※この作品はR-18です。

白いウサギは人肌に溶ける~執筆中=彼氏持ちレフィーヤ光のNTRストーリー   作:37級犬築士

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旅行に行けない。卒業旅行に行きたかった!そんな悔しさからか筆が乗ってしまうという、悲しき執筆








(4) 遠くて近きは男女の仲、レフィーヤ嬢は打ち解けたい

「あ、レフィーヤさん」

 

「!」

 

 先に上がっていたのか、髪をタオルでまとめて、同じく浴衣を身に着けた出で立ちを見る。帯でくくった花柄の生地、首元、手首と、わずかにのぞく肌は湯上りでかすかに明るい色をしている。

 

 火照った肌が艶を帯びているようにも感じ取れて、まるで上気しているようで少し魅惑的だ。

 

「ぁ…………えっと、待たせました、ぼく?」

 

 つい、見惚れてしまった。失礼を悟られたくないから、少しテンパって、見苦しいと見られたなら、ちょっと嫌だ。

 

 

「……い、いえ、私もさっき上がったところで」

 

「そうですか……えっと、じゃあ」

 

 湯で温まった後、当然することは決まっている。

 

 食事は部屋でもできるが、ここではいくつものレストランが旅館内の商業スペースにも置かれている。

 

 川のもの、山のもの、土地の味覚を堪能できる良い店ばかりと聞いた。空腹で胃が軋むほどに胃液も沸いてくるというものだ。部屋の食事は明日から、いちおうそういう手はずを入浴前に決めていたのだ。

 

「いきましょうか、レフィーヤさん」

 

 誘う、だがどうしてかレフィーヤは

 

「あ、はい………………ぁ、なんでも、なんでもありませんから!」

 

「……へ?」

 

「あ! な、ちが…………その、ほら、行くなら行きますよ。その、うぅ」

 

「??」

 

 妙だ。どうしてか取り乱して、急にばつが悪そうにしだした。よく見れば頬は赤く、視線も移ろいでいる。体調を気遣うが、だがむしろそれは羞恥に近いようにも見える

 

 

……なにを、はずかしがって

 

 

 風呂上がり、異性には恥ずかしいと感じてしまう何かがあるのだろうか、ベルは何となくわからずともそう結論付けることにした。

 

 

……触れたらダメだよね、女の子のこと、よく知りも知らないのに。気を遣わないと

 

 

 

「……ベル」

 

「は、はい!」

 

「その……匂い、しませんよね?」

 

「……へ?」

 

「あ、いえなにも! そ、そう、ご飯の匂い! いやぁ、お腹がすいちゃいましたね、アハハハハ」

 

「??」

 

 

 

 ベルは首を傾げた。女の子には不思議がいっぱいである。

 

 

 

 

 

〇   

 

 

 

 

 

 

 食事処で夕食を得た。囲炉裏を囲んで極東の夕餉に舌を打ち、空腹なこともあって会話もする余裕もなく腹を満たすのに僕たちは夢中だった。食事は滞りなく終わり、僕たちはその足で部屋へと向かう。

 

 旅館は広く、中には様々な施設が立ち並んでいる。土産物を売る商店、先ほど自分たちが利用したレストランの数々、広間では演目で芸事を鑑賞できるし、旅館から出なくても退屈には困らなさそうだ。

 

 時間もさほど遅くない、だから少しぐらいは遊ぼうとしたけど、今日のところはもう

 

 

「ん……ほわ、ぁ……うぅ」

 

「あぁ、レフィーヤさん……もう、危ないですよ」

 

 ふらつく足取り、つんのめって倒れる所をベルは支える。服越しとはいえ触っている物の、レフィーヤは反応も薄く

 

「……ぁ、ふぁい」

 

「もう、限界なんですね」

 

 目元をこすり、眠たげに空返事するのみ。思えば食事の最中から可笑しかったのだ、何度もうつらうつらと舟をこぎ、そして不意に箸を落としたりと

 

 

「……もう、着きますからね」

 

「うぅ……わかってますよぉ」

 

 通じているようで通じていない。それでも何とか部屋へたどり着いた。廊下を抜け、横に広いリビングへと出て、そして部屋の一角に段違いで和室が設けられている。畳と光除けのすだれ、風情あり寝室で、もう布団は敷かれている。

 

 敷かれている、けれど

 

 

「へ、これ……一人だけ?」

 

「……んっ、もういいです」

 

「あ、レフィーヤさん」

 

