白いウサギは人肌に溶ける~執筆中=彼氏持ちレフィーヤ光のNTRストーリー 作:37級犬築士
歓楽街、そこで繰り広げられる遊びの数々、性欲の晴らし方は人ぞれぞれであるため、その地に店を構える者たちは各種、定番からコアなものまでさまざまなサービスを試みる。
この店もその一つ。その店に勤める嬢たちは等しくたわわな果実を有している。訪れる男たちはその果実に惹かれるあどけない赤子、外聞も関係ないとばかりに彼らは甘える。溶ける。嬢たちの母性に心行くまでほだされていく。
男たちは、そんな自分たちの願望をかなえてくれる彼女たちに、ある言葉を創った。
どうしようもなく、なさけなく、身分も立場も年齢も、何もかもを忘れてただ甘えたい、そんな願いをかなえる彼女たちの母性に、彼らは「バブみ」という名前を与えたもうた。
そしてまた今宵、俗世の疲れから逃れんと、嬢たちに癒しを……
「ママン、おっぱい、おおおおおおっぱぁああい!!! おっぱ、ぱ」
「いやあっぁあ!!?キモいッッ」
……バコオォォオオオオンンッッ
「バブリシャスッッ!!」
きらびやかな店内、騒然とする他の客たちと嬢の方々、そして今しがたバブみを堪能せんとして、結果天井に実る奇妙な果実となってしまった中年の男、最後にほれぼれするほどのアッパースタイルで凍り付いている亜麻色の髪の女性。以上がこのおっぱいパブ、ルノア・ファウストが務める風俗店の日常であった。
〇
「ほんと、もうたくさん!なんであたしがこんなことしなきゃいけないんだああッッ!!」
「ンヴモォオオオ!!」
場所はダンジョン、17層で現在あまりにも一方的な戦闘、もとい八つ当たりの現場が目撃されている。
首謀者は豊穣の女主人で給仕をしているルノア・ファウスト。凶器は拳、もうはやく魔石砕いて殺してくれと言わんばかりにモンスター達は嘆き叫んでいた。
「クソッ、クソッ!」
ただいま現在、最後の一頭をマウントからのタコ殴り。角は剥がれ歯は全砕け。四方から眺めるモンスター達や冒険者はそろえてこう思った。悪魔がいると
「はぁ、はあぁ……もう」
砕けた魔石と同時に、椅子となったミノタウロスが霧散し地面に尻もちをつく。人気もモンスターも消え失せて、ただ一人行為のむなしさにおぼれて嫌になる。
「もう、なんでこんな」
思わず、後悔の言葉が出てしまった。けれど、それを自分に言う権利はない。
高額借金返済、そのために二人は文句も言わず働いている。なのに、自分だけは未だに覚悟が足りず……まあ、それでも中年相手に母親になれとか、そんな無茶ぶりに苦情ぐらい言っても仕方ないはず。
「……」
……でも、ダメだよね。このままじゃ、返済なんてとても
重い腰を上げ、ルノアはダンジョンの岐路を目指す。八つ当たりじみたダンジョン探索なんかよりも、自分にはしなくてはならないことはあるのだから。
「とりあえず、また店長にお詫びして……それで、頭下げてまた働けるように」
「……あの」
「!」
振り向きと同時に構えを取る。だが、そこにいたのは敵でも不埒物でもなく
「えっと、落とし物ですよ……その、ルノアさん」
「……あ、うん」
掲げた拳を降ろし、強張った肉体は構えを解き闘争心を捨てる。手に付けたグローブを後ろに、いつもの給仕らしくしおらしい出で立ちに自然となってしまう。
……冒険者君、嫌なところ見られたな
酒場に足を運ぶ彼、以前にはリヴィラで共に戦ったりもした。最近はよくアーニャが相手をしていて、そう言えばまともに会話するのは久々な気がする。
ベル・クラネル。ベル……いや、冒険者君でいいや。
急に呼び方を変えるのもどうかと思う。それに、この子はきっとたじろぐだけだから。
「冒険者君、久しぶり」
「……はい、お久しぶりです」
「なにかな、別にあたし……なにも」
「いえ、この散らばった魔石、全部ルノアさんのじゃ」
ベルが指摘する。言われてみれば当たりの地面にはごろごろと魔石やらドロップアイテムが。ぜんぶ換金すればそこそこにはなるだろう。
「あぁ……まあそうなんだけど、でもいいよ。」
「へっ?」
