白いウサギは人肌に溶ける~執筆中=彼氏持ちレフィーヤ光のNTRストーリー 作:37級犬築士
久しく書く続き、一話目では謎を色々と残したままでしたがここからことの始まりを見せていきます。
ベルとウィーネ達で送る地上の日々。それは果たしてどのように始まったのか。物語は少し遡りまして……
……ここは、どこだ?
知っているようで知っていない路地裏、騒がしい街の音色に耳を傾けて、ここがオラリオだと理解はした。夢でもないと確信した。
頭に手を当てて記憶を探るも答えは行方不明。自分の体に触れて、夢でないこととそして
「……持ち物、何もない?」
バックも無い、財布も無い、ナイフも無い。そう、何もない。
夢の中か、そう思いまた一歩路地を進んで、ここが現実だと一歩一歩踏みしめる。今僕は確かな大地を踏んでいるのだ。
通りに出た。人気のない住宅街の道、にぎやかな方を見る。バベルの塔、メインストリートへ近づいて行けば何かわかるかもしれない、そう思うことにした。
〇
「!」
目を疑う光景があった。そこは何時もダンジョン探索で訪れる中央の広場、だけどそのようであって細部は違う。大きめの水路の道が張り巡らされていて、景観が異なっているのだ。それと、もっと大きな違いは
…………モンスター、なのかッ?
「……ッ」
「おい、邪魔だぞ」
「あ、すみませ……ひっ!」
振り向き見て、そして言葉が詰まった。野太い声の発せられた方向に目を向けて、僕は大きく痛いほどに頭を傾けた。
「坊主、公道で突っ立ってんな。端を歩け……たく、親の教育がなってねえ」
「…………」
ぐちぐち言いながら去っていくその背中。黒い体毛に覆われていて、そして頭には先を丸めた角。
荷台を引いて荷物を運んでいる。言葉を話していた、ミノタウロスだった。それもかなり大きな
顔を見たのは一瞬。どこか見覚えがある気もするけど、それよりも今は
……ゼノス、なの?
視界に移るは人の姿だけじゃない。人から外れた姿、そうそれは体毛と牙と爪と、中には四つ足で、節足動物のの手足で、空を仰げば羽を持つ様々な、とにかくなんでもござれだ
モンスターが地上にいる。それだけでも驚愕なのに、その上
「……」
屋台でじゃがまるくんを売る中年のおばさん、その隣にはミノタウロス。
ベンチに腰掛けるカップルにしても、彼氏はエルフでその彼女はリザードマン。リボンを付けているから、おそらく雌
「???」
……だめだ、理解が追いつかない
アルミラージュと追いかけっこする幼い子供たち。目と目があって自然と手を振ってしまって、うん自然に周りの皆は受け入れているのだからこれは異常じゃない。紛れもなく日常なのだ。
人とモンスターが一緒にいるどころじゃない。その光景はまさしく、共に生きているのだ。
共生、その言葉が頭によぎった。
「……ここ、は?」
ぐらッと来る頭。衝撃的な情報で脳の処理が追い付いていない。ふらつく僕は傍にあった水路の柵にもたれかかった。
驚きの連続、ひとまず水の一杯でも飲みたい。この川、見た感じ上水道できれいに見えるし
「……どうしよう」
困った。知っている場所なのに知らないことばかり、何をどうすればいいやら
柵に背もたれて、空を仰ぎ見た。流れる雲を見て、少し頭が冷えた
「…………」
流れる雲はどこから来ているのか、わからないのは雲と同じぐらい今の状況も同じ
せめて、こんな時こそ顔馴染みがいれば
「ねぇ、そこのおにいさん」
「!」
「空なんか見てどうしたの?暇なの?」
話しかけられた。空を見るのをやめて視線を前に。けど声をかけた人は……いや、誰かさんは見当たらない
「?」
「暇なの?ならうちの店に遊びに来ない? オラリオフーターズカフェ、サービスしてあげるよ、わたし」
「あ、いえ……えっと、どこに」
「う・し・ろ」
「あぁ、すみません少し疲れていて……」
振り向く。あれ、でも後ろは水路
「そう、ならちょっと遊ぼうよ……ね、マリィお兄さんみたいなヒューマン好きよ」
振り向き、見て
……あれ
「そう、お世辞でもうれし……うれしい? えっと、へ??」
「ね、楽しいこといっぱいしてあげるよ。ほら、おっぱいだって大きいから楽しめると思うんだけどなぁ…………って、お兄さんどうしたの?顔色が暗くなってるけど」
「…………うん」
絶句、何も言葉が出てこない。あれ、どうして?
