※この作品はR-18です。

鉄の空   作:伊土 讃阿

18 / 34
第二部
第六天魔法 1


 

 

/鉄の空

/第二部 第六天

/第六天魔法

/underneath the sky of iron

 

 

 

 猟杖を振るう。青銅角の首が飛ぶ。細菌だらけの地面を転がる。切断面から蒼い血と菫外線がこぼれる。

 回路を励起。燃え上がる。凍てつく鉄の荒野が照らしだされる。

 大上段に猟斧を構えた鉄角が迫る。回路を励起。火球を投げて牽制。一気に距離を詰めて腹を裂く。蒼い血と菫外線がこぼれる。

 回路を励起。燃え上がる。血溜まりが照らしだされる。

 背後からふたり。長い猟杖を振りかぶっている。腕を引く。やや反応が遅れた。ふたりのほうが早い。

 短槍が飛来する。ふたりが勘付く。足を止める。

 さらなる短槍が飛来する。ふたりが躱す。攻勢を崩す。無防備になる。リベットの投げ槍による巧みな誘導――頼もしい援護。

 踏み込む。ふたりの首を跳ねる。蒼い血と菫外線がこぼれる。

 回路を励起。燃え上がる。骸が照らしだされる。

 左方からも押し寄せてくる。ファークラスの巨躯が立ちふさがる。白刃で薙ぐ。目にもとまらぬ早業。三人が一遍に鎧ごと両断される――惚れ惚れする膂力と太刀筋。

 取りこぼした者にはエルギンの鎖が絡みつく。時計仕掛けで締め上げる。岩壁に吊るす。叩きつける。粉砕する。捩じ切る。血しぶきが降り注ぐ――無慈悲なからくり。

 猟長然とした鋼角に肉薄する。鋼角が双対の猟杖を抜く。顔は強張っている。

 切りかかってくる。捌く。遅い。剥き出しの角を気にしている。

 捌き切る。押し切る。詰めの一閃を振りかぶる。

 鋼角がしめたという顔になる。無防備になった顎下から三本目の猟杖が迫る――拡張肢型回路。

 回路を励起。鼻先を焦がす。目を眩ます。火浣布の外套がはためく。

 鋼角の猟杖が逸れる。頬と腕を引き裂かれる。猟杖を振り抜いて鋼角の喉を裂く。

 回路を励起。燃え上がる。鋼角の死相が照らしだされる。

 防壁の階段を登る。掲げられた真紅の旗をへし折る。回路を励起。燃やす。

 辺りを見渡す。手が震えている。息を整える。甘い血の匂いが立ち込めている。

 砦は死屍累々、肉の山――すべて組合の角ありどもの死体。残りは悲鳴を上げて敗走状態。

「肝が冷えたよ、猟長」リベットが寄ってくる。「おたくの魔法は目立つんだから、もっと警戒してくれないと」抗菌飴を吐き出す。角巻を締め直す。額の第三眼をぎょろつかせている。周囲を警戒している。

「助かりました」猟杖を振る。血糊を落とす。鞘に収める。微笑む。「副長が優秀すぎると、どうにも背後が疎かになってしまうのです」

 リベットのにたにた笑い。「まったく、うまいんだから」

「制圧完了……ですね。不自然に守りが薄い気がしましたが」

 任務――組合の砦の奇襲と制圧。

 懇意にしている遊牧民からの密告だった。調べてみると、どうやら組合の新しい観測拠点らしかった。塔からも近いので、潰しておくよう管理室から指令が来た。

 ありふれた任務。新任の猟長にはちょうどよい任務。

 リベットが白い息を吐く。「施設自体は完成してしばらく経つみたいだし、ここらの陽輪は小ぶりで遠いからね。見つからないと高をくくってたんだろ。連中、あの様子じゃ、もう戻って来ないだろうな――隠れてるヘルマを呼んでくるかい」

