※この作品はR-18です。

白いウサギは人肌に溶ける~執筆中=彼氏持ちレフィーヤ光のNTRストーリー   作:37級犬築士

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アナザー√~レフィーヤ・ウィリディス 前編
(1) 遠くて近きは男女の仲、レフィーヤ嬢は打ち解けたい


 ベル・クラネル、レフィーヤ・ウィリディス。両者は繋がりあい、そして深みへと落ちていく。

 

 これもひとつの男女の愛。であれば、また形を変えた愛が育まれても可笑しくはない。

 

 これは、もうひとつの、二人の関係が築かれるに至った別世界の話

 

 

 アナザー√=遠くて近いは男女の仲、レフィーヤ嬢は打ち解けたい

 

 

 

◯

 

 

 

 

 

 とある場所の話をしよう。

 

 水脈に富んだ山岳地帯、そこは元々小国の持つ採掘場であったが、時代と共に採掘場の資源は枯渇し、ただ値同然で打ち捨てられた不毛な土地。

 人からもモンスターからも見捨てられ放置された何もない場所。地図上に名義はあれど誰も口にすることも無い、そんな場所であった。

 

 しかし、そのような場所に目を付けたものがいた。オラリオからこの地に来た者達、そうつまりは極東出身者であり、そして温泉愛好家である

 

 彼らはその土地の山紫水明さ、また土の気質、そして地熱の条件に目をつけ、すぐさま街づくりを開始した。何もない鉱山跡に町を築き、温泉を売りに大々的な宣伝を放った。そうして、出来上がった温泉街は一躍注目を集め、周囲の国々をはじめまたオラリオにもその名を轟かせるほどに有名な温泉地として名を馳せた。

 

 その土地の名はクレイン、かつては不毛と見捨てられたが、今日には足しげく観光客を呼び込む一大名所として広く喧伝されている。

 

 

 

 そして、彼の地へまた、新たな一行が訪れる。

 

 

 

 

   ×   ×   ×

 

 

 

 

……一人だけの旅行、悔やんで気乗りしない気持ちのまま、ここまで来てしまった。

 

 

 

……だけど、そんなマイナスな感情は、この光景を前にしてしまえば

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……綺麗」

 

 ふと、そう口に出さずにはいられなかった。

 

 馬車にゆられて半日と少し、山を越え谷を抜けて、そうしてたどり着いたのは大きな湖を構えた趣のある街並み。

 

 雪降る寒空の中、灯篭の光が柔らかくて雰囲気もいい。それに、不思議と外気も見た目ほどに寒くないのに気づいた。それもそのはず

 

……あの川、温泉が流れてる

 

 馬車から降り、急ぐ橋取りですぐそばの川辺へと近づく。手すりにもたれかかり、石垣に挟まれた人口の川を見下ろしてみる。そこに流るは湯気を纏う水、パンフレットにあった通り、この辺りの地熱で沸き起こった温泉水なのだろう。レフィーヤは目にしてようやくこの地の特徴を実感した。

 

 街中を巡る水路、川、温泉水が巡るおかげか町並みはあたたかく、どことなく温泉の香気が鼻腔を撫でる。決していいものと言える匂いではないが、慣れてしまえば問題なく、むしろ異郷の地に足を運んだことを実感させる良い要素だ。

 

 聞いていた通り、むしろ聞きしに勝る、はるばるここまで来るために重ねた徒労が一瞬で吹き飛んだ。

 

 

「……ぁ、はは……暖かい」

 

 

 手すりに寄りかかり、手袋を外した手の平をかざしてみた。なぜそんなことをするか、それは周りの観光客も同じ事をしているからだ

 

  

「すごい……温泉の川、本当だったんですね」

 

 

 パンフレットに書いてある通り、レフィーヤは旅先で進められた通り異郷の地を謳歌している。

 

 温泉街への旅行、その始まりは上々と言えるだろう、

 

 

 

「あぁ……あたたか~い、きもち~い」

 

 

 

 立ち上る湯気が指の合間を抜けていく。消して暖かいとは言えない馬車の中で、冷えに冷えた手足にはこの温度はたまらない

 

「……ふふ」

 

 

「!」

 

 

 くすくすと、笑い声に振り向けば、レフィーヤは顔を真っ赤にする。

 