なんで、マリィがここに
「お兄さん、サービスしちゃうよ……ね、ほら」
伸ばした手、促されるままに掴む
「えへへ、怪しくないよ。マーメイドは、ヒューマン好き好きで……それで、とってもエッチなんだから」
「!?」
掴んだ手、そわそわと指が震えて一瞬ぞくっとくすぐったい刺激が走った。
カフェ、と言っていた。けど、きっとその手のお店なんだろうと理解できる。そうでなければこんな、営業上手にはならないだろう。
マリィの姿で、けど純粋な彼女がこうも性にも奔放になってしまっていて、けどそれに違和感を感じない。
僕は今とにかく困惑して、結果一周回って頭が冷静になっている。
……マリィ、だよね
「……初対面?」
「?」
「あ、いや……なんでも、ない」
優しく、その手をそっと払う。きょとんとして首をかしげる彼女、マリィは間違いなく僕の知っている彼女と瓜二つ。同姓同名のそっくりさんだとは思えない。思えないけど
……違う、僕の知っている彼女とは、何か
下層に進出した初めての遠征で、僕が出合いそして傷の治癒をしてくれた彼女。地上の日の下に憧れていても水の中でしか暮らせな体の彼女が、今こうして目の前にいる事実
人違いのようでそうとも言えない。知っているようで知らない場所。どこかの本でこんな状況を言い合わらす言葉を見知った覚えがある。そう、それは
……並行世界、隣り合うもう一つの世界
認めざるを得ないこの状況、だからそうなのだと思わないといけない。少なくとも、その仮定を断定するところからようやく一歩目が始まるのだ。無作為な探索では一生答えは出ない。
それほどまでに、今僕は異常な状況にいるのだろう
「……マリィ、さん?」
「マリィでいいよ、お兄さんのお名前は?」
見知っている他人が、まったく赤の他人となって接してくる。違和感は、ひとまず唾液で強引に流し込んで飲み干した
「……ベル、ベル・クラネル」
「うん、じゃあベルでいいよね。ベル、それでどうする?買う?」
「か、買う!?…………そ、そそ、その、件は……うぅ、ひとまず置いて、くれると助かります」
「?」
「すみません、その……すみません」
断る言葉を吐くだけで顔が熱くなる。マリィはそんな僕を見てただ笑みを見せるだけ。
異端児の彼女がいかがわしいお店に捕らわれている。無理矢理やらされている。そんな風に考えてしまう、けれど
……マリィ、上客なら紹介してよ
……独り占めはズルいわよ
……ゲヒャヒャヒャ!いいねぇ、あたいにも紹介しておくれよ
「もう、ベルはマリィのお客さんだよ。簡単に渡すもんか! べ~だ!」
仲良さげに、同僚とおぼしい女性がたと話す姿。そんな光景を見てみる限り、嫌々強制されているようにはに見えない。何なら天職とばかりにのりのりだし
水路、よくよく見るとただの水道設備ではなくこういった方々のための公道なのか、何人ものマーメイドさんが男女問わずいて、そして通行人に呼び掛けて話しかけてなんとも悩ましい言葉で交渉を進めているではないか
マリィは、マリィのようなこの人は本当に僕を誘っているのだろう
「ね、お店に行くの?」
「……お金が無いです」
「ツケでいいよ。マーメイドは自給自足だから、あまり地上のお金とかって興味ないもん……もしかして知らない、ベルはオラリオに来るの初めて?」
「えっと、それは……どうでしょうかね」
回答に悩む。しかし、今は
……知らないって方が、助けてくれるかも
初対面のマリィ?を相手に、僕はひとまずとっかかりを考える。この奇妙な状況、まずは頼れる相手に出会えたことが大事だ
「……初めてで、だからオラリオのこと全然わからなくて」
「へえ、なら案内してあげよっか私?」
「!」
乗ってきた。予想通りの流れだ
「うん、正直助かるよ」
「……そう、ありがとう」
安堵の息が出た。ひとまず、マリィと共に行動するとしよう。そして、早く見つけないと
「?」
……見つける、いったいだれのこと
「さ、マリィがベルにオラリオを教えてあげるね。でも、ひとつ貸しだよ」
……ザバァ
「!」
策を掴んで昇るマリィ。策を隔てて見下ろす構図がいきなり視線が前に上がる。申し訳程度の胸当てに扇情的なアクセサリーの飾りをつけたマリィの姿。はっきりいって、かなりキてしまう。
「仲良くしてね、ベル」
「……は、はい」
「お店にも来てね。わたしベルのこと気に入ったから、いっぱいしてあげるよ…………エッチなこと」
「くぁwせdrftgふじこlp」
「あはは、ベルったら変なの」
さらっと吐く情熱的な会話、挨拶感覚で行為を申し出るマリィと僕の知っているマリィ、その差に脳が混乱して回路が壊れそうだ。
困る、だからこれ以上頭を痛めることは起きて欲しくない。この場所、この街
「さ、案内してあげるね! ようこそ、愛と平和の街、フラスコオラリオへ!」
次回に続く
今回はここまで、しれっと予告にないマリィを登場させてみました。待たせてしまった分サプライズでよろこんでいただければと
色々とパラレルなオラリオ、ネタもエロもいっぱいに書いていきます。さあ、次回はどうなるやら
次の投稿は日曜には、感想評価等あれば幸いです。励みになります