白いウサギは人肌に溶ける~執筆中=彼氏持ちレフィーヤ光のNTRストーリー 作:37級犬築士
ティオナ編ですが、思った以上に長くなりそうなので、一回ここで区切りにしたく思います。
なんというか、前置きと前戯に力を入れすぎましたので、このまま続きを書いて完結させてもよかったのですが、今のままだと描写の質が下がる気もしまして、加えて続きの余地を残せそうにない気がしました。なのであえてここで切ります。
楽しみにしていたティオナ推しの読者ニキ達をはじめ、皆さんには申し訳なく思います。ですが、ここで終わりではないです。続きはまた二週目で、この合計七話は二週目をより引き立てるための前菜にさせてください。
「ティオナくん、だよね………君」
「………」
開いた口が塞がらない。人生で初めて味わう未知の危機感で、ティオナは完全に石となっていた。
「…えっと、なんで」
「………ッ」
…やばい、何か言い訳しないと、でもこんな時何を言えばいいかわからないよ!!
「……君、もしかして」
「……ガクガク」
「…もしかして、ベル君のお見舞いかい?」
「!?」
「いやぁ、こんな夜分遅くにすまないねえ、ほら、ちょっと失礼」
「……ッ」
呆気に取られているティオナを避け、ヘスティアはベルの元へ向かう。枕もとで膝立ちにしゃがみ、細指で前髪をすくように撫で始める。
「…うん、良く寝てる。君が看病してくれたんだってね、ここの子供たちから話は聞いたよ」
「……あ、その」
「別にいいさ。君とベル君は仲のいい友達なんだろ、オタク仲間ってやつらしいじゃないか」
「オタク?……」
「それに、この前じゃが丸君の売り子を手伝ってもらったんだし、そんなに緊張しなくてもいいよ。君はロキのところの眷属だけど、心根の優しいいい子だ。ベル君を助けてくれて、本当にありがとう」
「……ヘスティア様」
後ろで組んだ手がもじもじと、危機感じみた予測を立てていた自分が恥ずかしくなる。
「…えっと、嬉しいです。ヘスティア様にそんな風に言われて」
「うんうん、僕と君の仲じゃないか。まあ、明日にはベル君を連れて帰るけど、もし見舞いに来たかったらいつでも門をたたきたまえ」
「はい!」
「うん、いい返事だ。じゃあ」
「?」
「とう!」
「??」
「んへぇ、特等席…!」
「???」
もぞもぞと、ベルの布団の中に忍び込みそのまま添い寝をしだす。先ほどの自分と同じように、その腕に胸を密着させていた。
むにゅぅ…。
「うぅ」
溢れんばかりのそれがベルの体に押し付けられ、聞こえるはずのない擬音が聞こえてくるぐらいに形を歪めるその光景は、なんとも見ていていたたまれなくなってしまう。
…別に、いいもん。小さくてもアルゴノゥトくんが喜んでくれたし
「……んっ」
「!!」
「おっ、もう仕方ないなあこの子は」
寝返りを打ったベル、いどうした顔の位置は少し右下、つまりはその豊満な谷間へと
「…ッ」
「…ふふ、こういう時だけ甘えん坊なんだよね、君は」
「?……あの、ヘスティア様」
「ん、なんだい?」
「その…アル、ベルとはいつも……その」
「…あ、ああ、ちょっと恥ずかしい所を見られたかな。」
照れくさそうに、笑みを漏らす。その手はベルの頭を後ろから抱き寄せるように。そのたわわとしたクッションに顔をうずめさせている。
「…まあ、たまにね、風邪だったり酔いつぶれたときとかにね、こうしてぎゅーってしてあげるんだ。まあ、いつもは横やりが入るんだけど」
「……」
「まあ、そういうことだから、全然気にしなくていいよ。」
「……そう、ですか」
ヘスティアとベルを見つめる。仲睦まじそうに、味方によっては母と子、それか恋人の
「……」
…なんか、あたしが邪魔みたい
先ほどまで自分とベルだけの空間なのに、今はそれが違う。自分とは違う、女性らしい、愛らしさと柔らかさをもったこの神に全部塗り潰されるようで
「……ッ」
…なんだろう、これ……胸の奥、気持ち悪い?
