白いウサギは人肌に溶ける~執筆中=彼氏持ちレフィーヤ光のNTRストーリー 作:37級犬築士
(1) 社畜な彼女とウサギな少年、万能者はおねショタの魅力からぬけられないそうです。
「終わらない、終わらない………!!!」
そこはヘルメスファミリアのホーム、旅人の宿。
執務室とネームプレートが書かれたその部屋には一人、全身から黒いオーラを出しながら大量の書類と格闘し続けている見目麗しい女性がいる。
彼女こそがヘルメスファミリアの団長、アスフィ・アル・アンドロメダであり、万能者として名高い一級の冒険者だ。
優れた容姿、出るところは出て引っ込んでいるナイスなボディをもち、しかも優秀な才女と来ている。しかし、そんな彼女を表する言葉は悲しきかな、ほめたたえる美辞麗句より、むしろ
「…事業内容をギルドに提出、運用費の計算、税金、支出、赤字、予算の配分、新商品の広告、販売の純益、変動費用の算出、税率と総費用と純利益で……」
「…やあ、アスフィ!仕事の方は順調か」
バシュン
「…ッ!!」
部屋に入ってきた男に向けて放たれる羽ペンが壁に突き刺さる。鳥の羽でできたはずのそれは石壁に深く突き刺さり、まるでクロスボウを打ち込んだようにボロボロと壁面が一部崩れ落ちている。
「あ、アスフィ……まだ、俺は何も」
「…まだ……なんですか?」
「……それは」
眼鏡の奥の目が見えない。深淵をそのまま身に纏ったような彼女は一歩一歩主神であるヘルメスへと近づく。
「な、なあアスフィ、俺はまだ何も」
「どうせまた事業を始めたとか、面倒ごとに決まってます。あなたが作ったダンジョンゲームを黒字にするためにどれだけ苦労したか……もう、お忘れですか?」
ギロッ!
「ひっ!?」
顔のパーツは笑っている。しかし、圧倒的に目の奥の闇が全てを台無しにしている。
「あ、アスフィ!まずいぞ、乙女がしてはいけない顔になってるから、一回落ち着くんだ!!」
「……」
彼女を呼称する言葉にそれは使われない。言えば即刻暴力の制裁が約束されているからだ。鬼人のような笑みを浮かべる彼女こそがこのヘルメス神に振り回される苦労人であり、知る人はその一面から同情の意を込めて彼女の名を呼ぶ。商人としてのしたたかさ、神に振り回される中間管理職の貧乏くじそれらが彼女を表する要素の大半となっている。
故に、彼女自身も自らの女性らしさに期待を、人に対して自らの女を晒すつもりもない。もとより興味の対象外だと高をくくっていた。
そう、だからこそ、苦労人であるアスフィ・アル・アンドロメダであるから故に、彼女は彼とのひと時を
ベル・クラネルとの特別なひとときに、その身を溶かしきる程にはまって抜け出せなくなるのだった。
〇
ことのきっかけは偶然の重なりだった。
リヴィラの街でベルはポーションを補給した。業腹だが、ダンジョンで万全を期すためには多少の身銭を切る決断はやむを得ない。故に、迷いなく購入した。
そして、その購入したポーションはいわゆる混ざりものだった。といっても、どこかの犬耳少女がやったような砂糖水の希釈ではなく、要は種類がわからにモノをごちゃまぜにして、そこの露店の店主は回復ポーションと称して売りさばいていたのだった。
リッターの瓶にいっぱいのポーション、それを知らずに購入し、ベルは中層で何度かそれを服用し、そしてすべてを飲み干した。
そして翌日、異変が起こったのだ。
「ごほん、つまり………」
「……」
「……ッ」
アスフィの目のまえに、と言うより下方向にいるのは小さな子供だった。外見から見るにして7~8ぐらいの、白髪でルベライトの瞳が特徴的な子供だった。
不安そうに上目遣いでこちらを見上げる様子は子犬然としたものがある。これが平時であり、ただ通りすがりで見つけるだけのモノなら特に何も言うことは無い。無いはずであってほしかった。
しかし、当然というべきか、このショタっ子には見逃すことができない問題があるわけなのだが
「………」
………あぁ、この先の展開が予測できてしまう自分が悲しい
「…つまりヘルメス様、この子は」
「ああ、見ての通り、若返ったベル君だ。ほら、ベル君、挨拶」
「…あの、えっと……お久しぶりです、アスフィさん」
「……」
