※この作品はR-18です。

白いウサギは人肌に溶ける~執筆中=彼氏持ちレフィーヤ光のNTRストーリー   作:37級犬築士

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支援サイトにて先読みを更新したのでこちらも更新。

最近の建築士はとかく多忙で、同人ASMRのシナリオライター業に加えて現在フランス書院様から新人賞を受賞した作品の書籍化作業など、あとシンプルに親の介護

とかく多忙です。多忙ではありますが、建築士の執筆の原点であるダンまち二次、これをどうにか大事にしたい気持ちは今も変わらずです。支援者様をはじめ、ここで読んでくだった読者の皆様にも改めて感謝を、ありがとうございます。

長くなりましたがこれにて自分語りは終わり、レフィーヤの光NTRストーリー最新話をどうぞお楽しみください。


【5話】彼氏持ちレフィーヤの戸惑い~白いウサギと妖しい宝石と光の寝取られドスケベ純愛ストーリー

 慣れないファッションは即ひん剥かれてしまった。

 

 いつもの白髪、地味で大人しい服装。僕はいつもの僕のまま、レフィーヤさんの隣に立つ。誤魔化すことは出来ない。紛れもない僕本人が、貴方の隣に立っている。

 本来立つべき彼氏さんを放っておいて、その手を僕が掴んでいる。

触り心地の良い、可愛らしい感触の指先が擦れて心地いい。

 

「楽しいですよ、これ」

 

「う、うん」

 

 手渡されたのは乾いたパン、それをちぎって放り投げた。

 

 宙に浮いた欠片を受け取る、かと思えばもう片方の手に持っていたパンそのものを奪い取り、何食わぬ顔でそそくさと巣穴の中へ持ち帰る。

 

ここは庭園の中、ガラスのドームが多数に連なる屋内施設。鳥を見に行きたい。そう言って、僕の手を引いたレフィーヤさんは、今しがた起きたことを見て

 

 

「っぷ、あはは……貴方、ちょっとそれはサービスし過ぎですよw……ふふ、お優しいんですね♪」

 

「あ、えっと……うぅ」

 

 

 恥じらいで面映ゆい。

 

 返す言葉を思案するけど、目の前の嬉しそうな女性に魅入られて言語が狂う。

 

 可愛い。

 

 入場して、たくさんの綺麗な鳥を見ているけれど山吹色の美しいエルフにばかり目を奪われている。バードウォッチングなんて、全く出来そうにない。

 

 

「またエサを買わなきゃいけませんね。ベル、奢ってください♪」

 

「う、うん……それはわかった。あの、聞いていいかな?」

 

「何をですか?」

 

 笑って細めた目を広げた。

 

 そしてまた細めた。いじらしい笑み、のぞき込んで賞味するように僕を見る。

 

「えっと、レフィーヤさん」

 

「レフィー」

 

「え、あ、えっと」

 

「レフィー、レフィー、レフィー……私はベルって呼んでるのに、そんな逃げ腰じゃダメ」

 

「……レフィー」

 

「はい、よろしい♪」

 

 

 

 

   ×   ×   ×

 

 

 

 

 屋内庭園にはいろんな鳥がいた。この地域の鳥、僕の住んでいた故郷でも見られた鳥、南方の珍しい鳥、世界中を渡り歩く鳥、なんだっていた。

 

 庭園は鳥を閉じ込めてはいない。出入口は開いていて、鳥が居心地の良さを覚えて自然と居つく様にしていた。

 

 決して無理に縛られていない。鳥は自由な意思でここに居ついているらしい。そこが妙に気に入ったと、レフィーヤさんは

 

 いや、レフィーは語っていた。

 

 

「鳥を見たかったのは、朝起きて小鳥を見たからです。とっても可愛い鳥で、同じ鳥を見つけたくてあの鳥園に行きました。なんてことの無い珍しくも無い鳥だったんですね」

 

「スズメやカラスみたいに、色んな地域にいる鳥だったね……確か」

 

「私、あの鳥が好きです。真っ白で、赤い目の鳥」

 

「……あの、なんだか妙に目を合わせられている気が」

 

 口元を隠して嬉しそうに、レフィーヤさんご機嫌だ。うん、口に出さないならこの呼び方が一番しっくりくる。

 