「いえ、死体を片付けてからにしましょう。ヘルマが嫌がります」

「ヘルマはもっと別のことが気になると思うけどな……ま、相変わらず、お熱いこって、猟長さま?」意味ありげな視線。

 背中がこそばゆくなる。「私情を挟んでいるつもりはありませんよ」やや不満げになってみせる。

 リベットは肩をすくめる。「あっちはどう思ってんだか」

 

 

 

「猟長さま!」角なしがぱたぱた駆け寄ってくる。血相を変えている。

 白金の耳飾りが瞬いている。おさげにした甘い褐色の頭髪、おなじ色のジルコンの瞳、豊満な肉付き。ヘルマ――猟隊付世話係。

「まァ! こんなに血が! どこかお怪我を!?」

「返り血ですよ」嘘を吐く。満月が近いので、傷は勝手に塞がっている。

 リベットが目配せしてくる。不満げな視線で返す。

 リベットがうそぶく。「あー、さっき敵に切られた腕が痛むなァ……?」

「唾でもつけとけば治りますよ」すげないヘルマ。

「ひっどいなァ」リベットが片目をつむってくる。ますます不満げな視線で返す。

 砦の検分に取り掛かった。途端にファークラスが空腹を訴えた。

 検分はほかの三人に任せて、ヘルマとともに炊事に取り掛かる。手が震えている。

 砦にあった香辛料を拝借する。豆と羊肉の煮込みをつくる。ヘルマに味見してもらう。

「むむ……ッ、これはもう、免許皆伝と言わざるを得ないですね」声を弾ませてはいるが、どこか寂しげ。「生徒があまりに優秀すぎて、おねえさんはこれっぽっちもやりがいがなかったですよ?」

「先生の教え方が、あまりに上手すぎたからですよ」

 褒めるなり、ヘルマが誇らしげにえへんと豊かな胸を張る。おかしくなって一緒に笑う。

 砦の検分が終わる。調理も終わる。五人で火を囲む。食事にする。報告を聞く。

 乳酒を乾したリベット――ほろよい。「糧秣はたんまりあった。施設の機能も整ってるし、ただの観測拠点にしては資材をつぎ込みすぎだね」三杯目の乳酒を注ぐ。

 榾火の灯りが凛々しい顔立ちに影をつくったり消したりしている。がっちりした長身。灰色の髪、鋭い鉄のデンドライト、冴えたラピスラズリの双眸。

 聡明そうな秀でた額にある拡張眼型回路は閉じている。塔一の麗人であり、その美貌以上に、未成月ながらも槍の達人として名を馳せていた。

 代々続く猟民の大血族の末っ子。猟隊のなかでは一番付き合いが長く、気の置けない二〇ばかり月上の幼馴染。全幅の信頼を置く副猟長。

「いよいよ攻め込んでくるつもりだったのかもしれんな」ひたすら羊肉をぱくつくファークラス――味わう趣なし。「優に一〇個猟隊は駐屯できる規模だ」

 巌のような古傷だらけの巨体、老体。短い白髪、熔けかけた銅のデンドライト、右半顔は火傷で爛れた瘢痕、左半顔にはガーネットの虹彩のぎらつき。

 この猟隊の前猟長。月老いてなお、最前線で猟杖を握る生ける伝説。若りし頃の異名――死なずの剣姫。

 剣術の師匠でもあった。幼少のみぎりには、リベットとともに毎周血を吐くまでしごかれた。猟民の極意を叩き込まれた――おかげで史上最月少の猟長と副猟長に。

 羊骨を噛みつつ時計をいじくるエルギン――自信満々。「ふん! さっきのような腑抜けた連中なら、エルにかかれば何十個来ようが楽勝だ!」

 頭の両脇で結った赤みがかった細い金髪、短い真鍮のデンドライト、鮮やかなペリドットの瞳。

 ヘルマとは月が近く成月している割にこどものように可憐で、猟民らしからぬ痩せぎす。甲冑も装着していない――実際に猟民単体としての能力はありえないほど低いが、からくりの天才ゆえに知遇を得ていた。

