員の厳しいあの娘──古手川唯を形成するそれらは、自分が今まで犯してきた宇宙人の雌とは根本的に異なるもの。彼女を征服している優越感は、棚ぼたの宇宙人美少女よりも遥かに強く──このぬるぬるな膣ひだも、ふかふかな乳房も、甘ったるくて母乳のような味わいが感じられる唾液も──世界中の雄で自分だけが知っているという優越感が、さらなる興奮を導く。
結城リトには絶対に出来ない行為──だと、猿山は考える。親友である彼は紳士的で、それは好ましいものだが──性的興奮と発情をしている女性を前でも貫けば、一気に悪癖となる。ハレンチな少女は、格好いい好青年よりも──自分のような性欲猿の方が相応しいのだと──
「あっ……♡」
猿山は、古手川の手を掴む。
布団のシーツを硬く、強く、握りしめていた彼女の手。痛みはないはずだが──圧迫感によるものか──あるいは「セックスというのはそういうもの」という固定観念が働いていたのか。猿山の手が、古手川の手をつんっ♡つんっ♡と触れる。無理矢理にではなく、合意を求める合図。古手川はそんなことすらも、嬉しかったのだろう。口元に笑みを浮かべてから、ゆっくりと──
「はいっ♡……いいわよ、猿山くんっ♡」
手を開いて──猿山を受け入れる。
五指を掌で絡め合わせる──俗に言う、恋人繋ぎ。正常位で自分を犯している雄が、両手まで握りしめたら、雌は一切の抵抗が出来ず、逃げることも不可能で──だから、「逃げるつもりは少しもない」という彼女の意思表示だ。
恋人繋ぎをしながら、ちゅっ♡ちゅっ♡と唇を触れ合わせるだけのキスをする。古手川は先ほどまで、受け身で舌を絡める淫蕩なキスに溺れていたのだが──口を開けて餌を待つ雛鳥ではダメだと思ったのだろう。にゅるっ♡と、自分から舌を絡めてくるので──猿山は彼女の後頭部を優しく撫でてやる。古手川唯の美少女に相応しい美男子がすれば、もっとロマンティックなのかな──と思うが、それでも、肝心の古手川はうっとりと恍惚に浸った瞳を浮かべているので、なので、猿山はもっと頭を撫でてやる。どれだけ勉強を頑張っても、風紀委員の活動に専念しても──褒めてもらうどころか、やっかみを受けていた少女。迫害されていた側の気持ちならば、美男子ではない猿山には十分にわかるので、そうして沢山頭を撫でてやると──
「んっ……♡猿山くん……
ねっ……
ハ……ハーレムって……私でも、入れるのかしら?
……あっ!ち、違うのよっ!そ、その、宇宙の文化って私たちとは全然違うから、純粋な興味というか……え、ええと……あ、あの……その……
……さ、猿山くんは……
……私がハーレムにいたら、嬉しいの?」
古手川のまっすぐな瞳──
風紀と規律に厳しいというのは、言い換えれば「ルールに抵触しない限りは問題ない」ということ。地球の日本国の常識では一夫一妻だが──宇宙規模で考えれば、ハーレムを容認している星が幾つもある。古手川唯にとって、惚れた男にすでに恋人がいて──しかし、恋人がハーレムを容認している場合──
彼女は、今、猿山の言葉を待っているのだろう。
一言、ハーレムに入ってくれと言えば──彼女はそれを受け入れるだろうが──
「あっ……♡」
猿山は、古手川の頭を優しく撫でてやる。
それをすれば、彼女は地球人としての第一王妃となる。宇宙人相手のハーレムを許容しても、地球人同士のハーレムは「ハレンチだ」「私がいるから十分でしょ」と認めなくなる可能性もあるわけで──しかし、ここで彼女の申し出を拒絶したところで、古手川の泣きそうな顔を見せられたらすぐに掌を返さねばならないし──
と、葛藤をしているところに──
ぷるるるるる──っ
「──きゃっ!?」
──デダイヤルの着信音が鳴り響く。
「猿山様〜♡今、何してましたか〜?いえいえっ、ちょっと浮気でもしているんじゃないかな〜って気配を感じて、思わず電話しちゃっただけで……あれ?誰かいるんですか〜?」
白々しいほどの棒読み演技で──
モモ・ベリア・デビルークは通話をしている。