 興奮して、かけよって、まったく気づけなかった。真隣、手を伸ばせば届く距離で人がいた。

 

 

「……ぁ、あはは」

 

 ぎこちない笑い、そんなレフィーを見て相手方の女性、初老のヒューマンは

 

「あら、ごめんなさいね……お嬢さん、気を悪くしないでね」

 

「……あぁ、ええっと……あ、あはは」

 

 人当たりのよさそうな老夫婦に、愛想笑いを交えて返事をする。さらっと伸ばした手を恐る恐る納めて、手袋をつけなおしながら。

 

 気を落ち着けて、冷静に。旅の恥はかき捨てというが、自分はそんな無神経ではないと言い聞かせる。

 

 

「……えっと、いい所ですね……温泉街、私初めてなんです」

 

「へぇ、そうなの。」

 

 たわいもない、挨拶を交えて会話を開く。初めての地、同じ観光客なら同じ仲間と言えるかもしれない。

 

 気のよさそうな人で、ついレフィーヤは話に乗っかってしまう。すると、それを気にしてかその女性の旦那と思しい男は

 

「すまないね、おやお若いようですが……お一人ですかな?」

 

「え、あぁ……はい、そうですね」

 

 相手が二人、老夫婦で湯治といったところか、そんな推測を立ててレフィーヤは返事を返す。

 

「……お二人で旅行ですか、うらやましいですね。私は見ての通り、一人旅行です」

 

「あら、そうなの……そんなに温泉が好きなのかしら、若い子にしては珍しいわね」

 

「え、ええ……そう、ですね……あ、ここの温泉美容にもいいらしいですから、すごく楽しみで……」

 

 

 

……一人

 

 

 

 ふと付かれた言葉、それはレフィーヤの心に在る不安、不満足に一石を投じてしまった。

 

 思い出す物寂しさ、初老の夫婦に対し明るく振舞う裏で思い返してしまう。

 

 

 

 

   ×   ×   ×

 

 

 

 

 

 

 

―オラリオ―

 

 

 

 

 

 

「……チケット、温泉郷クレインへの無料宿泊券……これ、本当に頂いても」

 

「せやせや、貰いものなんやけどな……ウチは神やし行くことは難しいし、やからレフィーヤにあげたる。ほら、受け取って、ほれほれ」

 

「……」

 

 

 とある日のこと、何事かと呼び出しを食らってみれば、なんともうまい話を転がしてきたものだ。だからすぐに疑う

 

 

「……何か企んでます?」

 

「もち…………ないで、ナイデー」

 

「……」

 

 あたりまえというべきか、自分の主神に無償の贈り物などあるはずがなく、レフィーヤ呆れため息で

 

 

 

 

……ガチャ

 

 

 

 

「行かんで! おねがいや!」

 

「嫌です! どうせ何か怒られることしたんですよね!そこに在る空きの酒瓶とか、なんか請求書みたいな紙とか!!」

 

「話が早くて助かる!! 頼むわ、ほんまお願い!損はさせんから……な、なッ!!!」

 

 粘液系のモンスターもかくや、絡み付いて押しても引いてもねばついて離れない。ロキ主神の情けなく恥ずかしくそして情けないが極まった要求に、仕方なくレフィーヤは乗った。

 

 ひとまず事情、使い込みでどうして自分に旅行券など、その疑問ぐらいは解消してもいいか、そんな程度の想いで耳を貸してみる。

 

 

 そして、いざ話を聞いて見れば、

 

 

 

「……ロキ、これは」

 

「おねがいや、頼むこんなことレフィーヤにしか頼めんのや!!」

 

 

 深々と下がる安い頭、チケットを二枚渡して言い寄ったロキの主張、まとめてみればこうだ

 

 

 1、ロキがファミリアの倉庫で酒を見つける

 

 2、思いのほか美味で一口のはずが全て飲み明かす。バカ

 

 3、希少な酒と知りガクブル、すぐには手に入らないと知りこのままでは説教。バカ、そしてバカ

 

 

 

 

「……」

 

 全て聞き届け、レフィーヤは迷うも

 

 

 

 

……スッ ←チケットを懐にしまった音

 

 

 

「――――ッ!!?!?」 ←むせび泣き喜びに震えるバ神

 

