白いウサギは人肌に溶ける~執筆中=彼氏持ちレフィーヤ光のNTRストーリー 作:37級犬築士
まだ健全なお話が続きます
私には彼氏がいる。
ずっと私のことを見てくれていた熱心なファン。熱烈な視線をいつも向けていて、それが毎日続いていた。
嫌なはずだった。だけど、あの日綺麗な光を見てから
私は、彼の彼女に、なった。
~彼氏持ちレフィーヤIFストーリー PART2~
中層22層。最近新たに発見された未登録領域、その探索に僕は乗り出していた。
未登録と言ってもすでに一級冒険者によって領域の難易度は中層全体と大差がないこと、想定される敵の情報もギルドに公開されている。
足しげく冒険者たちはその地を踏み荒らし、少し遅れてから来た僕にはどうも心を刺激されるものは見当たらない。
樹衣類にまみれた洞窟、そこを照らす水晶の灯り。何もない、油断をしていたつもりはなかった。
苔にまみれた岩が、擬態したモンスターだとは気づかずに足を置いてしまった。これまで大勢の冒険者たちがそいつの頭を通り過ぎても目を覚まさなかったのは、つまりはそれだけ眠りが深い個性だったのだろうと
後になってから、僕はエイナさんから同情されるように、未登録領域で最強の位置にいた新種のモンスターについて講座を受けることとなった。
〇
~レフィーヤside~
両生類のような四足を持ち、家畜の牛を何匹も丸のみしてしまいそうな巨大な口。
水生生物のような粘液にまみれた肌を持ちながら表面には鉱物のような熱い殻で覆われている。物理も魔法も通りづらい、まさしく面倒なモンスターだった。
駆け付けた私が見たのは、そんなモンスターを相手に単身で傷を負いながらも懸命に戦う、あの男の子の姿だった。
「!」
瞬きをする間に、彼は幾重にも放ったナイフの斬撃で硬い殻の隙間を割った。そこへ自らの腕を差し込み、大あごに体を嚙まれながらも食らいつく。
鋭利なとげが鑢のようにびっしりと並ぶモンスターの顎によって彼の左腕は痛ましいものになっていた。
痛みを与えることに特化した嚙みつき攻撃。噛みきられるより、傷を長時間えぐられる方がずっと辛いはず。
なのに、彼の口からは痛みの慟哭は一つもない。覚悟を決めて、腹をくくって、彼の持つ最大の火力を内蔵の奥深くへ叩きつけていた。
瞬きを繰り返す間の間、目視してから決着が付くまでは短かった。だけど、私には彼の痛みに耐える攻防が酷く長く感じられてしまった。
「ベル・クラネル!」
名前を叫んだ。
大好きな人に寄り添う、いけ好かない彼の名前を叫んでから、私は彼の傷口にありったけの治癒を施した。
勝った彼を敗者にするべきではない。
英雄のように勇ましい彼には、同士討ちなんて結末は似合わない。
かっこいいと思ってしまった。
だから、最後までカッコいいままでいるべきだ。
私は、仕方なく彼を助ける。世話の焼ける男の子は、私に助けられたなんてまったく気づいた様子もなく穏やかに息をくり繰り返している。
「……ッ」
間違っても、愛らしいなんて思っていない。
思うべきではない。アイズさんに言い寄る不埒なウサギ、発情するならもっとほかにいるだろうに。いつも女子に囲まれて、顔を赤らめていて情けない。
私の彼氏とは、全く違う……私の彼氏の方がずっと
「……————ッ」
ずっと、そうずっと魅力が
〇
~中央広場、噴水公園前~
「あの、本当にいいんですか?……これ、僕が貰っても」
「……良いも何も、倒したのは貴方ですから」
「記憶にないんですよね、あはは……はは」
乾いた笑い、疲労が全く隠せていない。
あのオオサンショウウオ?のモンスターに噛まれた傷は相当に重いダメージがあったから、回復アイテムや回復魔法を多用してどうにか彼は起き上がってここまで帰られるまで戻った。
だけど、最短で戦闘を避けながらでも病み上がりにダンジョンの帰還は応えるはず。だから、疲れたなら疲れたと言えばいいのに
彼は、私の前で弱音を吐くことをしない。
口にするのは感謝の言葉ばかり
「ありがとうございます、レフィーヤさん……本当に助かりました。このご恩は必ずお返しします、だから」
