白いウサギは人肌に溶ける~執筆中=彼氏持ちレフィーヤ光のNTRストーリー 作:37級犬築士
笑ってもらえると嬉しかりけれ
宿に入って、落ち着くまで僕はレフィーヤさんを撫でていた
背中を撫でてください、そう告げた言葉は病人が発したと思うほどに弱っていて
「落ち着きました……ありがとうございます、本当に今だけは助かりましたのでお礼を言います」
「その、レフィーヤさん」
なのに、僕という彼氏でもない男と二人宿の部屋で時間を過ごした。
背中を撫でられて、貴方は安堵の息と共にその病的に弱っていた顔には生気が満ち溢れている。
理解できない。何か患っているのかと尋ねても、レフィーヤさんはさっきまでの状態を全く感じさせないふるまいばかり
「まったく、非常時とはいえ女性を担ぎ上げるなんて……貴方って人は」
「あぁ、でもあの時はそうしなきゃって」
「随分と勇ましい考え方ですね、英雄オタクはこれだからッ」
「ひ、否定はできない……で、でも」
「でも?……何が言いたいのですか?女の子だから、とかですか?」
「それもあると思うけど、やっぱり……レフィーヤさんが辛そうにしていたから。だと思う。男とか女とか、じゃなくて」
「……口説いてますか?」
「いや、そんな……あの時僕はレフィーヤさんとお話をしていて、行動していたんです。第三者じゃない、遠くない……助けを求める人が目の前にいる。ただ、そういう状況だったということです」
言葉使いを考えて、まっすぐには言えない。
目の前にいる女性は愛する男性をすでに選んだ人だから。
「英雄に憧れているから、とか……そんな動機でしたわけじゃない。あの状況で、僕はレフィーヤさんに触れること、ここに連れていくことをしっかり悩みました。だって、貴方は彼氏がいる女性だから……迷惑をかけるかもしれない。人を呼ぶべきだったと、今は反省しています。でも、それでも……あの時の僕は困っているレフィーヤさんを見捨てられなかった。ただ、本当にただそれだけで」
「もういいですッ!」
「!?」
「それ以上は、もうやめてください!……な、なんなのですかッ……貴方ってヒューマンは、あぁどうしてッ……そんなにも」
「……ッ」
取り乱す姿に困る。でも、僕は意外と冷静なのか
泣いて、怒って、悲しんでいる
そんなレフィーヤさんの今考えている中身に意識が向いてしまった。
それほど頭が回るとは思えない。いつもエイナさんを含む賢い人たちから教えを受けては叱られて、間違えながら前に進むのが僕だから僕は賢い人間ではないとまず初めに認識する。
だけど、今だけはその感情の理由に答えが出てしまった。
彼女はなぜ憤りを抱いているのか、添削を受けるかもしれないけれど、二重丸はもらえないけど、足して引いてどうにか正解を貰える程度に僕は確信を突いてしまった。
「……彼氏さんと僕を比較して……怒っているの?」
「————ッ」
ぶわっと目に涙の粒が溜まる。
感情いっぱいに、無邪気な子供のように泣き顔を見せて、そしてポカポカと僕を叩くレフィーヤさんは玩具を買ってもらえない子供のようにあどけなくて、痛みを感じながらも可愛いと感じてしまった。
よくない。
可愛いと思っても決してそれを口にはしちゃいけない。
それを言っていいのは、この素敵な女性の彼氏となった、あの男の人ただ一人。
「いた、いたた……ご、ごめんなさい、許してッ」
痛いけど、痛くはない。むしろ可愛いとだけ感じる。
レフィーヤさんは難しいお相手だけど、やっぱりその中身は感情豊かな可愛い女の子で、だからこそこんないい女性を射止めた男の人はきっと、素敵な
あれ、どうしてだろう
素敵な男の人だと知っている。レフィーヤさんの彼氏だと間違いなく認識している。
これは間違いじゃない。絶対に、正しいはずだ。そう、わかりきったことなのに
消えない。
噛みくだいて飲み込んでも、喉の手前まで戻って反芻してしまう。
まるで、異物を無理やり流し込んでいるかのように、頭では受け入れようとしても喉から先の体内はそれを拒絶してしまう。
〇
~夜~
~ロキ・ファミリア~
「ママ~!レフィーヤママ~ッ!!」
~レフィーヤと〇〇の部屋~
ベルのことを思い浮かべながら、今日もレフィーヤは彼氏君と二人きり
その服は下着の上に愛らしいデザインのエプロンを着用。手にはガラガラ音が鳴る玩具に、もう片方には哺乳瓶。
膝の上には、脂ぎった肌と頭髪の薄さが絶妙に不潔感を醸す彼氏君の頭。
唾を飛ばし、酒と不摂生で粘つき汚れた声を上げて発する言葉は赤子のそれ
「ママ、ママ!レフィーヤママッ!!」
「は、はぁい……ばぶちゃ~ん」
引きつった笑み、ただし拒絶はしない。レフィーヤは懸命に嗚咽を抑え込みながら、甘える彼の為にママを演じている。
