※この作品はR-18です。

白いウサギは人肌に溶ける~執筆中=彼氏持ちレフィーヤ光のNTRストーリー   作:37級犬築士

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年内書き納め、アルフィア編の最終話無事入稿です。気分はエアコミケ、コミケ行きたい!




(終) 聖夜の奇跡、アルフィアお義母さんは叶えたい

 

 

 

 

 

 暖かい、とても暖かい心地良さが肌に感じられる。

 

 何か、誰かの手で撫でられたのか、そうとも考えたけどこれは違う。

 

 

 

……暖かい、けど……これ

 

 

 

「!」

 

 

 目が覚める。そしてすぐ、僕は自分の布団をめくり上げた。

 

 ここはホーム、僕の部屋、誰もいないたった一人、そんな場所にいる僕は

 

 

 

「…………ッ!!」

 

 ベッドに、大きな模様を描くという、美術的な大作を作り上げていた。

 

 

……ま、まずい

 

 

 じっとりと濡れる肌、それは下腹部だけでなく全身に、嫌な汗でも書いたのか

 

 

「……どうしよう、これ」

 

 

「うわ、ベル君……それ」

 

 

「!!」

 

 

 いないはずの部屋、けど僕のすぐ横で神様がいた。

 

 しかも、それだけじゃない。次々といないはずの皆が部屋の中を埋めていく。

 

 

「ち、ちがう……これは、違う!!

 

 暖かい、とても暖かい心地が肌に感じる。

 

 何か、誰かの手で撫でられたのか、そうとも考えたけど、これは違う。

 

 

 

……暖かい、けど……これ

 

 

 

「!」

 

 

 目が覚める。そしてすぐ、僕は自分の布団をめくり上げた。

 

 ここはホーム、僕の部屋、誰もいないたった一人、そんな場所にいる僕は

 

 

 

「…………ッ!!」

 

 ベッドに、大きな模様を描くという、美術的な大作を作り上げていた。

 

 

……ま、まずい

 

 

 じっとりと濡れる肌、それは下腹部だけでなく全身に、嫌な汗でも書いたのか

 

 

「……どうしよう、これ」

 

 

「うわ、ベル君……それ」

 

 

「!!」

 

 

 誰も居なかったはずの部屋、けど僕のすぐ横で神様がいた。リリも、命さんも、春姫さんも

 

 しかも、それだけじゃない。次々といないはずの皆が部屋の中を埋めていく。

 

 

「ち、ちがう……これは、違う!!」

 

 

 否定、冷静さを欠いてとにかく否定する言葉だけを闇雲に連ねる。だが、そうする程に周囲の目は辛く。口々に聞きたくない言葉を吐いてくる。

 

 みっともない、情けない、格好悪い、と

 

 

「……ぁ、ちがぅ……ぼく、ちがう、のに」

 

 

 認めたくない事実、しかし現実は辛く皆同情はない。心がやせ衰えて、感情が冷え切っていくのを感じてしまう。

 

 助けて欲しい、気づけば言葉は悲壮なものに変わってしまう。

 

 

 

 

……助けて、たすけてよぉ

 

 

 

 

「……ッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……ベル

 

 

 

 

 

 

「!?」

 

「おいで、ベル……大丈夫だ、おかあさんはベルを拒まない。だから」

 

 

 

 おいで、優しい声が、心の痛みを取り払った。

 

 

 

「!」

 

 抱きしめられている。後ろから、大きな光が身を包んで、僕の恥も悲しみも、全部消し去って

 

 

 

……あぁ、そうか

 

 

 

「……おかあ、さん」

 

「あぁ、ベル……おはようだ」

 

 

 

 消えていく悪い景色、どうやら悪夢からは開放されたようだ。

 

 

 

◯

 

 

 

 

 

「!」

 

 ばしゃりと、雫が顔に飛び思わず手で庇った。

 

 そのせいで、自分の起こしたしぶきで顔が濡れた。顔を振って、水気を払い、そしてようやく視界がまともになって、自分が今どこにいて何をしているか理解した。

 

 

「……お風呂、入って」

 