 ぽふんと、その大きめの布団にそのままレフィーヤさんは倒れてしまった。

 

 

 

……疲れ、よっぽどたまってたんだ

 

 

 

 時刻は11時、若い自分達にはまだ始まったばかりの夜だが、如何せん疲労で限界が来てしまったみたいだ。

 ここまで、オラリオから半日も馬車にゆられてきたのだ。疲れがたまっていない方がおかしい

 

 

……でも、僕はまだ大丈夫なのに、どうしてレフィーヤさんは

 

 

 ここへ同じように時間をかけて来て、風呂に入り食事をして、さほど行動に違いは無いと思える。

 

 ベルは考えてみるが、その答えは出ない。仮に、レフィーヤが入浴中に特別な行為をして、それで残り少ない体力を使ってしまったなど、そんなことは想像の範疇から外れていることなのだ。

 

 

 

「まあ、日ごろの疲れとか、かな……あぁ、でも布団に入らないと、風邪ひきますから……レフィーヤさん」

 

 

 

 掛け布団の上で、だらしなく横になっている。浴衣の前が開きそうで、このままでは少し良くない。ベルは肩を揺らし、動くように促すが

 

 

 

「んっ……なんですか、寝かしてください」

 

「駄目ですよ。ほら、寝るならちゃんと布団に」

 

 肩を揺らし、促すけれども返事はう~だのあ~だのと、着崩れた浴衣も無防備だし、あまりよろしくない

 

「……おやすみ、なさい……ほわ、ぁ……んっ」

 

 言いながら大きいあくびを一つ、ピンク色の舌や歯の並びと、口の中をつい見てしまって、少し申し訳なくなる。

 

 無防備に、僕よりも先に眠りに落ちていく。寝息を立て、乱した服も直し切らず仰向けに、ひもの結び目がほどけて、少し浴衣がめくれ落ちそうになっていくのは、さすがに

 

「あ、もう………レフィーヤさん、後で怒らないでくださいよ。もう、うぅ」

 

 恐る恐る、結び目を縛り、崩れた服を治す。少し苦し気なのか、しかしこればっかしは仕方ない。

 

「はぁ…………もう、僕も寝よう。布団、予備のはあるよね」

 

 見渡してみる、壁側の障子戸がおそらくタンスになっているのか、静かに寝息を立てるレフィーヤさんを背に、僕は

 

 

 

……んっ…………ぁ、ゃ……んぅ…………ぁ

 

 

 

「…………」

 

 寝息を立てているだけ、しかし同年代の女性で、しかもとてもかわいいレフィーヤさんだと思うと、穏やかには聞き過ごせない。つい、気になってふり見てみれば、レフィーヤさんのきれいな寝顔を見る。それはなんとも背徳的で、いささかよろしくない

 

「……いけない、もう寝よう、早く、速やかにッ」

 

 そう言い自分を戒める。

 

 早くこの寝室を去らねば、しかし出してある布団は一組、おそらくレフィーヤさんだけの予定だから、僕の分を出し忘れていたのか。そばにある押入れを開けて、僕は布団を出そうとした。だがあるのはシーツばかり、それとかえの浴衣、それと、マットレス

 

「?」

 

……なんで、なんでマットレス?

 

 防水と共通語で書いてある。おくにはマットレスと同サイズの透明な風船?しぼんだ何かと膨らます用の道具。とにかく、こっちにはないと知った。もう一つ、隣の障子もあけてみる。

 

 開けた、予備の布団は確かにあった。だが、その隣にある奇妙な箱、興味本意で開けてみれば

 

「……ッ!!」

 

 なんと驚き、そこには玩具があったのだ。故に、そっと、そっと押入れを閉じた。さすがに、それらのあからさまな形状を見れば察してしまう。僕はナニも見ていない。

 

 ベルは決めた。この旅行中、絶対押し入れを空けないと。

 

 

 

……見なかった、僕は何も見なかった

 

 

 

 

 しかし、そうなると疑念が確信に変わってしまう。今敷かれているこの布団、よくよく見ればやけに大きいし、置かれた枕は横長で、言うなれば二人で使用するようにも見えなくない、というか見えてしまう。

 

 

……この部屋、もしかして

 

 

 

「カップルとか、恋人の…………専用の」

 

 押し入れに収納されていた夜の道具。側にある小さな棚も、その引き出しを開けてみれば

 

 透明な液体の入ったボトル、なんらかの使い捨てのものが入ったいくつもの四角いナニか、そして用途が大体推察できてしまう薬類

 

