白いウサギは人肌に溶ける~執筆中=彼氏持ちレフィーヤ光のNTRストーリー 作:37級犬築士
異種族交流都市、フラスコオラリオ
生きとし生ける全ての種族、知識を持ち他者とふれあい、友愛をはぐくむ者であれば皆良き隣人。この地に住まうものは等しく家族であり、そしてそれぞれにとっての愛するあなた、にも成りえる
ヒューマンも、デミヒューマンも、そしてモンスターも、皆仲良く暮らしてしまえて、けど時に喧嘩してつんけんして、けど明日になればまた笑いあう。
この地ではそれがもう当たり前、皆疑うことは無い。異形であることに違和感をなくしたわけでないが、まあそれはそれでこれはこれ、そういうものだと割と皆お気楽思考。
とりあえず酒飲んで飯食って遊ぼうぜ、そんなテンションで大体うまくやっていけるのだ
難しい倫理的な正しさとかはひとまず置いて、おのおののやり方で皆上手く楽しく生きていく。口うるさいレーシズム、マウントクソリプ勢だっていない。勘違いしないでほしい、ここは本当に住み良い所なんだ
だから、皆おいでよオラリオへ。とくにこの町一番の名物
そう、皆知ってよね。美味しい料理に美味しいお酒、そしてなによりも最高に美味しいのは女体盛り
おさわりあり、ぱこぱこあり、朝の鶏が鳴くまで熱い夜を過ごそう!
24時間オールタイムでかきいれ時!もう一人エッチなんてやめてしまえ!
みんなおいで!だってここは……
「皆大好き性の楽園!おいでよ!オラリオフーターズカフェ!!」
「…………」
長い、長い説明だった。マリィから聞かされる話、小難しい話が始まったと思えばだんだんと砕けた語りで語彙力もチープになって、結果たどり着いたのはお店の宣伝。
うん、マリィったら地上でなんとも元気に暮らしているようでちょっと感心してしまう。
この、どこかおかしい変なオラリオで、出会ったマリィはまるで本人のようで、うんやっぱり本人にしか見えない
悩ましい。頭が痛くなる
「……マリィ」
「ん、どうしたのベル?」
「……」
顔を合わせて、間近で笑顔を見せてくるのは、あの時と同じ。下層の水場で僕と会って熱烈な接し方をしてきた時と、まったく同じ。
……おなじか、どうかは
「ひとまず、おいて……うん、ねえマリィ」
尋ねる、そうまずは今の状況からだ。
僕は街について聞きたいといった。彼女の言う、フラスコオラリオなる街のことを
街は全体的に水の都。中央からクモの巣のように張り巡らされた水の道、低く掘られた川もあれば積み上げられた石橋のような水路で街を見下ろしながら進んでいくものもある。
空を見上げれば翼をもつ住人たちが活き活きと、この街では多種多様な種族が伸び伸びと生活できる設計で作られていることが基本のようだ。バリアフリー、最近のオラリオでも聞くようになった言葉。これはその延長なのか
そう思うと、少し親近感も沸く。僕の知るオラリオでもじわじわと異端児のことは知れて、そして共存を理解する人も増えている。
ここは、そうした今の先にある未来を映したモノなのだろうか
「……もう一度聞くけど、ファミリアのことは」
「もう、またその質問?」
「……うん」
「知らない、私生まれも育ちもオラリオなのに……そんな言葉聞いたこともないし、それに神さま?ダンジョン? ベルってあれなんだね、電波さんなの?」
「…………うん、じゃあもういいかな。ごめん」
「あやまらくていいよ、そんな私怒ってなんかいないのに……ね、それより好きなエッチの話とかしようよ。私はこのおっぱ「ちょ、その話はやめてください」……ふーん、つまんないの」
見知っている知人の顔で卑猥な会話はどうにもやめてほしい。
うん、それにしてもやはりというか、ここは異常な世界だ。一目見て、バベルのタワーが無かったことからそんなことも考えたけど。やはり、ここは似ているようで違う場所