 

「あぁ、その通りだ。ベル……」

 

 

……ちゃぽん

 

 

「……」

 

 後ろから聞こえる声、前に浸かった時と同じで、僕は今アルフィアさんの胸に頭を預けて、ぷかぷかと浮くように入浴しているのだ。

 

 夢を見ながら、眠りこける僕を介抱して、今こうして一緒に湯につかっている。きっとそうなのだと理解できた。

 

 

「?」

 

 湯に、だからきっと夢でも

 

「!」

 

 ふとよぎる悪寒、嫌な予感が確かなのか、僕はぎこちない動きで後ろに視線を送る。

 

「……あの、おかあさん」

 

「どうした」

 

「ぼく、お湯の中で漏らしたり、してないですよね」

 

「……」

 

「おかあさんッ!」

 

 不安になる。今浸かっている湯は照明と湯船の材質の色でか、湯の水に微かな黄金色がかかっている。明るみのある色、それが故に不安で仕方ない。

 

「……大丈夫だ。私は気にしない」

 

「!?」

 

「阿呆、冗談だ。そこまで倒錯した趣味はない……ふふ」

 

 からかわれた。恥ずかしくて顔を背けてしまう。

 

 不意に食らったからかい。しかしそれで終わらない。そんな隙をついて、アルフィアさんはお腹に回る手が僕のモノに触れて、皮をむき肉竿を軽く掴む

 

「!」

 

「……安心しなさい。こうして、ちゃんと母が手伝ってやったんだ。ほとんど、夢遊病の様だったからな……しかし、トイレを手伝うのは、思いのほか悪くない。いや、むしろベルの世話している感じが、たまらない」

 

「……変な趣味、目覚めないでください」

 

「ふふ……だが、たまには良いだろう。ここも、私の可愛いベルなのだ。よしよし、させてくれ」

 

 

 そう言い、湯の中で軽く肉竿がしごかれる

 

 強すぎず、マッサージをするようにほぐす手加減で

 

「……ッ」

 

「よしよし、いい子だ……いい子」

 

「……くっ、ひゃぁ」

 

 

……ばしゃッ、ざぁ

 

 

 体が揺れ、湯がこぼれ音が荒れ立つ。快感で悶えながらも喜ぶ、そんな反応を期待しての奉仕、甘やかしであったのだろう、が

 

 

「い、いたいッ!!」

 

「!」

 

「すとっぷ、すとっぷッ! 硬くなるの、痛くて……だからぁ」

 

「……ぁ、あぁ……すまない、ぁ」

 

 手を離す。肉竿は肉竿と呼べるほどに直膣することなく、萎えたまま重量に負けて湯に沈む。

 

 

「……しかた、ないな。」

 

「うぅ……」

 

「気にするな、落ち込むな……あれだけしたのだ。おちんちんも、休ませないとな……ほら、湯の中で楽にしなさい。抱きしめてやるから」

 

 

 

……ちゃぷ、ざざぁ

 

 

 

「……ッ、おかあ、さん」

 

「よしよし、私が悪かったんだ。ほら、癒してやろう……このままぎゅっとして、な」

 

「……はい、はぃ」

 

 静かに、されるがままにベルは受け入れる。

 

 背中に感じる温もり、湯の熱とは違う生きた熱、さっきまでの苦しさなんてものは、嘘のように忘れてしまう。

 

「…………」

 

 吐息が漏れる。母の抱擁に身を溶かしながら、湯の熱に体を癒す。

 

 どれだけお金を払えば、この極上の入浴に見合うのか、なんとも恐れ多くなってしまう問題だ。

 

 

 

「……ベルの背中、大きいな」

 

「そんなこと、身長気にしてるんですよ」

 

「ふふ、そうなのか……だが、私には君以外の背中なぞ」

 

 アルフィアは、ベルの背に抱き着き、密着したまま動くことをしない。

 

 互いに湯船で座り、縦に並んで抱き合う姿。ささやく声や吐息がくびもとをくすぐる。背中に張り付いた膨らみが官能的で仕方ない。

 

 

「……あの、なにか」

 

