TS憑依して美少女になったので、エッチな日常を満喫する。 作:宇治金時正宗
学校についた僕は、自分の教室の場所を確認する。1年B組だから……2階の端から2番目の教室だな。廊下を行き交う生徒達が僕のことを見てくるが、これはデフォルトのようなものだろう。周りをきょろきょろと観察しながらゆっくりと教室へ向かう。カップルらしき男女や、ノートを見ながらブツブツと呟きながら歩く女子生徒など色々な子がいた。朝から勉強熱心な子もいるね。
教室の前にたどり着く。あー、緊張する。転校生になった気分。実質、僕の意識としては初登校だから転校生みたいなもんかもしれない。
ガラッ
勢い良くドア開ける。
教室には……20人くらいいるかな? 1クラスが40人程度なのでクラスの半分くらいの人は既に来ているようだ。まずは前世の陽キャみたいに挨拶しなきゃ。勇気を出して挨拶をする。
「みんな、おはよう〜」
シーン──
ええ? みんな挨拶返してくれないの……? 近くにいた女の子は、目を大きく見開いて口をぽかんと開け、また別の男の子は「孤高の天使様が……」とブツブツ呟いている。
やばい、もしかして何か失敗しちゃったかも。このクラスには陽キャみたいな挨拶をする人はいないのかもしれない。なんとかして誤魔化さないと。
「お、おはよう」
「おはようございます……」
「……おはよ」
失態を誤魔化そうとドアのところであたふたしていると、大体の人は、僕の挨拶から数秒遅れて挨拶を返してくれた。なんだ、失敗したかと思っちゃったよ。
朝の挨拶を終えた僕は、自分の席へ向かうことにする。だが、如何せん自分の席がわからない。誰かに聞かないと。
よし、近くに突っ立っているこの眼鏡をかけた少年に声をかけよう。あー、名前は……記憶にないや。梓沙ちゃんとは関わりが薄かったのかも。
「ちょっと、キミ」
「ヒイッ、ぼ、僕何かしちゃいました?」
うわ、この子、めっちゃ怯えてる。僕こそ何かこの子にしちゃったか? 美少女だから怖い要素ないと思うんだけど。筋肉マッチョじゃないんだから。
「何もしてないよ。それより、私の席はどこか教えてくれる?」
「は、はい」
怯える少年に席へ案内してもらう。もしかして梓沙ちゃんとこの子の間に過去に何かあったのかもな。
「ありがとう」
席に着いた僕は笑顔と共にお礼を言う。少年は頬を赤らめ、ペコペコと頭を下げて自分の席へと戻って行った。照れているあたり、完全に怖がられているをわけではないみたい。
僕の席は窓際の列の最後尾。ポジション的には1番落ち着く席なのではないだろうか。冬は寒そうだけど。
クラスメイトの皆が何をしているのかぼんやり眺める。中にはお喋りをしている人もいるが、席に着いて勉強をしている人がほとんどだ。僕の前世の学校よりも偏差値が高い学校とはいえ、こうもみんな勉強してる人が多いとなると、今日はテストがあるのかもしれない。だとするとまずいな。
頭に『ここあちゃん』の顔を思い浮かべ、その人物が来るのをぼんやりと待つ。話しかけてきてくれる人も居ないから暇なんだよな〜。僕の頭に残る梓沙ちゃんの記憶通りなら、『ここあちゃん』は結構可愛い子のはずだ。会えるのが楽しみで仕方がない。
HRが始まる時間が刻一刻と迫る。しかし、『ここあちゃん』は姿を現さない。来てくれないと僕、今日ぼっちになっちゃう……。
「みんな、おっはよ〜」
「おーい、席に着け〜」
教室の前のドアが開くと、1人の少女と担任の男の先生が入ってくる。あ、あの子可愛い。いや、あの子がここあちゃんだ!