動じはしない、ただいつものこと。面倒ごとを増やされて、そして自分の睡眠時間をいかほど削ればいいか、すでに算段はついている。
………数発しばいて、それでしまいですね。いつものこと、いつものことです
右のこぶしを数回力を込める。コンディションは十分だ。
「で、原因はわかっているんですか。彼がこんなちんちくりんになった原因は」
「………あぁ、それなんだがな。なんでもリヴィラで流通させたうちのマジックアイテムが関わっているらしくてな、なんの偶然かこんな効能が出てしまったらしい。」
「?………私の、それはまた難儀ですね。面倒ですが、まあ仕方ないというわけですか。」
「………」
「ではベル、いくつか聞きたいことが」
「!」
「?………あの、質問が」
目線を下げ、彼の目を見て言葉を放つ。しかし、その結果は
「………うぅ」
「………へっ?」
「おっ、大丈夫だぜ、アスフィの怖い顔はいつものことだから。ほら、怖くない怖くない」
「………あぅ、んっ」
頭を撫で、ベルを丁寧にあやすヘルメス様。
どういうことかと、その顔を拝もうと近寄ると、ベルはヘルメス様の後ろに隠れてしまった。まあ、パーツは色々とはみ出ているのだが、ともかく子供を怖がらせてしまったのはなんとも味わいが悪い。
「アスフィ、ベル君が怖がってるぜ、ちゃんとフォローして」
「………いや、そんな子供の相手なんて、私には「アスフィ」
「………はぁ。………えっと、ほら、怒ってないですからね~」
「………」
「………あはは」
「………ひぅ」
「あはは、はは………はぁ」
……あぁ、らしくない。というか、恥ずかしい
目のはしに涙を溜めたままベルは一向にヘルメスの後ろから出てこない。というか、むしろ引いている気がする。
「………はぁ、子供に戻っている、これは重症ですね。」
慣れない子供の相手、これがまた何度もあると考えるだけで精神がげっそりと削れてしまう。
しかし、問題はそれだけでは終わらない。
「あ、いい忘れてたけど。ベル君の中身はそのままだから。」
「へっ?」
「………その、えっと………はい」
もじもじと、恥じらいながら顔を出しベルは答えた。
「あの、でも中身はそのままで……ただ、体だけが小さくなって、これじゃあダンジョンにもぐれなくて、その………なんか、調子も悪くて………その」
まるで人見知りの幼子のように、ベルは恥じらいながら言葉を連ねる。まあ、実際今は幼いのだが。そのベルの頭をポンポンと撫でながらヘルメスは説明を続ける。
「それでな、ヘスティアの所から苦情を食らってさ、まあ解決できるのがそれしかないってのもそうだし、胸をたたいて大船に乗ってくれと安請け合いしてしまってな。」
「………はぁ、確かにこんな状態では置いておけませんね」
「あぁ、だからアスフィには………」
「………」
色々と言われたが、要は彼を直す薬なりなんなり、私が作ればいいのだ。時間と手間はかかるが、できないことを押し付けられるわけではないのだ。
………なら、気にすることはこれ以上ないですね。
「わかりました。ともかく、色々と調べないことには始まりません。では、やることは早々に始めましょう」
「あぁ、早いことに越したことはない。アスフィなら問題ないと思ったから、ベル君の世話役を引き受けておいた。当分ベル君を日中の間は預かってもらうから、さっそく出来ることをしよう。」
「ええ、了解し………
………………………………は?」
預かる、ベルを、この神はいったい何を言っているのだろうか。
「とにかく、治るまでいろいろと試さないとだめだろう。だから、面倒を見てやってくれ。」
「………いや、だからその「タイミングが悪いことにな、ウラヌスからの依頼も重なって他の団員に押し付けるわけにもいかない、と言うことで済まないが、アスフィ」
ベルの肩を持ち、そっと前に差し出す。不安げ見つめるベルはどこか申し訳なさそうにその手を重ねてもじもじと震えて、今にも泣きそうだ。
「あの、つまり……彼の」
「ああ、アスフィにはベル君の子守を任せたい!大丈夫、アスフィならできるって、俺は信じ」
「………ッ!!」
そこから先、神の言葉は続かない。
限界に達したフラストレーションは、彼女の右腕部を強制解放。
正確で無駄のない、最短コースの軌道で彼女の右こぶしはヘルメスの顔面をぶち抜いた。