マリィもまた、知っているようで知らない相手。なら、神さまや皆は、もしかしたら知らない誰かになってここで自然に暮らしているのだろうか
考えは終わるところも見えない。
「ベル、それであとは何処に行こうか?」
「……うん、あとは」
頼んで、案内されて足を運んだ、いや正確には停まった場所。
無料のレンタル所で借りた水路用の小舟。それに乗りマリィに牽引されてオラリオをくまなく移動してもらった。
住んでいたホームの場所、そこは何もなかった。教会は、そもそも水の上、街の構造そのものから違うのだから面影がある方が珍しい。
ギルドのあった場所。そこはあったけど外観も全く違う場所、ただの役所。冒険者の為の場所ではなく平和な暮らしのために必要なただのお役所。エイナさんだっているかどうかもわからない
「……もう、十分かな」
小舟の座席に腰を下ろす。そして大きく溜息を一つ、どうもここで僕はかなり困った状況だと理解する。
頼れる人もいない、手持ちもまったくない
「マリィ、ぼくどうすればいいのかな」
縮こまる背中、つい目の前の出会ったばっかりのマリィにすがってしまった
「ベル、なんだか可哀そう……よしよし、辛いねぇ」
「……」
なでられた。当然、彼女は水に浸かったまま。髪と顔がずぶ濡れになった。
「ねえ、ベルはどうしてここに来たの?見た感じ、よそから来たヒューマンなんでしょ……観光?」
「うん、そうだと思う、観光でいいや」
しかし目的もなく、ふらふらとしていてなんとも具体性の無い
「ぼくほどこに、どこからきてどこにむかうのやら…………あはは」
「……あ、それってジブンサガシってやつ?」
「うんうん、もうそれでいいかな……とにかく、僕はもう疲れたよ」
落ち込む。今目の前に大型犬がいたら抱き着いて、そしてそのまま天に召されて歌が聞こえて天使が来て、あれなんだか変なこと考えている。おかしくなったのだろうか、主に不安で
「かわいそう、ベルったらジョウチョフアンテーなんだね……泣いてるの?よしよし、慰めてあげたいなぁ」
「ありがとう、気持ちだけでもうれしいよ」
「そうだ! なら、いいお店連れて行ってあげるね。お腹もへってるよね、一緒にご飯食べようよ」
「そんな、お金は……って、マリィ!」
言うだけ言って、返事は聞かず。水に潜ってまた選手の牽引する紐を掴み、そして旧スピードで船を進めた。ちょっと、傾いて落ちる落ちるッ!!
「ま、マリィ!?」
「しっかり掴まっててね、高速水路に乗ったらすぐ着くから」
「へ、でもこれ掴むところも……って、あああぁああああああ!!!??」
× × ×
人魚の凄まじい遊泳力、必死に船にしがみつく僕は飛沫を全身に浴びながら懸命に耐えること数十分
到着した場所、そこは僕の知るオラリオで言う所の、そう歓楽街の場所に他ならない。イシュタルファミリアが撤退したのちもその場所はせわしくいかがわしく刺激の強いため足を運ぶのはためらわれる場所
日中であっても人気は多く、そしてその多くが身眼麗しい装いのお姉さん達に、そしてそんなお姉さんを相手に鼻の下を伸ばす同性のその他大勢
水路を降りて、先に行っていてとマリィから言われて目指した場所。大きな看板が合って見た目は大食堂ぐらいの広い飲食店、だけど店名は
「オラリオフーターズカフェ……これ、マリィが言っていた」
「坊主、ちょっとどいてくれんか」
「あ、すみません……すみません」
店の前、入り口前で止まっていたら後ろのお客さんに迷惑をかけてしまった。咄嗟に腰の低い謝罪を繰り出してしまう。
「おぉ、悪いな坊主。そんなに怒っているように聞こえちまったか」
「……」
頭を上げる。そこにいたのはなんとも人相の荒い中年手前な男の人。隣には背丈が一回り低い金髪の、エルフの男の人
「お前は人相が悪いからな。ほら少年も頭上げろって、こいつなんざ下げるだけ損だっての」
「てめ、連れに言う言葉じゃねえぞ……おい坊主、お前さんも初めての客か?」
