■八雲調教3
「植物はね、水が少ない分、より根っこを長く生やして、地中の水分を吸い取るんだ。凄いよね」
マーカスは突然植物の話をし始めた。
身振り手振りをつけて、話を続ける。
それも酷く楽しそうにだ。
捕らわれの身の八雲は眉間にしわを寄せる。
「何を……」
八雲は困惑と怒りを感じていた。
激しい調教をされながらも、マーカスは突然思い出したように楽しそうにそう話し始めたからだ。
「花っていいよね。美しいだけじゃなくて、魅力があるんだから」
困惑する八雲を横目に、マーカスはこう言う。
「君達も同じってことだよ」
そう言ったマーカスは、八雲に動画を見せる。
上半身を責められながら、マーカスに必死に軽口を叩く八雲の姿。
余裕そうな声とは別に、身体は汗だらけで、特に足はくねくねと動いてしまっている。
マーカスの責めを必死に受け流しながら、言葉を吐き出すその姿はまさに強者。
しかし、見えない下半身を淫らにくねらせ、絶頂の際に、足をこれでもかと突っ張らせたり、腰を突き出し、蟹股になる風景が移っていた。
くねくねと、まるで植物が揺れるかのように足が動き、さらには淫らにも腰が動き、マーカスの言う花の意味が八雲には少し理解出来るかのようにも思えた。
上半身は必死に啖呵を切って、動かないようにしていたが、下半身は見えないからと必死に動かして快感を逃がそうとしていた。
言葉だけは饒舌に、だが下半身は滑稽なほど動いていて、淫らなダンスを繰り広げる。
それは明らかに感じている証拠で、肉体は制御出来ず、精神だけでなんとか持ち堪えていたことがわかる。
「違う……。こんなの、私じゃ……」
八雲はあまりに酷い映像に、そう呟いた。
戦士からただの女に一瞬戻ってしまった八雲。
信じられないその姿を、八雲は呆然と見ていた。
しかしすぐにハッとして元の強い八雲に精神を戻した。
だがマーカスは「これが本当の君だよ」と言って映像の続きを見せる。
「言葉だけは必死に吠えてるけど、下半身はこのざまだ」
下半身は肉体言語で、快感を貪り、下半身も責めてほしい、少しでも乳イキの快感を貪りたいと言葉よりも雄弁に物語っていた。
それだけならまだしも、上半身を責められると、より下半身が揺れ動く。
胸をスパンキングされる度に下半身がびくびくと動き、触手で吸われてはまた足を開いて快感に耐え続ける。
乳イキをする度に、大きく開かれる足。
ぴんと爪先まで真っ直ぐ伸ばして、明らかに快感を貪っていることがわかった。
そうして、時間が経つにつれて、下半身は触られてもいないのに汗でしっとりと濡れていて、それだけではなく股当のすぐ下の太ももの辺りから汗とは違う粘り気のある液体まで流れているように見えた。
念装厚膜があっても色が変わるくらい、太ももが濡れていた。
八雲の下半身は尚もくねくねと動き、まるで淫らなダンスを踊っているかのようだった。
度々足を蟹股にし、快感を下半身で逃がそうとするその無様な姿も、動画には映し出されていた。
「いい花に成長してきたね。嬉しいよ」
馬鹿にするでもなく、優し気な微笑みで下半身の動画を見るマーカス。
マーカスは法子や八雲を花と同じように扱っている。
まるでもっと成長してほしいと願って世話をする人のように。
だが、法子も八雲もそんなことは願っていない。
花になるだなんて、そんなこと考えたくもなかった。
そしてあまりのことに感情が追い付かない八雲。
見えないからと油断していた。
まさかこんな風に見せられるなんて……。
快感を必死に受け流していたことが丸わかりだ。
八雲はもうそんな映像を見たくはなかった。
早く動画が終わることをただただ祈るばかりだった。
プライドの高い八雲だからこそ、こんな無様な姿を見せられたくはなかった。
自ら求めるかのようなそんな腰の動きを、淫らにも広がる足を、八雲はそんなものを見たいなどと思えない。
それも自分の映像だ。
いやらしくも下半身を淫らに動かし、上半身は動かさずに表情もあまり変えない滑稽とも言えるその姿を見せられる。
身体の気持ち良さは下半身が動いていることで気持ちいいのだとすぐにわかるし、上半身の顔にもしっとりと汗が滲んでいる。
こんな自分の姿、見たくはない!