〇
「……はあぁ、はああああぁ………!」
ため息というか、咆哮というか、理不尽を呪うアスフィの念が口から駄々漏れである。
「………」
そんなアスフィをベルは申し訳なさそうに見つめる。
ヘルメスの処理を終えて、今は二人向かい合って椅子に座り、まるで検査を受けている小児科の医者と子供の光景がそこにはある。
「……あの、アスフィさん」
「…なんです、ベル」
ぎりっと、力強い眼光を向ける。本人は無意識なのだが、いかんせん状況が飲み込みきれていないせいか若干精神が荒んでいる。
しかし、そんなとがった感情を向けるには相手はまだ
「…うぅ、すみません」
「!」
大人のにらみに、ベルは一撃で感情の砦が崩壊してしまう。目じりには大粒の涙が浮かび、ぽとぽと床に水たまりが増えていく。
「あ、その……いえ、怒っているつもりは、って、あなた中身はまだ14でしょうに、何で泣いているんですか!」
「…ビクッ!」
「!?……ああ、もう…そんなに泣いて、ほらハンカチを……えっと、よしよし、泣かないでー、ほらー、怒ってないですよー」
子供のガチ泣きにたじろぎ、ぎこちない手取りでベルをあやす。ハンカチで顔を拭い、どこか壊れ物を扱うようにその髪を撫でる。
……まったく、もう……なんで私がこんな
心の中で愚痴をこぼす。しかし、ヘルメスの言う通り、ことの原因は自分にもある。ヘルメスに押し付けられてしばらく、アスフィはひとまずベルの体液やら情報を収集し、今は状態異常を直す薬をいくつか服用させ、その様子を観察している。
実験用の白衣を纏い、目の前には子供と互いに椅子に座って対面している。いつからここは児童向けの診察所になったのだろうか。
だがしかし、それでも引き受けた以上は仕事はこなさなければならない。子供をあやすことに苦戦しながらも、アスフィはベルの様子をこと細やかに分析する。
……肉体の若返り、元の薬は以前に作ったアンチエイジング向けの飲み薬、けれど、それがどうしてここまで?
出回った薬と、何かを調合した結果が彼の身に起きた結果である。しかし、元の薬には調べがついたが、他が不明なのだ。そのリヴィラでベルに売りつけた冒険者はそうした行為を頻繁に行っていたらしく、売れ残りを混ぜて売り、その売れ残りを混ぜてさらに売るといったことを平気でしでかしていたらしい。故に、元の薬をたどるのはもはや不可能である。故に
……手がかりは、彼そのものか
今も泣きはらした目で不安げに見つめるこの少年こそが解決の糸口であり、目下最大の壁である。
アスフィとベルの交流は全くないわけではない。しかし、いかんせん相手は幼子で、しかもすぐ泣くし扱いが難しい。
……というより、精神が肉体に引っ張られている?
「……えっと、ベル、一応聞きますけど……中身はその」
「ひくっ……ええ、はい。僕は、ちゃんと14歳のベル・クラネルです。」
「…そうですか」
魂の年齢と言うべきか、返答の仕方もそれはいつもの彼と同じだ。姿がチグハグと言う問題は大きいが、それでもこうしてまともに意思の疎通ができるだけましだ。
…これで本当の子供みたいに走り回られたら、それこそストレスの重ね掛けです。不幸中の幸いか、それはまあ彼にも
「……あの、アスフィさん」
「…なんです、謝罪はもう結構ですよ。」
「いえ、その……じつは」
「?」
もじもじと、どこか落ち着きがない。というより、足が内またに、椅子に座ったまま何かを我慢しているように
「……もしかして」
「あの、トイレに」
「……はぁ、そこを出て曲がって右です」
「……いえ、その」
「…ッ」
ベルの手が服の裾を掴む。あきれた様子で何事かと尋ねるアスフィに、ベルはこう言ってのけた。
「……一人じゃ、その」
「!……あなた、何を」
「駄目、ですか?」
「……」
年は14、職業は冒険者、しかし目の前の彼はどう見ても幼子でしかない。
うるうると目を輝かし、そのあどけなさを全開にベルはアスフィに訴えるのだった。
「……トイレ、ついて行ってくれませんか?」
「……ッ!?」
……もう、私にどうしろと
結局、アスフィはしぶしぶベルのトイレに同伴した。
アスフィのおねショタライフが始まる。
今回はここまでで、エッチシーンはまだ先ですね。