 塔に永劫の繁栄を約束する鏡塔を開発した時計室室長サニーの嫡子であり、回路の一部としての猟杖の優れた打ち手でもある。

 自分が使っている、火の回路に適したこの猟杖を打ったのもエルギンだった。

 燃料である体液の通り道として無数の微細孔を有しているため、体積のほとんどが空気であり、異様に軽いが非常に鋭利。

 熱せば触媒としても活性化し微細構造がもたらす莫大なまでの表面積で激しく酸素交換するため、ひとたび火を灯せばますます燃える刀身――その設計思想は、ひとつの対象を運動量で断ち切るのではなく、より多くの対象を熱量で焼き切ること。

 エルギン以外、ほかの誰にも打ちえない至上の逸品。

 リベットのにたにた笑い。「へェ? じゃァ、エル姉に全部任せてあたしは見学してようかなァ」

「なぁッ!? それが副長の言うことかッ!?」

「エル姉強いからなァ、あたしの仕事なくなっちゃうなァ。さすが天才だなァ、惚れちゃうなァ」

「――ッ! しょッ、しょーがないやつだなッ!」赤くなるエルギン――まんざらでもなさそう。

 ヘルマが傍でくすくす笑う。「ふふっ、あのふたり、さっさとくっついちゃえばいいのに」リベットとエルギンには聞こえない声で言う。

「リベットは、あれで意外と奥手ですからね」手が震えている。食器が音を立てる。

「冗談でしょう? リベットさま、経験豊富でわりと遊んでそうですよ?」

「あちこちで頻繁に言い寄られてはいますが、一度も応じたことはないのですよ。実際、まだ純潔なのだとか」

 感心した風に。「昔からエルギンさまを狙ってるなァとは思ってましたけど……はァ、見かけによらず一途なんですねェ」

「当のエルギンさんが何分鈍感ですので、まだしばらくは報われそうにありませんがね」ふたりしてこそこそと笑いあう。

 大鍋いっぱいだった煮込みをすっかり平らげたファークラスが立ち上がる。

 リベットが問う。「ファー婆、どこ行くんだい」

「寝る。貴様らも早く休め」

「まだいいじゃないか、もう任務は終わったぞッ!」むっとするエルギン。

「この拠点は要所だ。早々に帰還して報告し、工作隊をよこしてもらわねばならん」

 全面的に同意する。「お師匠さまのおっしゃる通りです。エルさん、罠は――」

「抜かりないぞッ」

 懐中時計の針を読む。「ありがとうございます。では、五時間後に出発しましょう」

 

 

 

 

 

 

 湯浴みする。抗菌乳液を塗る。鼻孔の奥に、まだ血の匂いが残っている。くらくらする。

 香水をつける――甘ったるい匂い。シャンディからの贈り物。

 服を着て、砦内を逍遥する。構造を把握しておく。火照りを冷ます。手が震えている。

 リベットの間延びした声――絡み酒。「なァー、エル姉ェ、もっとお話しようよォー」エルギンにあてがわれた部屋から聞こえてくる。

「うわッ!? ばか、くっつくなッ! って、酒くさッ! おい、いい加減にしろ! もう寝ろって言われただろッ!」

「いーじゃーん、エル姉と一緒にいたいんだもーん」

「こらッ! もうッ! おまえは、ほんとにどうしようもない――甘えんぼう、なんだから……しょーがないやつだ……よしよし、頭撫でててやるから、早く、寝ろ?」初めて耳にする、月相応に優しげで慈愛に満ちたエルギンの声音。「って、おいッ! おまえッ、どこ触って――」