むろん、部屋で行われている行為は扉を超えて外に突き抜けるが主神のロキを含めてファミリアの皆気にすることはない。むしろ気遣って近寄らない。
揶揄する声も上がらない。
このホームにて、レフィーヤと彼氏君は清い関係の中なので邪魔することは許されない。あのロキですら自重しているのだからと。
彼氏との赤ちゃんプレイを強いられるレフィーヤに、誰も助けの手を差し出すことはできない。
「まんま!まんま……ちゅ、ちゅ~!」
「はいはい、今あげますからね~……」
レフィーヤが取り出したのはガチの哺乳瓶、人肌に温めた砂糖入りの牛乳、それを彼の口にあてがう
「レフィーヤのおっぱい!おっぱい」
「ミルク出ないから、ごめんね彼氏君」
本来の彼氏からお願いされた行為は拒絶し、交渉の結果服を脱がないで済む今の形に落ち着いてしまった。
催眠は日に日に強くなっていく。ならば今はこれを楽しもうと、彼氏は余裕の態度でレフィーヤの膝枕を満喫している。
「出るようにする、孕ませるッ……楽しみにしてね♪」
「こ、こら……怖いこと言ったらだめですよ」
相も変わらず気持ちの悪いやり取り、しかし嫌悪を抱くことが出来ずもどかしい時間が過ぎていく
「ちんちんッ……シコシコ、して!!」
「だ、ダメですよ……自分でしましょうね。いい子だからね~」
「やだ、やってよ!」
押し問答、余裕を構えようとするも赤ちゃんプレイに興奮した彼氏君は履いていたオムツを脱ぎ捨てて自慢の性器をレフィーに見せつける。
驚きはしない、嫌悪もしない。
ただ困った顔で、諫めるように隠しなさいと繰り返す。
「手でしごいて!フェラチオして!……お、犯させろッ!……いいか、俺が椅子に座ったらなぁ、それはズボンを脱がしてフェラチオご奉仕をしろって命じてる合図だぞ!!」
「こ、怖いこと言わないでくださいッ……もう、怒りますよッ……ね、落ち着いて……今は、ほら……膝枕で、あっそうだ……耳かき、好きでしょ?」
「うぅ、そんなんじゃ足りないッ……俺は、お前に無理やりエロいことをしたくてここまで頑張ってきたんだッ!……うるさいうるさいッ……お前は俺の性奴隷、言いなりになる女なんだッ……これを見ろ、見ろ見ろッ!!」
暴れ出す彼氏、戸惑いながらレフィーヤは罵声に含まれた言葉を嚙み砕いている。
強い言葉、傷つける言葉、権利をないがしろにする酷い命令にレフィーヤは抗えていない。
頭の中はそうするべきだと理解している。でも、目の前の彼氏を対象にその行為を行うというのが、どうも抵抗が生じてしまう。
異物を飲み干すことが出来ない。
喉より下の体内が拒絶している。
「な、無い……どこにも、無いッ……嘘、嘘だろ……あれがないと、あれがないと!!」
「か、彼氏君」
「ど、どど……どこに隠したッ!!」
「!?」
取り乱す。
部屋の物をひっくり返し、卓上の下から箪笥の裏まで
裸に等しいおぞましい姿のまま、ついには部屋を飛び出した。
「……どうしたの、彼氏、くん」
叫び散らす、あれをどこに隠した、あれが無いと催眠が消えてしまう、理解できない言葉を撒き散らしながら走る。
せめて服を着て欲しい。
彼が着ていた服を手に、レフィーヤもその後を追いかけようとするが
「……あぁ……ダメ、無理ッ!」
部屋を出ようとした。
だが、すぐに足が後ろへ引っ張られてしまった。
部屋の入り口からすぐ近くに置いてある姿見の鏡。そこに映る自分の姿に、今まで全く感じていなかった感覚が燃えるように現れる。
恥ずかしい。
「!」
エプロンを脱ぎ捨て、すぐに部屋着を纏う。
短パンを履いて、キャミを着て、布の多いマキシワンピースを着て、ようやく体は落ち着きを取り戻した。
「……どうして、今まで私……あぁ、わからない。頭、痛いッ」
彼氏が求めてくれた裸下着エプロン、彼氏が喜んでくれるから一切恥ずかしさなんて感じるわけないはずなのに
もう、もう二度とあんな姿をしたくないとすら思っている自分に気づく。
「すぅ、はあぁ……どうしちゃったんだろ、私……風邪でも引いちゃったのかな」
頭が痛い。
ズキズキと響く痛みじゃなくて、ただただ不愉快さに頭が苦しいと叫んでいる。
「うぅ、気分が優れないのか、そうじゃないかもわからない……ああもう、私ってどうしちゃったのかなぁ?……はあぁ、何かしないと……えっと、気を紛らわさないと。頭使うの辛い……あ、掃除……そう、彼氏君部屋を散らかしちゃったから……もう、何を無くしたのかなぁ?……見つかるといいですけど」
一人、自分に言い聞かせるように言葉を大きく吐くレフィーヤ。
その手は部屋に散らかったものをもとの場所に戻す作業に加え、彼氏から与えられた赤ちゃんプレイの道具を躊躇いなくゴミの袋へと詰め込んでいた。
× × ×
「ベル、どうした?」
「これ、落とし物かな?」
オラリオの、何でもない通り道