 

「……部屋、変えてもらおうかな」

 

 

「ん…………もう、うるさいですよ」

 

 

「!」

 

 

 目を覚ました。けれども眠り眼を擦りつけて、まだ半分しか覚醒してないようにも見える。

 

「……すみません。もう寝ますから、レフィーヤさんはその布団を使ってください。僕はこれを、とりあえずリビングの方に敷いて寝ますので」

 

 部屋は広いワンルーム。だが、この和室の部分はしきりがある。

 

 だから、最低限そうするべきと僕でもわかることだ。レフィーヤさんには寝室を譲って、僕は床に布団を敷く。

 

 それで問題はない。はず、なのに

 

「…………気を、使ってるんですか?」

 

「へ?」

 

「…………」

 

 眠けに耐えながら、レフィーヤさんは言葉を続ける。

 

 

「……いい、ですよ。気を使わないでください」

 

 

「いや、でも…………一緒に寝るなんて、レフィーヤも嫌だよね……ほら、僕は、向こうにあるソファーでもいいし、布団があるんだから床でじかに敷けば…………とにかく、おやすみなさいッ!!」

 

 嫌な予感がした。どうして、今この場にいては取り返しがつかないことになる気がした。

 

 寝具を抱え、足早にその場を去ろうと。畳を蹴って寝室の境界を飛び越えんと

 

 

 

 

 

 

……どうして

 

 

 

 

……どうして、そんなふうに

 

 

 

 

 

『いや、なんですか……?』

 

 

 

「!」

 

 

 

 

 

『わたしといっしょは…………嫌だって、あなたは言うのですか?』

 

 

 

 

 縛られた。床をけって飛躍せんとした力は、不思議にどこかへ消えてしまった。

 

 心臓が高鳴る。血管の脈動ですら聞こえてしまいそうなほどに、周囲の音に全身が敏感になる。レフィーヤさんの発した声、手拍子一つでかき消されるか細い声色の響き

 

 なのに、しびれて体はままならない。止まってしまった、なぜか、それはきっと

 

 まだ、その言葉の続きが

 

 

 

 

「……一人に、しないでください」

 

「!」

 

 振り向き、見た。

 

 涙目に、こっちを見ているだけでもたまらない。だけど、そこに加えて

 

 

 

 

 レフィーヤさんが、布団を開いて僕を手招いている

 

 

 

 

「ここ、空いてますから…………一緒に、寝れますから」

 

 

 

 

『だから、いかないで…………そばに、いてください』 

 

 

 

 

〇

 

 

 

 

 拒めない。そんな風に、請い願われては断りようがない。

 

 女の人の言葉、こんなにも心を乱して、判断を正常から逸脱させるもの、忘れることができない。トラウマのように、深く心根に刻まれてしまった。

 

 

 

「……ぁ、うわ」

 

 やわらかい、暖かくて雲のようにふわふわとしている。手触りの感触ではなく、なんとういうか概念的にそうなのだとしか言いようがない。

 

 手は握ったまま。触れないようにしたいけど、相手はそうさせてくれない。

 

 

「ん…………ぁ……ッ、あぁ…………ふぅん」

 

 

 

「————ッ!!??」

 

 

 

 明かりを消して、暗くしたことで余計に音が際立つ。レフィーヤさんの寝息、遠目に見て聞いたよりも、ずっと生々しく、触れて感じて聞き届けてしまう。

 

 胸元、浴衣が覆えない素肌の部分に、レフィーヤさんの呼気が当たる。くすぐったくて、けれどもその場を離れようとは思えない。できないのだ

 

 

「……あぁ、こんなこと、こんなことして……だめ、なのに」

 

 

 誘われたからとはいえ、ずるずるとゆだねてしまっている自分がなんとも愚かなことだと、頭では正論が浮かび、ことの過ちを実感させる。だけども、この身は成り行きにゆだねたまま、何も抵抗しない。変えようとしないのだ。

 

 右手、右に向いて、寄りにもよってレフィーヤさんの顔を覗くように僕は寝入っている。右手は握ったまま。だけど、布団の中で、この右手は気づくと

 

 

「………………ぁ、やぁ」

 

 

「!?」

 

 

 背中、レフィーヤさんの背中に触れてしまった。服越しに、その細い腰回りを、右の腕で感じ取って理解して、飲み干してしまえた。

 

