翌日。
ダイヤは練習へと集中出来ずにいた。
その事を心配されてみんなから声をかけられるも、ダイヤはただ『大丈夫』と答えるばかり。
自慰を終えて眠りについた後、ダイヤはルビィが声をかけるまでグッスリと眠っていた。
すんでのところで部屋に入ろうとするルビィを留め、何とか言い訳をしながらも酷い有様となった部屋を見られずにすんでいる。
「(いけまけんわ。
自身で頰を軽く叩き、気を引き締める。
昨日あった出来事は誰に相談できるはずもなく。
練習の際に何度も優を、それも下半身をチラチラと見ていた。
そして覗き見をした後に自分のした行為を思い出し、足を内股にして擦り合わせている。
「ダイヤ。無理して体壊す方が問題だから、早めに言ってね」
「え、えぇ……。分かりましたわ」
優から心配の言葉とともに飲み物を受け取ったダイヤは視線を合わせることが出来ないでいた。
つい最近、ダイヤは優から"さん"付けと敬語をやめて話すようになったばかりであったが、少しばかりタイミングが悪かった。
昨日まで、それも覗き見をする前までは特別意識をすることも無かったはずなのに、性を意識してしまった。
まだ暑さも続き、うっすらかいている汗の匂いさえも今のダイヤにとっては過敏に反応してしまう。
下半身が熱を持ち、汗ではないもので下着が濡れていくのを感じつつもそれを顔に出すことなく受け答えをしていく。
たまに心配の声をかけられながらも今日の練習を終えたダイヤは着替える前に一人、トイレへと向かった。
「…………今度からは下着の替えを持ってくるべきでしょうか」
ダイヤがここに来た目的は用を足すのは勿論のこと、下着の確認をするためでもあった。
汗ではないものを存分に吸った下着はそこそこの重みを感じさせる。
その事実にダイヤはため息をつきながらも履かないで帰るという選択肢は選びたくないため、眉をひそめながら濡れたものを再び身につけ。
「…………っ」
用を流そうとした時、トイレに人が入ってきたため思わず動きを止めてしまう。
普段ならば誰が入ってこようが気にせずに流し、トイレを出て手を洗ったりするところなのだが、来た人がまずかった。
「ルビィ、ここじゃまずいって」
「優さんが早くしてくれたら大丈夫ですよっ」
ダイヤは身じろぎひとつせずに耳を澄ませ。
ドアが閉まる音からしてルビィと優は入口から一番近いところに入ったのだろうことは何となく分かった。
一番奥の個室にダイヤは入っており、幸か不幸か二人には気付かれていないようであったと胸をなで下ろす。
「やんっ。優さんだって大きくしてるじゃないですか」
「そりゃ密着して胸を当てられたり、擦られたら誰でもこうなるって」
少し距離はあるが声を潜めるわけでもなく話しているため、二人の会話はダイヤの耳に届いていた。
そこから二人がどのような事をしているのか想像し、ルビィが自分よりもずっと知識や経験がある事にショックを受ける。
「(──って、そうじゃありませんわ! こ、このようなところで何を始めようというのです!)」
胸の内ではそのような事を思いながらも、用を流して音を立てれば良いだけの事が出来ずにいた。
ダイヤの身体は何かを期待するかのように熱を持ち、意識は二人の会話へと集中する。
「僕も多少なり汗かいてるから……」
「ルビィ、優さんの汗の匂いでこんなになっちゃいました」
そこで二人の声が聞こえなくなり、トイレの中に
「んっ……んんっ」
「ぁっ、んっ……ゃっ、指……」
が、くぐもった声とともに水音がダイヤの耳へ微かに届く。
知識のあまりないダイヤであったが、指という単語と水音からルビィ、もしくは優がアソコを弄っているということだけは分かり。
「(こ、こんな場所でなんて……)」
そう思いながらもダイヤは音を立てないよう息を潜め、気持ちを昂ぶらせていた。
身体は熱を持ち、ヘソの下あたりへ手を当てる。
「ゆ、優さんっ、ルビィに挿れて下さいっ」
「ゴム、カバンの中だから今は」
「あ、あのね、ルビィ、最近ピル飲み始めたから、生でも平気だよ?」
「(ルビィ?!)」
ルビィ最近飲み始めたと言うピルにはダイヤも心当たりがあった。
スクールアイドルは運動部に負けないぐらい激しく体を動かすため。体の負荷を少しでも抑えるようにと二人で病院に行き、処方してもらったのだ。
ダイヤとルビィはどちらかと言えば重いほうではなく、期間中は練習を控えれば十分だとダイヤは思っていたが、念のためとルビィに説得され。
その時は真剣にスクールアイドルへと向き合っている純粋無垢な妹とばかりに思っていたが……。
「立ったまま、後ろからして下さいっ」
「自分から拡げておねだりだなんて」
「優さんのせいで──やっ、いきなりっ」
ルビィの艶かしい声、肌と肌のぶつかり合う音が響き渡る。
壁を隔てているためその姿は見えないが、ダイヤの脳裏に昨日の光景が再び思い返されていた。
「(だ、ダメですわ。こんなところでなんて)」
意思とは反対にダイヤは履いたものをもう一度足首まで下ろし、足を肩幅くらいに開いていた。
下着にはダイヤの股の間と繋がる糸が一つ。
それの糸が切れる瞬間を目撃したダイヤはカーッと顔が赤くなるのを自覚するが、その口から漏れる息は熱く。
「んっ……」
割れ目をなぞるだけで少なくない快感を得るほどに興奮していた。
このままでは漏れ出る声で二人にバレると思ったダイヤはポケットからハンカチを取り出し、口に加える。
これで多少は抑えられるだろうといった考えだが、自慰をやめるという発想は片隅にも無かった。
昨日が初めてであったというのに、少しだけ慣れた手つきでアソコを弄り、穴へと人差し指を入れていく。
そして聞こえてくる音に合わせて指を動かし、擬似的に優と行為を行っている妄想をして。
「優っ、さんっ……そのまま、中でっ」
「中に出すよっ」
「(いけませんわっ。中に出すだなんて!)」
「出るっ」
「ルビィもイっちゃう!」
「──ぃっ」
ダイヤは優とルビィの行為が終わるのとほぼ同時に絶頂を迎えた。
ついぞ最後まで二人を止めなかったダイヤは潮こそ吹かなかったがビクビクっと身体は震え、ハンカチを咥えたまま空いていた手で口を押さえている。
膣が締まり、指にまとわりついて得た快感でまた軽くイったダイヤは微かに認識している現状から、音を立てまいと倒れないように力を込める。
だが、力を込めたことによって指を入れたままの膣はさらに締まり。
「──っ」
身体を仰け反らせ、勢いで抜けた指のせいにより漏れ出そうな声をなんとか抑え込む。
そんな自滅しそうになっているダイヤをよそに、簡単な後始末を終えた優とルビィはトイレを後にする。
再び一人となって静かになったトイレ。
訪れた安心によって力が抜け、ダイヤは膝を床につける。
汚い、なんて考える余裕もなく、頭の中にあるのは得た快楽と二人にバレなかった安堵、学校のトイレで自慰を行ったという後悔と背徳。
自分も早く後始末をして着替えに向かわなければ。
そう考えて動き出したダイヤの口は笑みを浮かべていた。
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