「……ティオナ君、顔色が悪そうだけど、大丈夫かい?」
「!?……ああ、その……あたし、そろそろ帰ります。アルゴノゥト君のこと、お願いしますね」
「う、うん。……でも、もう遅いよ」
「…あたしは大丈夫ですよ。ここから地上に戻るくらいちょちょいのちょいですから…じゃあ、お邪魔しました」
「えっ……あ」
〇
踵を返し、逃げるようにその場を後にした。ただただ無心でダンジョンを駆け抜け、出てくるモンスター達を葬った記憶すらあやふやになるぐらいティオナは駆け抜けた。
地上に帰り、ホームの門をたたいて出迎えてきた団員たちが心配そうに見てきた。伝えた時刻よりもずっと遅くに帰ってきたあたしをロキやティオネは心配そうに話しかけてきた。聞かれたこと、答えたこと、色々と口にした言葉もどこか他人口調で、自分の部屋についてベッドに倒れ伏せる時になってようやく体の中のずれが戻ってきた。
話半分で、リヴィラから飛び出てからずっと頭の中で考え続けたのは一つのこと、自分よりも三つ年下で、あこがれの対象であり、そして
…かわいい、あたしのかわいいアルゴノゥトくん、そう思っていたけど
ベッドの上で行為に夢中な間、たぶん自分は彼のことを独り占めにしていたのだと考える。だがしかし、それはあくまで一時のことで、ティオナの中にはベルの周りを囲む複数の女性がちらついてしまう。
神ヘスティアをはじめとした身眼麗しい同性の彼女ら、自分よりも女の子らしい、なによりその女性的なふくらみはどうあがいても勝つ見込みはない。サポーターの小人の娘でさえも自分より大きかったのだ。
…あたしだけじゃない。アルゴノゥトくんには、他にも
行為に及んだ。けれども、よくよく考えればあの時の彼の言葉は本当なのか、確かにこの耳で聞いたはずなのに、ティオナにはそれが不確かなものに思えて仕方ない。
弱っていたから、心細い病人の時だから、だから
…本当に、あたしだからなのかな
もし、あの時に看ていたのが最初っから別の女の子だったら、自分はたまたまで、本当は誰でも
「…わっかんない」
「……なにを悩んでんのよ」
「……ティオネ」
部屋の明かりがともされる。シャワーを浴びた後、あまり食欲がわかなくて部屋に戻っていたティオナだった。明かりをつけるのも億劫に、ベッドで枕に顔を突っ込ませて足をばたつかせていたのだが、うしろからの聞きなれたその声に意識が平常に戻る。
「…あぁ、これはね、えっと」
「たく、部屋も暗くして、あんた最近おかしいわよ。さっきの時もそうだし」
「……変、かな?」
「変よ、変も変……あんたが難儀に顔を落としていたらそれだけで病気を疑うわよ。何があったか、あたしには言ってくれないの」
「……それは」
気が付けば、自分が寝転ぶベッドのそばに座っている。顔を見せないが、けれどもその考えは、自分を心配して寄り添い、その理由を自然に吐き出すのをじっと待つ。
「……」
……姉妹だから、見透かされちゃったのかな
よくよく考えてみれば、この姉は自分よりもその手の感情に正直に生きている。であるなら
…好きな、いや……気になる相手にしておこ、なんか恥ずかしいし
「……」
「……ねえ、ティオネ」
「!……ん、ごほんっ。…えっと、何があったのかしら?」
わざとらしく、まるで待っていないと言い訳をするようにしか見えないその姿にはつい笑いが漏れる。ティオネの不器用な一面に、ティオナもどこか安心した気持ちになる。
「……えへへ、待ってくれてありがとう、お姉ちゃん」
「!!……ちょっと、やめなさいよ、急に……こっちは心配して」
「ごめんごめん。……でも、本当にありがとうね」
「もう、調子狂うじゃないっ……!」
後ろ向きのまま耳のあたりまで真っ赤に染まる。そんな反応が嬉しいのかティオナは座っている彼女の背中に抱き着く。
「……重いんだけど」
「まあまあ、たまにはいいじゃん」
肩に首を置いて、ぴっちりとその胸板を背中にくっつける。自分とは違う長い黒髪、花を思わせるような淡い香りには安心感を抱いてしまう。
「……でも、この手は何よ」
むに、むにゅり……。
後ろから回した手でその豊満な褐色の山を掴む。押し込んだ指はどこまでも沈んでいくようで、同じ色の肌をしてるだけあってその差は明確である。
「……はぁ」
「なによ、何でため息よ、そんなに不満かしら」
「…やっぱり、大きい方が良いよね、うらやましい」
「……あんた、気になる相手でも出来たの?」
「………」
「なるほどね」
沈黙は肯定と受け取る。胸を掴む腕を払い、ティオネはその場を立って反対側の自分のベッドに腰掛けなおす。こっちを見つめ、少しまじめな趣でその口を開く。
「…で、あんたは何を聞きたいの?」
「……ティオネはさ」
そこから、経緯は濁しながらティオナがベルを意識するようになり、そうして初めて自分と他人の差を意識するようになったこと、その上で自分を相手が行為の対象においてくれるか、そう言った旨を言葉足らずながらなんとか伝える。
「……なるほどね、さっきの脱衣所でのやつはそう言う理由からだったのね」
「……」
ティオナの言葉を聞き、彼女はどこか安心したように柔らかい笑みを浮かべる。
「…で、あたしに何を聞きたいの、あんた」
「……団長、好きじゃん、ティオネ」
「ええ、言われるまでもないわね」