「え……あの」
踵を返すにはすでに遅く、話し相手として掴まってしまった。歓楽街という場所にいるのにどうにも落ち着いている二人、僕は逆に
「あの、ここは……このお店は?」
「ん、何だ知らなかったのか?ここはあれだ、俗にいうお楽しみの場所だ、当然俺たちのような飢えた男の渇きをいやしてくれる、すばらしいヘルスな飲食店だ」
「……やっぱり」
聞くまでもない。マリィに言われてきてしまったけど今すぐ帰りたい。けど、今マリィ以外に頼れる相手もいない状況
困った。どうにかしないと
「……少年」
「あ、すみませんおどおどしちゃってその……えっと」
「俺はスタンク、こいつはゼル……お前さんは」
「ベル、ベル・クラネルです……ベルでいいです」
「そうか、じゃあベル…………ここで会ったのもなんかのあれだ。てなわけで、ちょっといいか?」
「え、あの……ふぇ!?」
掴まれた。肩を組んで仲良く見える姿勢、というか完全に拘束だ。
「ほほう、なるほどな……協力させるのか」
「ゼル、ご名答だ……なあ坊主、ここは大人の取引といこうか」
「???」
困惑が解決する前にさらに上書きされて、しかし二人はそんな僕を見てまったく意に介さず
「いやぁ、レビュアーの書き手が二人だけだと面白みに欠けてな。そろそろ不慣れなルーキーを捕まえて仲間にしたかったんだ。喜べ、店では俺たちがおごってやる」
「安心しろ、お前さんはただ楽しんでそしてレビューを書けばいい。いい金になるぞぉ……それにレビュアーには良いサービスをしてくれる嬢が多いんだ。なはは、もう辛抱たまらねえぜ」
「…………ッ!!??」
会話から察してしまう。僕は今、そう元の世界で言うモルドさんあたりのろくでもない人たちに掴まって、そして夜の遊びに手を出してしまう瀬戸際にある
お断りするべき、けどマリィからの誘いを断ってしまっては。どのみち合いに行かないといけなくて、その為には店に入らざるを得なく……えっとえっと、これは、もう
……詰み、八方ふさがり、げーむおーばー
「お、観念したか……けど本番では硬くしろよ」
「ははは、初デビューが悲惨だと中々にしんどいからな」
愉快に笑う二人、そんな二人に連れていかれて僕は入店してしまった。オラリオフーターズカフェ、その中は
「「「「「「いらっしゃいませーッ!!??」」」」」」
いる、たくさんいるではないか。舞台もあって、その外周には多くの客と嬢たちが友に座るテーブルが
昼間なのにただようお酒の匂い。皆酒と、そして色香に酔っぱらっていて、どうにも理性なんてものは欠片も残っているように見えない。
「新規、三名」
「いらっしゃいませお客様。ご指名はございますでしょうか?」
「……うぅ、本当に始めちゃってる」
いかがわしい夜のお店、二人は興奮気味で意気揚々と交渉を開始。注意が向いていない今、しれっとフェードアウトしてしまいたいが
「坊主、おまえはどうする?」
「!」
「おっと、ここで逃げたら男が廃るぞ……さ、性欲向上の魔法もかけてやるから、好きに選びたまえ」
逃げることはできず、しれっと魔法とか言って一体なに? 妙に体温が熱くなって頭が余計茹ってしまい困惑でおかしくなりそうだ。どうしよう、選ばないといけないのかな
「……え、選ぶのは、そんなこと、僕初めてで……えっと」
迫るメニューボード、楽し気にニマニマと僕の答えを待つ二人の視線を意識しないようにして、取り合えず出された人物欄、妙にすごく精巧な似顔絵と名前を目配せして、取り合えずマリィの名前を見つけて
「すみません、マリィちゃんは先ほどすでに指名済みで」
「へ!?」
「ああすまん、俺だ」
「スタンクさん!!」
抗議の声を上げてしまう。しかし、責めることは僕にはできない。仕方ないのだと、違和感は唾液と一緒に意の奥へ流しこんだ、けど喉の奥が若干酸っぱい、気持ち悪い