 

 

 

 着服した、なぜならそこには明快な利があった。

 ロキのだらしなさをダメだと理解する気持ちはあるが、それ以上にレフィーヤは

 

 

 

 

 

「ロキ、いいでしょう…………あなたのくだらないお使いを引き受け、今回のことは口を紡ぎます。だって…………アイズさんと二人だけで旅行!!そんなの最高です!!是が非でもです!!!」

 

 

 

 

 渡されたチケット、それを嬉々として受け取ったレフィーヤはすぐさま行動をはじめた。

 

 敏捷だけ二つほどランクアップしてんのか、と疑われかねないほどに素早く廊下を抜け、目指した場所は憧れの彼女の部屋

 

 バタンと急に大きな音がしてか、食べてる最中のジャガ丸くん落とし、かけるも口でキャッチ  

 

 

「ふご、ふごご(れ、レフィーヤ……急にどうしたの?)」

 

 

「あぁ、取り乱したアイズさんもおかわわ…………て、ゴホンゴホン…………よし、実は!」

 

 

 チケットを手にレフィーヤは手振り激しく本題を打ち明ける。この時はまださほど知識のない温泉郷を、さぞ詳しいぞと、素晴らしいところぞと、とにかく活発にプレゼンを返し

 

 興味深げに時折頷いて見せるアイズを目にレフィーヤは期待を膨らますが、まあ案の定というべきか

 

 

「それで、それで!…………「ごめん、レフィーヤ…………その日はクエスト」…………ほえ?」

 

 

 

 ばっさりと絶たれた喜び、ぬか喜びと変わったそれを胸に、レフィーヤはそっとドアを閉じて後に

 

 だが、こうなった手前どうするか、他に誘うものがいればと、とにかく片っ端からあたって、あたってあたって

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……嘘、私運勢悪すぎ!

 

 

 

 

 

 結果は散々であった。

 

 

 

 

◯

 

 

 

 誘う相手はいない。一人だけの温泉旅行が今日始まるのだ。

 

 

「…………」

 

 

 ため息で白い息を吐く。周りにいる通行人のほとんど、いやその全てが誰かしらと共にだ。

 この地は確かに素晴らしい場所だから、余計にその事実が重く刺さるのだ。レフィーヤには

 

 

「……はぁ」

 

 

 来たかった。一人ではなく、誰かと一緒に。一人旅を否定するつもりはないし、世の中にはそれを楽しみにする者だっているはずだ。

 だがしかし、自分はきっとそういう人種にはなれない。

そうレフィーヤは確信を持っている。騒がしく、つねに誰かがそばにいる。潔癖のエルフというわりに、自分という者はなんとも人恋しく育ってしまったものだ

 

 

…………来たかったなぁ、やっぱり物寂しいです

 

 

 フィルヴィスを始め、他にも誘えそうな相手には全員声をかけた。

 

 しかし成果はなく、旅行の期日は来てしまい、今に至る。

 

 惜しむ気持ちを忘れなければ、自分に言い聞かせているうちに、ふとレフィーヤの足が止まる。

 

 誰かとであったわけではない。そこが、目指していた目的地であったからだ。

 

「着い、ちゃいましたね…………」

 

 和風の旅館、その入り口に自分は立つ。とにもかくにも始まってしまい、ここまで来てしまったのだ

 

 

……あぁもう!

 

 

 

「もう落ち込むのやめ!せっかくの温泉なんですから、美容でもなんでもいっぱいして、ピッカピカになって帰るんです!だから寂しいとかそういうのは問題になりません!!」

 

 

 一人旅行ではない、これは美容目的で、レジャーとかではなくストイックで意識の高い行動なのだと、そう自分に言い聞かせて乗りきることにしよう、レフィーヤは強く決いを胸に誓った。

 

 一人がなんだ、私は今タダでこんな良い宿に旅行に来ている、その事だけでも十分ではないか

 

 

「…………よしッ」

 

 

 気合いを充填、いらぬ覚悟を胸に抱いて、レフィーヤ嬢は歩き出す。目指すは旅館、ここクレインで最も評判な温泉宿である

 

 

 

 

 

 

次回に続く

 

 

 

 




 今回はここまで、ほのぼのしたベルレフィを提供していきます。
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