早く消してくれと、そう心の中で思っていた。
何度も、絶頂を迎え、足を無様にも開くその姿を、八雲は見たくない。
だが、見ないと言うことが出来ない。
マーカスが見えるようにと八雲の顔を無理矢理映像を映し出されている方へと向けているのだ。
目を閉じてしまおうにも、そんなことをしたらどうなるかわからない。
八雲は嫌がりながらも、映像を見続けるしかないのだ。
そうしている内に、肉体はもちろん、精神もずっとイキたがっていることがわかっていた。
映像からしてもそれは丸わかりだ。
精神的には言えないが、身体はイキたくて仕方がないと言った様子で、滲む額の汗がたらりと頬を伝って下に落ちていくのが見える。
そして淫気が周りに満ちていき、より八雲は淫らになっていく。
その姿も映像にはしっかりと映されていた。
だが、精神的に強い八雲は、何度イッても、マーカスを倒そうと言う意志だけはあるようで、口で何度も何度も、マーカスを貶める言葉を吐いていた。
それでも身体はびくびくと動き続けているのだが……。
映像を見せられた八雲は、吐き捨てるようにこう言った。
「こんなもの、見せたところで何も変わらない」
八雲は強がってそう言った。
本当のところはこんなものを見せられて、動揺してしまったし、さらには困惑と自分への怒りだってある。
また、求めてしまう自分の浅ましさに恥ずかしさだって覚えていた。
しかしそんなこと、マーカスはお見通しだった。
「そうかな? 随分熱中して見ているようだけれど。素直になればいいじゃない。本当はもっとしてほしいんでしょ?」
マーカスがそう言うと、八雲はキッとマーカスを睨みつける。
「そんなことは、ない……!」
八雲は必死にそう言って、胸が揺れるほど身体を動かして噛み殺そうとマーカスを睨み続ける。
その姿はまるでライオンのようだ。
強く、逞しく、立派な姿に見えなくもないだろう。
だが、そんなもの、マーカスには首輪をつけた猫くらいにしか思えない。
「ふうん。嘘はいけないね」
そう言って、八雲に映像を見せつけてくるマーカス。
イキながら足を思い切り蟹股にして足を強張らせる様子が映されている。
さらにがくがくと腰を動かし、下半身を動かす様子も映されていた。
「こんなになるまでイッているのに、それでも我慢するなんて、余程強い精神力の持ち主なんだね。でもこの映像を見る限り、それは無駄な努力だけれどさ」
そう言われた八雲は酷く恥ずかしかった。
自分の淫らな姿をそのまま見せられて、ましてやそれを無駄な努力と言われて……。
ああ、なんということだろう。
こんなやつに、敵に突かれてしまうような隙を見せてしまうだなんて……!
八雲の高いプライドが叩き落とされた瞬間だった。
映像は流れ続け、もう何分経っただろう。
びくんびくんと動く腰や足を、もう見たくなかった。
口だけは達者で、いろいろとマーカスに歯向かったり挑発したりとしていたが、だが、与えられる快感に、下半身は正直に動いてイキたいとその姿からそう言っていることがわかった。
八雲の精神の強さと、肉体の求めるものの違い……。
精神はまさに鋼の精神といったところで、今までの経験や高いプライドがそれを保っていたが、身体は度重なる淫らな行為に、淫らな刺激に完全にスイッチが入ってしまって、性的な快感を求めてしまうのだ。
そんな身体を鎮めようと八雲は何度も精神力でコントロールしようとしていた姿が映し出されるも、下半身が動いてしまうことに変わりはなく、いかに淫らな身体をしているのかを映し出していた。
それが八雲には十分にわかった。
だから、もうこんな映像を余計に見たくはなかった。
強い精神で跳ね返しているつもりだった。
戦っているつもりだった。
でも、だったらこの映像は何だ。
どう見ても自ら快感を貪っているではないか……!