「選べないみたいだな。まあ、それもそれでいいか……ボーイさん、こいつには適当に見繕ってやってくれ。いちおうレビューも書かせるからな、変な嬢は止めてやってくれよな」
「え、何勝手に……ぼ、僕はまだ納得も」
「人魚か、産卵ショーの時はまったく楽しめなかったしな」
「あぁ、あれはな。異種族ギャップだし仕方ないけどさ」
「……聞いてない」
知らない話で勝手に盛り上がる二人。しかし首根っこを掴んだスタンクさんは逃がすことだけはさせてくれない。
足を進めてしまう。匂いの強い、昼なのにもう夜の香りが充満する店の奥へと
裸同然の際どい衣装で踊るダンサーたちに、胸や足を惜しげもなく絡みつけて誘惑している蠱惑的な嬢たち。
まだ、何もわかっていないこの知らない世界で、僕はこのままずるずると背徳的な道を進む。いや、堕ちていくのだろうか
あはは、ごめんなさい神さま。ぼく、悪い大人になってしまいます。興味が全くないわけじゃなくて、そしてなんだかんだと反応してしまう素直な下半身が情けなくて仕方ありません。だから言い訳はしません、卒業してもまだ僕をファミリアとして見てくれますでしょうか
じゃがまるくん、たいへんおいしゅうございました。シルさんのお弁当、忘れられない味にてございました。
わたしこと、ベル・クラネルは、たった今を持ちまして童貞を
……だ
……だ、だ
「だめぇえええええええええッッ!!!!??」
「!?」
突然の大声、そして衝撃、振り向いて受け止めるもそのまま地面から足は離れてずてーんと大転倒。抱きしめたまあ転げまわって、そしてテーブルやらもひっくり返してプールにドボンと堕ちた所でようやく止まる。
プールにいた人魚の嬢たちが驚き悲鳴が上がる。皆の注目を感じる、騒ぎを起こしてしまった大変だとは理解している
だけど、そんな大勢の注目よりも、今僕は
「……ウィーネ」
目の前の、たった一人の知っている彼女にだけ。この意識は釘付けになっているのだから
「ベル、ベルだよね……ベル、ベル!」
「!」
涙目、えづきながら僕の名前を呼ぶ。嬢の制服を纏って足とお腹を一杯にさらした装い。ツインテールに結われた髪は水にぬれてじっとりと垂れて、そして結び目がほどけた
深い青の長髪、その顔は僕の知っているウィーネ本人だ。本物だ
なによりも、僕の名前を読んだ。僕の顔を見て、何度も何度も
「……ベル、ベルに会えた!わたし、うれしいッ!!」
「!?」
水を掻き分け、寄ってきたと思えばそのまま抱擁。プールは腰の高さだから、そのままプールにひきこまれて、ちょっとこれは
「ウィ、ウィーネ……ちょっと、はぷ、うっぷ!!」
「ベル! ベル、ベル!!」
気づけば、周りの視線は妙に生暖かい。誰が始めたか手拍子が数回、それは伝播していって何故か僕たちを祝福するように店の一同が拍手喝采を
……なんだなんだ、何かのサプライズか
……きっと生き別れの兄妹の再開よ!新人ちゃんったら本当にうれしそう
……おい、これもうお楽しみとか無理そうだな
……ああ、レビューはまた今度にするか。
「……あぁ、あはは……はは」
感情が揺れすぎてどうにも故障してしまう。今だって、安堵とかいろいろな感情が入り混じって何処か壊れた装置の様に笑い声を出すしかできていない。
困惑が尽きない異様な現状、だけどひとまずの答えは得た。
知らない世界で僕は一人じゃなかった。ウィーネがいた。とりあえず、いまはその事実を喜ぶことにしよう
次回に続く
今回はここまで、次回より合流したウィーネと物語は進んでいきます。見知らぬ不思議な街で出会った妙な二人、二人のいうレビューとはいったい、その辺りもおいおい
本来のオラリオとは違う別の世界、なので多少物語に遊びを詰め込んでいます。はい、悪ふざけです。異種族レビュアーズとダンメモのコラボイベント期待してます
感想・評価等頂けると幸い。モチベ上がって頑張れます。次回はまた明日にでも