(こんな関係、きっと永くは続かないのでしょうね)
あれからというもの、休日のたびに逢瀬を繰り返し、ときには一日中身体を重ね合った。
彼の家に足繁く通い始めてから、はや一ヶ月が経とうとしている。
カリナは、彼に自身がマリアナ・ヘルの奴隷であることを伝えていなかった。奴隷の証である淫紋は、隠蔽式の挿入により、非活性状態では見えないようになっている。
愛されている実感があるからこそ、苦しかった。彼は会うたびに、「もっと会いたい」「そばにいたい」「ずっとこうしていたい」とピロートークで囁いてくる。カリナも同じ気持ちだったが、それに応えるには、この淫紋が邪魔だった。
いずれ、この関係は破綻する。
それを分かっていながらも、永遠に続けば良いのにという願望が、関係を終わらせることを良しとしなかった。
――今日こそは話そう。
そう心に決めて、カリナは足取り重く、カリュウの住居へと向かった。
*****
玄関先で、いつものように抱きしめてキスをしようとしてくる彼を制止して、カリナは改めて向き直った。
彼の声を聞いただけで、既に女の蜜壺は濡れてしまっている。キスなどされてしまえば、セックスの事以外考えられなくなってしまうのは明白だった。ゆえに、気力を振り絞って、誘惑を振り払った。
ああ、唇がこんなにも重い。不快な喉の乾きに、一度つばを飲み込んだ。
「……もう、終わりにしましょう」
「――突然なにを」
「わたくしは今まで、あなた様に隠し事をしておりました。わたくしは、マリアナ・ヘルの奴隷……。証拠に、淫紋をお見せします」
服の裾をまくりあげ、カリナは下腹部に刻まれた奴隷の証を眼下に晒した。
見事な意匠であった。彼女自らの意思で活性化させたそれは、淡く桃色の光を放っている。
「……おわかりになりましたでしょう。これがある限り、わたくしはマリアナ・ヘルから逃れることはできないのです」
「待て」
踵を返したカリナの下腹部を、背後から伸びた男の両手が抱きとめる。背後に感じる圧倒的な雄の存在感に腰を震わせながらも、カリナは声を上げようとしたが、男の言葉がそれを遮った。
「俺も、隠し事をしていたよ」
カリナの下腹部が、熱く、熱を帯びる。子宮が疼き、どろりと欲望の体液がショーツの端から太ももを伝い、滑り落ちていく。
「俺は、ハッカーだ」
「えっ、なっ……! あっ……♡」
「カリナ。期待していたんだろ? こうやって、引き止められるのを」
「そ、そんなことは――」
――ある。心のどこかにある、夢見る乙女成分が、そのような非現実的な妄想を抱いていたのは事実だ。童心の頃に思い描いた白馬の王子様は、奴隷に堕ちたときに、この世にそんな都合の良い存在はいないのだと思い知った。
カリュウの囁くような声は、耳元から脳を直接揺さぶるようだった。淫紋が一際大きく光を放ち、マスター登録を書き換えられてしまったことを悟る。すなわち、この瞬間から、カリナの御主人様はマリアナではなく、カリュウとなった。
「こ、こんな、片手間で……♡」
「やろうと思えばいつでもできた。だが俺は、お前の心が欲しかったんだ」
「……♡」
「俺のモノになれ、カリナ。くれ、お前の全てを」
胸が高鳴り、子宮がきゅんきゅんと雌の鳴き声をあげ、頭が真っ白になった。これまで感じたことのないような、遥か彼方まで飛んでいくようなエクスタシー。
そんな大きな絶頂快楽を体全身で受け止め、ビクビクと爆乳を、くびれた腰を、デカケツを震わせながら、彼女は答える。答えは、一つしか無かった。
「……はひ♡」
*****
二人はベッドの上で、溶け合うようにまぐわっていた。
カリナが上になり、やわやわと腰を使いながら、キスの雨を降らしている。柔らかな爆乳が、逞しい胸板の上に押し付けられている。
自慢の名器で懸命に奉仕しているが、完全に心まで奪われてクソ雑魚と化したマンコは、少し動かすだけでもデカチンのエラに削られて甘イキを繰り返す始末。
二人の体液が混じり合い、淫らな水音を立てている。くい、くい、と控え目な迎え腰を使うカリナの、シミ一つ無いむっちりデカケツに、男の手が伸びる。尻肉を割り開き、その重量感と柔らかさを味わうように揉みしだいていった。