自分で口にして、我ながらおかしなことを口にしている。面倒くさがって適当に答えて、けどダンジョンに潜って魔石を持ち帰らない、そんなのはおかしい。そんな自分の発言にこの子に変な反応をさせてしまった。
「……魔石、いらないんですか?」
「いらない、わけじゃない。そうよね、じゃあ」
変に強がるより、ここは普通の行動に戻る方が良いと、少し冷静になる。けど、後ろのポーチに手を伸ばそうとしたはずが、何もなくて空を切る。
「……あれ、あっ」
「ルノアさん、もしかしてバックパックもポーチもなしで」
「う、どこかで落としたかな……あはは」
「……ダンジョンでモンスターを倒すだけ、お金を稼ぐことは考え無し」
「何かってに推理して「もしかして、何か嫌なことでもありました?」
…グサッ
「……プルプル」
「あっ」
言ってはいけないことを指摘してしまった。ベルも気まずそうに手を振り首を振りと、むしろ気を使われることにルノアはいっそうダメージを受ける。
「……冒険者君」
「は、はい」
「ちょっと、あんた……付き合いなさいッ」
肩を掴み、逃がすまいと万力のような握力で、さらに眼光を飛ばす。酒場の綺麗なお姉さんはどこか遠くへ、不良娘に絡まれた童子の心境で、ベルに拒むことはできなかった。
〇
~リヴィラの酒場
「……えっと、つまり」
「なによ、疑っているのあんた」
安っぽいテーブルで酒を囲み、というには二人だけだが、ルノアのやけ酒にベルは拘束されている。逃げ場はないし、なによりそんなことをこのお姉さんは許さない。
……うん、すごく荒ている。
話を聞いて、ルノアの身の上事情は聞く限り、先日から知った通り。アーニャさんと同じくルノアさんも働いているとのこと。
「だからぁ、これはその……あたしの友達の話で」
「あぁ、そうなんですね、本当に大変です。激しく同意します。」
……うん、嘘だよね。絶対ルノアさん本人の話だ。
要約するとつまり、務めるお店で嬢としての仕事が満足にできない。本番行為を嫌うルノアさんにとって、働けるのはそこだけらしく、むしろ文句も言えない立場であり、しかも借金返済という逃れられないくさびもある。
「だからあたし……その子は、どうしてもいやなのに、けど働かないといけなくて」
「そ、そうなんですね」
「しかも、店長がブチギレで……今週中にノルマ稼がないと、その……」
一息に、ジョッキグラスを流し込む。火照った頬にはいつのまにか、よくよく見なければわからない程の小さなしずくが垂れている。
「!」
見られた、恥じらい涙をぬぐい。そして顔を隠すように突っ伏す。ぐずり、震えた声でルノアさんは続ける。
「あたし、本番行為のあるもっといかがわしいお店に連れてかれる。」
「!!」
「鎖で手足縛って、モンスター用の鎮静剤打ち込んででも股を開かせるって……店長、言われちゃった。」
「……それは、また」
縛るというあたり、どれだけ警戒してるのだろうか。ルノアさん、あなたどれだけ暴れたのですか?なんてことを思ったりしたけど聞きたくもあり、やっぱり怖いからやめる。
「……ッ」
「へ、ルノアさん!」
「……もういい、ああもう!」
突っ伏した面を上げたと思いきや、そのまま机をひるがえし高らかに轟咆を上げる。
「あぁ、気にして何になる!ルノア、シャキッとしろルノア!!」
気合を入れ、頬を叩き活を入れる。けど、顔色が完全にゆで上がってるからたぶん悪酔いだ。
「あの、落ち着いて……その」
「うっさい、あたしは決めた!!……もうあんな店で働くより、覚悟決めて処女でもなんでも捧げてやる!」
「!?」
「なんだバブみって……そんなものこうしてやるッ、こうだこうッ!!」
「や、止めてくださいルノアさん!!机に罪はないです!!」
その後、店を追い出された二人は仕方なしに宿に一泊。
特にイベントごとも起こらず。むしろルノアは起きてすぐベルの置手紙を読み、自分が痴態をさらしたうえでさらに修理代もろもろ金まで持ってもらったことでさらにダメージを受けたのだった。
次回に続く
続きも投稿してます。