「要りません」
「だ、ダメですか?……せめて換金したお金は」
「あ~な~た~の~、で~すッ……何度も言わせないでくださいッ」
ドロップアイテム、高純度の魔石
レアモンスターに該当されるあの殻付きオオサンショウウオはその厄介さに見合った報酬を落としていった。体内から落ちたのは魔石と似た黒い結晶、おそらく表皮の殻を作る成分が結晶化したものだろう。素材の時点でかなり固く、だが妙に軽い。
これから需要が上がることは間違いない。質が良く希少な素材、まず初めに手にして扱い方を調べたい鍛冶師達が競うように金を吊り上げ、結果大きな財産に変わることも十分に想像できる。
冒険者である彼もそれはわかっているはずなのに、彼には利益よりも救われた恩義が優先されている。
天秤が狂ってしまう。
彼とは大違いだ。
「レフィーヤさん、僕は……その、じゃあどうすれば恩を」
返せるのか
誠意がありすぎる彼に、私は強く出ていることが申し訳なくなってしまった。
いっそのこと、彼に手にあるそれを受け取ってしまえばいいのでは、だがそれでは駄目だと
誠意溢れる、ベル・クラネルと比較してしまうから、私は
「……頂けません、ですから」
「?」
「貴方の時間をください……休日、また機会があれば貴方を呼び出します。その時は、有無を言わずに来てください」
これならば問題ないと、代案を提示した。
きっと彼も飲むはずだと。
何かを要求さえすれば彼も引くはず。そんなことでいいなら喜んで赴きますと、満面の笑みを浮かべるベル・クラネルを期待したのに
「だ、ダメです……レフィーヤさん……それは、よくありません」
「?」
「だって……レフィーヤさんには、彼氏さんがいるじゃないですかッ……僕だって、それぐらいは知っていますよッ!」
困惑、必死な訴え。
ベル・クラネルは何も間違っていない私の事実を突きつけてきた。ただそれだけ、この人はまっとうなことしか言っていない。なのに、どうして私は
「…………」
「れ、レフィーヤさん……なんで、泣いて……どこか痛みますか?」
「!?」
自覚もなく涙を流した。
理解できない、震えが唇にまで伝播する。息をするだけでえずいて、次第に立てなくなる。
辛い、辛い辛い、気持ち悪いッ
「うぅ……んっぷ……んぅ、ううぅッッ」
ひどい気分になってしまった。
悪い酒に酔った後のように、胃液が喉を焼いて吐く息すら気持ち悪い。
原因はわからない。なぜ、ベル・クラネルに当たり前のことを言われただけど、こうも私は不安定になってしまうのか
「レフィーヤさん、レフィーヤさんしっかり……えっと……とりあえず、ここじゃ目立つから……宿に、近くの宿まで……すみません、後でいっぱい謝りますッ!」
「!?」
頭からかけられる彼の上着。清潔に洗われている服には、彼の頑張った匂いが染みついている。
嫌ではない。ベル・クラネルの匂いを嗅いからかわからない。だけど、私の引き付けは少しだけ治まった。
「辛抱してください、大丈夫ですからね」
「————」
背負われた。
ベル・クラネルが私を背負って走っている。急ぎながらも激しく揺らさないように、抱きかかえる際に持たないといけない私の太ももにさえ彼は肌が触れないように細心の注意を払ってくれていた。
「いっぱい謝ります……だから、耐えてくださいッ」
「————」
どうして申し訳なさそうにするのか、その理由だけはわかる。
私が彼に冷たくしてきたからだ。
本当は尊敬しているのに、認めているのに、素直になれなくて棘を向けてしまう私のせいだ。
嫌っていいはずなのに、それでも彼は私を、丁寧に女の子として扱ってくれる。
「……生意気……くせに」
辛うじて吐いた悪態
ベル・クラネルのくせに生意気だと、そう言葉にしたら、喉の奥の気持ち悪さがまた少し消えた。
理由はわからない。
考えても考えても、私にはまったくわからない。
次回に続く
読了感謝です。
可愛そうなレフィーヤ、幸せになれるのか、光のNTR最新ストーリ次回もお楽しみに
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