直ぐに彼女の所へ行って話しかけたい衝動に駆られて腰が椅子から浮くが、目敏く僕のその行動に気づいたここあちゃんが、目でそれを制する。う〜、HRが始まるから席に着きますよーだ。
──HRで判明したことがある。今日が実力試験の日らしい。
──放課後。
主要3科目の英数国のテストと自分の進学するつもりの文理科目2科目(前世の僕は理系だったので僕の場合は物理・化学)を受けきった。
最後の科目の英語の時点で、もう集中力は途切れており、英文を読んでいる際に昨日の柊斗とのエッチを思い出して1人悶々としてしまい、内容が頭に入ってこなかった。もう、ヘトヘト。
この学校の偏差値は僕の前世の高校よりもずっと高いので、1年分アドバンテージがあるとはいえ、皆に勝てている気はほぼない。クラスでビリだったらどうしよう……。
机に突っ伏していると肩を誰かに叩かれる。学校に来てから誰かと接触するのは、あの少年以を除くとこれが初めて。昼休みにここあちゃんに話しかけようと思ってたんだけど、昨日の1日に3回ものオナニーと、割と難しい実力試験による精神的疲労で昼休みは爆睡しちゃったのだ。
首をもたげ、顔を上げる。僕の前にたっていたのは──
「こ、こ、ここあちゃん?」
「なによ、梓沙ちゃん、ニワトリにでもなっちゃったの? うちのクラスに『ここあ』は私だけでしょ?」
──ここあちゃんだった。僕の記憶の中の『ここあちゃん』と顔と名前が一致する。記憶にあるとおり、ふわっとした可愛らしい雰囲気を醸している。
「それより今日、本当に大丈夫? 梓沙ちゃん、学校で寝ちゃったの初めてでしょ? 具合悪い?」
「あはは、そんな事ないよ。昨日寝るのが遅かったのと、テストが難しくて……」
「そっかぁー。私にとってもテスト難しかったけど、梓沙ちゃんなら余裕だと思うけどな〜。私と違って梓沙ちゃんは頭いいもんね」
え? 梓沙ちゃん、頭良かったの? いや、偏差値高めのこの学校に通ってる時点で頭はそこそこいいだろうとは思っていたけど、カレーにこんにゃくとか混ぜてるくらいだからねぇ……?
「え、私そんなに頭いいの?」
「なに〜、嫌味言ってんの? 入学試験2位だったんでしょ? 私なんか、補欠入学だったし、未だになんで合格したかわかんないよ。 まあ、とりあえず一緒に帰ろ!」
ええ……。梓沙ちゃんが頭良かったせいで僕の今後ハードルが高いよぉ。重圧で死にそう。勉強どうにかして頑張らないと。荷物をまとめ、帰る支度をして教室を出る。
ここあちゃんの名前の漢字が気になり、帰り道で聞いてみた。
「え!? 今まで私の名前の漢字知らなかったの? やっぱり梓沙ちゃんって抜けてるよねー。心に愛で『ここあ』だよ!」
と言ってコロコロと笑って教えてくれた。心愛ちゃんの笑い方は、朝顔がぱっと咲いているようで聞いていて心地いい。あと、この子はツッコミ属性なのかもしれない。
薄々感じていたことを聞いてみる。
前々から思っていたけど、明らかに僕が名前を覚えている人が少ないし、LINEの友達も心愛ちゃんしかいないから梓沙ちゃんは友達が少ないんだ思う。
「私って……友達少ないよね? 」
「あ〜、そのこと、気にしてたんだ。てっきり、友達なんか少なくてもいいやって思ってるんだと思ってたよ。んーと、梓沙ちゃん、梓沙ちゃんの渾名って知ってる?」
「え、知らない……。あ! もしかして『孤高の天使』っやつ!?」
「うん、それそれ。梓沙ちゃん、いつもツンツンしてるからみんなちょっと距離置いてるんだよね」
やっぱり僕の渾名だったんだ。『孤高』というと、気高くて一匹狼みたいなことだよね? 梓沙ちゃん、ポンコツなのに学校ではツンツンしてたのか。プライドが高かったのかなあ。
「ねえ、なんでツンツンな私と心愛ちゃんは仲良くしてるの?」
「私もね、最初は梓沙ちゃんと距離とってたんだよ。梓沙ちゃんこんなに可愛いから話しかけたかったんだけどさ、私には近寄らないで、みたいな雰囲気出してるから近寄りがたかったんだよ。
でもね、私、梓沙ちゃんが公園に入ってくから、何するのかなーって後ろつけてみたんだよ。そしたら公園で梓沙ちゃんが猫と戯れてて、それを見てキュンてしちゃったんだよね〜