 心臓が張り裂けそうになる。身体が火照る。部屋のすぐ外で息をひそめる。耳をそばだてる。

「なァ……エル姉、いいだろ?」

「い、いいって、なにが」

「そんなにされたら、あたし――、もう我慢できないよ……?」

「おッ、おまえ、ほんとに酔って……あッ! やだッ、そんな、とこ……ッ! すッ、好き同士じゃなきゃッ、そんなやらしーことッ、しちゃ、いけないんだぞッ!」

「好きだよ」

「え……」

「あたし、本気で、エル姉のこと、好きだよ……? だから、いいだろ……?」

「ぴゃあッ!? やッ、やめろッ! エ、エルだって、おまえのことは――す、好きだけど! こんな――こんなッ、酔っぱらってるときとか、やだァッ! んひィッ!? そッ、そこは、だめ……ッ!」

「エル姉……かわいいよ」

「みッ、耳元で、そんなこと言うなぁ……――あッ! あんッ!」

 突然背中を突っつかれる。飛び上がりそうになる。しかめっ面のヘルマがいる。

 手を引かれて自分の部屋に連れ込まれる。寝台に座らされる。

 ヘルマが頬を膨らます。「なにをなさってたんですか?」

「なんだか心配になってしまって」言いつくろう。「ふたりとも、わたしにとっては大切な、姉のような存在ですから」汗が背筋を滑り落ちる。熱い。ぼうっとする。香辛料を効かせすぎたか。

「ふたりの問題なんですから、盗み聞きは、めっ、ですよ! それに――」向かい合う体勢で、ヘルマが膝の上に載ってくる。

 しっとりした体温が伝わってくる。石鹸の匂いが香る。

 髪に指を絡められる。妖艶に笑んでいる。赤い舌が覗いている。どきりとする。

「もうひとりのおねえさんのことは、心配じゃないんですか?」

 衝動的に唇を重ねる。熱い。湿っている。生温かい舌を挿し込まれる。抗菌飴の甘味。情熱的に舌を絡め合う。口を離す。糸を引く。

 ヘルマがささめく。「もう、すぐそうやって、くちづけで誤魔化そうとするんだから」ジルコンの虹彩が濡れている。「いけない猟長さまですこと」下唇に指を這わせてくる。

 むずむずする。「その……ヘルマにそう呼ばれるのは、なんだか気恥ずかしいです」

 嗜虐的な微笑。「ならもっと慣れてもらいませんと。この先、ずっとそう呼ばれるんですから」

 頭を撫でられる。髪を梳かれる。ぞくぞくする。押し倒される。すんすん鼻を鳴らしている。服をはだけさせられる。やたらすんすん鼻を鳴らしている。

「ん……どうかしましたか?」ひやりとする。血は完全に落としたはず。

 くすくす笑い。「あら、とぼけちゃって」

「……臭い、ますか」

「匂いますよ、そりゃァもう、いっつもいっつも、ぷんぷんと――甘ァい、おいしそうな匂いが……♥ この匂い、嗅いでると……♥ 身体の芯が、うずうず♥ じんじんして♥ おねえさんは、たまんなくなっちゃいます……♥」

「そういう、つもりでは」

「嘘おっしゃいな……♥ こんなの、襲ってと言ってるようなもんじゃないですか……♥ 月下のくせに、おねえさんを誘惑して……悪い子なんだから♥ これは、きっつーいおしおきを、しないといけませんね……♥」ヘルマが舌なめずりする。ぞくぞくする。

