白いウサギは人肌に溶ける~執筆中=彼氏持ちレフィーヤ光のNTRストーリー 作:37級犬築士
机一面に並ぶ極東の料理の数々、生の魚をスライスしたもの、煮たものと焼いたものと、知ってはいたけど始めて見る料理ばかり。命さんが料理を担うようになって、極東風の食事はよく味わう機会が多かったけど、ここにあるのは似ているようでどこか違う。
どの料理も上品で華やかで、けれども主張しすぎない静謐な盛り付けは食する者に緊張を与えない。新鮮な魚を中心にまとめられた品々に僕らは舌を打った。
「…んっ、むぐ」
拙い箸づかいで、船形に並べられた刺身を取り口に運ぶ。皮目が少しあぶられてるせいか魚の臭みなんてのは鼻に付かない、香ばしい風味が口中に広がる。
「…ぐ、んく……んっ」
冷の清酒が自然と進む。魚の油の甘みがお酒の甘みと馴染んで、舌の上でまた別の味が芽生える。
「………ッ!」
穀物からつくったというお酒、甘いものは苦手なのに、不思議とそれが気に障らない。喉の奥にこもる酒気の熱を感じる。頭は冴えてるようで、少しだけ曇りがかかっている。料理の味、相性のいいお酒、酔いの心地は気持ちよく、自然と表情が緩んでしまう。
「…はぁ、美味しいですね、春姫さん」
座椅子にもたれ、お酒を片手に向かいの彼女に話しかける。
「……ふふ、ベル様、お顔が真っ赤でございます」
「そういう、春姫さんもです。……あ、注ぎますね」
「…あわわ!…もう、春姫を酔わして、いったい何をしたいのですか?……んッ、ぷは……ふふふ」
そう言い、コップに注いだお酒は一瞬で飲み干された。
時間にして一刻と半、気が付けば出されたお酒のほとんどがもう消えている。
…というか、春姫さんてやっぱり
春姫さんの横に視線をやる。そこには空きの徳利がざっと見るだけで10本以上ある。
「失礼します。ジョッキのエール二つ、お持ちしました。」
「!」
「はい、ありがとうございます。あと、こちらのお酒を熱めで、三本程」
「!!」
「承りました。そちらのお客様もご注文は」
「……えっと、チェイサーでお水を」
「はい、以上でございますね。では、失礼します。」
「……」
障子戸が閉じ、僕は春姫さんのほうへ顔を向けなおす。
「…あの、春姫さん」
「…はい、今日はその、いけるところまでいきたいと言いますか、すみません、美味しくて」
「あ、いえ……それは、まあ」
平常を保っているけど、内心少しひやひやとしてる。
確かに、入る前にお金は自分が全部持つと胸をたたいた。手持ちは6万バリス、銀行の手形もあるから最悪無くても何とかなる。だけど
それでも、一度の食費でダンジョン探索2~3回分が飛ぶと考えるとさすがにクルものがある。
…まあ、でも
「……ふふ、こんなに極東の食べ物とお酒まで、春姫は幸せ者でございます。」
「!!」
不意に放った春姫さんの笑み、酔いで上気した様子は色香を放つ大人の艶やかさを感じる。
「……ッ」
…こんなの、引くわけにはいかない。男、試されてるよね
懐に締まった財布が余計に重く感じる。けれど、女の子笑顔の前に、男が簡単に引くわけにはいかない。やせ我慢は男の一番の武器だってお爺ちゃんも言っていた。
…でも、さすがにこれ以上は
料理の値段はまだ許容範囲だ。でも、輸入物のせいかお酒だけは少し割高だ。いつも飲む発泡酒や葡萄酒よりもずっと値段が張っている。
「……ッ」
メニュー用紙を見ていて、ふとお酒の欄の下に興味深い一文が乗っていた。
「…お酒、持ち込みも可、店員に渡してくれればグラスとつまみも用意してくれる……値段は」
「……どうか、なされましたでしょうか?」
「あ、いや」
思い出す、そう言えば、僕は今日リヴィラで
座椅子から立ち、後ろに置いた荷袋を引っ張り出す。袋から取り出す派木箱に収められた中サイズの瓶
「あの、よかったらこれ」
「?」
「もしよかったら、こっちも試してみませんか?」
〇
貰ったお酒はよくしらないもので、その包装と字体から極東の物とだけはわかった。春姫さんに見せても知らないとのことで、取り合えず呼び出した店員さんにそれを託した。
そしてしばらくして、店員さんがグラスの陶器のコップと一緒にお酒を運んできた。その上、何やら小ぶりな鍋料理のようなものまで、嗅いだことの無い匂いだけど嫌に食欲を刺激する。肉料理みたいだけど、一体何の匂いなのだろう。
開いた皿を片し、鍋を中央において取り皿に中身をよそってくれた。そして去り際に、店員の人がなぜだか、僕にしか見えないように親指を立てて何かをつたえる。意図がわからないけど、不思議と何か応援のような意図を感じる。
…なんなのかな、不思議と既視感があるような、ヘルメスさんやモルドさんあたりだろうか、考えすぎならいいけど
小鉢に入っている肉は豚や鳥とも違う、少し臭みのあるような、野趣に溢れる香りだ。いくつか香料や薬味の香りで気にならなくなっている。胃には十分に食べ物が入ってるはずなのに、それでも胃袋が鳴る。
「…これ、何の肉かな」
疑問が尽きない。けれど、箸でとった肉片は脂身がふるふると震えて、なんとも食欲を刺激する。思い切って口に運ぶと、それはなんとも濃厚で食べたことのない美味だった。
「…これ、美味しいですね。何の肉かわからないですけど」
「ええ、そう、ですね」
「?」