精神はコントロール出来ていた。
でも、身体の方はコントロール出来ていないどころの話ではない。
自ら求めにいっているようなものではないか。
いやらしくも腰を突き出して、足を開き、爪先をぴんとさせて……。
これが求めていないというのは、無理な話だ。
こんなこと、あってはいけないことなのに……。
絶対に負けないと思っていたのに……。
そう思いながらも、映像に映る自分の下半身を見て、悔しさのあまり、ぎりりと奥歯を噛み締めた。
八雲の額から汗が滲み出て、それが目元の黒子を濡らす。
まるで涙のようだ。
そんな八雲をいいことに、マーカスはこんなことまで言い出す。
「法子のことを気にしていたね。言い忘れていたよ。彼女も同じように」
動画で同じ責めを受ける法子が映し出される。
口ではマーカスのことを挑発したり、反抗したりとしていたが、法子も八雲同様、身体と精神が大きく違っていた。
法子は八雲と同じく、下半身はびくんびくんと動かしながら、快感を逃がそうと必死に足を動かしていた。
八雲のことを喋るまいと必死にしているその姿も、八雲にはとても申し訳ないと思わせるものだった。
そして法子はイク時は足をぎゅっと締めて、足の指を開いて閉じる。
口では軽口を叩いていたが、法子も八雲同様、下半身は快感に打ち震えていた。
こんなことをしても無駄だと言いながら、下半身は正直にその快感を受けて気持ちよさそうにもじもじと動いている。
簡単には落とされない法子のプライドも、徐々に肉体の淫らさに呑み込まれていく。
マーカスのその責め苦にいよいよ法子は耐えられなくなってきていたのだ。
それだけ法子も八雲同様、口だけは達者で、でも快感には弱いことが丸わかりだった。
その様子は下半身の映像だけでもわかる。
また、音が録音されていることもあり、何を言っているかも、喘いでいるかもわかる。
法子は何かを心の支えに、必死にその責め苦に耐えていることがわかった。
その支えが何かなのかは八雲にはわからなかた。
法子のその強い精神力を支えているものがまさか自分だとは思いもしないだろう。
しかし、八雲はそんないじらしい法子を見て、より不安になっていた。
こんなに辛い目に遭っている法子を助けられないと……。
今だって、拘束されて敵のマーカスに攻撃を与えることも出来なければここから抜け出すことさえ出来ないのだから。
映像の法子はそれでも必死に耐える。
その度に聞こえるマーカスからの質問……。
それは八雲の情報を求めるものだった。
まさか、法子は私のためにこんなに辛い目に遭っていたのか? そう思うと、八雲は目の前が真っ暗になっていくのを感じた。
自分のせいでこんな目に遭わせてしまった。
……法子、どうか無事でいて。
八雲はそう思いながら、責められる法子の映像を見ていた。
映像の中の法子はもう限界を突破してしまっていて、連続して足が痙攣しているのがわかる。
こんなにも快楽責めをされてしまっては、拘束されてしまっているならば、もう逃げられないのだとすれば、なんと残酷なことだろう。
そして八雲は思う。
法子は耐えられるだけ耐えたのだと。
だが、この淫魔の方が一枚上手だった。
新たな能力がそうさせたのだろう。
映像は法子がイクところを映し出している。
それでも何度も必死に戦おうとするその姿が涙ぐましい。
「結構我慢強いところも君達は似ているよね。見えない下半身で快感を逃がそうとしているところもさ」
映し出されている法子のその姿は淫らとしか言いようがないほど、もじもじと膝を擦り合わせて必死に耐えていることがわかった。
次第に犯されていく精神と、身体の快感……。
それが見て取るようわかる。
そしてイクときの二人の違い、同じところ、癖を楽しそうにマーカスは話す。
「君はイクときに足を開き、法子は足をぎゅっと締めて、足指は開いて閉じるんだよね。結構似ているよね。開いているか閉じているかの違いだけで、足はしっかり動かしているんだからさ」