「抱き着くのに、理由はいらない……ベル、嫌か?」

 

「……」

 

 問いかけ、けど答えは決まり切っている。拒むはずがない、アルフィアさんの抱擁を、僕は無下にしない。

 

「……吐息、くすぐったいです」

 

「ふふ、いっぱい世話してやったんだ……これぐらい、役得を許してくれ」

 

「……ッ」

 

「トイレ、可愛かったな……ベル」

 

 恥ずかしい、またそのネタを掘り返すかとベルは思うが、口にはしない。

 

 アルフィアは淡々と、今に行ったるまでを語りだした。ベルが寝落ちして、そしてアルフィアも寝入ってしまい、結果時間はこうも過ぎてしまった。

 

 今、時刻は夕方手前、夕日が窓から入ってくるから、湯の色も金色なのだと理解する。

 

 

……ずいぶん、寝てたんだ

 

 

 今は冬で、日が昇るのが6時ぐらいとして、そこから火が暮れる時間、ざっと見ても通常の睡眠時間よりも多く寝ていた。寝すぎていた。

 

 あれだけ盛大に交じり合ったのだから、まあ消耗はするだろうと高をくくっていたけど

 

 

「……ほぁ、あぁ」

 

「ふふ、よしよし……だが、二度寝は駄目だ。これ以上寝ては体がおかしくなる」

 

 だから起きてなさいと、ぴしゃりとまた湯を顔に飛ばす。

 

 そんなアルフィアさんは、今姿を直視していないけど、きっと処理は住んでいるのだろう。

 

 あれだけ手ひどく粗相をしたのに、今はどこにも悪臭ともいえる濃密な性の匂いは感じない。僕の体も、肌の一片に至るまですべすべと磨かれているぐらいだ。

 

 

 

……ぜんぶ、アルフィアさんが

 

 

 

 あとの処理、体を清める行為にまで、この人の手で済まされた。おそらく、夢でいたしたあの寝小便ももしかすると現実でしていたかもしれない。

 

 

 

「……トイレ、また行きたいのか?」

 

「うぅ、止めてよ……なんで、そんな的確に指摘するの?」

 

「さあな、企業秘密だ。したくなったらすぐいいなさい、おかあさんが手伝ってやる。おしっこ、上手にできる子は……いっぱい頭を撫でてやろう」

 

「……うぅ」

 

 

 恥ずかしさ、今さらと言われようがこの感情は取り払えない。羞恥は、きっとこれからも付きまとってくるのだ。

 

 

「……ベル、恥ずかしいなら、胸に顔を預けると良い。母乳でも飲めば、おちんちんもまた元気になるかもしれんしな」

 

 

……ブルンッ!

 

 

「うぅ……が、がまんするから!!」

 

 

 強がり、それが保ったのは、たった数分であった。

 

 僕の大好きなお母さんは、いつでも乳房を与えてくれる。母乳もあまく、体に染み入る。拒める物なら、この境遇を知った上で、なお聞きたい。拒めるだろうか、いや拒めない。

 

 なぜなら、アルフィアさんは世界一の母親だ。例外は、認めない

 

 

 

 

   ×   ×   × 

 

 

 

 

「……ッ」

 

 マンションを出て、僕とアルフィアさんは街に出た。一応、途中ホームに迂回して、様子を見てからここに来たから問題ない。

 

 問題ない、そう言えるのはなぜか、ホームでは、未だに神様たちのアイドル活動が騒がしく、どうやら終わるまで僕の外出、外泊、夜遊び、それ等には気づかれないという、なんとも都合のいい事実があるからだ。

 

 

……アイドル活動、そんなに夢中になるんだ

 

 

 アイドル、いつか想像してしまう。この催しが自分に飛び火して、なんとも格好よすぎるファッションを纏い歯の浮くような言葉(セクシーサンキュー)を叫ぶ、そんな未来が来るかもしれない。

 

「……」 

 

 想像するだけで胃が痛くなる。レフィーヤさんたちをはじめとした彼女たちはあれらを笑顔で楽し気にするのだから、なんともすごいことだと感心してしまう。

 