なぜか歯切れの悪い返事、春姫さんも美味しそうに手を付けているけど、どこか恥ずかしそうにこちらに目を合わしてくれない
「…あの、これ何か「いえ、知りません。春姫は何も」
「…はぁ」
「…あの、それよりも」
「?」
視線を向ける。まずは料理にと手を伸ばし、そして次には当然
「…ですね。じゃあ、開けます」
少し茶色が買ったお酒、蒸留酒のような色合いのそれは幽庵とした明かりに映えて琥珀色に瞬いている。金蓋を外し、中身を蛇の目に向かい注いでいく。少し温められているそれはそそぐと鼻腔にお酒の香りが
「……?」
…なんだろう、これ
匂いは甘い。けれど、それは果実や穀物の糖分のそれとは違う。
「……」
試しに、先にそそいだお酒を舐める。口に付けて、少し傾けて舌先に当てる。
「??」
「…あの、ベル様」
「……」
少し舐めただけで口中に唾液が湧く。お酒のはずなのに、それはまるでいつかに飲んだ薬湯のようだ。
「…では、春姫も、ご相伴いただきます」
「!」
「…変わったお酒ございますね、香りは、漢方か何かでしょうか?薬膳のお酒かもしれませんね」
こっちがあっけに取られているうちに、春姫さんが自分の分を注いでしまった。
「…あの、これ大丈夫ですかね?」
「………」
一応喚起の言葉を告げる、けれどもすでにその手のお酒にしか関心が無いようだ。色合いと香りを味わっているのか、少し時間をおいて、春姫さんは一気にそのお酒をあおった。
「!」
「……ん、くっ」
「は、春姫さん?」
いっきに煽った。そしてうつむいた。ぷるぷるとわずかに震えているのか、何も語らないだけあって見ているこっちはただ不安が募る。
…これ、大丈夫なのかな?
不安になる。しかし、好奇心もある。
とにかく、この謎のお酒を知るために、僕はその中身を口に含んだ。舌にあたってまず感じたのは強烈な甘み、そして鼻腔を抜けるのは強烈な刺激臭だ。
「むぐ!?」
咄嗟に鼻を抑えてしまった。けど、出どころは中にあるから余計に刺激で脳が酸欠になりそうになる。口に入れたものを吐き出すわけにもいかず、僕はなんとかそれを飲み干す。後味は苦くしかしそれはすっと消えた。舌が刺激に慣れたからなのか、次第にその刺激臭ともいえる風味も気にならなくなる。
「…ふぅ、はぁ…なんだろう、ほんとに薬みたいだ」
なんとなく、体にはいい気がする。けど、どうにもそれはあまりにも癖が強い。上書きするように、僕は鍋の肉を掻っ込む。苦みで味覚が引き締まったせいか、やけに料理が上手く感じる。マリアージュ的な問題は正解なのかもしれない。器の底の蛇の目模様とにらみ合って、しかしぼくはこの味を乗り越えられない。
「……これは、もう」
やはり、ろくなものを掴まされてはなかった気がする。ここまで味わったお酒に比べて、あまりにも何か違う。決してまずいわけじゃないけど、何か危機感を感じる。
「…あの、何か別のお酒を頼みませんか?…これ、少し癖が強くて」
「………」
「あれ、春姫さ…」
「………ぇ」
「?」
面を上げて、視線はこっちを向いている、ようでどこも見ていない。
「…あの、どうかされました」
「………ふふ」
「?」
にやけている、なんだか楽し気に、でも視線の焦点だけは合っていない。かと思っていると、またその湯飲みにお酒を注ぎこむ。なみなみと注いだそれを、一切のためらいもなくグイっとあおった。
「………ッ!?!?」
「んん、んくっ、……」
「あの、それそんなに」
「…あぁ、良い」
「?」
言葉を発した、けれど、様子がやはり変わっている。酔っていると言ってしまえば簡単だけど、何故か妙に、色がある。
「ふふ、これは、良いお酒で……ござい、ますね。すっぽんの肉とも……よく、合い、ます」
「?」
「あぁ、ですが」
……するっ
「!?」
着物の襟がはだける。中の下着が露わに、扇情的な柔肌が目に映る。
「…って、春姫さん!」
思わず座席から立ち上がってしまった。すぐに駆け寄り、その服を直す。
「…ぁ」
「ちょっと、何をしてるんですか!…って、へっ?」
「……ふふ」
微かに笑いをこぼす。すると、春姫さんは僕の腰めがけて抱き着いていく。座ったまま、立っている僕の方にだ。
「…ちょ、ちょっと!?」
吐息が熱い。ズボン越しに、その温もりが触れてしまう。
…これ、まずい!こんなの、絶対誤解される。
「…あの、しっかりしてください春姫さん!!」
「…はぁ、春姫は、何も」
「してますから!でも、目撃されたら間違いなく僕がアウトなんです!!」
はたからみて、酔いで火照った女の人を無理やり股間に押し付けてる圧巻の姿だ。満場一致で裁判は有罪だろう。
「……んっ」
「!!」
よりいっそう、春姫さんは僕にしなだれかかる。その顔が僕の物に押し付けられる。
…ちょっと、待って。今気づいたけど、これ
押し付けられて、電気のように快楽の信号が駆け抜けた。よく見ると、彼女の尊顔にあたるのはなんとも立派なふくらみだった。
「!!」
自分のモノが、気づけばこの上ないくらいにいきり立っている。普通、飲んだらあまり機能しなくなるはずなのに、それはあまりにも立派に自己主張をしている。ズボンの記事が丈夫じゃなかったらそれはなんとも立派なアルゴノゥトを限界させてしまってたことだろうに
「……ど、どうしよう、これ」
次回に続く
今回はここまでで
春姫の喋り方が未だに苦戦します。早く淫語あえがせて楽なボキャブラリーにしたいです。