 ヘルマが服を脱ぐ。よく実った乳房がまろび出る。

 全身にくちづけてくる。乳頭や、指や、関節や、突起物を口に含んで舐めまわしてくる。汗ばんだ肌をぺっとり貼り付けてくる。情欲を呼び覚まされる。かきたてられる。

 股間をまさぐられる。割礼した陽根を引きずり出される。満月が近いのと、ヘルマの愛撫で、それは熱くいきり立っている。

 静脈が透けて見えるほど白い乳房で、剛直を挟み込んでくる。しっとりしたはだえが吸い付いてくる。

 あまりの柔らかさと、ヘルマの体温に、吐息がこぼれる。早い鼓動がとくとくと伝わってくる。こちらの心臓まで高鳴る。

「……すみません、あんまり、もたないと、思います」

 悪戯っぽく。「だァめ……♥ これは、おしおき、なんですから……♥ おねえさんがいいっていうまで、我慢、ですよ……♥」

 ヘルマが乳房を揺すりはじめる。ゆっくり、ゆっくり、みっちり、ふわふわと。

 腰がとろけそうになる。火照りっぱなしで、昂ぶった身にはこたえる。

 先走りの汁が分泌されはじめる。乳房にこぼれて、肉茎に絡みつく。滑りがよくなる。腰はとろけきっている。

「ぅ……もう、でてしまいそう、です……」

「えェ……♥ いくらなんでも、はやすぎ、ですよ……♥ 猟長さま、ほんとに、おねえさんのおっぱい、好きですね……♥ 普段は、頼りがいがあるのに、こっちはだらしなくて、かーわい……♥」褐色の瞳が、妖しく光っている。「しょうがないですね、次は、頑張ってくださいね……♥ はい、ぎゅぅーっ♥」

 思いっきり圧迫される。熱が一気に押し寄せる。ヘルマの柔肉に包まれたまま達する。胸のなかにぶちまける。肌を汚しまくる。

 だらしない顔を見つめられている。視線を逸らす。笑われる。陽根が乳房から解放される。

「ふふっ、たくさん、出しましたね……♥ もう、落ち着きましたか……?」手を握られる。

 手の震えは収まっている。「……ありがとう、ございます」

 ヘルマが愛おしげに微笑む。熱くなる。

 シシを狩るのは辛い。いつまで経っても慣れない。おぞましい。震えが止まらなくなる。こころが千切れそうになる。

 リベットとエルギンには隠し通せている。ファークラスはおそらく気づいている。

 猟長さまは優しいおひとですからと、ヘルマは言う。

「お清めしますね……あむっ♥」肉柱をくわえこまれる。達したばかりで敏感なまま、熱すぎる唾液を含んだ熱すぎる粘膜に包まれる。溶かされる。

 思わず声が出る。「う、あ……」

 ヘルマが愛おしげに潤んだ目を細める。ますますくわえこんでくる。内頬と舌でくすぐるようにして精液を拭い取られる。尿道に残っていた分まで吸い上げられる。

「ん……ちゅるっ♥ ずずず……っ♥ んむ……っ♥」

 ヘルマが頭を前後に振りはじめる。厚ぼったい唇でしごきあげながら、吸引される。陽根が硬度を取り戻していく。

 すぐにまた、熱が込みあげてくる。おかしい。満月が近いことを差し引いても、異様に早い――身体が尋常ではなく火照っている。

 限界を見透かしたように、ヘルマが口を離す。もどかしさに身もだえする。

 ヘルマが唇を舐める。「また、イキそうになりましたね……♥」唾液が顎を伝っている。

「……狩りの昂ぶりが、まだ抜けきってないのかもしれません」

「じゃァ、落ち着くまで、こっちであやしてあげます……♥」

 ヘルマが下着を脱ぐ。また上に乗られる。陽根にぬかるんだ陰唇を押し付けられる。べとべとになる。

「ヘ、ヘルマ、待っ、っく、ぅう」制止の言葉と剛直が膣に飲み込まれる。熟し切った肉襞が蠕動している。「避妊具は――」

 唇に人差し指を押し当ててくる。「がんばった猟長さまに……ごほうびおまんこです……♥」尻を揺すりはじめる。官能的な肢体が腰の上で踊る。

「ぅ……、ヘルマの、なか、熱くて、とろとろ、すぎです」

「ふふっ♥ 愛情たっぷりの、猟長さま専用おまんこですもん……♥」

 初めて以来の生の感触――極上の心地。

 初体験を思い出す――初潮を迎えたときだった。

 当時から世話係だったヘルマに、すべてを委ねた。手で、口で、胸で、膣で、ヘルマが滾りを鎮めてくれた。それ以来、満月の処理はヘルマがしてくれた。それ以外のときも。

 陰唇と下腹部がべっとり密着する。ヘルマに陰毛を剃ることを強要されていた。ヘルマ自身も陰毛を剃っていた。曰く、「趣味じゃないですけど、剃らないと菌が湧いて、不潔ですから。趣味じゃないですけど!」