その時にわかったんだけど、梓沙ちゃんはツンツンしてるけれど、本当は不器用な子で、女の子らしい側面もちゃんとあるんだなって。容姿端麗才色兼備で私なんかよりずっと上の存在だと思ってた梓沙ちゃんも普通の女の子だってわかったらさ、仲良くなりたいなって思っちゃって。んで、勇気を出して話しかけたら友達になれたって感じ。
何、私言ってんだろ。恥ずかしいな……」
プライドは高いくせに不器用な梓沙ちゃんに声をかけて友達になってくれた心愛ちゃん。
僕は、前世で中学の時は友達はいたのだが、高校になってからは、たまに話すオタクくんを除いて誰1人いなかった。その中学の時の友達とも高校に入ってからは連絡をとることもなかった。今となって振り返ると、別に後悔はしてないが、その日その日でゲームをして遊んでバカ騒ぎするだけの薄っぺらい友情だったのかもしれない。
心愛ちゃんは、梓沙ちゃんと仲良くなりたいきっかけが梓沙ちゃんの容姿だったとしても、友達になってからは僕自身の中身を見てくれていると思う。そのことがただただ嬉しいかった。久しぶりに持つ友達は、僕が考えていた以上にありがたい存在に感じれれた。
梓沙ちゃんのことを大事に思ってくれた心愛ちゃんの気持ちを裏切ることがないように、僕も誠実に彼女に向き合っていきたい。
「ありがとう、ありがとう……。大好きだよ、心愛ちゃん」
気づけば、目から涙がこぼれ落ちていた。これからもずっと心愛ちゃんと仲良くしていきたいと心から思えた。
僕が泣きながら歩いている間、心愛ちゃんは背中を撫でていてくれた。
家に帰ったあと、教科書と4月の間に梓沙ちゃんがとったノートを机に広げてみる。頭がいいだけあって、ノートはとても良く纏まっていて見やすい。昔から僕は、字だけは上手かったので字についてはなんとかなると思う。ノートのとり方は梓沙ちゃんの真似をしなくちゃ。
少しでも中間試験までに成績をあげようと思い、シャーペンを手に取り、数学の教科書の問題を復習がてら解く。
「ん──! 疲れたぁー」
就寝時間になったので布団に入る。
勉強を久しぶりに真面目にやってみた感触として、まず、このままではヤバそう。今は1年分のリードがあるが、今まで中学の時も碌に勉強してこなかったので、だいぶガタがきている。
勉強得意な人に教えてもらいたいな……。心愛ちゃんは勉強面では頼りにならなそうだから勉強できる人を紹介してもらってその人に頼みこもう。
その後は、お風呂で自撮りした全裸の自分の写真をオカズにしてオナニーして寝た。
──翌日。
心愛ちゃんに勉強がクラスで1番出来る子を教えてもらい、昼休みにその子を校舎裏へ呼び出す。心愛ちゃんには怪しまれたが、「勉強の事で相談があるの」と言ったら、「あ〜、私にはついていけなそうな高度な話するのね、おっけー」と言っていたので上手く誤魔化せたと思う。心愛ちゃんには僕が勉強出来ないことは隠しておきたい。なにより、せっかく友達になってくれた彼女に落胆されるのが嫌だった。
校舎裏には既に待ち合わせをした少年──昨日、僕の席を教えてくれた子が来ていた。
ちなみに彼の名前は、平野
「え、えっと……、吉祥院さん、なんで僕を呼び出し……」
「平野くん、お願い致します! 今度1日勉強を教えてください!」
ガバッと頭を下げて頼み込む。彼にも彼の時間があるだろうし、今まで碌に話したこともない女に1日勉強教えろなんて言われても嫌だろう。僕にできるのは、誠心誠意頼み込むことだけだ。
「え、でも、どうして……」
「お願い! 何でも1つお願い聞くから!」
何としてでもここで約束を取り付けなきゃ。僕に勉強を教えてくれる人の伝手は、今の僕には彼以外にいない。
「別に全然いいんだけど。そんなにかしこまらなくても……」
「え。やったぁ!」
思わずガッツポーズしてしまう。「忙しいからな……」などと1度は断わられることを予想していただけに思ったよりすんなり彼から了解が出て拍子抜けしちゃった。
OKを出して貰えたことがとにかく今は嬉しい。これを機に頑張って成績上げよう。
LINEの交換をしてこの場は別れた。
──この時の僕は、いかにも草食系男子の平野くんと後々肉体関係になるとは思っていなかった。
次話は、平野くんとエッチします。クンニくらいまでいけたらな……って思います。