 

「……アイドル、かぁ」

 

「どうした、そのアイドルとはいったい」

 

「……神々の、お楽しみです。」

 

「あぁ」

 

 それだけで察した。この街での頭を悩ませる奇々怪々は、大抵神の悪ふざけが起因する。

 

 オラリオでの常識は通じる。さすが、このオラリオで冒険者を

 

「……」

 

……冒険者を

 

 ふと、考えをめぐらす。アルフィアについて、ベルは深入りすることを辞めた立場だが、それでも

 

「…………」

 

「どうした、ベル……ほら」

 

 

……ぐぃ

 

 

「!」

 

「今日は聖夜祭だ、人込みも多い。腕を組もう、二人並んで……ひっついて、仲睦ましく……な」

 

 抱き寄せた腕が胸の感触を感じ取る。コート越しにも伝わるアルフィアさんの肉感

 

 

……むにゅ、もにゅん

 

 

「……ぁ、あの……いま、考え事で!」

 

「ふふ、それはあとにしなさい……ほら、聖夜祭を楽しむのだろう」

 

「……ッ」

 

 手を、腕を根元から引かれ、ベルはアルフィアと共に喧騒の渦中へと突き進む。

 

 街は、白い雪と彩色豊かな灯と飾りで鮮やかに、祭りを祝い大勢が楽しいを共有する時間、考え事は後に追いやられる。

 

「……」

 

 けど、それでもやはり気になるのは、この人がただの人じゃないからだ。

 

 冒険者をやっていたにせよ、その実力はあまりにも非凡。

 だから、本気で調べれば嫌でもその偉業は知ってしまう。僕が母親と慕う彼女は、アルフィアという女性はきっと恐れ多いぐらいに立派な人かもしれない。

 

 失礼かもしれない。接し方や呼び方に至るまで、気を払うべきか

 

「……おかあさん、おかあ、さん……あるふぃあ、さん」

 

「?」

 

「ぁ、いや……やっぱりその、おかあさんにします。」

 

 勝手に萎縮してしまった。今さら、考えを変えたぐらいで接し方や呼び方を変えることはできない。

 

……なんで、気にかけるようになったのかな

 

 母と慕う、そう決めてから追求は止めたはず。でも、いや

 

「……アルフィア、さん」

 

「?」

 

「あ、いえ…………何も」

 

 

 つい口にした。そうだ、口にしてしまったのだ。

 

 行為の最中、僕はおかあさんのことをアルフィアさんと呼んだ。子として慕う母ではなく、男として募る異性として、この人の子とを名で叫んだのだ。

 

 アルフィアと名を呼んだ。そのことで、また関心が戻ってきたのかもしれない。でも、やはり知るのは少し怖い。逃げているだけかもしれないけど、この暖かい関係を壊したくないというのが本音だ。

 

 

 

……この人は、アルフィアさんは、僕のおかあさん……そうだ、おかあさん、なんだよね

 

 

 

「……おかあさん、おかあさん……さんッ」

 

 繰り返し口にして、改めて感じる。この言葉は良いものだ。

 

 おかあさん、得られなかったか、それとも失ったか、この体験ができるのがとても心地い。おかあさんと慕って、そして受け要られる。

 

 甘やかし、母子、人には見せられない、恥ずかしいこと

 

 

「……ッ」

 

「ベル、着いたぞ……ベル、しゃんとしないか」

 

「ぇ、はい…………あぁ」

 

 アルフィアの腕に身を任せ、考えにふけっていたせいか気づくのに遅れた

 

 足を止めた場所、そこは広場だった。中央にはモミの木があって、木には帯のような飾りが輝きを、そして大小さまざまな装飾もまた光を

 

 夜を照らす、輝きの装飾。魔石道具で照らし出されたのはツリーだけじゃなく、その広場を囲む建物に至るまで

 

 

 

「……ライトアップ」

 

「あぁ、聖夜祭といえば、これは定番だ。まあ、聞くだけで来るのは初めてだが」

 

「?」

 

「あたりを見ろ、見ればわかる」

 