 

……デートか

 

 

、口に出すのは憚れる。でも、現に今レフィーヤさんは僕とのデートを楽しんでくれている。背徳的で、僕は見られてもいない背後にばかり気が散っているというのに、声だって低くしているのに、レフィーヤさんはというとずっと弾みっぱなしだ。

 

 僕といるのがそんなに楽しいのか、それとも鳥を見るのがそこまで楽しいのか

 

 尋ねてみれば、きっとまたはぐらかされて口元を隠す所作を見せつけられるに違いない。

 

 ペースは常に握られている。

 

 嫌ではない。でも、少しだけ悔しさを噛みしめる。

 

 

「早く、あそこ行きますよ……餌付け見逃がしちゃいます」

 

 

「……」

 

 

 握られた手の感触が感情の忙しさを伝えてくる。

 

 僕を見て、鳥を見て、少し考えを巡らせて嬉しさを内から漏らす。レフィーヤさんはとかく可愛い。手を握る距離で見ているその顔はずっと喜色満面

 

 解放された奴隷の様に、軽々とした足取りで道を行く。人込みを躱しながら手を引かれ、たどり着いたのは鉄柵の前。

 鳥の飼育スペースが見えた。水鳥なのだろう、溜め池に水草がいっぱい浮かんで、浮草の塊の浮島にその鳥は器用に立っていた。

 

 まるで石の長蔵、しかし目には確かな視線がある。身動きせず固まって、自然の中で完全に静止した時に取り残されたかの様

 

 

「ハシビロコウ?」

 

 

「スタチューバード?……へぇ、色んな呼び名があるんですね。珍しい鳥……ベルは知ってました?貴方ってオタクさんでしょ?」

 

 

「えっと、言い方が……まあいいや。えっと、モンスターじゃないなら知らないね。」

 

 

「奇遇ですね、私も知りません。ふふ♪」

 

 

 軽く弄ばれることにもう慣れてしまっている僕がいる。

 

 笑うレフィーヤさんを見たら、何も返す言葉がない。

 

 

 

……————ッッ!!

 

 

「わ、驚いた……すごい音ですね、楽器みたい」

 

 

「餌付け、喜んでますね」

 

 

 いつの間にか園の職員が表れて、大きな魚を手にハシ……なんとかにエサをあげている。さっきまで動かない石造の様な振る舞いだったのに、今は餌付けに喜んで声を上げている。でも鳴き声と言うわりには妙に無機質で、少し不気味だ。

 周りの客も驚いたのか、ざわついて、また別の鳥を見ていたお客さん達が押しのけるように集まって来た。

 

 面白いものは見れた。立ち止まるとレフィーヤさんが危ないから、僕はそっと手を握り返す。

 

 

「あ、行きますか……少し休憩できる場所に連れて行ってくださいな♪」

 

 

「エスコート、頑張ってみる」

 

 

 もはや手を握ったままであることに疑問を持たない。

 

 鳥が飛び交う庭園の中、どう見られても文句なしのカップルの振る舞いを取っている僕たち。道を歩き、天蓋のついたベンチスペースが見えてそこへ落ち着く。

 

右手をずっと繋いでいた。

 

試しに離してみた。つなぎっぱなしが不快に思われてないかと不安になって、けどその手はすぐに僕の手を摑まえる。

 

しっとり、他人の湿度が染みついた手のひらは嫌に乾いて冷たさを感じる。

 

 手をつなぐカップルが、やたら手をつないだままでいる理由を僕は知った。

 

 

「つなぎっぱなしでもいいじゃないですか♪……何か、嫌な理由でも?」

 

 

「……ッ」

 

 

 ズルい言い方をする。だけど、相変わらず僕は何も返せない。

 

 

   ×   ×   ×

 

 

 少し休憩を挟んだ。会話は、なんでもないことばかり。

 

 冒険者という共通項がある故、自然と会話が弾む。あの階層であれを見た、あれは大変だった、新しく見つかった例の領域がすっかり踏破されて今では誰も寄り付かないだとか

 

 僕が頷き、レフィーヤさんが笑う。知らないことを語ってくれて、僕が喜ぶとレフィーヤさんが満足する。

 

 カップルの会話がこれでいいか。正しいのかわからない 

 

