※この作品はR-18です。

屍人の治める国   作:萌矢氏

2 / 2

 性癖で記憶を呼び戻して執筆をする。



 つまりちんひつイヤなんでもないデス忘れてくださ


醒めない夢 冷めた夢

 

 俺には夢があった。

 男ならきっと誰もが願ったことがあるんじゃなかろうか。

 大金持ちになりたい。そして、好きなことだけやってたい! なんて人生の夢を。

 

 俺は馬鹿だったから、小さな頃に心に灯したこの夢の火を、いつまでもいつまでも燃やし続けていた。

 そして高校卒業後、その足で本(・)部(・)へ向かった。

 

 そこは、俺みたいに夢を忘れられなかった阿呆な奴らが集まる場所。

 探検し、調査し、時に戦い、秘められた財を求まんとする馬鹿野郎ども。

 必要なチップは自らの命1つで充分、他は野暮ってなもので。

 命がけの宝くじに挑む彼らを、誰が呼んだか死にたがり。

 

 

 否。

 

 命知らずの馬鹿野郎どもを、我々は「冒険者」と呼ぶ────。

 

 

 冒険者本部の扉を開く。

 途端に中にいた全員がこちらを向いて、ゲラゲラと笑い始めた。

 それを無視して直進、受付らしきところへ向かう。

 

「冒険者本部へようこそ。本日はどのようなご用件で?」

「登録だ」

 

 

 そう答えたところ、さっきまで喧騒に満ちていた空間が静まり帰った。

 が、すぐに大爆笑の嵐に包まれる。

 

「がははは! そのちっこいのが冒険者やろうってのかあ!? 帰ってママのおっぱいでもしゃぶってな!」

「それともなんだー? まさかここがどっか別の場所と間違えて入っちまったのかあ〜?? 迷子ちゃ〜んママが探してまちゅよ〜ぎゃははははは!!」

 

 

「登録がしたい」

 

 俺は一切無視して話を進める。

 

「あっはい。

 登録にはまず、こちらの書類をよく読んで頂き、最後のページ下部にある記入欄に、お名前と血液で指紋を押印していただき、最後に登録料10万円を現金一括でお預かりいただければ完了となります」

 

 相手も仕事なので、しっかりと対応してくれた。

 俺は中身を見ずに記入欄に諸々を加え、アルバイトで貯めた10万円を突き出した。

 

「あ、あの! 書類はしっかり読んでいただかないと」

「面倒だ、とにかくこれで申請は完了でいいんだな?」

「ダメです! 必ず後悔します! 書類の確認を」

「さっき言われた条件はすべて満たしただろうが!!」

「っ…………。本当に、よろしいんですね?」

「さっきからそう言ってんだろ」

「やり直しは、できませんよ?」

「うるせえなあ! 良いっつってんだろ!!」

「…………申請を受領しました。こちらが冒険者であることを示すカードです。無くさぬようご注意を」

 

 

 俺はそれを引ったくるように受け取ると、さっそく本部内を物色した。

 

 

 なぜか、さっきまで絡んで来ていた連中はすべて黙り込んでいた。ごちゃごちゃ言われるのも煩わしいので助かる。

 

 

 すぐに見つけた。近場で金になりそうな場所の調査依頼。

 

「これにする」

「ッ! これはダメです!」

「あ? 規約でもあんのか?」

「いえ、契約上問題はないのですが……でもダメです!!」

「ふざけんな! 問題ないんだろうが!!!」

 

 なんなんだこいつ……。苛立ちすぎて思わず手が出そうになる。

 

が、

 

「まーまーその辺にしとけ兄ちゃん。ほれ嬢ちゃんも受理してやれよ」

「えっでも……」

「まあまあ」

 

 そう言って、さっき挑発してきた男が依頼書を俺に渡してきた。

 

「初仕事だろ? 頑張れよ」

 

 そのまま肩をバシバシ叩いてきて、店から出された。

 ……さっきまで挑発していた奴とは思えないほどにナイスアシストだった。俺が有名になったらあいつをチームに入れてやってもいいかもしれない。

 

 とにかくこいつを片付けるか。俺の夢のために。

 

 

 

 

 

 

 

 

「良いんですか? 彼をあんな依頼に」

「後ろから聞いてたよ。あいつは一番駄目なパターンだった」

「え?」

「全能感に包まれてる、って言えば分かるか? あいつのやることなすことすべてが上手くいくと思っていて、それをカケラも疑っちゃいない」

 

「俺は最強だ。俺は無敵だ。その辺の奴らとは違う。俺が上で、他は下。君臨する王は俺ただ一人。そーんなカミサマ気取りの奴は珍しくない」

 

「さっきみてーにまともに冒険者やるなら必ず読まなきゃならねえ書類に見向きもせず、条件無視して金になる依頼を受ける」

 

「そして、二度と帰ってこない。ここにも、街にも、この世にもな」

 

「よくいる馬鹿だ。ま、その選別兼ねて俺らがこうしてるわけよ」

「え? あれ? ということはさっきの挑発も」

「当然仕込みだ。ここに来てから、ここを出るまで。その間に見込みのありそうな奴だけしっかり冒険者のなんたるかを仕込む。他は、捨てる」

「捨てるって…!」

「あーわりぃ、言い方間違えた。捨てるってのはさっきみてーなことじゃなくて、冒険者じゃない真っ当な道を歩ませるようにすんのさ」

「そ、そういうことですか……驚かせないでくださいっ」

「口調と言い方が悪いのは勘弁してくれや。もう染み付いて取れねえ」

 

 

 

 

 

 おかしい! こんな、こんなはずではなかった!

 依頼なんざさっさと終わらせて、俺は金持ちにっ……!

 おかしい、おかしいおかしいおかしいおかしいいい!!!

 

 

 「いやだあ! 俺は、まだ、死に、た、く

 

 

 ガブリ。ぐちゃぐちゃぐちゃ………………

 





 あれ、導入が長い……?

 ま、いっか。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。