 言われて、ベルは周囲を見渡す。ここに集まる大勢、その共通項はすぐに理解できた。

 

 

 

……カップルだらけ、というかカップルしかいない

 

 

 

 皆ともされた明かりに視線を送っているが、その下では男女が手を繋ぎ、中には抱き合って、そして愛を誓うものまで。

 

 

「!」

 

 

 真隣のカップルがキスをした。恥ずかしさに目をそらして、そして

 

 

「……ベル、したいのか?」

 

「!?」 

 

 不意の行動、想定外な展開。アルフィアさんは僕の両肩を掴み、そして首を下に掲げる。身長差を消して、合わせるために高さを調整。

 

 キスを求めるように、僕の顔が映ったのか

 

「……ッ」

 

 違うと、誤解を解く間もなく優しい感触が息を塞いだ。

 

「……ん、ぁ……む」

 

「!」

 

 キス、行為の時と比べれば、軽く唇を合わせるだけ。焦らすように、撫でるように、僕の唇をついばみ、そして息継ぎのたびに呼吸の温もりが口に滑り込む。

 

 

「……ッ」

 

 

 甘い、舌にではなく、心が感じ取る味わい。母と慕う相手なのに、そのキスは恋人のように甘くさわやかだ。

 

 アルフィアさんは、このカップルたちの広場に来るのを聞くだけと言っていた。きっと、それは相手がいなかったから。では、今なら

 

 

 

「………………ッ、ぁ」

 

 

 くちゅりと、唾液で湿りけを帯びた唇が音を響かせた。かすかな、周りからすれば録に聞こえはしない微細な音。だが、二人にはその音は鮮明なまでに感じ取れる。

 

 物寂しそうに、ベルの唇は微かに開いたまま。その隙間を見て、アルフィアは淡く笑みを浮かべた。

 

 

「……ベル」

 

「ぁ……ッ」

 

 人差し指がそっと、唇の隙間を閉じてやった。

 

 愛らしい姿、ムードが心の距離を狭める。キスを終えて間もなく、スキンシップは続く。唇に触れた手でそのまま、ベルの額に指をやり髪を掻き分ける。

 

「……んッ」

 

「ベル……あぁ、ベル」

 

 額と額を重ねる。ともすればまたキスが交わせられる距離。吐息が混じり合いながら、アルフィアは言の葉を紡ぐ

 

「ベル、願いを聞かせてくれ……私に、君の心からの望みを」

 

「……ッ」

 

 問いかけ、何度したかわからないこの流れ、だが今をもってその意味はきっと違う。

 

 聖夜祭、それが終われば誰もかしこも、そしてこの街も、聖夜という日々を過去に追いやる。今、僕に寄り添う奇跡は、時間制限があるものなら。

 

 童話のように、12時の金がなれば儚く消えてしまう奇跡なら。

 

「……僕は、ぼくはッ」

 

 消える定め、けどそれはもう回避した。僕が望んだから、アルフィアさんは今もここにいる。

 

 去る人を繋ぎ止めるモノ、それはきっと今に生きる人の望み。願いを、心から望む願いは

 

 

 

……あたためて欲しい、と願った。でも、もうそれじゃあ駄目だ。

 

 

 

 

 抽象的な願いでは足りない。ストレートな言葉で想いを、アルフィアさんに僕は

 

 

 

 

「……ぼく、は……あなたに」

 

「ベル…………ッ」

 

「僕は、僕はあなたが………アルフィア、お義母さんにッ!!…………い」

 

 

 

『―――――――――――――ッ!?!?!?!??!』

 

 

 

 

 

 叫んだ、心から思い続けた言葉をそのままに、大声でアルフィアに届けた。

 

 だが、同時に重なった夜空の開花。爆音が空気を揺らし、同時に闇夜に極彩色の輝きをちりばめた。

 

 

 

 

 広場の人間は皆、その夜空の輝きに目を奪われ、また傍にいる他社には一切目もくれない。だが、そんな中で一組だけ

 

 眩しいほどに輝く夜空を背景に

 

 互いに顔を合わせ

 

 

 

 かき消された声で愛を交わし合っていた。

 

