白いウサギは人肌に溶ける~執筆中=彼氏持ちレフィーヤ光のNTRストーリー 作:37級犬築士
衣装に関してはオリジナルです。説明で伝わりづらくてもそこは読者の様の妄想力で補うスタイル。
ルノアは女主人のメイドたちで一番巨乳、その事実があるかは知らんけど、まあそっちのが面白いんで、納得してください。
「よっと」
食材が積まれた木箱を持ち上げ、店の中へ運ぶ。
時折思うことがある、この仕入れた食材搬入が人目につかないことを、通りの一般人から見られない裏手で行っていることを、時折感謝してしまう。
「見せられないな、こんなの」
給仕の仕事は客たちを喜ばせる花になること、もちろんそれだけが全てではないが、その役割は十分に理解している。
……力仕事なんて、見られたら幻滅だよね。
基本的に、給仕の自分が冒険者であることは一部だけが知る。それでも、大の大人が息を上げるような力仕事を、平気な顔をしてしかも二倍速くこなすのだ。これだけでも十分普通の女とは見られない。
女らしく振舞う、なんてつもりはないけど、ただ期待には答えなくてはならない。少なくとも、それは責任の伴う労働につながるからだ。
いっそのこと、男装でもした方が似合うかと、以前にリューがしていた変装姿を自分に重ねて、そして止めた。
「この胸じゃ、無理だよね」
下を見て、足元を隠す大きなふくらみ。これでも少し小さめの下着で抑え込んでいる方なのだ。
……こんなの、あたしなんかにはもったいないのに。
服を着ていれば周りと大差ないが、いざ脱いでしまえばこの店で二番目に大きい乳房、ちなみに一位はミア母さんだ。
「まあ、デメテル様に比べれば全然だけど……いや、こんなにあっても、宝の持ち腐れなんだけどな」
乳房は女性の魅力そのもの、けどその持ち主がこんな女では誰も納得はしない。
自分はただの給仕が精一杯、本気で男を誘惑して、その上喜ばせるだなんて夢のまた夢。
それなのに、また今宵も
「……はぁ」
「ニャ、またため息ニャ」
「……うっさい」
悪態付くように、雑な返事を返す。アーニャはそんな自分を見て何のそのといった感じでただスルーするのみ。相も変わらず能天気で、悩みの一つも無さそうな振る舞い、そこだけは羨ましくなる。
「?」
悩みが無い、そう高をくくって、少し疑問が生じた。
……おかしい
立場は同じ、自分と同じく、アーニャも風俗で働くことになってるはず、ナチュラルでスケベなクロエならまだしも、彼女もまた自分と同じように愚痴をこぼすなり、多少辟易とした感じになっていてもおかしくないはず。
「……?」
「じゃあ、ミャーはそろそろ行くニャ」
「……うん」
行く、こんな昼間に、そして今は仕込みの仕事も終わったので外に用事はない。つまり、もう一つの仕事の出勤。
「ルノア、おミャーも頑張れニャ。」
「!」
「無理する必要はないニャ、出来る仕事で十分ニャ。なんせ、ミャーがあっという間に稼ぐからニャ」
「それ、あんた……無理して」
「無理じゃないニャ、にゃんせ……ミャーにはお得意先がいるからニャ。いつもがっぽり落としてくれるニャ」
「……ッ」
嬉々として、本当にうれしそうに語る。
付き合いもそれなりに重ねれば、その言葉に嘘が無いのはわかる。
「……」
ふと、何故か思ってしまった。
あの子みたいに、自分も割り切れれば楽になれるのか。
「…………はは」
馬鹿らしい、そんなことはあり得ないのだ。
アーニャみたく、自分の魅力を持つ者であればそれも簡単だ。けど、それができない、決定的に、女として男の喜ぶ姿を見せることは自分にはできない。
〇
日が暮れた。夜が来て、仕事もひと段落、私はいつものように仕事を早めに上がる。ミア母さんにはお世話になっているデメテル様の頼みだと、そううそぶいて店をあとにする。
私服で足を運ぶのは町はずれの高級歓楽街。外見ではわからない建物の中には、今も夜の営みが金で売り買いされている。そうした店舗の中の一つ、裏口から入り、従業員と適当に挨拶を交わして颯爽と準備に移る。
バックヤードの更衣室で、今宵も私は夜の姿に外面を塗り替える。着飾るドレスは扇情的なワインレッド。高級風俗店らしく、装いや装飾品に至るまでも一級品そのもの。見れば見るほど自分には見合わないとため息を吐く。