男だけを見つめるカリナの瞳には、情欲にまみれた火が灯る。それは、イクごとに、油を注いだように、燃え盛る炎となっていく。
不意に、男が腰を動かした。ごりっ、と子宮口を圧迫され、思わずキスを中断しておとがいを跳ね上げる。のけぞり、子宮イキに恍惚の表情を浮かべて、口元から涎が流れ落ちていく。
そうして眼前にさらけだされた、圧倒的質量を持つ爆乳を放っておくことなど、できるはずもなかった。手のひらに収まりきらないその乳肉を、ねっとりと揉み込み、かたく凝り立った乳首をコリコリと指で弄り倒す。かと思えば、乳輪をこすこすと撫でさすったりして、もてあそぶ。
両手で爆乳を下から揉み上げ、両乳首を同時に口へと含んだ。舌で乳首を可愛がる。おっぱいをしゃぶり尽くされ、胸イキを繰り返したカリナのマンコは、よりいっそう締め付けを強くした。膣にぴったりと埋め込まれた剛直が、さらに大きく感じられる。自らの締付けと腰の震えで弱い場所を刺激され、自滅イキ。
絶頂のループに陥ったカリナの美貌は、白目をむかんばかりの無様なアヘ顔だった。そして、トドメをさされる。下から大きく突き上げられ、「おほッ♡」という嬌声をあげさせて、そのままカリナの意識はどこかへ飛んでいった。
失神し、男の胸へと崩れ落ちたカリナの子宮めがけて、特濃精液を注ぎ込んでいく。スローセックスのあとの射精は、長く、突き抜けていくような快感をもたらした。
ふう、と大きく息を吐き、男は両手をベッドへと投げ出す。心地よい疲れが体中を覆っている。睡眠を欲する脳に逆らわず、男はまぶたを閉じた。
それでもペニスは、マンコに栓をするように勃起を保っている。彼女の子宮に注ぎ込んだ濃厚な孕ませ汁は、溢れることなく、たぷたぷと子宮を満たしている。
数時間して、カリナは意識を覚醒させる。下腹部と、膣に感じる熱さは健在だった。その熱さは、女をダメにする。
カリナは、完全に堕ちた雌にさせられていた。
眠る男の顔に愛情たっぷりの接吻を落としながら、決心する。主人にして親友である、マリアナを売ることを。
マリアナには秘密がある。彼女自身以外では唯一、カリナだけが知る秘密。
それを心酔した男に伝えること。その甘美な背徳感に、カリナは体を震わせ、イッた。
*****
一代にして国内最大の娼館帝国を築き上げた女傑、マリアナ・ヘル。
いよいよ四十を越えようかという年増だが、その美貌はよりいっそうの磨きがかかり、見る者全てを魅了する色気、すなわち妖艶さを湛えている。
彼女の全身から醸し出される凄艶な色香は、人生経験が為せる業だ。政府の要人すらも手玉に取り、裏社会を牛耳ってきた。
何者にも屈しないという強固なプライドが、彼女を支えている。
しかし、そんな彼女の尊厳は、一人の男によって犯され、終わりの時を迎えようとしていた。
自らの城、その最奥にある寝室。巨大なベッドの上で、抜群のプロポーションを誇る自慢の媚肉を好き勝手もてあそばれるという屈辱を、マリアナは味わっていた。
「いや、驚いたな。あのマリアナ・ヘルが淫紋持ちだったとは」
「くっ、やめぬか……下郎っ」
陵辱者の言葉に、マリアナはキッ、と背後をにらみつけることで抵抗を示す。
高級娼婦にして、経営者の愛人だったマリアナ。経営者の死を機にそのビジネスを引き継いだと言われているが、それは見事なカバーストーリーであった。
傾国の美貌を見初められ、事実上の愛人だったことは確かだが、彼女は淫紋を刻まれた奴隷であった。
奴隷に落ちる前の、彼女の生い立ちは、カリナですら知らなかった。しかしその教養の広さ、深さ、垢抜けた物腰などは、高度の教育を受けていたことを伺わせるものだった。奴隷という身分でありながら、主人に重用され、経営の根幹にすら関わっていくことになるのに、時間は掛からなかった。
そして彼女は人一倍、強いプライドを持った娘だった。
面従腹背しながら、彼女は数年を掛けて独学で淫紋の知識を習得した。自らの淫紋をハッキングすることに成功した彼女は、カリナと協力し、慎重に検討を重ねて奴隷から脱する計画を立てた。