 

 

「――――ッ」

 

 言葉は消えた。だが、その眼と、口とで、伝える意味は欠けることなく相手の心に響く。聖夜を彩る花火の音よりも、二人には胸を破裂させんほどに高鳴る鼓動が耳に突き刺さる。

 

 少年は想いを叫び、女性は涙をもって笑みを浮かべる。

 

 二人の間にある誓いの言葉。

 

 ベル・クラネルが告げた真っ直ぐな願い

 

 

「!!」

 

 

 喧騒が世界を満たす中、二人の仲にだけ静寂がある。二人を除くあらゆる音を遠ざけて、跳ね除けて

 

 告げた願いを、アルフィアは聞き遂げた。飲み干して、心に刻んだ。昂る思いは涙となって、互いの距離は一寸であろうと耐えられない久遠と感じる。

 

 

「……ッ」

 

 

 ベルを、アルフィアは強く、深く抱きしめて、何度も言葉を捧げた。

 

 子を大切にした言葉、愛しい伴侶に送る想い、思いつく限り語彙が枯れるまで、アルフィアは何度もベルを愛する。

 

 聖夜の奇跡、今際の時にも思い続けた願い。世界で最も愛する家族の、たった一つの忘れ形見。

 

 アルフィアの望みは叶えられた。聖夜の奇跡は、アルフィアの為にこそあったのかもしれない。

 

 

「……ぁ、おかあさん……僕、ぼくッ」

 

「ベル……大好きだ。心から、誓って言えるッ……君のことが、だいすきだッ」

 

 

 

 聖夜の奇跡、そして今宵奇跡の時間は終わる。だが、その終わりの先にも二人の日々は続く。

 

 アルフィアは誓った。願いを聞いて、ここまで存在を続けた。そしてこれからも、たった一人の為に彼女は理から反してでも世界に在り続ける。

 

 アルフィアは叶えたい。愛するベルのために、今日も明日も、明後日も、永久に続く限りこの意思は違えない。

 

 実の母親は彼女(メーテリア)。だが、それだとしても自分が彼の母親になれないと、そんなことは誰にも決められない。

 

 今の世に返り咲いた自分は、ベル・クラネルの母親であることを許された。だが、同時に自分は義母であるから、ベルとの関係は母子以上を望めてしまう。

 

 

 

 

 例えば、それが伴侶のような、対等な関係でも

 

 

 

 

 聖夜の奇跡、アルフィアお義母さんは叶えたいのだ。何故ならそれが、一番暖かくて、心地い関係であるから。この関係は一方的ではなく、互いに利のある相互的であるから

 

 

「おかあさん、離れないで……ずっと、一緒が良い」

 

「あぁ、離れるモノか……もう、7年前の後悔はしない。私は、ベルの傍にいる……ベルとの愛が、私の存在理由だ」

 

 

 告げる思いはどこまでも強く、人に聞かれれば恥ずかしさで悶え死ぬほどに愛が眩しい。だが、例え周囲に知られようと、二人はこの関係を止めはしないだろう。

 

 アルフィアとベルは、互いに願いを叶え合う。この静寂は二人だけのもの

 

 

 どんな雑音も、この二人の前には届かない。静寂の下、二人の世界は暖かく閉ざされている。

 

 

 肺を突き刺す寒空だろうと、彼と彼女の間にある熱は冷めやしない。

 

 

 暖かく、あたたかく…………アルフィアとベルは、つながって、とけて

 

 

 

 

 

 

「――――ッ」

 

 

 

 

 

「ベル………ぁ」

 

 

 

 

……ここちよく、みたされて

 

 

 

 

 

fin

 

 




 聖夜の奇跡、アルフィア編は無事終わりました。合計20話、今まで書いた単独ルートで最長のストーリーとなりました。流石に疲れた、でもこれで書き納め!お疲れ様to me !!



 次章について。

 アルフィア√は終わりましたがアンケートは計測中、来年からはミックス√をお楽しみに。2022年もいっぱいダンまち書けたらいいなぁ


 これにて書き納め、残り一日ですが良いお年を!
 
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