物拾いに見つかることなく、まるで次の持ち主を探しているかのようにその宝石はボクの目に留まった。
「あ、悪い奴だ」
「ヴェルフッ……やめてよ、そんな」
「悪い、でもどうするんだ?……落とし主が見つかると祈ってギルドにでも預けるか?」
「ん~、それは……どうだろうね」
人の多いこの町で、落としの物なんてまず見つからない。宝石を埋め込んだこの装飾品なら見つけてくださいと届け出が出るかもしれないけど
「ないな、まず持ち主はこう考える。どうせ拾われてしまっているから出すだけ無駄だ……これを教訓に次からは気を付けるとしよう」
「それは、そうかもしれないけど」
「気が引けるか、まあそりゃそうだ……とりあえず、お前が預かっているってギルドに届け出は出しとけ。その上で預かる」
「……持ち主が出なくて、そのまま僕の物になる可能性が高いから?」
「だな」
したり顔で物をいう。戦友で、友達で、距離感が近い中とはいえ時折見える年上の威厳。
気持ちよくなったその顔に対して僕は特に言うことはない。実際ヴェルフの言うことに間違いはない。
おそらく持ち主は出てこない。
今までこういうことは何度かあったから、もう慣れた。
「幸運スキルさまさまだな♪」
「なんだか悪いことをしている気分になるね」
カジノで馬鹿勝ち経験もあるベルにとって町で拾いものをすることはそんなに珍しいことではない。
何度か拾い物をそのまま貰った経験はある。仮に持ち主が見つかってもいいお礼を受け取って結果得することばかりなので、もう慣れてしまった。
「にしても、見たことのない宝石だな……不思議に光をため込むし、中々言い値で売れるかもしんねえな。ヘスティア様にはいい土産になるかもしれねな♪」
「僕の物になったらの話だけどね」
宝石を手に、僕は光を拾ってみた。
夜、街灯の放つ朱色を宝石に入れてみると確かに美しい光、いや妖しい光が溜まる。優美で、とてもいいものだと思えてしまう。
宝石を鑑定できるほど知識も無ければ目も見慣れていない。
だけど、不思議と
「きっと持ち主は見つかるよヴェルフ……こんな綺麗なモノ、きっと持ち主は血眼になって探すに違いない……そう思うでしょ?」
「……そうだな」
問いかける。
答えたヴェルフは立ち止まり、その目はどこを見ているのかわからない。
固まっていた。まるで、何かの力に捉われているみたいに
「ヴェルフ?」
心配して名前を何度も呼ぶ。
視点の定まらない目は奇妙な光を宿し、その上で僕を見た。
「あぁ、ベル……お前の言う通りだッ……きっと、持ち主は見つかるッ!」
「ヴェルフ、どうしたの?」
様子がおかしい。僕は手に持った宝石をポケットにしまって、両肩に触れて何度も揺さぶる。
すると、はっとした様子の顔で僕を見て
「なにすんだ!」
「え、いやだって……急に様子が」
「?」
「えぇ?」
いきなり顔を近づけて何してんだと、まったく理解できない反応を見せるヴェルフ。戸惑うベル、結局わからないまま二人は帰路へと足を進めた。
宝石を拾った話題なんて忘れて、その日の終わりの楽しみである夕餉に意識を向けて
そのまま去っていく、二人の後に
「どこだ!どこで落とした!!」
裸で走るレフィーヤの彼氏くんが道で人にぶつかりながら右往左往。
「どこだどこだッ!!……お、俺の、俺の宝石はッ!!?」
女性の叫び声、戸惑う男の声、泣き叫ぶ子供の声
ぶつかりながら視線は地面にばかり、蛇行しながら道を何度も往復しては、次の場所へと走っていく。
次第に彼の存在を周囲は認識して、道を開けていく中でただ一人
「ど、どこに……ほぐばぁッ!?」
ぶつかる音、まるで根を張った巨木に勢いよくぶつかってしまったかのごとく彼氏君は弾かれて背と腹と顔に土を付けた。
「…………大丈夫か?」
「ヒィイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!!?!!??」
ぶつかった巨木こと猛者、その目は一切感情というものを内包していない。だがしかし、差し出した手はヴァリス金貨を数枚握っていた。
みっともない姿のホームレスに慈悲深く服を買う金を差し出していただけだったが、それを理解できずただただ恐れて走り去っていったわけである。
「……」
善意を袖にされる。そこに怒りを抱くことはない。手に握ったヴァリスは懐にしまった。
傷ついたわけでもない。だが、オッタルはその後助けようとした相手に怖がられてしまったこの話を己が女神に聞いてほしいと、少し思ってしまったとか。
次回に続く
読了感謝です。
クソ彼氏君は幸せになれるのかどうか、次回の光のNTRレフィーヤ物語もお楽しみに
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