「っく、……ふっ」奥歯を噛みしめる。油断すれば一瞬で漏らしてしまいそう。「なんだか、いつも以上に、積極的、ですね」会話で気を紛らわせようとする。

「もうすぐ、新月みたいですから……♥」

 ヘルマが己の下腹部を撫ぜる。粘膜がきゅんきゅん締め付けてくる。胤をねだる動き。

「お腹が、猟長さまの子種、ほしいよ、ほしいよーって、言ってるんです……♥」

 射精欲が急速に膨れ上がる。柔らかく、艶やかな、精を迎えるための造詣をした、妊孕性の高さをうかがわせるこの身体に、胤をつけたくてたまらなくなる。精魔法の準備をする。

 ヘルマが耳朶を甘噛みしてくる。「……ね、猟長さまァ……、魔法、使っちゃやーですよ……?♥」耳に甘えるような鼻息がかかる。

 息を呑む。「……っ!? なぜ――」

「おねえさん、ほんとにほしいなって、思ってるんです……♥ 猟長さまの、赤ちゃん……産ませてくれませんか……?♥」

「……っ、しかし、わたしの、血は――」

「だいじょうぶ、ですよ……♥ なーんにも、心配しなくて、いいんですよ……♥ 猟長さまは、おねえさんで気持ちよくなってくれれば、それだけでいいんです……♥ あとのことは、おねえさんがなんとかしますから……♥ だから、おねえさんにも、ごほうび、ちょうだい……?♥」まるで――まるで、これが最後とでも言わんばかりに。

「し、しかし、出先、ですし、危険、です……」

 胎に子を宿せば子宮が塞がる。月が機能しなくなる。魔法が制御できなる。名魔法ですら遅延が見られる。

 当然高度な精魔法は機能しない。細菌にでも犯されればひとたまりもない。

「猟長さまが守ってくださるんでしょ……♥ おねえさんは、もう、猟長さまのものなんですから……♥」

「は……っ、は……っ、は……っ」

 くらくらする。ヘルマのなかにすべてを解き放つことだけしか考えられなくなる。孕ませたくてたまらなくなる。

「いいんですよ、我慢なんか、しなくたって……♥ 無責任に、どぱどぱーって、出しちゃって……♥ おねえさんが、ぜーんぶ、受け止めてあげますから……ね♥」淫靡すぎる誘惑。

 覆いかぶさってくる。自分とヘルマ、四つの乳房が柔さに潰れる。冷気で尖りきった乳首が擦れあう。

 顔を寄せられる。下唇をかじられる。甘ったるく接吻される。

 膣が蠢き、陽根が奥へ奥へといざなわれる。子宮が下りてくる。先端に子宮口がべっとりと張り付く。暴発する。噴出する。

「くぁっ、っふ――ッ!」

「んんっ♥ ふふっ♥ そうそう、じょうずじょうず♥ びゅくびゅくって♥ びゅるびゅるって♥ たーっくさん、おねえさんでお漏らししてくださいね……♥」

 頭を撫でられる。甘やかされる。膣で絞り上げられる。意識が白む。多幸感に目が眩む。

 もっとも無防備で、幸福な瞬間へ導かれる。出しまくる。止まりそうにない。

「は――っ、っくぅっ、すみ、ませ、まだ、でます――っ!」

「ふふっ♥ 生だからでしょうか、いつもより、ながぁいですね……♥♥」

 ようやく射精が治まる。放心したまま、慈しみ、労わるようなくちづけを受ける。

 ヘルマが上体を起こす。腰を前後に振りはじめる。屹立したままの肉柱が、ヘルマの腹のなかでもみくちゃにされる。交尾が続行する。

「ふっ、う……、まだ、するんですか」

「胤がつくまでは、出してくださらないと……♥」嫣然と見下ろしながら。「ふふっ♥♥ 猟民なんですから、これぐらいで音を上げないでくださいね……?♥ まだまだ、休ませてあげませんよぉー……?♥」