その計画は実行され、経営者ら幹部たちが不幸な事故で亡くなる。経営を奪おうと蠢動する同業他社に先んじて、マリアナは経営を掌握した。それから、彼女は持ち前の胆力と聡明さでビジネスを拡大し、時には権謀術数を用いてライバルを排除し、成功を勝ち取った。彼女に並び立つ者は、いなくなっていた。
いまや彼女が奴隷だった過去を知る者は、一人を除いていない。彼女にかかれば、淫紋をハッキングして特定の記憶を消すことなど容易いことだった。当時彼女が下剋上を果たしたときに、全ての奴隷にその処置を施している。
しかしメイド長のカリナだけは特別だった。奴隷として出会い、打ち解け、マリアナの側でその覇道を支えた。決して楽な道のりではなく、度重なる苦難を共に乗り越え、育まれた友情は、何事にも代えがたいもののはずだった。
彼女を気の置けない間柄と思っていたからこそ、信頼し、淫紋で縛り付けることを最低限に済ませていた。
しかしその信頼は裏切られ、カリナの手引によって、マリアナは再び奴隷に貶められようとしている。
「よく出来た防護壁だった。だが、ま、俺にかかればこんなもんだな」
下腹部の淫紋を撫でながら、マリアナの耳元で囁く。それだけのなんてことのない愛撫で、マリアナは口端からよだれを垂らして、ビクビクと快楽に腰を震わせる。
「ううっ、ああっ……(いやじゃ、また奴隷になど戻りとうない!)」
一筋の涙が、彼女の眦からこぼれ落ちる。
マリアナは聡明だった。それゆえに、自らの未来が明瞭に見えていた。
淫紋がハッキングされ、体が、細胞レベルで書き換えられていくのを感じる。
もはや後戻り不可能な、不可逆的な書き換えだった。なまじ知識があるだけに、男が行う超越的なハッキング技能に対して、もはや諦観を覚えている。
敵わない。
プロテクトが一瞬で突破され、空白のマスター登録に男の名が刻まれた時点で、既に折れていたのかもしれなかった。
それでも、せめてもの抵抗の意思を示すことができたのは、彼女がこれまでに培ってきたプライドのお陰だった。
男の手が胸を責めている。繊細な手付きで、ねっとりと乳首を愛撫されていた。片方の手は淫紋の上から、子宮をマッサージしている。
どっぷりと溢れ出た本気汁。すぐにでも落とせるだろうに、男はじわじわと真綿で首を絞めるようにマリアナの精神を追い詰めていった。
彼女が懇願するのを待っているのだろう。
もういっそ一思いに……。そう思う自分もいれば、プライドが邪魔して諦めきれない自分もいる。そうしたマリアナの葛藤を、男はわかっているようだった。
子宮マッサージと乳首責めだけで、マリアナは本気汁の水たまりを作っていた。情欲に濡れた、荒いケダモノの息遣い。
プライドがミシミシと崩壊していく音を聞いた。不安定ながらも、まだ完全には崩壊していない。しかし、何か切っ掛けの一つでもあれば、すぐにでも崩れそうだった。
そのひと押しを、マリアナ自らの口から言わせるつもりなのだ。
口を開いてから、その言葉を発するには、いくらか時間を要した。
「――妾の負けじゃ」
一度出てしまえば、あとは堰を切ったように懇願の言葉が溢れ出した。もはやその姿に、娼館帝国の女主人の姿はなかった。そこにいるのは一匹の雌犬だった。
「負けじゃ♡ 妾の子袋が子種を欲しておる♡ 御主人様♡ 負け犬マンコにお情け、をッ!? ~~~♡♡♡」
ずん、と背面座位で女殺しのデカマラが挿入され、マッサージでグズグズに蕩けて孕み準備万端の子宮を殴打される。
屈服の子宮アクメの味は、マリアナという女を作り変えた。走馬灯のようにこれまでの人生が駆け巡り、自己存在の価値が御主人様の利益と集約される。
男に背を預け、妖艶な蕩け顔を向けて見せる。すると、唇を奪われ、陵辱された。舌を絡めあい、吸われ、アクメに達する。
こんなセックスは、知らなかった。デカチンによってマンコを耕され、未知の快楽が掘り起こされていく。
背後から男の腕が、がっしりとマリアナの体をホールドする。耳に唇を押し付けるようにして、男は言う。
「俺専用マンコに仕立て上げてやる。覚悟しろよ」
マリアナは言葉でガチイキするという、初めての経験をした。
そんな調子で一日掛けてハメ潰され、女主人はチンポの奴隷となった。