 気の置けない間柄じゃなければ成立しない会話をしているなら、それでいい。今は、とても居心地がいい。

 

「ふふ、貴方のホームも楽しそうですね♪……ちょっと興味が出てきました。」

 

「僕は今でもロキ・ファミリアには興味がありますよ?」

 

「ふん、どうせアイズさんが目当てなんでしょ♪……あ~あ、デート中に他の女性の話なんて、減点です♪」

 

 怒る割に声色は楽しさしか感じない。

 

 でも、さっきから自然と重ねたままの手と手が少し力む。僕の左手の上に重ねるレフィーヤさんの右手が、少し肌をつねって来て、うん、ちょっと痛い。

 

「あ、えっと……僕ってオラリオに来てからいっぱいファミリアの門をたたいてまして、神さまに出会えなかったら今頃橋の下で野垂れ死んでいたかもしれません」

 

「へぇ、貴方も大変だったのですね。って、もしかして私達の所にも?」

 

「はい。でも、門前払いで……あの、どうしてそんな」

 

「いえ、仕方ないかと諦めました。一応、団長は来るもの問わず試験をするようにって徹底してますけど……貴方、今でこそすごい人って通りもいいですけどやっぱりふにゃふにゃです。見た目から強さは感じません」

 

「ふ、ふにゃふにゃ」

 

「そうです。ふにゃふにゃです♪」

 

 柔らかい擬音で人を形容しつつ、レフィーヤさんは僕のお腹を触ってくる。でもつまめる余り肉が無いと気づいて、触る場所はなぞるように上に、そしてほっぺたをつまんできた。

 思わずドキッとしてしまった。と思ったらレフィーヤさんも少し恥じらっている。

 

「ふにゃふにゃした場所をここぐらいですか。貴方って、女の子の服が似合いそうですね」

 

「えっと……濁さないで、瘦せっぽちって言われた方がマシかな?」

 

「そうですか。配慮が足らず、すみません♪」

 

 途中で耐え切れず噴きだした。僕は今日、何度この人の笑顔を見ることになるのやら。

 

 本当によく笑う。

 

 

「ふぅ、なんだかいい気分」

 

 

「……それは、どうして?」

 

 

「理由は言いたくありません。ただ、例えるなら……さっきの鳥ですね」

 

 

 鳥、そう言って指をさした。あたりに人気は無い休憩所、指差した先には何もない道があるけど、その道はさっき僕たちが歩いた道だ。

 

 

「えっと、ハシ……なんとか……あ、スタチューバードだったかな?……うん、あの鳥のこと?」

 

 説明文を思い出す。色んな呼び名を持つけど、スタチューバード、石像の鳥というのがしっくりくる。あの見た目と制止した姿はまさしく石像だ。色も相まって、本当に固まって出来た作り物としか見えなかった。

 

「えぇ、あの身動きしなかった鳥です。わたし、多分あの鳥と同じでした。固まって動けなくて、まるで石化……不自由で、辛かったんだと思います」

 

「辛かった?」

 

「はい、とても辛かったです」

 

 感想を口にする。理由は言わない。

 

 もはや口にするまでも無いことか、レフィーヤさんは唇を擦り合わせてぷっと笑いをこぼす。

 

 一つ吐き出す度に笑顔が出る。

 

 この人は本当に可愛らしい女性なんだって、気付かされる。何故、今そう思えてしまうのかはすぐに察した。

 

 僕が今座っているのは、レフィーヤさんの彼氏の席だ。

 

 

「貴方のおかげです……って、言ったら嬉しいですか?」

 

 

「えっと、僕は何も……何もしてない」

 

 

「悪い貴方のことですから、変な魔法をかけてきたかも♪」

 

 

「僕、そんな悪い人に見えますか?」

 

 

「日頃の行いです。女の敵、朴念仁、ベル・クラネル」

 

 

「名前を悪口にしないでください……っぷ、も~」

 

 

揶揄われて、ちくちくさす言葉が妙に心地よい。今の会話のやり取りで喜んでしまっている僕もたいがい変だ。

 

僕もおかしい。レフィーヤさんもおかしい。皆、どこかで狂っている。

 

 

「魔法だなんて、僕に使える魔法なんて……レフィーヤさんに比べたら」

 