猿山には簡単にわかる演技だが──動揺している古手川には効果覿面なのだろう。「あっ、あのっ、わた、私どうすれば──っ」とこれ以上ないほどに動揺しているので──少し、愉快だなと思った。
「あっ、もしかして猿山様……ハーレムに入りたい女の子とお楽しみ中でしたか〜?でもでも、私、まだご挨拶されてないな〜……ま〜さ〜か〜……彼女持ちの男の子と浮気セックスしてから、事後承諾で、ハーレムに入れてくださ〜いなんておねだりする……恥知らずの女性なんていませんよね〜?」
盗聴器と監視カメラでもついているのか、疑いたくなるようなモモの言動(多分、実際についているのだろう)
「ご、ごめんなさいモモさん!」
「あれ、古手川さん、どうしたんですか〜?」
「私、その……そこまで、頭回らなくて……そうよね……幾ら、ハーレムを許容しているからって……モモさんに一言、言うべきだったわよね……」
「……ふふっ♡」
モモにとって、古手川の狼狽は「いい気味」なのだろうか。
風紀に厳しい彼女のせいで、学校内でのハレンチが制限されているのは事実。勿論モモとて、不良に犯されて悲惨な目にあって欲しいとは思ってもないだろうが──自分があれほど嫌悪していたハレンチな状況で、猿山と交尾しているその姿は、きっと腹の底から愉快でたまらない代物なのだろう。
「私ね……今日、猿山くんに助けられたの……
猫を虐めている不良達を注意したら、襲われかけて……みんな、猫と私を見ても、見て見ぬ振りをして早足で立ち去っていって……襲われたときのね、あの不良達の太い腕……私、本気で抵抗しても身動きとれなくて……怖くて、泣き出しそうだったときに……
……猿山くんが、助けに来てくれたの……♡」
「へ〜、それで猿山様が彼らを退治してくれたんですか〜?」
「も、もう!モモさんもそこにいたでしょ!い、意地悪しないでよ……
……猿山くんはね、全然、強くない男の子なの……
不良達がきっと、格闘技を習っていたからか……猿山くん、ボコボコのぼろぼろにされちゃって……なのに、私を見捨てようとしないで……立ち止まってくれて……あっ、不良達は最後、通りすがったララさんがやっつけてくれたんだけど……
……と、とにかくね……
私……猿山くんの正義感に……
いつも、口うるさくて、ガミガミ言ってる私でも助けてくれる正義感に……す、すごく……惹かれちゃって……♡」
──正義感なんてものが少しもないのは、助けた猿山自身が一番よく理解している。
モモが助けてくれると思った上に、ここで古手川に恩を売ればヤれるのではないか、と考えた──徹頭徹尾、性欲による行動だ。そこには正義も大義もまるでないのだが──こうして、我欲による行動が好意的に解釈されるのは、ちょっとだけ主人公っぽいなと感じる。
「へぇ〜……古手川さんはぁ〜、不良に助けられただけで好きになって、セックスさせちゃうんですね〜♡」
「ち、違うのっ!
…………そ、その、ね?
……私、昔から、ずっと好きだった男の子がいるの……」
「……へぇ?」
「すっごく昔で、名前も……顔も思い出せないんだけど……
……木の上で降りられなくなっていた猫を……みんなが見て見ぬ振りをする中……勇気を出して、助けてくれた男の子……♡
私ね、風紀委員になったのも……彼のように、かっこいい人間になりたいと思ったからで……で、ね?恥ずかしいんだけど……名前も顔も覚えていない彼に抱かれる妄想で、わ、わた、わたしっ!
……ま、毎晩……オナニーをしていたの……♡」
「へぇ〜♡いいえっ、バカになんかしませんよっ♡絶対にしませんっ♡好きな男の子がいることも、その人を思って身体を慰めることも素敵じゃないですか〜♡」
白々しいモモの言葉よりも──
先ほどの猫を助けた発言は──とんだ誤解であったのだと、猿山は気が付く。
「ずっと、昔から好きだった男の子と……
今日、私を助けてくれた王子様……
それが、どっちも猿山くんで……し、仕方ないでしょ……?