「……はぁ」
バックヤードの待合室で、改めて自分の姿を鏡で見る。大胆に胸をさらす、スリッドのセクシーなチャイナ風のドレス、とかいうもの。足の横側が完全に露わになっているだけにとどまらず、首元から下腹部のショーツが覗くまでに開かれたオープンドレス。シースルーの生地は素肌の色を透過し、胸に至っては先っぽのぽっちが透けて見えている。
男を惑わすためだけの艶姿。まさか自分のような男勝りで粗雑な女が身に纏うにはあまりにも相反している。他人の評価は知らぬとばかり、ルノア本人は自身の姿を評価できない。
コンコンと、ノックが鳴る。声をかけると、部屋に入ってきたのはパッションな装いで着飾った青髭の店主。
「お着換え、終わったみたいね。」
背後からぬっと顔を出したるはこの店の店長、出で立ちこそダンディな男であるが、なんとも振る舞いや言葉遣いは妙にねっとりとしている。
「あら、やっぱり似合うじゃない。あなた、本当に良い素材なのに……ねえ、もっと努力すればきっと」
「……わかってます。ちゃんと、仕事はします」
「もう、そんな片意地張らないで。」
ポンと、両肩に手を置き硬くなった背中を解きほぐそうとする。見た目と中身によらず、その性格は思いのほか悪くない。というか、怒ったら怖いだけで普通に良い人だ。
「ごめんなさいね、この前あたし怒ったからぁ……ね、ルノアちゃんごめんね」
「……マダム」
「まあでも、無理に働いてなんてあたし言えないし。事情があるのは知ってるからぁ、もう少しだけ応援するわ。だから、殴るのだけは勘弁ね」
「……ええ」
優しく、マダムはそう言葉にしてくれる。けど、その言葉の中には確かな本音もある。
少しだけ応援する、つまり、もうそれほど機会はない。
……ノルマ、か
このお店は指名制で。とにかく嬢たちは男達からサービスを引き出す。どれだけ絞れるか、生々しいがそういう話なのだ。
「大丈夫よ、あなたならきっといいお客さんついてくれるから。今日だって指名もあるのよ、きっと売れるに決まってるわ」
「……はい、がんばります」
指名がある、つまりはリピーターにしろ、そのためにサービスを尽くせ。これはそういう意味なのだ。
……やるしかない、皆も頑張ってるんだから。あたしだって、出来るッ
「指名入りました、ルノアちゃんお呼びだよ」
「……はい」
ボーイから呼び出しを受ける。化粧も衣装も万全ドアを開けて通路を進めばそこはもう魅惑の遊技場。
……坊や、いい子ね
……おっぱい揉む、嫌なこと全部忘れていいよ
……きゃ、もうそんなに吸って。アフター、しちゃう?
店内をにぎやかす甘い母性のささやき越え、カーテンに仕切られたその座席の中では、きっと見るに堪えない男たちの姿が、そしてそれを許容する理解できない彼女たちの行為が
「……駄目、もう決めたんだ」
自分だけ泣き言をいうのは止めた。決めた以上、どんなことでもする、そう最初に息込んだのはまやかしではない。
理解できなくても演じればいい。そう心を言い聞かせ、ルノア足を止めた。
敷居一枚を隔てたその空間で、自分は遭ったばかりの男を甘やかす、母性を感じさせる行為を、自分は行うのだ。
……よし、行こう
覚悟を決め、カーテンの戸に手をかける。しなを作って、覚えさせられた営業スマイルと頭が痛くなるお決まりの言葉を放つ。
「お待たせ、あなたのママのルノアです。……今日はぁ、いっぱいおっぱい、甘えてイってね、あたしのあ」
「……ッ」
「あか、ちゃ……ん???」
空気が凍った。手に持ったメニューボードは床に落ちて、相手もまた握ったお冷のグラスを地に落とした。
「ベベ、べ……ッ」
先日顔をあわしたばかり、よもやなんというタイミングで再開したものだと、我ながら感心してしまった。あれ、何で関心なんてしてんだろあたし。逆に冷静になりすぎて怖い。
「……ねえ、なんでいるのかな」
……ベル・クラネル
「えっと、事情があってその……取り合えずその
……胸、先っぽ隠してもらえると……」ボソッ
「!?」
続き投稿してます。