 

「知ってますよ?貴方、かなりチートな魔法持ってるって」

 

 

「ま、まぁ……そう言われると嫌な気はしないかも?」

 

 

「女をそそのかす悪い魔法、手が早い魔法……あってますよね♪」

 

 

「うん、違う……早いってところしか正解してないです」

 

 

「ふふ、困り顔面白ッ……あはは、貴方ってホント揶揄い甲斐があります♪」

 

 

「ん……あの、あまり揶揄い過ぎると僕も怒りますよ」

 

 

「へぇ、例えば?どんなふうに怒るのですか?」

 

 笑い泣きした目元を拭いながら、レフィーヤさんは確かめるように顔を覗いてくる。愛らしくも小生意気、しかし愛らしさに口が紡ぐ。

 

 けど、言われっぱなしなのは良くない。だから、少しだけおどけてみた。

 

 指を突き刺すように前に出して、その顔めがけて魔法を唱えた。

 

 

「悪い魔法です。揶揄う言葉を言えなくなっちゃえ、なんて」

 

 

……————ポチャン

 

 

「?」

 

 

 音が聞こえた。

 

 雨が降った、わけない。ここは屋内で、空気も乾いて水気は無い。飲み物も持っていない。

 

 だけど、何かが投じられた。静かな湖面に石を堕としたような、響く音が聞こえた。

 

 

「……はい、もう揶揄いません」

 

 

「えっと、レフィーヤさん」

 

 

 虚ろな目をしていた。

 

 妙に色気を感じさせる無軽快な、まるで言いなりの従者と向き合っているような感覚。楽しそうに、生き生きとしていた反応が急に消えた。

 

 

「れ、レフィーヤさんッ」

 

 

「……————ッ」

 

 

 手拍子、肩に触れる。

 

 ハッとした顔には確かな目の光が見て取れた。

 

 

「あ、よかった……急に黙るからびっくりして」

 

 

「ひゃ、ひゃ……ち、近いッ!!」

 

 

「!?」

 

 

〇

 

 

個室のある酒場、極東のイザカヤなるスタイルを取り入れたその店を僕たちはディナーの場所に選んだ。

 

普段寄らないオラリオの区画、冒険者が集まる酒場じゃない一般人御用達のお店。メニューも豊富で食事処にしてもいいしお酒も共に楽しめる。

そして、一番気に入った点は個室だろう。僕は今彼氏持ちのレフィーヤさんと一緒に行動しているという、中々リスクある状況なのはもちろんのこと

 

 

……ジンジン

 

 

「いつつ」

 

 今もなお消えない頬の鈍痛の跡を、ジロジロ見られないで済むのは素直に嬉しい。

 

「すみません、流石に私が悪いですよね。謝罪します」

 

「い、いいよ……びっくりさせちゃった僕のせいですし」

 

 急に意識喪失のような状態を見て、僕はとっさに近づきすぎてしまった。

 

 ビンタは、不思議と経験が多いからか問題ない。うん、本当に問題ない。

 

「謙虚ですね。もっと怒ってもいいのに、まあそれが貴方の美点なんでしょうけど。でも、今日の食事代ぐらい持たせてください。お詫びにご馳走してあげますので遠慮せず食べて飲んで♪……ほら、乾杯しますよ乾杯♪」

 

「うん」

 

 陶器のカップがコツンとふれた。泡立つお酒、口にして心地よい苦みが喉を潤す。

 

 美味しい。

 

 お酒を美味しいと思えてしまう空気が出来上がっているから、きっと今は何を飲んでも美味しい。

 

「お酒、美味しい……久しぶりです」

 

「飲まないのですか?」

 

「えぇ、彼氏くん……あの人が飲むなって命令して」

 

「命令ですか」

 

「はい、不思議と逆らえない命令です……あの人、私が酔うと効き目がなんとか~とか、いっぱい言って……ほんと、ん、ん、ん、っぱぁ♪」

 

 あの人、もはや彼氏と呼びたくない人のことを口にしたレフィーヤさん。

 

 卓上に並ぶ料理を口に運び、咀嚼して、またお酒を入れる。流しいれて、すぐに酔いのスイッチを入れてきた。

 

 