彼のこと……本気で、好きになっちゃっても……♡」
──とんだ誤解だ、と、告げることは出来ない。
騙したつもりはないが、結果的に、古手川は誤った解釈をしている。これもまた主人公っぽいな、とは思うのだが──知られてしまえば、古手川はきっと、この処女喪失を許さないだろう。仕方がないので、後でララの発明品かモモの植物で、記憶を改竄してもらおうと思いながら──
「んぅ……♡」
猿山は、古手川にキスをしてやる。
舌を絡めて肉欲を満たす、貪りあうディープキスではなく──唇を触れ合わせるだけの、恋人同士のキス。古手川はそのキスも気に入ったのだろう。何度も唇を重ね合わせてちゅっ♡ちゅぷっ♡と──愛情を確認して──
「ねっ、モモさん……
遅くなったことは、謝るわ……でも……
私……猿山くんが……猿山ケンイチくんのことが、大好きなの……♡ハーレムの、何番目でもいいから……だから……私も入れてくれないかしら?」
「……猿山様は、まだまだハーレムに女の子を入れていきますよ?」
「んっ……そ、その……本音を言うとイヤだけど……でも、宇宙では常識なんでしょ?だったら……受け入れるわっ……♡」
「地球人の女の子にも手を出すかもしれませんけど……独占欲出したりしませんか?ちゃんと仲良くできますか?」
「……猿山くんのことを、傷つけたり、いじめたり……その、悪い子じゃなかったら……仲良くするわ……っ♡」
「…………♡じゃあ、いいですよ〜♡」
モモは──ハーレム計画の遂行に必要な言質を、古手川の口から直接奪い取った。
これで猿山が、地球人の他の雌を手に入れようとしても──彼女は一切の不満を口にすることはないだろう。古手川の協力を得られれば──今後、校内での性行為も随分と楽になる。「それが宇宙では常識だから」と言えば何でも許されるのだと思うと便利だな──と思うと同時に──
放課後の教室で、古手川とセックスが出来るならば──
「あっ♡んっ♡さる、やまくんっ♡ど、どうしたの?♡急に……ううんっ♡はげ、しいわっ……♡」
猿山の腰使いは──激しいものとなる。
古手川唯に空き教室でパイズリをしてもらえるならば──男子トイレでフェラチオをしてもらえるのならば──体育倉庫で、図書室で、保健室で──自分がムラムラしたときにいつでもセックスをしてもらえるのだとしたら──それは彼女の同級生の男子生徒が、自慰行為の際に妄想をする、どこまでも都合がいい代物だが──世界で唯一、自分だけが、その妄想を実現させられる立場にあるとすれば──
猿山の肉棒は、射精寸前。
パンパンに張りつめた肉棒は、必死に肛門を引き締めて、尿道の根本を抑えつけて決壊を我慢しているだけ。古手川の膣肉は、にゅるにゅるの膣ひだで猿山の肉棒を迎え入れて──彼女の腰は少しずつ浮いてきている。足の指先にまで力を込めているのは、絶頂が間近である証拠。地球人も宇宙人も、同じ雌である以上、絶頂の癖は同じなのだろうと考えながら──猿山は古手川の乳房にかぶりつく。歯形は残すが、痛みはないように──独占欲を発露した行為に──古手川は──
「〜〜〜ッッッ♡♡♡」
と──激しく痙攣しながら、膣をぎゅ〜っ♡っと締め付けるので──そこで猿山も限界を迎えて──
びゅるるるる〜〜〜っ♡びゅるるっ♡どぴゅっ♡どぷっ♡びゅるるっ♡
びゅぷっ♡びゅるっ♡どぴゅっ♡どくっ♡……びゅる〜っ♡びゅるっ♡びゅっ♡
…………どぷっ♡びゅーっ♡……どくっ♡びゅるっ♡びゅっ♡……どくどくっ……♡
猿山は──古手川の膣内へと射精した。
亀頭を子宮口に押し当てながら、濃厚な精液を吐き出す種付け射精。今日の古手川が危険日であるのか──猿山にはわからない。腹の中に卵がいれば、間違いなく孕んでしまいそうなこってり精液。子種のうっすい男とは違い、性欲しか取り柄のない雄の、金玉でことことと煮詰められた精液はねばねばで、どろどろで──にゅぽぽぽ〜〜♡と古手川の膣内から引き抜いても、簡単には出てこない。
「あっ♡んっ……んはっ……♡猿山くん……すっご……♡セックスって……こんなすごかったのね……♡」
恍惚とした表情を浮かべながら、涙と汗と鼻水でぐっしょり濡れた顔。頬にぺたりと張り付いた黒髪を指でどけてやりながら、猿山は──
「あむっ♡んっ……♡猿山くん……まだ……出来る?……んっ♡……そ、そうよ……私……イっちゃったけど……も、もっとしたいわ……♡……明日から、あなたはハーレムの王様だけど……でも……今日だけは、独り占めしてもいいのよね……♡ふふっ……王様♡……大勢の女の子を満足させちゃうの……今日だけ……私に全部そそぎ込んでね……っ♡」
古手川は猿山の耳元で囁いてから──
ふ〜っ♡
と──息を吹きかける。
昨日まではあれだけ、ハレンチを許さない少女であったというのに──
古手川の88センチGカップを揉みしだきながら──これだけの身体を持っているのだから、雌としての才能は極上なのだと考える。
才能が芽生えて花が咲けば、誰よりもハレンチな少女になるのは必然で──「さ、猿山様!古手川さん!ビデオ通話にしてください!私も見たいで──」と、モモがそこまで言ったところでデダイヤルの通話を打ち切る。ご主人様の自宅に盗聴器と監視カメラを仕掛ける悪い雌にはお仕置きが必要なので、モモ、見るなよと虚空に向けて呟く。きっと今、どこかで監視しているモモが、泣く泣くカメラをオフにしているのだろう。不審に思い、きょとんとしている古手川の額と頬にキスをしてやりながら──ぬぷぷぷぷ〜〜♡と猿山は、勃起した陰茎を古手川の膣内に埋めてやる。足の爪先をピンとのばしながら──挿入の余波だけで絶頂する淫乱な少女と、舌を絡め合わせて──そのままラブラブなセックスで七度、ハードなセックスで六度、お掃除フェラで二度射精してやった。