 ぞくぞくする。

 

 

 

 本能に従う――本能に翻弄される。

 ひたすらまぐわい続ける。

「あああぁあァーっ♥ はああぁぁァーっ♥♥ っくっふぅう♥♥ っく♥ いっく♥ イッく♥♥ ――ッ♥♥♥ ――ッ♥♥♥ ――ッ♥♥♥」

 ヘルマの白い背中ががくがく痙攣する。大きめの尻がぶるぶる震える。陽根がぎゅうぎゅう圧搾される。

 充足感のある手ごたえ。都合、二〇度目。

 ひくつきっぱなしの膣を穿つ。四つん這いになったヘルマが寝具を掻きむしって悶絶する。

「んっひぃぃいいいィッ♥♥ まっ♥ まだするんっ、ですかぁあぁっ♥♥ もおっ♥♥ もお、やすませっ♥ もおぉおむりですうぅ♥♥」

 ヘルマの全身が紅潮している。それが、ますます情欲を誘う。孕ませたくてたまらなくなる。

「胤が、つくまで、やるって、言ったのは、ヘルマでは、ありませんか」最奥を小突き続ける。次から次へとふたり分の体液が噴き出してくる。

 寝台も床も水浸しになっている。部屋には性交の匂いが充満している。熱気がこもっている。

「もお、ついてるっ♥ ちゃくしょー♥♥ してますよぉおっ♥ あッ♥♥♥ あっ♥ あっ♥ あっ♥ やんっ♥ ううぅうぅんんっ♥♥ イキすぎてえぇ♥♥ しんじゃうぅうっ♥ おねえさんほんとにしんじゃいますからぁあ♥♥ もお、やすみましょうよぉお♥♥」

 ぞくぞくする。おかしい――異様に身体が火照っている。出すたびに体温が上昇している。

 陽根が硬く反り返っている。欲望が際限なくいや増している。自制できる気がしない。

「悪い、おねえさん、ですね。自分から、猟民を、襲っておいたくせに、自分だけよがって、愉しんで、それはない、でしょう?」

「あ゙っ♥ あ゙――っ♥ ――っ♥♥ ごめ゙……っ♥ なさ……っ♥ ごめん、なさぁあい……っ♥♥ 角なしのくせにぃっ♥♥ りょおちょおさまにっ♥ なまいきなこと言ってぇっ♥ ごめんなさあぁあいっ♥♥♥ っぐぅうっ!?♥♥ イッぐイッぐ♥♥ イッでるぅっ♥♥」

「謝りながら、気をやってるの、ですか。本当に、反省する気、ありますか?」

「だ、ってぇ♥ りょおちょおさまのおちんちんっ♥♥ おっきくてえぇっ♥♥ たくましくってえっ♥♥ ずっと、ぱんぱん♥ ごんごん♥ おねえさんのっ、弱いとこばっかり♥ しっかり狙ってきて♥ ねちねち♥ 突いてくるんだもぉんっ♥♥ こんなのぉっ♥♥ 角なしがっ♥♥ 勝てるわけっ♥♥ ないんだもぉんっ♥♥ あッ!?♥♥ あ、あ、あ♥♥ うそ♥ またイッちゃ♥ イっく♥ イっく♥ イっく♥ ――っ♥♥♥」