そんなことをさも楽しそうに話すマーカス。
法子の映像を八雲に見せながら、八雲に「ほら、ここの足の動きなんて君達そっくり。さっきの君の映像見せてあげたでしょ? 凄く似ていると思わない? やっぱり法子は君を尊敬しているだけあって、君とそっくりだ。我慢強いところもね。でもそんなの無駄だけどさ」
そう言いながら、映像を止めようともしないマーカスに八雲は腹を立てた。
そして八雲は思い切り睨む。
「っろす」
「ん?」
「お前は必ず殺すっ、殺すっ!!」
八雲は鋭い視線でマーカスを睨みながらそう言い放つ。
こんな映像、撮られていただなんてと思うと同時に、怒りが湧いて来るのだ。
必死に繋ぎ止めていた精神、しかし身体は正直に動いてしまっているという事実。
それが八雲には強く、酷く感じられた。
八雲の言葉はさらに続く
「ただじゃ殺さない。細切れにして、この世に顕現したことを絶対に後悔させてやるっ!」
噛みつかんばかりの感情剥き出しの言葉を、心地よさそうに聴きながら、新しい能力である淫気を出す大きな淫花を部屋に置く。
能力がない者でも目に見えるほど濃厚な淫気があっと言う間に部屋中に立ち込めていく。
「殺すっ!」
そう言いながらも、拘束を解くことすら出来ないでいる。
マーカスは滑稽だなとさえ思った。
どうやって殺すと言うのだろう。
捕らわれの身で、さらに念装厚膜だってもうすぐ溶けてしまうだろうに。
「殺してやる!」
そう言う八雲に、マーカスは嘲笑った。
「君が僕を殺す? そんな拘束も解けないというのに? 面白い。やってみてよ」
そう話すマーカス。
その間にも八雲の残った念装厚膜がみるみる内に溶けていく。
直に淫気が肌から吸収され、呼吸でも吸ってしまう。
「植物はね、水やりとは別に、葉水をすることで、きれいで元気な葉っぱになるんだよ。花だけ美しくてもダメで、それを彩る葉の方も美しくないとね」
そんなことを言うマーカスの言葉など耳に入らないのか、八雲は大きな声で叫ぶ。
「ただじゃ殺さないっ! ゆっくりいたぶって、前よりも残酷に殺してやる!」
声を張り上げ、必死に八雲はマーカスを眼で射て殺さんと思い切り睨む。
「私の分だけじゃない! 法子の分も倍以上に苦しみを与えて殺してやる!」
絶対に負けない。
その意志のみが今の八雲を支えていた。
マーカスへの復讐心があるからこそ、八雲は自分の意識を保っていられた。
「絶対に殺してやる!」
何度もそう言いながら、拘束されている手や足を出来る限り動かして、外れないかも試してみたが、どうやら拘束は外せないとわかると、余分な体力を使う必要はないと、口でより多くマーカスを貶める言葉を吐いた。
「絶対に、酷い目に遭わせてやる! 法子の分も、私の分も、持てる力の全てを使ってお前を倒してやる!」
マーカスはそれを心地よさそうに聴く。
「良い声だ。最高の花が見られそうで今からドキドキだよ。今は蕾だけど、どんな花かな?」
「マーカス、お前だけは許さない! 決して、許さない! 次に会った時、それがお前の命日だ!」
そしてしばらくして八雲の声にならない声を聴き、最高の淫花を想像しながら、マーカスは立ち去った。
これはbc8c3zがあらすじ・設定を作り、それを元に根本鈴子先生に書いてもらった綾守竜樹先生著・魔斬姫伝の2次創作です。
綾守竜樹先生のファンの方に読んでいただければ、それに勝る喜びはありません。
一瞬でも先生がいなくなったことの皆さんの孔を埋めれれば幸いです。
感想があれば励みになりますのでお書きください。
またアンケートだけでもいただけたら今後の参考になりますので入れてください。
綾守竜樹ファンサイト(更新もこちらが早いです)も作りましたのでそちらもご覧いただければ幸いです。
https://ben1986.sakura.ne.jp/ben1986.sakura.ne.jp/
よろしくお願いします。