 どれほどの力で、どれほどの角度と伸ばし方で、レフィーヤさんの腰を抱き寄せられるか、すぐに脳は答えを出してしまった。

 

 服を着たまま、レフィーヤさんの体を僕は理解した。でも、その理解は表層的なもので、どれほど柔らかい心地なのか、硬さは、においは、知らないことはもっとたくさんある。

 

 

「……ぁ、くっ…………いけない、よ。これ以上は、レフィーヤさんも」

 

 

「…………やめ、ないで」

 

 

「!」

 

 あぁ、どうしてそこで求めるのか

 

 いったい、何がどうしてそう変わったのか。こっちの精神をかき乱すその振る舞い、一体全体

 

 

「どうして、あなたは」

 

 

「はなれないで、そばにいて…………おねがい、ですから」

 

 

 

 

 

 

 

……アイズ、さん

 

 

 

 

 

 

 

「…………へ?」

 

「アイズさん、ティオネさんにティオナさん……リヴェリア様、フィルヴィスさんも…………えへへ~」

 

「……」

 

 冷めた。急激に体をめぐる血に氷をねじ込んだかのように、それはもう急激に冷めた。

 

 よくみてみれば、レフィーヤさんは何とものんきに寝顔を立てて、半開きになったり閉じたりと、だけどこっちを見ている眼は僕を映していない。そう口にしているから、当然だ

 

 

「……人、騒がせな」

 

 

 とりあえず、安堵のため息を一回。なら、このまま長居する理由もない

 

 離れて、予定通り寝室の外で寝ればいい

 

 このまま、そう

 

 

……レフィーヤさんから、離れて

 

 

 背中に回した手、それをほどいて、僕は

 

 

 僕は

 

 

「…………あぁ」

 

 

 

 つかんだ手。触れて、知ってしまったぬくもり、手放すことを、惜しんで

 

 

 

……レフィーヤ、さん

 

 

 

 いや、ちがう

 

 

 

「…………レフィーヤ、ぁ……くっ、レフィーヤ」

 

「?」

 

 少し、反応を示した。声色を高く、そして

 

「……ぁ」

 

「!!」

 

 強く、抱きしめて、僕の顔が見えないように

 

「おやすみ、レフィーヤ……ッ」

 

「…………あいず、さん?」

 

「————ッ」

 

 

 嘘を、僕はレフィーヤさんを欺くために、本心で、迷いなく、偶然の余地もない必然で口から投じた。

 

 痛む気持ちは、不思議と無い。

 

 こんなことをしてどうなるかわかっている。駄目だと、理解は承知。それでも、だとしても

 

 

 

……離したく、ないッ

 

 

 誘われた、心が惹きつけられた。

 

 なのに、それがまやかしだと、なかったことにしろと、偉ぶった常識の声、放つ者無き、空虚から告げられる声、それに従い手から失うことを

 

 

……僕は、望まない。この手の、中にあるものは

 

 

「……僕の、だッ……手放し、たくないッ」

 

 

 口にした。ひどく、間違った行為を正当化させる、なんとも身勝手な決意文

 

 こんなこと、していいはずがない。僕を信じて、一緒に部屋を共有してくれた誠意を、裏切ってしまう行為。いいはずがないのだ、していいはずが、ない

 

 

……なのに、なんで僕は

 

 

 手放せない。レフィーヤさんの熱を、失いたくないと、わがままを抱いてしまった。

 

 時間は過ぎる。まだ戻れるかもしれない、手放す猶予はあるのに、僕はじっと動かないでいる。

 

 目を開けても暗い、閉じてもなお暗い。でも、いずれ日が昇れば、部屋に光がともる。僕のしたことが白日にさらされる。そんなことも明快なのに、なのに

 

 

「————……ぁ、暖かい」 

 

 

 人肌の宝石。力を入れてしまえば粉々に砕けてしまう、なんとも儚い宝石。触れることは罪で、抱けば抱くほどに僕は深みへ落ちていく。

 

 抜け出せない。眠りに落ちて、最後の機会すら失うまで、僕の手はレフィーヤさんを離さない。

 

 僕は、間違えてしまった。何がだめで、どうしてこうなってしまったのか、わからない

 

 わからない、どうして

 

 

 

 

 どうして、僕は

 

 

 

 

次回に続く




今回はここまで、今回もエチシーンなしのベルレフィになります。エチはまだまだ先ですので、悪しからず

感想・評価などあればよろしくお願いします。次回もなるべく早めに
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