 ヘルマが歓喜に鳴く。下半身を完全に脱力させる。結合が解かれる。寝台に沈む。

 征服感が増大する。「ふゥ……未成月に、手を出してしまうような、悪いおねえさんには、きっつーいおしおきを、しなければなりませんね」ますます征服したくなる。

 外性器で温柔な尻たぶを掻き分ける。ぐずぐずの膣を穿つ。

「ふわあああぁぁあ♥♥♥」のしかかり、完全に固定する。執拗に弱点を擦りまくる。「あーっ♥ あーっ♥ あーっ♥」最奥を押し潰したまま、体重をかける。「ンお゙っほぉぉォッ♥♥ お――っ♥♥ おぉぉ――っ♥♥ ま゙っ♥ ま゙っれ゙♥♥ それ゙♥♥ っぐ♥♥ いっぎ♥♥ お゙り゙てこれ゙な゙っ♥♥」淫蕩な懇願。

 腹の下で跳ねまくるヘルマを抑え込む。湿った髪のなかに鼻面をうずめる。頭皮の匂いを嗅ぐ。かぐわしい汗の匂いを嗅ぐ。肺を満たす。

 それは、ヘルマが達するたびに濃くなる。濃くなるたびに、剛直が巨大化する。もっと嗅ぎたくて子宮を圧迫する。

 息も絶え絶えに。「――っれ゙、ま゙っれ゙……♥♥ りょ、ちょ、さま……♥♥ むり……♥ しぬ……♥ くるう……♥♥ ――っ♥♥ ――っ♥」

「まだまだ、だめですよ。これはおしおきなんですから」

「――っ♥ ――っ♥ ――っ♥」

「ちゃんと、ヘルマが、反省したことが、わかるまでは、つづけますよ」

 悦びのあまり泣きじゃくりはじめる。「しましたぁ……♥ はんせぇ……♥ しましたからぁ……♥ もぉ……♥ ちょぉしにのったり……♥ しませんからぁ……♥ りょおちょおさまの、おちんちんの……♥ いうことぉ……♥ ききますからぁ……♥ りょおちょおさまの、おちんちんに……♥ ふくじゅぅ……♥ しますからぁ……♥ これいじょぉ……♥ おまんこしあわせにしないでくださぁあい……♥ しんじゃいますよぉぅ……♥」あられもない誓いを立てる。

「よく、できました。では……、次は、ごほうび、ですね」

「ふぇ……っ!? おおぉおォォおおンッ♥♥♥ おおぉおっほおぉおっ♥♥」

「ヘルマは、好きでしたよね、こうやって、奥をこねくりまわされて」

「それえぇえっ♥♥♥ む、っりぃいぃい♥♥ やあぁああんっ♥♥」

「子宮を、いい子いい子って、ねっとり愛でられるのが」

「――っ♥♥ ――っ♥♥ ――っ♥♥」

 真っ赤になった耳をかじる。ねぶる。舌をねじ込む。

 囁く。「反省できた素直ないい子には、特別なごほうびをあげましょう。さァ、ヘルマ、どうぞ……孕んでくださいな」最奥で射精する。都合、五度目。

「――っ♥♥♥ ――っ♥♥♥ ――っ♥♥♥」

 ヘルマがひときわ大きく身震いする。陽根が締め上げられる。膣が緩む。脱力する。尿の匂いがする。失禁している。

 ヘルマを仰向けにする。失神している。挿入し直す。

「ぅはああああァぁぁ――っ♥♥」ヘルマがよがりながら覚醒する。

 顔は緩みきっている。焦点は合っていない。すさまじい痴態。ぞくぞくする。

 覆いかぶさる。肌を重ねあわせる。より多くの面積で触れあおうとする。

「くっふぅうう――ッ♥♥♥」ヘルマが断続的に絶頂を極める。絶頂するたび、無意識に甘えるようにくちづけをせがんでくる。「んむ……♥ ちゅ……っ♥」

 舌を絡めまくる。体液を交換しつくす。

 朦朧としてくる。自分とヘルマの身体と意識の境界が曖昧になってくる。交尾しまくる。種付けしまくる。のべつまくなし。

 記憶が飛ぶ。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。