「っぱぁッ……あぁ、はあぁ、んふふ♪」

 

 

「ピッチ、早いですね」

 

 

 対して僕は舐めるように飲む。コップの中はまだ残っている、と見ていたら横取りされた。

 

 

「あの、僕の」

 

 

「ふぅ……すみません、妙に飲みたくなっちゃって。あぁ、口直しです。料理とお酒で口直ししないと気持ち悪かったから……注文しなおさないと」

 

 

「……」

 

 口直し、口にしたのは美味しい料理と美味しいお酒。

 

 口に嫌な味なんて入る余地もないのに

 

 

「……あの、レフィーヤさん……愚痴、吐いていいですよ?」

 

 

 気遣いと、個人的な疑問の解消。もう、そろそろ聞いてもいいかもしれない。

 

 レフィーヤさんの彼氏について

 

 

「ん……あの人についてですか、まあ……そうですね」

 

 

「……」

 

 

 固唾をのんで、膝に手を置いて僕は傾聴する。

 

 

   ×   ×   ×

 

 

「へ、変態じゃないですかッ!」

 

「こ、言葉が大きいですッ!」

 

 どっちも大きい。思わず個室の扉の向こうで何か落ちる音が聞こえた。配膳の人かな?

 

「お客様、お声の方が少々大きくございます」

 

 

「す、すみませんッ」

 

 会釈、そして引き戸を閉じて去っていく。

 

 振り返り、レフィーヤさんを見るとその顔はどこかスッキリしていた。

 

 

「……あの、えっと」

 

 

 凄まじい話を聞いた。レフィーヤさんが語った彼氏さんなる男の所業。

 

 毎日遊んで働いてなくて、そのくせレフィーヤさんに卑猥な悪戯ばかりして。

 

 そんな人が、どうして彼氏に選ばれたのかわからない。余りにも不自然だ。

 

 

「逆らえなかった、からですよ」

 

 

 呆れ、ため息交じりに応えた。何に疑問を浮かべているのか丸わかり、先んじて回答を置いた。

 

 

「さ、逆らえないですか?」

 

 

「えぇ、不思議とです。あの人の言葉には妙に逆らっちゃ駄目だな~って感じる力があって、この言葉を聞かないと申し訳ないって気持ちになって……嫌だけど、我慢してました」

 

 

 最後まで一線は越えませんでしたけどねと、自慢するように吐いた言葉には恐れと嫌悪感が隠しきれていない。辛うじて聞こえる声色、顔色が悪くなって目が当てられない。

 

 

「す、すみません……嫌なこと、語らせちゃって」

 

 

「いえ、何時かは相談しないといけないことでした。でも、それが貴方だなんて……ふふ、貴方ってまるで……彼氏も女性を今から略奪する軟派男みたいです♪」

 

 

「いっそ、そうなってしまってもいいかもしれません」

 

 

「!」

 

 

 聞いてた話、彼氏さんは本当にひどい男だ。

 

 そんな人に苦しめられているのなら、誰かが助けないといけない。

 

 

「助けられるべきです。レフィーヤさんは、もっといい男性に」

 

 

 道理から外れる行いだけど、レフィーヤさんの状況は道理に沿って解決できることじゃあない。

 恋愛なんて経験のない、彼氏になった経験も無い、そんなボクでもわかる。レフィーヤさんは、正しく略奪されるべきだ。英雄譚なら、きっとこの行いは光に当たる。肯定されるべき略奪愛だ。

 

 

「……ボソ(それ、いいかも)」

 

 

「あの、何か今」

 

 

「いえ、何も言って無いです。別に……別に」

 

 

 顔が赤い。顔を伏せて、舐めるようにお酒を口にする。

 

 

「酔ってますね。お水、頼みましょうか」

 

 

「いえ、酔って無い……素面です」

 

 

「嘘?」

 

 

「本当です。誰のせいだと……ほんとそういうところですよ、ベル・クラネルッ」

 

 

「……」

 

 

 妙にドキッとする言い回し。伏せた顔は上目遣いで、妙に色気を感じてしまう。

 

 ドキドキする。

 

 個室で、二人きりだから

 

 

「……ッ」

 

 

 動揺した。手元がくるって、何かが落ちた。

 

