Target:"1" 作:ニョ
さて、イチは自分が満たされるという希いに対し、百年河清を待つような思いだったのは明らかだ。
「……」
城石一は、やはり収まらぬ陰茎をズボンの上からなぞり、付着した他人の血液がそこに染みていくのを見下ろす。枯れたヒマワリでも眺めるかのように。あるいは、両翼をもがれた大鷲でも見つけたかのように。
「これじゃ、またオジサンに怒られるな」
殺し屋の貌が腹の底に仕舞われてもなお冷静だった。正確に言えば、彼にとって非日常とは些細なものなのだ。ただ、勃起が持続するのだけを除いて。
「う~~~~、腐っちゃうのかなぁ、オチンチン。やっぱりバチが当たったんだ」
土埃舞うマンションのバルコニーに、血管拡張剤を握りしめてジジイはほくそ笑んでいた。
「……本当に読めねェコトしてくれやがるな。アイツは」
カレンが消えたものの、代役を用意する間もなくイチは遂行してしまった。彼のここではたらいた暴力は、本来『輪姦された女』に与えた半端な絶望感に結論を出してから行なわれるはずだった。
バンブルの優しさに包まれ、彼はまだ守られていた幼少期を、直接引き出してしまったのだ。トランスフォーマーの介入によって、イチは、誰にも成れなくなった。キリングマシーンにも、ブタのような欲の俗物にも、成れないのである。
「秀逸な素材だったんだんですがね。まぁ、次がないワケじゃない。それに面白い事になって来たじゃないですか──バーガー氏」
番号の書かれていない受話器から、耳障りな声が響く。ジジイはホットドッグをぱくつきながら、素っ気なく返事をする。
「ええ、そうそう、……いい連中が揃ってんですよ。どいつもトランスフォーマーに並々ならない恨みを持った奴らが」
コンカレンスの誕生は目前であった。
*
ボンブシェルは、回収したスタースクリームのボディが存外に『しぶとい』のを不思議に感じながら、メモリーを改造してリペアを行なった。
「ほお、この老いぼれはこんな技術を持ってるってのか。こいつぁ興味が湧いてきたぜ」
ボンブシェルはメモリーをコピーしたチップ媒体を自身の頭脳に読み込ませている。デストロン北朝鮮支部にインセクトロンは身を潜めていた。彼を傍目に、もう二人は辟易気味である。
「この人間はキーパーソンとなるだろう──人類とサイバトロン共の瓦解においてな」
To be continued "Binaltech".
But,
Not continue at "Ichi the Killer".
これで最後になります。すみません、忙しいのに連休中にドラクエ3やり込んでました……