TS憑依して美少女になったので、エッチな日常を満喫する。 作:宇治金時正宗
時は少し遡って6月中旬。
蒸し暑い剣道場に掛け声が響き、稽古に皆、精を出していた。だが、そこにある一人の少年の姿はない。
それは、以前に梓沙の剣道着で自慰行為をしていた少年であった。ずばり言うと、少年はある目的のためにわざと遅れてきたのだ。
「はぁはぁ……吉祥院ちゃんの制服どこかな〜」
誰もいない女子ロッカールームへと少年は吸い込まれるようにして入っていく。その足取りから迷いは一切感じられない。
少年は知っているのだ。この時間ならば誰にもバレずに侵入できることを。
少年の目的は、盗難──なんかではなく、梓沙の制服だった。
院梓が入部すると聞いた時から少年は、エッチな体験ができるチャンスだと考えていた。
普通なら、平凡な自分とは一生関わることがないであろう程の美少女、吉祥院梓沙。すれ違った誰もが振り返るような容姿に加え、育ちの良さが滲み出る立ち振る舞い。おまけに勉強もできるとの噂も少年の所にまで届いている。
同じ部活の部員という立場を活かした機会を逃すわけにはいかなかった。
6畳ほどしかない女子更衣室から梓沙の使っているロッカーを探し出すのは造作もないことだった。
少年は、ロッカーの中の綺麗に畳まれた制服を見つけた。
「お、後輩ちゃん──吉祥院ちゃんって結構几帳面だよな」
薄手の白い生地の夏用のセーラー。その上に畳んで置かれた、しっかりとプリーツのかかった紺のスカート。
つい20分前まで梓沙が身につけていた制服だ。
少年にとって、梓沙は、自分のことを「先輩」と呼んで慕ってくれる可愛い後輩。
普通なら異性の先輩に対して少し距離をとるものだろうが、梓沙はそんなことはなかった。少年が下心をもって、素振り中に竹刀を握る梓沙の手を後ろから握って指導しても、「ありがとうございます」と嫌そうな顔ひとつせず礼を言っていた。
だから、そういった礼儀正しく、真面目に稽古に取り組む梓沙の姿から、少年は勘違いしてしまったのだ。
まだ男の欲望を知らない純粋な子だと。
少年はスカートを手に取り目の前に広げる。丈を短くするために折ったそれは、案外小さく見え、パンツとお尻を隠すのには頼りなく少年の目に映った。
──この布たった一枚が、吉祥院ちゃんのパンツを隔ててるんだよな
「すうっ──」
少年は手に持ったスカートを鼻に押し当てる。誰もいないこの空間で遠慮は必要ない。
「──最高」
フローラルな柔軟剤の香りに混じったわずかな汗の匂い。美少女でも自分と同じように汗をかき、臭うんだという事実が少年を興奮させる。
この時点で既に少年のペニスは勃起していた。
スカートを鼻から離した少年は、スカートのポケットに何かが入っていることに気づく。
外から触った手触りはつるりとした角ばった小さな箱。大きさは手のひらより2回りは小さい。
──コンタクトの箱……?
梓沙ちゃんてコンタクトしてたっけ、と少年は呟きながらポケットに手を入れた。
「コンタクト……じゃない」
ポケットから出てきたのは、黒い箱。未開封だ。表面には白い門司で英語が印字されており、怪しさしが漂うものだった。
少年は、下に日本語が小さく書かれているのを見つける。
「……女性に優しいやわらかさ。ほぼ素肌の触感」
書いてあるのはそれだけ。
だが童貞の少年とはいえ、気づいてしまう。これは、コンドーム──避妊具の入った箱だと。
「う、うそだろ……」
思わす少年の口から、現実から逃避する言葉が漏れる。目の前の事実を認めたくなかった。剣道部のアイドル、吉祥院梓沙がコンドームを持ち歩いているなんて。
──吉祥院ちゃんがそんなわけ……。さすがに誰かのイタズラだよ、な?
誰かがイタズラでポケットにこの箱を入れたんじゃないか、と希望的観測を少年は考える。梓沙の可愛さに嫉妬した人物がやったことなんじゃないかと。
だが、あくまでもそれは少年の希望。真実はわからないが、少年の最初の予想が当たっている確率は高い。
「嘘であってくれ……吉祥院ちゃんはまだ高一。そんなことする子じゃ……!」
少年はコンドームの箱をポケットに戻し、再びプリーツスカートを鼻にあてる。
あんな美少女だって一人の人間で一人の女の子。性欲があるのかもしれないし、彼氏がいてもおかしくない。いや、あれだけ可愛いのだから彼氏がいない方がおかしいか、と悔しくも納得してしまう。
少年は、空いた右手で己の陰茎を擦り上げる。オカズは梓沙の性行為の妄想と微かな汗の匂い。
自分以外の男と性行為をする想い人を妄想した惨めなオナニー。だが、心は苦しいはずなのに気持ちよくて仕方がなかった。
「あっ──!」
あっと声をあげた時にはもう遅い。
ビュルルと発射された少年の精液は梓沙のスクールバッグに白い斑模様を描いていた。
「あー、やべ。とりあえず拭くか」
出してスッキリした少年はポケットティッシュでバッグを拭う。少年の欲望を煮詰めたように濃厚なそれは粘性が高かった。
──これくらいならバレないか。
結果、少し染みが残ってしまったが、ティッシュで拭けるところまでは拭いた少年は女子更衣室をあとにした。
一週間後、少年は真実を知る。
懲りずに侵入した少年が女子更衣室で見つけたものは、開封された黒い箱と、スカートの内側についた乾いたパリパリのもの──愛液だった。