「……ティオネはさ、団長が他の女の「見つけて殺す、見つかるまで殺す」……そういう、物騒なことじゃないんだけど」
一瞬和やかな空気が殺伐とした波動に揺らぐ。姉の狂気に改めて身が震える。
…でも、それって…それだけの思いがあるってことだよね
「ティオネはさ、あの……負けないって、思ってるの」
「?……それ、どういうこと」
「だからさ……自分はさ、他の女の子に負けないって、どうやったらティオネみたいになれるかなって」
良くも悪くも、この姉は好きの為に他人よりも強く、強すぎるほどに前向きだ。自分と同じように、自分以外の他人を意識して怯むことが無いのは、正直うらやましいものだと感じている。故に
「あたし、女の子らしくないし、他の娘に比べられたら……たぶん」
「………」
「……ねえ、どうしたら」
「……はぁ」
おもむろにその場を立ち、ティオネはティオナの傍に近づき、そして
「……ッ」
「バカねぇ、そんなに悩んで、でも」
そっと頭に手を置く。武骨で、少し痛いぐらいの加減で頭をガシガシと撫でられる。
「……なんか、優しくない」
「うっさい。バカな妹にはこれぐらいで十分よ」
「……いじわる」
「そうよ、姉っていうのは意地悪な生き物……それに、あたしも同じよ。団長が私より魅力的な女の子を見つけるんじゃないかって、いつもびくびくしてるわ」
「!!」
「あら、おかしいかしら?でも、だから…」
フィン・ディムナ、ティオネの思い人である彼の人は一族の再興を願っている。故に、その伴侶は同族であることを、つまりティオネの思いは常に一方通行で、けれどそれ故に
「だから……他人なんか気にしてたら、それこそ失恋よ。好きになったんだもの、徹底的に動き続けなきゃ、好きがただの思い込みになるじゃない」
「……ティオネ」
「あたしは団長が好き。だから死んでもその好きを実行するの。なら、止まってる暇なんてないじゃない」
「……」
…そっか、ティオネは、そうだよね
ベルの元に行く、それがどこか気恥ずかしいようで、間違っているのではないかと気後れして、ずっと決断をしきれない自分が馬鹿らしく思える。
…そうだよね。悩むなんて、あたしらしくない
初めての異性との距離感、性の伴う関係は今までにない刺激物で、故にティオナの視界は狭まった。ベルの目から見た自分と言うあいまいで変動しやすいものに捉われ続けていたのだ。
見るべきものは自分自身、ティオナという自分の目で見て、それで判断すればいい。そんな単純なことに気づけなかった。
「…よし、とにかく行ってみるっきゃないよね!……ティオネ、ありがとう」
「…どういいたしまして、こんなんでも、あんたの姉だしね」
「…こんなんじゃないよ。ティオネはあたしにとって最高のお姉ちゃんだよ」
どこか、部屋には和やかな空気が漂う。しまいだからこそ、めったには言葉にしない気持ちを、今二人で打ち明けあう。気恥ずかしくあるも、どこか互いに胸の内がじんわりと暖かかくなる。くすぐったいようで、けれどもそれが心地よくもある。
「あんた………もう、そんなにおだてても何も」
同時刻、上の階でとある団員たちの会話
……え、団長が女の人と!!相手は……
……ガネーシャファミリアのシャクティさんだったっけ、でも仕事って言うにはあまり、お互い私服で
「!!?」
ガタッ!
「……ティオネ、どうし「だんちょぉぉおおおぉぉぉぉおおおッ!!?!?!?」
パリ――ンッ!!!!
「………」
姉が叫んだと思いきや窓が粉砕する音が耳に響く。そして何かが壁面をよじ登るような、まるで虫のように壁面を四足歩行で垂直に上るような鈍い音が遠ざかっていく。そして上の階から断末魔のような声が響くや、今度は爆発音と共に何かが遠くへと発射される。窓から見てその方向は確かアイアムガネーシャのあるあたりで
「……ちりとりと箒、取りに行かなきゃ」
姉の奇行をスルーして、ティオナは慣れたように床に散ったガラス片の掃除をしだす。少なくとも自分は関係ない、それよりも今は
…明日、お見舞いに行って、それで
アルゴノゥトくんに確かめる。あの時の答えが、自分にかけてくれた言葉が本物なのか、言葉だけじゃなくて、もっといろんなことから確かめる。
…エッチなこと、今度は、もっと
もし、もう一度、元気になった彼が自分に魅力を感じて、また気持ちよくなってくれるのなら
それは、千の言葉よりも重い、もっと実のある証明に違いないのだから。
「アルゴノゥトくん、早く会いたいな」
……おい、ティオネさんは、あの褐色殺人生体兵器はどこに
……が、ガネーシャファミリアの、このままじゃ戦争……ガク
……!!……追いかけろ、何としてもあの獣を止めるんだ!!団長たちがいない今、平の俺たちがやるしかない!!!
……止めるってどうするんだよ!死人が、死肉が増えるだけだぞ!!ミンチが死因なんて絶対嫌だ!!!
……魔剣だ!!使える物は何でも使え!!あれを女と思うな、深層のモンスターと思え!!人語を話していた頃はもう忘れろ!!!!
……毒だ、毒も用意しろ!!致死量の毒で体を麻痺させて動きを止めるんだ!!!触れるだけで皮膚が壊死するぐらいの劇毒を持ってこいッ!!!!!
「………」
……明日、楽しみだな
Fin
次回から新ルート始まります。
ティオナ編の続きはまたいずれ、本番たっぷりのエロエロを万全の状態で書き上げますので、今しばらくお待ちを