 カシャンっと、座るすぐ横にまとめておいたポーチ、そこに入れていたものが落ちた。

 

 

 あの日拾った、綺麗な首飾りが下に落ちていた。

 

 

「拾いますね」

 

「あ、ごめん……良いよ拾うから」

 

 言うに遅く。レフィーヤさんはテーブル下にもぐる。

 

 僕の膝前まで来て、手探りで物を拾って、そして股の間から手を伸ばして渡してきた。

 

 

「どうも」 

 

 

 手に取った首飾り、宝石が付いたそれは妙に暖かい。レフィーヤさんの火照った温度を吸ったのか、熱を持って、妙に綺麗で

 

 

「?」

 

 

「不思議な首飾りですね」

 

 

「うん、拾ったもので……えっと、確か」

 

 

 

 

……————ッ————ッッ!!

 

 

 

 

「?」

 

 

 音がした。また音だ。

 

 妙にまどろむ心地。光が点滅して、僕の中に何か入ってくる。

 

 視点が変わる。

 

 誰かの声が、これは?

 

 

 

「……誰の、声」

 

 

 

 目を閉じた。

 

 すると、視界が切り替わる。誰かの視点、誰かの声、それは全てレフィーヤさんに向けられていた。

 

 

『フェラしろフェラ!』

 

 

『テーブル下に潜り込んで、そのままフェラチオで奉仕しろッ!』

 

 

『くそ、なんで命令してるのに……っく、効かないんだッ』

 

 

「?」

 

 

 悔しさで地団太を踏む。

 

 そんな命令を聞くわけがない。いや、そもそもこれは

 

 

「これって、彼氏さんの記憶」

 

 

はっと、我に返る。手荷物それはただの装飾品ではなくて、何らかのマジックアイテム。

 

 もしかして、これはとても危険なものではないか?想像力が目まぐるしく駆け抜ける。

 

 

…………ジジ

 

 

「!」

 

 

 だけど、そんなボクの思考を妨げるように、下半身に刺激が走った。

 

 拾ったレフィーヤさんが席に戻っていない。

 

 僕の足の前で、女の子座りでたたずんでいる。いや、その手が動いている。

 

 僕のズボンの、ファスナーの部分を降ろして、下着を剥こうとしていた。

 

 

「れ、レフィ……むぐッ!?」

 

 

 とっさに声を抑えた。

 

 ここは個室とはいえ飲食店。すぐ扉の向こうでは配膳やらで人がいる。人の気配がする。

 

 声は漏れ聞こえてしまう。

 

 ダメだ。

 

 今は、何も出来ないッ

 

 

 

……ずる、ずるるッ

 

 

「出た♡」

 

 

…………チュ

 

 

「!?」

 

 

 触れた。生暖かい感触、吐息で締める。

 

 心地良い。痺れる快感に吐息が漏れる。力が出ない。

 

「……ッ」

 

「あ、れぇ……あっむ♡……んぅ♡じゅるれぇ、れるれる、じゅぶぶぶ♡」

 

 

 咥えている。

 

 テーブル下から覗く美麗なその顔が、僕の性器を咥えて歪んでいる。

 

 レフィーヤ・ウィリディス、彼氏を持つ美しいエルフの女性が僕のチンポをおいしそうに舐めて、恍惚な笑みを浮かべていた。

 休日を楽しむ可憐な女性、そんな印象が崩れ落ちる。愛らしい目元が妖艶に、可愛らしい口元が淫靡に

 

 入れ替わる。

 

 

……じゅる、じゅるれる……くちゅ、じゅるるぅうッ♡♡

 

 

「!」

 

 

 まるで〇〇にかけられたかのごとく、レフィーヤさんの人格が入れ替わる。

 

 男を喜ばせる、淫らな娼婦という他ない。

 

 

「だ、ダメ……だか、らッ」

 

 

 噛みしめた。

 

 快感が、内から吐き出てしまいそうだ。

 

 

……じゅる、じゅるるッ……ぐちゅ、じゅっぷじゅっぷ………じゅっぽッ♡

 

 

 

 

次回に続く

 




読了感謝です。投稿頻度が遅いから仕方ないとはいえ、やっと濡れ場に突入した。次回、甘々なお口エッチの回ですお楽しみに

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